※2018年8月28日更新~「F770」とよく似た機能で性能面は全体的に「F770」を概ね上回るモデルが発売されています。詳細はこちらから。

■ セイワ 前後STARVIS搭載 2カメラドライブレコーダー「PDR800FR」のレビュー、評価

 

THINKWAREは韓国のドライブレコーダー市場でのシェアNo.1のメーカーですが、2016年末の「F750」に続いて、上位モデルの「F770」が発売されました。

以前、別記事で説明した事があるのですが、韓国では特殊な駐車場事情から駐車監視の利便性に特化したモデルが主流です。

■ INBYTE Fine Vu「CR-3000S」のレビュー、評価

韓国ではマンションなどの駐車場が日本の月極駐車場のように個々の車両に1枠と言うように割り振られてはいません。

日本とは異なり、車を購入する際の車庫証明が不要である事からそのような形態となっているようです。(違法駐車の増加などの問題から、車庫証明制度の導入を一部の地域で開始しているような情報もあります)

従って、マンションの住人の車の所有台数と駐車スペースの数は一致しませんので、帰宅が遅かったりすると駐車場の椅子取りゲームからあぶれてしまった人が、既に車が駐車されているスペースの前に自分の車を停めざるを得ない状況が発生する訳です。

自分の車の前に他人の車を停められてしまった場合には人力で動かして脱出すしますので、他人の車の前に駐車する場合にはサイドブレーキを引かないのが常識となっているそうです。(AT車の場合はPレンジだとロックされますが、その辺りはどうなってるんでしょうね)

このような駐車場事情から、韓国では駐車中の車のトラブルが多く、その対策として駐車監視モードが充実したドライブレコーダーを導入する人が多いようです。

 

日本で先進的と思われるコムテックなどの日本メーカーの駐車監視モードの仕様も韓国メーカーのものとかなり似ていますが、おそらく韓国メーカーのドライブレコーダーを研究した結果であると推察されます。

韓国メーカーのドライブレコーダーはこれまでにCOWON、FineVu、THINKWAREの3社のモデルをテストしてきましたが、やはり最も分かり易く使い易い万人受けするモデルはTHINKWAREであると感じています。

他社はTHINKWAREのモデルに対して、少し見方を変えて変化球で勝負をしている印象を受けます。(THINKWAREのモデルがハードウェア・ソフトウェアともに完成度が高いので)

F770のスペック

現時点で判明している日本向けの「F770」のスペックは以下の通りです。

F770
18.02発売
フロント:1920×1080/30fps
リア:1920×1080/30fps
リアカメラはOP扱い
BCFH-150A
西日本LED非対応
フロント録画視野角:水平113~114°
リア:水平110°
WDR
付属32GB
最大64GB
GPS内蔵
WiFi
安全運転支援
駐車監視モード
動体検知+衝撃検知orタイムラプス+衝撃検知
自動起動
専用ケーブル
PA8-3M
「ドライブレコーダーの持込取り付け」が出来るお店

■ F770のリアカメラ+駐車監視用ケーブルセットの割引コラボ企画について

F750との違いは、主に駐車監視時のスーパーナイトビジョンモードとタイムラプスモードの搭載となっているようです。

おそらくCMOSセンサーはSONY STARVIS対応のExmor IMX290~291を採用していると思われます。

※どうやらF770に使用されているCMOSセンサーはSTARVIS対応の裏面照射型Exmor Rではなく、Exmor IMX122のである模様です。

チップセットのAmbarella A7も含めて、ハードウェアの基本構成はF750と同等という事になりますね。

STARVISに非対応であると思われるIMX122でもソフトウェア次第でここまで明るくなるのは意外ではありますが…。

F770のレビュー

正規のケーブルが到着しましたので、デザインと設置面について追記しています。

デザインと付属品について

F770はドライブレコーダーとしては少し変わった平べったい箱型のデザインが特徴的です。

マウントに関してはスライド脱着式のボードタイプとなります。

サイドのカバー内には電源とリアケーブルの接続ポート(いずれもL字型の端子)が配置されており、接続した際に配線が綺麗に隠せるようになっています。

今回お送り頂いたサンプルは、通販モデルではない為、電源ケーブルは3芯タイプのものが付属していますが、通販モデルに関してはシガープラグのケーブルが付属し、駐車監視用の3芯ケーブルはOP扱いとなるそうです。

その他、16GBのmicroSDカード、カードアダプタ、USBカードリーダー、配線止めが付属しています。

なお、リアカメラ・カメラ接続ケーブル・常時電源ケーブルは別売OP扱いとなりますが、型番については未確認です。

今回はミラー横に設置しましたが、安全運転支援警報の精度を上げるにはレンズ部分が車両のセンターに来るように調整するのが好ましいかと思われます。

※写真のマウントの両面テープは仮止めの為にしっかり圧着していません。

まあ、車種によってはミラー周辺に日除けの黒いプリントがあるケースもあろうかと思いますので、一度自分の車のミラー周辺のデサインを確認してみましょう。

また、本体上部にmicroSDカードのスロットがありますので、フロントガラスのギリギリ上の方まで近づけるとカードの抜き差しが面倒になります。

リアカメラについてもレンズが車両のセンターに来るように設置します。

配線を運転席側に回す前提だと、カメラ裏のプリントが逆さになりますが、映像は天地逆に設置しても修正されて出力されます。(韓国は左ハンドルが基本の為か)

2カメラタイプのドライブレコーダーのケーブルの取り回しに関しては以下の記事を参照してください。

■ リアウィンドウへのドライブレコーダーの取付方法

自分で取り付けられない方は、以下の方法で取り付け店舗を探すという手もあります。

■ ドライブレコーダーの取り付け店舗を探す方法

インターフェイスと操作系について

F770はWiFi対応モデルで液晶画面がありませんので、操作はスマホからとなります。

※パソコンでもmicroSDカードを挿す事で設定の変更が可能です。

接続方法は本体のWiFiボタンを押す事で通信待機状態になりますので、スマホのWiFi接続設定でF770を選んで接続が確立したらアプリを起動します。

■ iOS版 スマホアプリ

■ Android版 スマホアプリ

WiFiアプリの接続や動作の安定性に関しては、他社のものに比べると高いと感じますし、日本語へのローカライズもしっかりしているので、おそらくアプリをインストールすれば操作方法が分からないという事はないかと思います。

因みにスマホで操作中には録画は停止されますし、WiFiモデルの場合は周囲の電波状況で映像の遅れや乱れが発生しますので、バックカメラとしての使用はおすすめしません。

 

なお、パソコンのビュワーに関しては公式サイトからもダウンロードが可能ですが、付属のmicroSDカードにもマニュアルなどの様々なファイルが保存されていますので、カードをフォーマットする前に予め中身をパソコンなどに保存しておくことをおすすめします。

パソコンからの設定はビュワーソフトの設定項目から行います。

基本的にはスマホで変更できる設定項目ですし、スマホの方が操作が分かり易いかも知れません。

なお、F770は64GBまでのmicroSDカードの使用が可能となっていますが、パソコンのビュワーソフトからフォーマットを行う事で、今の時点ではサンディスクの200GBのmicroSDカードが使用可能であると確認出来ました。

同じく韓国メーカーのCOWONのモデルと比較すると、アプリの操作が分かり易く、安定性が高いの事が韓国内でのシェアの差の一因となっているかと思います。(良くも悪くも万人向け)

ビュワーソフトに関しては、①前後の同時再生、②フロント+地図、③リア+地図、④拡大縮小などの操作が可能となっています。

 

録画視野角と画質

録画視野角に関しては、水平100°のケンウッドのDRV-320と比較した結果、水平113~114°程度のようです。(F750と同等ですね)

2カメラタイプのドライブレコーダーとしては、COWONのAQ2に次いで広い視野角です。

精細感についてはフルハイビジョンの解像度ではあるものの、明暗が強く出る為か広めの視野角の割に精細感は高めと感じました。(にじみが少なく、クリア感もある)

全体の認識のし易さに関しては、F750と同様に走行中はおそらくHDR処理を入れていないと思われますが、逆光時の白つぶれの少なさや、夕方~夜間の明るさの面では非常に優秀です。(HDRモデルのDRV-320よりも白つぶれしない)

ケンウッドDRV-320との比較では、何れの時間帯においてもF770の方が明るく、白つぶれもしにくい事が確認出来ました。

テスト時にはフロントが明るさ標準、リアがスモーク対策として明るさ最高に設定していますが、白つぶれしにくいのでフロントも好みで明るさの設定を最高にする方法も良さそうです。

 

 

 

 

 

リアカメラに関してもIMX122を使用しているようですし、フロント・リアの明るさを個別に調整可能ですので、明るさを最高に設定すれば大きな白つぶれもなく、他社の物よりも明るく映るという印象です。

駐車監視の仕様について

駐車監視については、①動体検知+衝撃検知(15fps)、②タイムラプス+衝撃検知、駐車監視のオフの3通りの設定があり、夜間に関しては露出を上げるSUPER NIGHT VISONの設定のオン・オフの項目があります。

タイマー設定は6/12/24/48時間/、カットオフ電圧は11.6~12.3Vまで0.1V間隔で、24V車であれば23.2~24.6Vまで0.2V間隔での調整が可能です。

F770の駐車監視用のケーブルは通販モデルではOP扱いとなりますが、3芯ケーブルを採用しており

①エンジンオフ

②常時録画中のファイルの録画が終了(最大1分)

③駐車監視モード開始

④エンジンオン

⑤駐車録画中のファイルの録画が終了(最大20秒)

⑥駐車監視モード終了

⑦動体検知・衝撃検知の録画件数告知→常時録画開始

と言う流れになり、乗車降車時のキャンセルタイマーはありません。

従って、駐車監視モードに入った後に車を降りた場合、ドアの開閉で最低でも2件のイベント録画が発生します。

 

駐車監視を行わない場合にはWiFi接続を行い、駐車監視のオフ設定を行うか、電源ボタンを長押しする事で駐車監視をせずに電源を落とす事が可能です。

※電源ボタンを長押しした場合は、終了音楽が流れて電源が落ちます。

なお、SUPER NIGHT VISONをオンにしておくと、通常のドライブレコーダーに比べてナンバーの認識精度が劇的に上がります。

 

赤外線を照射している訳ではないので、光源がゼロだと当然真っ暗になりますが、一般的なドライブレコーダーが真っ暗の状態でも、辛うじてナンバーが判別できるシチュエーションもあります。

まあ、基本的には駐車中にぶつけられるようなケースは、相手も無灯火という事はないと思いますのでナンバー灯の点灯で視認性は上がります。

そもそもナンバー灯火が点灯した状態であれば通常のドライブレコーダーでも、ぶつかる様な至近距離であればそれなりにナンバーの認識は可能という話もありますが、DRV-320と比べると微妙な明るさでも周囲の認識能力が全く違う事が分かるかと思います。

当て逃げのシチュエーションも様々である事を考えれば、少しでも明るいに越したことはないかと思います。

なお、「F770」の画質については後日以下のモデルとも比較を行っています。

■ コムテック 2カメラドライブレコーダー「ZDR-015」のレビュー、評価

外部電源「UPS300」を使用しての駆動状況

外部電源「UPS300」を使用しての駐車監視のテスト状況ですが、MAX充電状態から7.5時間の駆動が可能でした。

周囲の動きの少ない駐車場の為、録画している時間はそれほど長くはありませんでしたが、F770は駐車監視待機中も内部メモリ内にはデータを一時保存している筈ですので、動きが多い場所であっても極端に駆動時間が短くなる事はなかろうかと思います。

接続方法に関しては以下ページの「3芯ケーブルのドライブレコーダーでの接続方法」と同様です。

■ 3芯ケーブルのドライブレコーダーでの駐車監視について

「UPS300」を使用しての駐車監視の運用手順は以下の通りとなります。

・駐車監視をする場合~「UPS300」背面のバックアップ出力用のスイッチをオンにしておき、エンジンをオフにする。エンジンオンで自動的に駐車監視から常時録画モードに移行。

・駐車監視をしない場合~「UPS300」の背面スイッチをオフにする、もしくは背面スイッチはオンのまま、スイッチ付きのシガープラグでスイッチをオフにする。

※「UPS300」はメーカーに在庫がないようで、市場に流通してるものは価格が暴騰しています(笑)

地デジの干渉はほぼ確認できず

2カメラタイプのドライブレコーダーはノイズが強く、地デジへの干渉が大きくなりがちです。

ドライブレコーダーの地デジ干渉対策については、おそらく「対応済み」と表記する為に必要な試験等はない為、各社独自の対応が取られています。

「F770」については日本のVCCI(情報処理装置等電波障害樹種規制協議会を起源とする非営利団体)のノイズ漏れの自主基準のうち、厳しい基準の方である「Class B」基準と同等である、FCC(欧米の団体)の定める「Class B」基準をクリアしています。

確かに複数の地点で地デジの受信状況を確認した限りでは、何れの地点でもアンテナが3本立っていましたので、地デジへのノイズ対策はかなり強力なものが施されているようです。(1カメラタイプで対策済みの表記があるものでも、0.5~1本程度アンテナが減る事は普通にある)

※地デジの影響についてはカーナビやアンテナの位置、車種などの組み合わせや、計測地点の電波の強さによって変わる事もありますので、影響が出ないとは言い切れません。

安全運転支援機能とオービス警報について

F770の安全運転支援機能は、車線逸脱・前方衝突・オービス警報の3つになります。

オービス警報については未テストですが、車線逸脱・前方衝突の2つは3段階から感度を設定可能です。

車線逸脱警報については、左右個別に感度の設定を行います。

警報を有効にする速度については、時速50・60・80・100km以上から選択します。

今回は左右ともに真ん中の標準設定でテストを行いましたが、車線変更の際にはほぼ警報が鳴り、誤報は確認出来ませんでした。(10%程度はならない場面があった気がする)

これは、かなりはみ出さないと鳴らないという事でもありますが、あまり敏感な機種だと誤報が多過ぎて警報を切ってしまいたくなりますので、実用性と言う観点で考えれば他社のモデルよりも良さそうだと感じました。

 

前方衝突に関しては感度最大でのテストでしたが、高速道路においては一般的に必要とされる車間距離の7割程度の車間で警報がなっており、その後連続して鳴り続けるという事はなかったので、うるさ過ぎず、まずまずの感度かと思います。(一般道ではほとんど鳴りません)

 

この手の機能は精度の問題で、自動運転車に取り付けられるようなセンサー類を使用している訳ではないので、過度な期待は禁物ですが、誤報が多過ぎるよりも「誤報はほとんどないが鳴らない時もある」程度が実用性は高いと思います。

 

誤報が多い=うるさいのでオフにするか、気にしなくなる=効果は0%に近い

鳴らない時もあるが誤報が少ない=危険な状態で警報が鳴るケースが30%であったとしても、30%分の効果はある

そう言った意味ではF770の支援警報は、ドライブレコーダーの中では実用性が高い部類に入ると思います。

■ ドライブレコーダーの安全運転支援機能の比較

仕様外の容量のmicroSDカードでの駆動

「F770」は最大64GBまでのmicroSDカードの使用が可能となっていますが、こちらで試した以下の128GB/200GBのカードについては本体メニューでのフォーマットが可能でした。(まぁ、基本はパソコンのF770ビュワーソフトを使用した方が良いと思いますが)

※フォーマットする前に付属の純正カードのデータを念の為パソコンにバックアップしておきましょう。

 「F770」の総評

「F770」は現状発売されている2カメラタイプのドライブレコーダーの中では、おそらく画質面では最上位に位置すると思います。

また、録画視野角はシングルモデル×2のCOWON 「AQ2」には及ばないものの、水平で113~114°程度の録画視野角が確保されていますので、かなり広い方である事は間違いありません。

西日本LEDの同期対策が施されていないのが最大の残念ポイントでありますし、駐車監視の乗車・降車時のキャンセルタイマーもありませんが、おそらくCMOSセンサーの特性であろうかと思いますが、ダイナミックレンジがかなり広く、補正を掛けているような不自然な映像にもならない、どちらかと言うと「美しい」動画が魅力かと思います。

また、夜間の駐車監視については、おそらく…ではありますが、スーパーナイトビジョンの実装により、単体モデルも含めて最高レベルになるかと思います。

THINKWARE DASHCAM F770 F770 JP_C 32GB
コウォンジャパン

 

なお、「F750」との違いはスーパーナイトビジョンの有無となりますので、駐車監視が不要という事であれば「F750」という選択もあります。

■ F770のリアカメラ+駐車監視用ケーブルセットの割引コラボ企画について

「F770」とよく似た機能で性能面は全体的に「F770」を概ね上回るモデルが発売されています。詳細はこちらから。

■ セイワ 前後STARVIS搭載 2カメラドライブレコーダー「PDR800FR」のレビュー、評価

(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣

「F770」の競合モデルはこちらです。

■ 前後が撮影できる2カメラドライブレコーダー11選

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