WiFiによるスマホアプリ対応の360°ドライブレコーダーのまとめ

※2023年4月28日更新~最新の情勢に合わせて内容を全面的に見直しました。

こんにちは!ドライブレコーダー専門家でLaBoon!!編集長の鈴木朝臣です。

先日、パソコンを持っていない方から、「おすすめの360°ドライブレコーダーはありますか?」というご質問を頂きました。

360°ドラレコの動画は、小さいドラレコの液晶ディスプレイによる再生では視認性に大きな問題が出てきます。

これは、通常あまり意識しないテーマではありますが、他にも同様の疑問を持たれている方も多かろうと思いますので、この機会にスマホアプリ対応の360°ドライブレコーダーについて解説します。

360°ドラレコは液晶が小さいのでPCでの再生が前提となる製品が多い

360°ドライブレコーダーが出始めた頃は、比較的大きめの液晶に低解像度で塩スペックのハードウェアを組み合わせた中華製品が主流でした。

しかしながら、その後にはコムテック・ケンウッド・ユピテル・セルスターなどの大手各社から、より高解像度のコンパクトモデルが続々と発売された為に現在ではコンパクトタイプが主流となっています。

これらは2.5型程度の小さい液晶で360°動画を再生する、という無理を承知で開発された製品ですが、別途専用のPCビュワーも存在しますのでPCでの再生が前提とも言えるでしょう。

なお、これらのコンパクトタイプと同レベル以上のスペックのスマートミラー型の360°モデルもありますが、こちらもスマートミラーに出力される映像範囲がPCビュワーで確認可能な範囲よりも若干狭くなっている事から、動画の再生にはPCビュワーを使用する事をおすすめしています。

このような事情からPCを持っていない場合には360°ドラレコの力を100%引き出せない状況に陥る事になりますので、次に撮影した360°動画をスマホの専用アプリで再生できるドライブレコーダーを3つご紹介します。

カーメイト ダクション360D「DC4000R」

カーメイトのダクション360Dは、筐体中央の360°カメラに前方を撮影するフロントカメラ、後方を撮影するリアカメラを追加した、WiFi対応の360°+2カメラのハイエンドモデルです。

従来の360°ドラレコは、一般的な2カメラドラレコと比べると広範囲の録画が可能な為に事故の際の状況証拠を捉える目的では有利でしたが、ナンバーの認識能力が致命的に低い点が弱点でした。

本製品では筐体下部の400万画素カメラで360°の全方位の録画を行った上で、前後は200万画素のカメラでフルハイビジョン録画を行うという理想的な仕様となっています。

駐車監視モードにはやや癖がありますが、その他は万人向けの特性ですので駐車監視をしないユーザーはまずこの製品を検討すると良いでしょう。

実機レビュー「DC4000R ダクション360D」の評価 ドラレコ界の伏兵から、まさかの最強確定っぽい360°+2カメラドラレコ発表
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VANTRUE「Element 3」

VANTRUEの「Element 3」は「N4」のWiFi対応の後継モデルと言った位置付けの同社としては最上位の最新モデルです。

本機はセンサーや録画仕様、駐車監視の仕様は「N4」とほぼ同等で、デザイン面やWiFi・リモコン・音声コマンドなどの操作性などの面で「N4」を改善したような特性のモデルです。

デザインのコンパクトさやWiFiアプリの利便性などの面では、確実に「Element 3」にアドバンテージがありますので、この部分にメリットを感じるなら「Element 3」を選びましょう。

実機レビューVANTRUE「Element 3」の評価 音声操作が可能なWiFi対応の3CHドラレコ
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3カメラドラレコ VIOFO「A139」

VIOFOの「A139」は2021年に発売されたWiFi対応の液晶なし3カメラドライブレコーダーです。

VIOFO A139 ドライブレコーダー 3カメラ 500万画素 ノイズ軽減 2021最新版 車内外同時撮影ドラレコ 2560 * 1440P 全方位保護 前/車内/後撮影 SONYSTARVISセンサー 24時間駐車監視 超強暗視機能 前後カメラ Wi-Fi搭載 超鮮明夜間撮影 GPS機能 日本語説明書付き
VIOFO

3カメラともにSONYの夜間特化型STARVISセンサーを搭載し、フロントカメラは2.5Kの高解像度とVANTRUEの「N4」によく似た仕様となっています。

VANTRUEのPCビュワーの性能を考えると、ドラレコとしての実用性で「N4」を上回る事は難しいと考えていますが、VIOFOのドラレコには景色撮影能力が高い製品が多いので、美しく綺麗な映像を撮影した方向けの製品になりそうです。

実機レビュー「A139 3CH」 VIOFO3カメラドラレコの評価
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3カメラドラレコ VIOFO「A139 Pro」

「A139 Pro」は、まだ日本向けには発売されていませんが、2023年以降のVIOFOのフラッグシップモデルとなるフロント4K録画に対応した、3CHモデルです。

4Kモデルはその解像度の高さによる精細感ばかりが注目されがちですが、フルハイビジョンセンサーと比べると光を取り込む能力が大きく劣りますので、夜間の撮影能力に問題が出る事が多いのですが、本機に関してはイメージセンサーを1/1.8インチ(標準的なドラレコの2.4倍程度の大きさ)としています。

これにより、従来の4Kモデルの弱点であった、夜間撮影能力の低さを克服しているものと考えられます。

加えて3CH対応と言う事で、広範囲の状況証拠を捉える能力も高くなっていますので、総合力では2023年の最高評価となる可能性を秘めた製品です。

実機レビューVIOFO「A139 Pro」の評価 STARVIS 2搭載!業界初の4K 3CHドライブレコーダー
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VANTRUE「S2」

これまでに他社に先駆けて3カメラモデル「N4」を販売し続けて来たVANTRUEが、2022年8月に新たにラインナップに加えたのがWiFi対応の「S2」です。

「N4」と同じくフロント筐体に前後2カメラを搭載するものの、インナーカメラが筐体下部に設置されるなど、ルームミラーを回避し易い構造となっており、取付の際の汎用性では一定の改善が見られます。

画質面ではフロント、インナーカメラはほぼ「N4」と同等、リアカメラは明るさの面で「N4」に劣ります。

3カメラとしての括りの中での画質面での総合力は、僅差ではあるものの、「N4」>「A139」>「S2」と言った印象です。

「S2」の実機レビューと評価 VANTRUEのWiFi対応の3カメラドラレコ
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GARMIN「47Z」

GARMINは言わずと知れたアメリカのGPSメーカーでガジェットメーカーとしては抜群の信頼性を誇ります。

同社の「47Z」は2019年6月に発売された、WiFiとBluetoothでネットワークを構築する2カメラドライブレコーダー「46Z」の2021年向けの後継機ですが、このネットワークリアカメラ相当の単品モデル「mini2」を2台まで追加する事で、最大で4台の構成が出来ます。

3台構成の場合には3台目を車内向きに、4台構成なら左右のクォーターガラスに外向きに取り付けるなど方法でユーザーの要望に合わせて撮影範囲を調整する事が可能です。

本機はSTARVISセンサーを採用している訳ではありませんが、ソフトウェアによるチューニング技術が優れており、昼間の白飛びを抑えながら夜間も比較的明るく撮影できるのが特徴です。

実機レビュー Garmin「47Z」の評価 最大4カメラ クラウド遠隔監視対応のネットワークドラレコ
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元祖360°WiFiモデルユピテル「ZQ-35R」

ユピテルの「ZQ-35R」は360°カメラのフロント筐体にフルハイビジョンのリアカメラを接続して2カメラを撮影を行う、同社の360°ドラレコとしては最上位グレードに当たる製品です。

私はこの製品の実機テストは行っていませんが、同世代のリアカメラなしバージョンである「Q-20P」に関しては実機テストを実施しており、現行の360°ドラレコとしては標準的な画質であるという評価を行っています。

実機レビュー ユピテル2020年モデル360°ドライブレコーダー「Q-20P」の評価
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「ZQ-35R」のWiFiアプリについても未使用ではありますが、こちらの画像を見るとPCビュワーと同様に魚眼・2分割表示・360°VR表示が可能と書かれていますので、必要最低限の機能は満たしているでしょう。

360°部分の録画解像度は1856×1856の344万画素相当と、概ね現行360°モデルとしては標準的なレベルです。

なお、本製品はユピテルの指定店舗のみでの取扱いで通販サイトや量販店では販売されていません。

こちらの大塚電装さんはユピテルの指定店舗となっていますので、購入&取り付けまでがセットになります。

多摩エリアでおすすめの超老舗の電装店「大塚電装」に行ってきたよ!
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録画解像度が少しだけ高い360°シングルモデル ケンウッド「DRV-CW560」

ケンウッドの「DRV-CW560」はリアカメラを接続できないシングルタイプの360°モデルです。

最近はお手軽に360°を撮影できる製品よりも、リアカメラに対応して後方からの煽り運転に備えるというような防衛意識の高い方がこのカテゴリーの製品を選ぶ事が増えているように感じられるので、リアカメラなしという時点で選択肢から外しちゃう人もいるかも知れませんが、WiFi対応の360°モデルとしては希少な存在であるには違いありません。

録画解像度は他社の同グレード製品よりもやや高めの「2160×2160」の466万画素、最近は価格も下がって2万円台後半となっていますのでWiFi対応でリアカメラ不要という条件ならこの製品が本命になりそうです。

「DRV-CW560」ケンウッドからまさかの2発目!WiFi対応の新型360°ドラレコ
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まとめ

以上、PCをWiFi対応の360°ドラレコについていくつかご紹介しました。

走行中の状況証拠とのバランスをより重視する場合には「DC4000R」、より駐車監視を重視するなら「Element 3」、何よりも駐車監視を最大限重視したいなら「A139 Pro」を選びましょう。

ダクション360D「DC4000R」の駐車監視の仕組みと使い方について解説
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VANTRUE「Element 3」の駐車監視の使い方とおすすめ設定について解説
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VIOFO「A139 Pro」の駐車監視の使い方とおすすめ設定について解説
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コメント

  1. たかはし より:

    はじめまして。
    以前からブログ拝見しております。

    LEXUS NXに前後カメラのCSD-790FHGを取り付けておりますが、左右の映像確認のためにフロントへ360度対応ドラレコを増設予定です。

    目的は当たり屋対策や巻き込み事故の検証のためです。
    (CSD-790FHGで前後の確認をするので360度ドラレコは主に左右や全方位の確認)

    そこで色々と調べているのですが、なかなか「これだ」というものに巡り会えておりません。

    Omi様のお知恵をお貸し頂けないでしょうか。

    理想とする条件は

    ①スマホで映像確認できるもの(CSD-790FHGがPC必須のため360度ドラレコはスマホから車内で確認したい)
    ②駐車時も振動発生時等等に自動録画できるもの
    ③SDカードの定期的なフォーマットが不必要なもの
    ④できるだけ夜間でも明るく、また広範囲の録画ができるもの
    ⑤本体サイズができるだけ小さいもの(CSD-790FHGと併用になるため。本体に液晶は必要ありません)
    ⑥リアカメラなしで販売されているもの(CSD-790FHGで前後対応しているため)
    ⑦できるだけ長時間録画できるもの(大容量のSDカードに対応しているもの)

    です。

    本記事で紹介されている3機種が候補になっています。
    (ZQ-35Rはリアカメラも付いてきてしまうのでフロントのみだとZQ-25が候補となるでしょうか。SDカードのフォーマットフリー機能さえあれば理想的なのですが…)
    (DRV-CW560は32GBまでしか対応していないのでそこがネックです)
    (ドラドラまるっとは駐車時対応していないようなので除外しています)

    必要な機能、スペックであれば予算は特にありません。

    またスマートミラー型は今回は検討しておりません(使用したことがなくなんとなく抵抗感があるだけですが)

    この条件ですと、Omi様ならどの機種を選択されるでしょうか?

    お忙しいところ大変恐れ入りますが、
    お手すきの際にお知恵をお貸しいただければ幸いです。

    よろしくお願い致します。

    • ドライブレコーダー専門家 LaBoon!!編集長 鈴木朝臣 管理人Omi より:

      たかはし様
      このような機種があればいいとは思いますが、360°単体で優秀な機種はないんですよね。
      なので、やはりユピテルのZQ-25辺りになるのかと…。

      • たかはし より:

        Omi様

        お忙しいところお返事いただき誠にありがとうございます。

        現状360度単体でおすすめの機種は難しいんですね。

        ZQ-25が指定店のみのようなので近くで取扱店がないか調べてみます。

        ありがとうございます。

        今後もブログ楽しみにしています。

        • ドライブレコーダー専門家 LaBoon!!編集長 鈴木朝臣 管理人Omi より:

          たかはし様
          ありがとうございます。また何かありましたらご相談ください

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