※2025年3月23日更新:最新の情勢に合わせて内容を見直しました。
こんにちは!LaBoon!!編集長の鈴木朝臣です。
LaBoon!!では2015年から市場の全体の流れをウォッチしながら、カーアクセサリーのレビュー・解説記事を掲載しています。
アフターパーツのカーナビ市場のここ数年の流れは、CarPlay・Androido Autoの普及と自動車メーカーによる車載システムへのこれらの組み込みの推進により、急激に市場規模が縮小しています。
一方でアフターパーツのカーナビメーカーも、CarPlay・Androido Autoを組み込んだカーナビやディスプレイオーディオの構成を上げるとともに、旧来のCD/DVDドライブを外したシンプルモデルのカーナビを新たに展開するなどの取り組みを行っており、ユーザーから見れば選択肢が増えていると言うメリットもあります。
※ここ数年の円安の影響で価格が上がっているのが痛いところ
そこでこの記事では、アフターパーツのカーナビの購入を検討している方向けに代替の選択肢の提示をしつつ、目的に合わせたおすすめの製品をご紹介します。
まずはディスプレイオーディオの是非を考えてみよう
現在、カーナビの購入を検討しているユーザーの中には、従来型のナビソフトを積んだオーディオユニットを「カーナビ」と捉える方が多いと考えられます。(特に40代以上では)
逆にそれよりも下の年齢層になると、CarPlayやAndroid Audioに対応した”スマホナビアプリの使用を前提とするディスプレイオーディオ”を「カーナビ」と呼ぶケースも多いでしょうし、今後はこのような考え方をする方が、不可逆的に増える事かと思います。
これからカーナビを購入しようとしているユーザーは、まずは次のポイントについて自分の考えを整理しておいて下さい。
・ナビソフトはナビメーカー製が良い、場合によってはアプリも使いたい
・音楽再生はCDやUSB、スマホのストレージを使いたい
・動画は地デジやDVDで視聴したい
エントリー~スタンダードグレード
ここ2~3年で各社とも基本設計が古いエントリーナビは淘汰され、新しい規格に移行している為、現行のエントリーナビは一昔前のアッパーミドル~ハイエンドモデルに相当する機能・性能となっています。
これらの製品の基本構成は概ね以下の通りとなります。
・CD/DVD
・Bluetooth
・USB
・SD
・VICS WIDE
・ETC2.0対応
因みに一昔前のエントリーナビは、4~6万円円台の価格帯で推移していましたが、現在では機能的な底上げと円安の影響で価格が上昇中です。
これらのメディアフル対応のエントリーナビは、パイオニア・ケンウッド・パナソニックから販売継続されています。
パナソニック
パナソニックのエントリーグレードは「CN-HA02D/CN-HA02WD」の1ラインになります。
メディア対応は以下の通り、HDMIには非対応。
・CD/DVD
・Bluetooth
・USB
・SD
・VICS WIDE
・ETC2.0対応
価格は8万円台と、もはやエントリーとは呼べないレンジですね(-_-;)
なお、パナソニックはこのグレードから光学ドライブを外したシンプル構成モデルを「CN-CA01D/CN-CA01WD」「CN-CE01D/CN-CE01WD」の2ラインで展開しており、これらは機能面では同等、CA系のみ無料の地図更新期間が3年間となります。
・Bluetooth
・USB
・SD
・VICS WIDE
・ETC2.0対応
このグレードは業界では珍しく、低価格帯でCarPlay・Androido Autoに対応していますので、安価にナビソフト+CarPlay・Androido Auto対応モデルを手に入れたいのであれば、一択になるかも知れません。
ただし、パナソニックのこのグレードは、感圧式タッチパネルですので、スマホの静電式に慣れてしまっている人は違和感を感じる恐れもあります。
また、パイオニア・ケンウッドはMapFANでの安価な地図更新に対応していますが、パナソニックは非対応ですので、ランニングコストの面でも他社に後れを取ります。
ケンウッド
ケンウッドのエントリーグレードは「MDR-L612/MDR-L612W」の1ラインになります。
こちらはCD/DVDなどの光学ドライブを外した構成で、HDMI入力に対応しています。
・Bluetooth
・USB
・SD
・HDMI入力
・VICS WIDE
・ETC2.0対応
前、私が使用していた10年前のハイエンドモデルである「MDV-Z702」が、これに光学ドライブを付け足したような構成で、当時の実勢価格は95,000円でしたので、それを考慮すると妥当な価格帯なのかも知れませんが、最近は安価なディスプレイオーディオが主流となりつつありますので、やや割高な感はあります。
パイオニア楽ナビ
パイオニアは他社に先んじてディスプレイオーディオを展開し、カーナビでもAV機能をスマホに依存する事を前提にしたシンプルモデル「AVIC-RZ121/RW121」を販売しています。
メディア対応状況はこちらの通り。
・USB
・HDMI入力
・VICS WIDE
・ETC2.0対応
光学ドライブだけでなく、フルセグまで外したシンプル構成で、現時点ではケンウッドのエントリーモデルよりも1万円程度安くなっていますので、価格重視でエントリ―ナビを選ぶのであれば、「AVIC-RZ121/RW121」を初めに検討されると良いかと思います。
これらに地デジを追加したモデルとしては、「VIC-RZ521/RW521/RL521」が挙げられます。
・Bluetooth
・USB
・HDMI入力
・HDMI出力
・VICS WIDE
・ETC2.0対応
こちらはフルセグとHDMI出力までサポートされており、価格に関しても7型モデルでは6万円台半ばとなっていますので、地デジまで必要と言う方はこのグレードがおすすめです。
※2025年の春時点では、最もトータルコスパに優れていると思われます。
なお、このグレードには9型フローティングディスプレイの「AVIC-RF721」も存在していますが、機能的にはエントリーではあるものの、価格帯は10万円を超えています。
また、このモデルにはネットワークスティックと回線使用料が含まれた「AVIC-RF721-DC」が存在します。
アッパーミドルグレード
エントリー~スタンダードグレードでは光学ドライブや地デジなどのスマホとの親和性が低いメディアがカットされていますが、アッパーミドル以上のグレードはフルメディア対応となります。
ケンウッド
ケンウッドのアッパーミドルグレードは、ディスプレイのタイプ別に以下の4型番が当てられています。
機能構成としては、従来型のナビとしては全部アリ+ハイレゾとHDMI入力対応と言った形になります。
・フルセグ
・ハイレゾ
・Bluetooth/USB/SD
・VICS WIDE
・HDMI入力
・地図更新1年無料
AV機能に関してはフルメディア対応ですが、上位のMシリーズとは異なり、ハイレゾのBluetooth再生で音質を劣化させないLDACには非対応、HDMI出力ポートもありません。
パイオニア楽ナビ
楽ナビのアッパーミドルグレードは、ディスプレイのタイプとネットワークスティックの有無で以下の6型番が当てられています。
機能構成としては、従来型のナビとしては全部アリ+ハイレゾとHDMI入力対応と言った形になります。
・フルセグ
・ハイレゾ
・Bluetooth/USB/SD
・VICS WIDE
・HDMI入力
・HDMI出力
・地図更新1年無料
価格帯的はケンウッド同様に7型モデルで8万円スタートですので、時価を比較しながらケンウッドモデルと比較検討すると良いでしょう。
ハイエンドナビ
最近はメーカーによって最上位モデルのコンセプトが変わっていますので、何を以ってハイエンドと位置付けるのかが難しいですが、ここではメーカー独自の機能があるものをハイエンドと位置付けます。
アルパイン
アルパインのカーナビは車種専用モデルが多く、特定の車種から適合モデルを探すユーザーを想定している為、全体の商品構成が極めて把握しにくいメーカーですが、2025年時点ではこのようなラインナップとなっています。
・8型/9型インダッシュ:光学ドライブ&SDなし、取付キットOP
・10型/11型インダッシュ:フルメディア、取付キット込
・10型/11型インダッシュ:光学ドライブ&SDなし、取付キット込
・11型フローティング:フルメディア、取付キットOP
・車種専用11型インダッシュ:フルメディア、取付キット込
・車種専用11型インダッシュ:光学ドライブ&SDなし、取付キット込
メディア対応に関しては、原則としてはフルメディアですが、2025年から光学ドライブ&SDなしのグレードも並列で販売されています。
大画面モデルが多い為、価格帯もかなりアッパーです。
9型のシンプルモデルであってもこの価格帯なので、特にアルパイン製にこだわりが無いようであれば他社製品をおすすめします。
ケンウッド
ケンウッドの最上位モデルは9型インダッシュの「MDV-M911HDL」、9型フローティングの「MDV-M911HDF」が該当します。
機能構成はいわゆる全部アリにCarPlay/Androido Auto(いずれもワイヤレス)を追加した以下構成となります。
・Androido Auto(ワイヤレス)
・CD/DVD
・フルセグ
・ハイレゾ
・Bluetooth/USB/SD
・LDAC(ハイレゾのBluetooth再生で音質を劣化させない)
・VICS WIDE
・HDMI入力
・地図更新1年無料
最上位モデルだけあって、価格もかなり高めに推移しています。
※他社もCarPlay/Androido Auto対応モデルはハイエンド扱いが多く、全体的に高めです。
パナソニック
パナソニックのアッパーミドル、ハイエンドグレードは、フローティングのディスプレイのCN-「F1X10C1D」「CN-F1D9C1D」の2機種となります。
※「F1X10C1D」が10型有機EL、「CN-F1D9C1D」は9型液晶
この2機種ともレコーダーリンクと呼ばれる以下機能を搭載しています。
その他、特筆すべき点は、時流に合わせて有線接続のCarPlay/Android Autoが実装され、光学ドライブ(CD/DVD/ブルーレイ)が廃止となった点でしょうか。
価格帯的にはアルパインに近く、ケンウッドの同グレードの製品が安く感じてしまうほどです(-_-;)
CarPlay/Android Autoが必須でレコーダーリンクにこだわりが無ければ、ケンウッド製品を選んだ方が良いでしょう。
パイオニアサイバーナビ
パイオニアのサイバーナビは、グレードそのものがハイエンド扱いとなっており、ドコモの専用WiFiアクセスポイントを使用してカーナビ自体が高速インターネット通信を使用できるだけでなく、スマホなどのガジェット類もWiFiアクセスポイントに接続が可能、車載WiFi機能が一体化したカーナビである点が特徴的なシリーズです。
また、家庭内のWiFiネットワーク経由で、レコーダーのストレージに保存されている動画をストリーミング再生する事も可能となっています。
2024~2025年モデルのサイバーナビは、7~9型ディスプレイでの展開になり、それぞれネットワークありのモデル、なしのモデルが存在します。
WiFiルーター | 液晶 | |
---|---|---|
AVIC-CZ912Ⅳ | OP | 7型180W |
AVIC-CZ912Ⅳ-DC | 付属 | |
AVIC-CW912Ⅳ | OP | 7型200W |
AVIC-CW912Ⅳ-DC | 付属 | |
AVIC-CL912Ⅳ | OP | 8型 |
AVIC-CL912Ⅳ-DC | 付属 | |
AVIC-CQ912Ⅳ | OP | 9型 |
AVIC-CQ912Ⅳ-DC | 付属 |
※機能面ではどれも共通
以下7型モデルの一例ですが、他社の製品も価格が上昇傾向にある為、特別に高いとは言えなくなりました。
おそらく、サイバーナビの場合には指名買いのユーザーが多い様に思いますので、他社製品との比較はあまり意味がないかも知れませんね。
まとめ
以上、最新の情勢に合わせて2025年モデルの各社のカーナビをご紹介しました。
繰り返しになりますが、カーナビソフトを搭載しないディスプレイオーディオも、一度使い出すと不便は感じませんので、高いコストを掛けてカーナビを購入する前に一度検討してみて下さい。

コメント
独りよがりな使い勝手の悪いカーナビゲーション
色使いのお粗末さ、反応の悪さ
それに必要も無いハードデイスクの搭載、ただ機器単価を上げるだけ見かけ上のスペックをよく見せるだけ
スマートホンアプリのいかに進んでいるか見直したら如何
これをどう生かすかを考えるべきでは
Mori ichirou様
ユーザーにとって理想なのはカーナビメーカー主導による、スマホやタブレットアプリの開発ですね。
通信量の問題もありますが、この部分がクリア出来たらオーディオユニットだけで済みます。
タブレットとパネルの形状の問題もありますが、一般的なタブレットが違和感なく収まるタブレットホルダー付きのオーディオユニットと日々アップデートするアプリの方がどう考えても優秀になると思いますね…と言うかそういうのがあれば欲しいです。
現在ナビ選定中で、大いに記事を参考にさせてもらっています。
メーカーに問い合わせたところ、楽ナビRW511系はETC連動しないとのことで、記事に修正が必要かと思います。
一番気に入ってた構成で第一選択にしていましたが、今時ETC履歴が見られないのはイマイチですね…
夜でもひるま様
ご指摘ありがとうございます。
500系は非対応なんですね。
ETC2.0への対応状況はこちらの記事へのリンクを入れる形で、そこか個別のETC2.0車載機種の項目でメーカーの適合情報に飛ばしています。
https://car-accessory-news.com/etc-unit/#ETC20-7
念のため、パイオニアのETC2.0車載機の各製品の適合を確認した後、リンクを削除します。
高速道路を長距離走るのでVICS情報が
大事です
PAとSAの情報がしっかりしてるかも大事
休憩中は地デジが見たい
目的地が地方の山奥
以上の理由から
ケンウッドのナビを使ってます
まだ地方に行けば
高速道路上でさえ電波の無い所あり
アプリでは対応できません
おおおじさん様
おそらく、LaBoon!!の大半のユーザー層は40代以上の男性なので既存ナビ推しですよね。
この記事はターゲットとなる読者層を少しずらして書いてます。(20~30代の女性の方からまっさらな状態からご質問を頂いた関係で、
・PAとSAの情報がしっかりしてるかも大事
・休憩中は地デジが見たい
その辺りも含めて、ディスプレイオーディオベースで進化していくと良いですね。
現在使っているカーナビが右左折後、どちらに右左折するかを教えてくれないので知らない道を走る時少し怖いんですが、こちらを教えてくれるカーナビはありますか?
sasaisesen様
最近のナビは大抵教えてくると思いますが、個別情報については各社から説明書がアップロードされていますので、そちらをご確認いただけますと幸いです。
○○+説明書で検索すれば大抵ヒットします。
お久しぶりです。
2020年モデル楽ナビRW911のバージョンアップをやっとこさ重い腰を上げてはじめた所
起動しない。どころではなくバージョンアップ中にコケて死んでしまった模様です(ノ∀`)アチャー
なんなんですかね。この中華並のクオリティ
サポートにブチ切れで電話したところ
電話は10回以上トライしてようやく繋がり
取り外し工賃、送料はオーナー持ちとな
Omiさんのケンウッドドラレコのときもそうですが
なんなんですかね。この中華以下のサポートクオリティ
欠陥品売ってんじゃないよ、修理よりカネカエセって感じなんですが
このまま修理ではなく買い替えに行きそうなカンジです。
CDからの録音再生が出来て、有料でも複数年地図更新出来ればいいんで彩速ナビですかね
イクリプスとクラリオンが自社ナビ捨てたのは残念ですねぇ
特にクラリオン…
みる様
パイオニアのナビはバージョンアップ中のトラブルが多いみたいですね。
電話対応を受け付けているメーカーもなかなか繋がらない事が多いですし、アルパインはメールの返信に1ヶ月以上掛かったのでどこもそんなもんなのかと思います。
現状はコスパで考えると彩速ナビですかね。
はじめまして、時々参考にしています
各メーカーのナビorディスプレイオーディオでUSBメモリ、SDの音楽ファイルがギャップレス再生出来る機器を探しています。
数年前のストラーダF1シリーズは取説に出来ると記載されていましたが最近のは不明です。
彩速ナビも10年ほど前のシリーズは対応していると言われていましたが、現在は不明です。
DAP等を繋ぐのは無しで調査、特集をして頂ければと思います。
長文ですいません。
ブルー様
説明書に書かれていないような、このような内容の調査は難しいですね。