※2021年8月29日更新~最新の情勢に合わせて内容を見直しました。
こんにちは!ドライブレコーダー専門家の鈴木朝臣です。
この記事では面倒な配線なしにお手軽に駐車監視が出来る、内蔵バッテリーを搭載したドライブレコーダーの情勢と個別のモデルについて解説します。
内蔵バッテリータイプのドラレコは絶滅寸前
ドライブレコーダーに搭載した内蔵バッテリーを使用して、簡易駐車監視が出来る製品については数年前からユーザーの要望が多いものの、内蔵バッテリーに使用されるリチウムイオン電池の膨張・破裂・発火の報告が相次いだ事から、最近は内蔵バッテリーを搭載せずにキャパシタ電源を採用する製品が主流となっています。
このような背景から2021年の8月時点は、安全性の観点から内蔵バッテリーを用いて駐車監視を行う製品は絶滅しつつあり、キャパシタでは大容量の電力を維持できない事から、車のバッテリーから直接給電する常時電源タイプが主流となっています。
あまり大きな問題になってはいない為にリコールには至っていませんが、リチウムイオン電池を搭載した製品の電池の膨張や破裂などの事例はそこそこあるようで、中国のメーカーでも安全性を重視してキャパシタ電源への移行が進んでいます。
駐車監視は車のバッテリーから電源をとる常時電源タイプが主流
一方で常時電源タイプは車のバッテリーの充電状況によっては12時間を超えるような長時間の駐車監視が可能ですが、バッテリーに負荷が掛かる為、バッテリーの寿命が縮む危険性を孕んでいます。
また、バッテリーの性能が低下するとほとんど駐車監視が出来なくなり、最悪の場合にはバッテリー上がりを起こす恐れもあります。
従ってドラレコで長時間の駐車監視を行う場合には、LLifePo4電池などを採用した安全性の高いドラレコ専用の急速充電バッテリーをおすすめしています。
しぶとく生き残っている内蔵バッテリータイプのドライブレコーダーは?
ここまでに説明したように内蔵バッテリーを搭載したドライブレコーダーは絶滅寸前ではあるものの、どうしてもこのタイプの製品を使い方向けに2021年8月時点での各社の対応についてご紹介します。
内蔵バッテリータイプの展開に一番積極的だったパイオニア
パイオニアは2016年から業界内で最も大きな内蔵バッテリーを搭載したドラレコを販売してきたメーカーで、2021年前半まではこのカテゴリーの製品を最も豊富に展開していましたが、5月にリチウムイオン電池の発熱の問題で製品回収を行っています。
■ 「VREC-DS500DC」をご愛用のお客様へお詫びと製品回収のお願い
以降は「VREC-DS500DC」と同世代の内蔵バッテリーモデルは全て廃盤となり、現在ではキャパシタモデルへの移行が完了しています。
もともと内蔵バッテリーモデルが多かったケンウッド
ケンウッドも2017~2019年頃までは内蔵バッテリーでの駐車監視に対応した製品を展開していましたが、2021年8月時点ではこのカテゴリーの製品の展開はありません。
※型落ち製品として1カメラモデルの「DRV-340」が一部店舗で販売継続されているようです。
こちらの製品では小容量の内蔵バッテリーで、駐車後の最大25分間の動体検知+衝撃検知による監視に対応しています。
内蔵バッテリーの充電に必要な時間は書かれていませんが、おそらく1.5~2時間程度の走行が必要かと思います。
ユピテル・コムテック・セルスター
ユピテルは例のリコールの一件から全ての製品をキャパシタ対応に移行させ、生産背景が韓国であるコムテックとセルスターはもともとキャパシタ対応品のみと取扱いとなっています。
内蔵バッテリータイプのドライブレコーダーのまとめ
以上、充電式内蔵バッテリータイプのドライブレコーダーの情勢について解説しました。
最近は中国メーカーですらリチウムイオン電池の制御の難しさからキャパシタ対応が進んでいますので、この情勢下でおすすめできる製品は残念ながらありません。
(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣)
コメント
バッテリーレスのオフロードバイクの場合、電池式/充電式は有り難いので、稼働時間の長いモデルがあれば欲しいですね。
ラフロード様
確かに内蔵バッテリーで稼働時間の長いモデルは便利だと思いますので、かつてメーカーさんにご提案をしたことがあるのですが、ドラレコは熱と設置位置の関係上大型のバッテリー搭載は難しいとの回答でした。
何か技術革新があればいいと思いますけどね。
Anker Roav DashCam C1 を使用しておりそろそろ買い替えを検討してましたが、
駐車監視機能付きでバッテリー内蔵モデルが皆無で驚きました。
確かに高温の車内にバッテリーはダメな予感しかしないですよね。。
Ankerからリコール等は出ていないようですが今後夏場は心配になってきました。
Dstream様
ドラレコのリチウム電池の発火可能性はそれほど高くはないですし、その前に本体が膨れ上がるなどの症状が出る筈なので、見た目に問題なければ大丈夫だと思いますよ。