※2020年11月26日更新~最新の情勢に合わせて内容を見直しました。
こんにちは!Omiです。
最近は前後2カメラタイプのドライブレコーダーの普及が随分と進んでいますが、スタンダードなのはリアカメラが別体となったセパレートタイプのモデルです。
これらのモデルのリアカメラはあくまでも車外後方を撮影する為のものであり、車内に向けてカメラを設置する事は可能ではあるものの、ある程度以上の明るさがないと夜間は車内側が真っ暗に映ってしまいます。
ドライブレコーダーで車内側の撮影を行う目的は、デンジャラスドライバーの暴力行為の証拠確保や、警察の誤認検挙の抑止であったり、趣味的な使用、または教習所やタクシーなどでの業務使用が考えられますが、この記事ではドラレコで車内撮影を行う方法について、以下の4つの括りでご紹介致します。
①一体型の前後2カメラドラレコ
②セパレートタイプの前後2カメラドラレコ
③後方ナンバー認識能力が最強の3カメラドラレコ
④360°ドラレコ
もくじ(クリック・タップで移動できます)
一体型の前後2カメラドラレコ
車内撮影用のサブカメラを搭載しているドライブレコーダーは、フロントにメインのカメラ、裏側にサブカメラが設置されているものがほとんどです。
中には車内用のサブカメラの向きを上下左右に方向調整する事が可能なモデルもあります。
なお、この手のモデルについてはあくまでも車内の様子を撮影する事が目的となっていますので、ほとんどのモデルはダイナミックレンジはそれほど広くはありません。
その為、サイドガラス・リアガラスから車外を撮影した場合には、昼間の場合には外側が白く潰れてしまいますし、夜間は赤外線搭載のモデルでない限り、車内も車外も真っ暗になる可能性が高くなります。
VANTRUE「N2 Pro」
VANTRUE「N2 Pro」は、前後に200万画素のSONYのイメージセンサーを搭載し、フルハイビジョンの解像度で2カメラ録画を行います。
サブカメラの画質の特徴としては、補正はそれほど強くない為、外側が白飛びし易くなっていますが、赤外線LEDを搭載していますので、夜間の車内はまずまず明るく映ります。

MAXWIN「DVR-D021」
MAXWIN「DVR-D021」は、2019年9月に発売されたハードウェア的には最新のトレンド構成で、フロント・リアカメラに200画素の暗視特化型のSONYのSTARVIS対応のイメージセンサー「IMX307」を搭載し、さらにリアカメラには4灯赤外線LEDを搭載した「N2 Pro」のライバル機です。
「N2 Pro」よりも後発なだけあって、昼間の白飛び・夜間の明るさ・録画視野角などの面で「N2 Pro」を上回る性能となっており、価格もリーズナブルです。

AUTOVOX「Aurora」
AUTOVOXの「Aurora」は、前述のMAXWIN「DVR-D021」と同様に前後カメラに200万画素のSONY夜間特化型イメージセンサー「IMX307」を採用したインナー赤外線モデルです。
画質の特徴は「DVR-D021」と似たような印象ですが、車内側は赤外線LED部分も含めて完全にフラットなデザインとなっており、本体筐体にこだわりと高級感が感じられる点が「DVR-D021」との差別化ポイントです。

YAZACO「X2 Pro」
YAZACOの「X2 Pro」はフロントカメラに500万画素のSTARVISセンサー「IMX335」、インナーカメラに200万画素のSTARVISセンサー「IMX307」を搭載した一体型2カメラドライブレコーダーです。
ただし、2カメラ録画時にはフロントカメラも「1920×1080」のフルハイビジョンの解像度までしか対応していません。
画質の印象はMAXWIN「DVR-D021」、AUTOVOXの「Aurora」と大差ないと言ったところで、500万画素の高解像度が生かされていない感がありますが、マウント一体式で高さの出ないデザインですのでなるべく目立たないように設置したいと言う方におすすめの製品です。

VANTRUE「N2S」
元祖一体型2カメラドラレコVANTRUE「N2」→「N2 Pro」のラインの最新モデルが2020年に発売された「N2S」です。
本機はフロントカメラに500万画素のSTARVISセンサー「IMX335」、インナーカメラに200万画素のSTARVISセンサー「IMX307」を搭載した、このカテゴリーでは最も高いハードウェアスペックを誇る製品です。
本機は未テストではありますが、おそらく3カメラモデルの「N4」のフロント筐体と似たような画質と考えられ、明るさ調整が可能な専用のPCビュワーと合わせて使用する事を考えると現行モデルの本命と思われます。

セパレートタイプの前後2カメラドラレコ
最近までは車内撮影用のカメラと言うのは、基本的に教習所やタクシーなどのクレーム対応、防犯目的で使用されている事が多かった為、個人向けのこの手のモデルはあまり見かけなかったのですが、2018年の4月にコムテックから「HDR-951GW」、2019年11月にはVIOFOから「A129 IR」と言う製品が発売されています。
コムテック「HDR-951GW」
「HDR-951GW」は型番が最上位の「HDR」となっている事から、他のHDR系のモデルと同様に超絶逆光補正+夜間が明かるフロントカメラと、赤外線搭載のサブカメラの構成である可能性もあったのですが、Youtubeなどの動画を見る限りフロントカメラは下位グレードの「ZDR系」に似たものであると感じています。
価格帯から考えるとハイエンドではなさそうですので、他の2カメラタイプとの違いはリアカメラに赤外線を搭載している点のみになろうかと思います。

VIOFO「A129 IR」
VIOFOの「A129 IR」は2019年11月に発売された、前後にSTAVIS対応の「IMX291」イメージセンサーと、サブカメラには4灯の赤外線LEDを搭載したハイエンド2カメラモデルです。
カメラの基本性能に優れており、フロントカメラはSTARVISモデルの中でも暗視能力が高く、赤外線搭載のサブカメラは車内・車外向けのいずれの用途でも昼夜を問わない高い撮影能力を誇っています。

ナンバー認識能力が最強の3カメラドラレコ
一体型の2カメラドラレコはフロントと車内・左右の認識は得意ですが、後続車両の動きとナンバーを把握するのが苦手です。
このような理由から、2020年初頭からは3カメラドラレコのライナップも増えており、年末時点ではスマート型の3カメラモデルもいくつか出てきています。
MAXWIN「DVR-D022」
MAXWIN「DVR-D022」は車内向け2カメラドラレコと、通常の2カメラドラレコの機能が一体化した超高解像度の3カメラモデルです。
フロントカメラには800万画素、インナーカメラ・リアカメラには200万画素の夜間特化型のSONYのSTARVISセンサーを搭載し、インナーカメラには4灯の赤外線LEDを装備しています。
前後車両のナンバー認識精度が非常に高い上、車内と横方向も幅広く撮影可能ですので、煽り運転対策や駐車監視などにおすすめの特性となります。

VANTRUE「N4」
VANTRUEの「N4」も2020年4月発売の3カメラドラレコです。
前述の「DVR-D022」と似たような構成で、フロント+リアカメラと赤外線LEDを搭載したインナーカメラが付帯する3カメラの高解像度STARVISモデルですが、ほぼ全ての面で「DVR-D022」の画質を上回っていますので3カメラドラレコの本命と言えます。

AKEEYO「AKY-X3GTL」
AKEEYOの「AKY-X3GTL」は10型のスマートミラーにサイドカメラ、またはインナー撮影用のカメラが付いた3カメラのスマートミラー型ドラレコです。
3カメラともに高い夜間撮影能力・暗視能力を誇り、リアカメラの防眩能力も高い為、スマートミラーとしての性能も高評価の製品です。(リアカメラは車内・車外の2種類あり)

PORMIDO「PRD50」
PORMIDOの「PRD50」も「AKY-X3GTL」と同様の3カメラスマートミラーですが、フロント・インナー・リアともに500万画素の夜間特化型イメージセンサー「IMX335」を採用しています…と書かれています。(が、これは嘘くさい)
未テスト品でイメージセンサーの表記も怪しいので実力は未知数ですが、1~2月くらいにはテストしたいと考えています。

360°ドライブレコーダーで全てを撮影する
ここ1年くらいでユピテルやカーメイト、その他の中小メーカーから360°ドライブレコーダーが発売されていますが、事故の際の車外の状況と車内をバランスよく撮影する場合には、360°ドライブレコーダーが最適である場合もあります。
価格帯は1万円台後半~7万円程度まで幅広く、それぞれ特徴が異なります。
ドライブレコーダーとしての本来の機能面でやや妥協が必要な部分もありますので、詳しくは以下の記事をご参照下さい。

車内撮影が出来るドライブレコーダーのまとめ
以上、車内撮影ができるドライブレコーダーについていくつかご紹介しました。
手軽に取り付けが可能なのは一体型となりますが、機能性能面では未テスト品のVANTRUE「N2S」がおすすめになります。

セパレートタイプでひょっとしたらサブカメラで車外後方を撮影したい事があるかも知れない場合には、「A129 IR」がおすすめです。

さらに後方の撮影能力を強化したいのであれば3カメラモデルの「N4」がおおすすめになります。

(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣)
コメント
ZDR-026のサブカメラをフロントに設置し、後ろ向きに撮影するのはいかがでしょうか?
通りすがり様
ZDR-026はSTRVISでも明るさ特化の味付けではなく、車内向けと言う感じではないですね。
また、車内向けだと高解像度が活かせませんし、車間距離のファイルロックも効かなくなるので、勿体ない使い方になると思います。
返信ありがとうございます。
当方、駐車監視(ドアパンチ)を重点にドラレコを検討しておりますが、360℃カメラはナンバーの識別が厳しいとの事でしたので、2カメラはタイプでフロントから前後で撮影出来るものを検討いる中でZDR-026が使えないかと思ったのですが、ZDR-026のSTRVISは車内向けではないのですね…
通りすがり様
車内に向けてカメラを設置するのは色々難しい部分がありまして…
性能が低いドラレコを車内に向けて設置すると
①ガラス越しの外の映像が白飛びする
②夜間は車内も外の映像も暗くなる
と言う問題が発生します。
1.車内向けに設置して、車内だけを撮影したいのなら、夜間の赤外線LED対応製品などが最適です。
2.車内向けに設置して、車外だけを撮影したいのなら、昼間の白飛びに強く、夜間も車外がそこそこ明るく映る製品が最適です。(白飛びと明るさはトレードオフの関係にあるので、この条件を満たす製品はコムテックのHDR-351/2、くらいしかないような気がします。
3.車内向けに設置して、車内と車外を撮影したいのなら…となると更に難しくなります。今のところ一番正解に近いのはやはりHDR-351/2かなぁとは思うのですが…。
予算の条件が無ければカーメイトのダクション360Sがドアパンチには強いですが、通常の駐車監視の運用だと小さな衝撃を検知しない可能性がありますので、駐車中も走行中の常時録画を延々と継続させる必要がありますね。
ただ、microSDカードが128GBまでですので3時間分のデータしか保存できないのが難点ですが。
https://car-accessory-news.com/dc5000/
詳しいご説明ありがとうございます。HDR-351/2を二台使いにして二台とも駐車監視にした場合は、バッテリーの減りも2倍になってしまい、駐車監視の録画時間も半分になってしまうという理解でよろしいでしょうか?360Sは予算的に厳しそうです…
ちなみにVREC-DZ700DSCのサブカメラの性能はいかがでしょうか?
通りすがり様
見た目や運用の部分はさておき、最小限のコストて最大限の効果を得ようと考えるなら、今のところHDR-351/2×2台ですかね。
電力消費に関しては、単純に2倍ではなく2倍+アルファになりますね。一度に流す電流が大きくなるほどバッテリーの持ちは悪くなりますので。
VREC-DZ700DSCについては、随分前にサンプルは手配してあるのですがなかなか時間が取れず放置気味です。
テストは10月になりそうです。
STARVISなので車外の白潰れには弱そうです。
お忙しいところありがとうございます。
それでは、現時点ではHDR-351/2×2台使い+ドラレコ用UPSの使用がベターでしょうか?
VREC-DZ700DSCのテストも楽しみです。
通りすがり様
見た目の問題を考えなければHDR-351/2×2がベストな設定と考えます。
VREC-DZ700DSC、一ヶ月以上前からサンプルあるんですが、どうしても外部依頼のレビューが先になってしまうので、10月中旬以降になりそうです…。
HDR-351/2二台使いについて一点気になったのですが、車室内側に向けたドラレコについては、モニターがフロントガラス側を向いているので、本体設定や動画確認の際は、本体を回転させ、モニターを確認することは可能でしょうか?
通りすがり改めブランドル様
付属のレンチでマウント固定ボルトを緩めれば360°回転出来ますが、面倒と言えば面倒です。