※2018年10月1日更新~実機テストを行いましたのでレビューを追記しました。

コムテックから初の360°ドライブレコーダー「HDR360G」が発売されています。

360°ドライブレコーダーは、極めて広範囲の映像を録画可能である為、事故や煽り運転に遭った際の証拠能力は最強ではあります。

しかしながら、広範囲の動画を限られた画素数で表現しなければならない為、ナンバー認識精度が最大の弱点となっていますし、暗い車内から明るい車外を撮影した場合に白つぶれが発生し易く、夜間についても明るいレンズとセンサーを使用しなければ、暗く映って車外の状況が把握しにくくなるという問題を抱えています。

この辺りの問題点はハードウェアのスペックが上がっていけば解決可能になる部分もありますが、現時点では前後の車のナンバーを認識可能な360°モデルはありません。

■ 360度のドライブレコーダーって実際どうなの?

ドラレコメーカーとしてはトップクラスの人気を誇るコムテックは、ドラレコの実用面に関わる特性ついては徹底的に追及しますが、モデルによってはそこまでする?と言うくらいに重要ではないと判断した部分は容赦なく切り捨てています。

おそらく「HDR360G」についても、充実させる部分とそうでない部分がはっきりしたモデルになっている事でしょう。

「HDR360G」のスペック

「HDR360G」のスペックは以下の表の通りとなります。

コムテック HDR360Gユピテル Q-02cカーメイト d’Action 360
18.07発売18.0?発売17.02発売
1856×1856/29fps
2560×1280/30fps1440×1440/27.5fps
2880×2880/27.5fps(駐車監視)
CMOS 500万画素CMOS 680万画素CMOS 1353万画素
WDRHDRWDR
LED信号対応
180°×240°録画視野角 180°×180°+180°×180°180°×194°
付属8GB付属16GB(SD)付属16GB
最大32GB最大32GB(SD)最大128GB
GPS内蔵
--WiFi
駐車監視モード
常時録画+衝撃録画?(5fps)走行時の録画を延長(常時録画+衝撃録画)衝撃録画
自動起動自動起動運用不明
専用ケーブル
HDROP-014
専用ケーブル
OP-CB5R
タイマーユニット
OP-VMU01
マルチバッテリー
OP-MB4000
専用ケーブル
DC200
「ドライブレコーダーの持込取り付け」が出来るお店

「HDR360G」の特徴

360°ドライブレコーダーの中には、録画視野角が水平180°、垂直180°+αのものも多いのですが、この場合だと車種によっては上方向に弱く、至近距離の信号が映らなくなる事があります。

流石に後発だけあって、この神テック様がそんな凡ミスをする筈もなく、しっかり垂直方向は240°とかならい余裕がある画角となっているようです。

有効画素数は「1856×1856」の344万画素ですので、ナンバー認識は難しい…ではなく、ほぼ不可能かと思います。

その他、360°ドライブレコーダーのチェックポイントとしては、冒頭でも述べたように、昼間の白潰れ耐性・夜間の車外の明るさ・夜間の車内の明るさ、などが挙げられます。

360°カメラは録画範囲が物凄く広くなる事から、動画内の明るい部分・暗い部分の差が大きくなり安い為、白潰れ対策をしていないモデルだと、おそらくかなり白潰れが強めに出てしまうと思います。

因みにユピテルの「Q-02c」はHDR補正を入れていますが、HDR補正は録画の際のハードウェアの負荷を2倍くらいに上昇させてしまいます。

従って、その負荷に耐えうるように全体的にパーツを強化する訳なのですが、その分コストも上がってしまいます。

 

「HDR360G」については、WDRのみとなっている為、おそらくコントラストを最低限にまで落として白潰れ対策をしているのではないか?と、現段階では予測していますので、ナンバーの認識能力は完全に捨てている事でしょう。

前後分割録画も可能なようだが

「HDR360G」は前後分割記録が可能と書かれていますが、おそらく360°動画の中の前後の一部だけを切り取って表示させるものかと思いますので、ナンバー認識精度の点では有利になる事はないでしょう。

どちらかと言うと車内でドラレコ液晶画面で動画を確認する為の機能でしょうね。

セット内容とデザイン、取り付け位置について

「HDR360G」のセット内容は、①ドラレコ本体、②3PIN/12Vのシガーケーブル、③16GBのmicroSD、④ドラレコステッカー、⑤その他取り付け部品の5点、及び説明書になります。

デザインについては、同社単体ハイエンドドライブレコーダーの「HDR-751G」をベースとしており、筐体サイズやレンズ、ボタン配置などが変更されています。(結構見慣れた感じ…)

搭載されているポートは3PINの電源ポート、microSDスロット、AV出力ポートの3つで、最近のコムテックのモデルではほぼ全装備となっている、簡単スイッチや簡易パーキングボタンがありません…残念ながら。

あんまり駐車監視用途を重視していない感じなのかな?とこの時点では感じました。

 

今回はリーフのミラー裏に取り付けを行いましたが、基本的にはレンズ部分が数センチだけミラーから飛び出るように設置すると、運転の視界の妨げにもならず、録画の視野が狭くなる事もなく良い感じであると思います。

なんかエレベーターなどに設置されているドーム状の監視カメラみたいですね。(笑)

レンズの向きは地面に対してほぼ水平になるようにしました。

撮影モードごとの録画視野角について

360°出力モードでは、上述のレンズの位置でリーフの場合にはリアガラスの一番上まで映りました。

フロントに関しては数m先の信号は問題なく映っていますが、もう少し上の方も映したいなら、レンズの向きを調整してもリアガラスは隠れないだけの余裕はあるでしょう。(上部はレンズの台座が映り込んでるようなので、台座ごと角度を変える)

前後分割モードだと、上下左右の視野が削られますので、信号まで10mを切ると隠れてしまう事もあるかも知れません。

リアの上方に余裕があるので、レンズの角度を変えればもう少し粘れそうですが、前後モードで撮影するなら角度調整はシビアに考えた方が良さそうです。

 

なお、前後分割モードでも周囲の状況はほぼ万遍なく記録する事が出来ますが、視点が固定なので360°モードのように横方向の状況は見にくくなっています。

ただ、360°モードの場合は「HDR360G」の液晶で再生するとこのようにしか見えないので、何だか良く分からない感じになります。

画質について

最も気になるポイントは昼間の車外の白潰れや、夜間の明るさですが、フロント方向についてはトンネル内などでそこそこ白つぶれします。

標準的なWDRモデルに比べても、やや白つぶれがきつい印象です。

ただし、通常走行時のサイドガラスの白つぶれはほとんどなく、車内に関しては昼間でも暗くなるように調整して白つぶれを防いでいるようです。

夜間については、それなりに明るい場所では全体的に視界は良好です。

ただし、低照度センサーを積んでいる訳ではなく、HDR補正も入っていないので、街灯が少ない場所だとサイドとリアは結構真っ暗に近い状態になりますね。(普通のドラレコだとこうなります)

リアガラスにスモークが入っている車だと、後方が更に厳しくなるでしょう。

ナンバー認識精度については、フロントに設置した状態ではやはり厳しい感じです。(以下、ナンバーが隠れない程度にギリギリまで寄せました)

今回はリーフで撮影しましたが、ノーズが短いミニバンなどではひょっとすると読み取り可能かも知れませんね。

 

因みにリーフはハッチバックなので、「HDR360G」をリアガラスに設置するとぶつかる様な距離であればしっかりナンバーは読み取れました。

ちょっと邪魔ですけど…。

ただし、リーフの場合にはピラーの幅や位置関係で、サイドガラスの映り具合が微妙な感じになります。

この辺りはリアガラスの上辺、クオーターガラスの形状、ピラーの幅などで変わって来る部分かと思います。

セダンだとサイドガラスは見易くなりますが、ナンバーの読み取りは不可になりそうです。

西日本LED信号の見え方について

西日本では未テストですが、フレームレートは29.1fpsとなっている為、同社の他の29.1fpsモデルと同じように以下のような見え方になると思います。

駐車監視の仕様と運用方法について

当初の予測では、ここは最近のコムテックのモデルと同様に諸々便利な使用であろうと考えていたのですが、以下の2つの機能が省かれています。

①乗車降車時のキャンセルタイマー

②常時録画への復帰の際のイベント告知

 

ナンバー認識精度はよろしくないので、当て逃げ対策としての駐車監視については深く追求しないようにしたのか、他のドライブレコーダーとの併用を前提としているのかは不明ですが、簡単スイッチやパーキングボタンもありませんので、利便性の面でも他の同社のモデルと比べると劣っています。

駐車監視の設定ですが、録画方式は5fpsの常時録画+衝撃録画となり、専用ケーブルのHDROP-14と併用する事で駐車監視の出入りがエンジンのオン・オフに連動します。

また、駐車監視を一時的にオフにする際には本体の設定メニューで駐車監視のオフの操作が必要となります。

これはコムテックらしからぬ仕様ですね。

ボタン操作で電源のオフも出来ないようなので、駐車監視をしたい場合には間にスイッチなどを噛ませる必要がありそうです。

駐車監視のタイマーは30分/1~12時間/常時オン、カットオフ電圧は11.7~12.2V(23.4~24.4V)、衝撃感度は高/中/低の3通りですが、高の設定だと半ドアにならない程度に優しく閉めてもイベント録画が発生しますので、感度は比較的高めのようです。

外部電源を使用した駐車監視について

ドラレコ用外部電源の「UPS300」を使用した駐車監視では、10時間の監視と録画が可能でした。

普通のドラレコ1台分よりやや使用電力が多い感じかと思います。

ドライブレコーダー駐車監視用バッテリー 「UPS300」が便利過ぎて泣けた

「UPS300」についてLaBoon!!で卸売りを始めました。以下のTA-Creativeさんを通しての販売になりますが、こちらでお買い上げ頂けると幸いです。(税込み・送料込みだと価格的には他より安いかと思います。)

■ 「UPS300単品」LaBoon!!提携店舗販売ページ

■ 「UPS300」+「家庭用ACアダプター」セット LaBoon!!提携店舗販売ページ

仕様外のmicroSDでの録画・再生状況

microSDカードについては最大で32GBまでとなっていますが、「HDR360G」のメニューからのフォーマットで以下のカードでは1時間の録画・再生で異常は確認出来ませんでした。

※起動時のSDカードのチェックにやや時間は掛かる。

■ Transcend microSDXCカード 128GB Class10 UHS-I対応

■ 東芝 microSDXC 128GB EXCERIA 48MB/s Class10

■ SanDisk Ultra 128GB Ultra Micro SDXC UHS-I/Class 10 

■ MicroSDXCカード SanDisk Ultra 200GB

地デジへのノイズの影響について

地デジへのノイズの影響については、「HDR360G」単体の場合にはギリギリフルセグが映る場所でも変化なし、同社の2カメラドラレコの「ZDR-015」と合わせて起動するとワンセグになりました。

あまりノイズは強くないと思いますが、同じドラレコでも車種やカーナビの種類・アンテナの位置によっては影響が出る場合もありますので参考までに…。

ファイルの録画形式と再生方法について

「HDR360G」の録画ファイルは360°モード、前後分割モードともに1分の録画データが1つのファイルに格納されています。

※360°モード/前後分割モードのいずれか、設定で選択した際のどちらかしか保存されません。(両方一遍に保存してくれたら嬉しかった)

また、360°モード撮影で録画されたファイルの再生は「HDR360G」本体やその他の再生ソフト類でも可能ですが、視点の変更は専用ビューワでしか出来ません。

「HDR360G」専用ビュワーでの再生

「HDR360G」の専用ビュワーはこちらでダウウンロードが可能な、「HDRviewer360」になります。

■ ビュワーダウンロードページ

初期画面では以下のように①再生ウィンドウ、②地図ウィンドウ、③加速度ウィンドウ、④ファイルウィンドウが表示されますが、ウィンドウ全体が小さくて操作しにくいと感じました。

フルハイビジョンのモニターだと、画面全体に対してこれくらいの割合になります。

4Kモニターだとこんなです(笑)

枠内の配置は以下のように変更は可能で…

動画部分をダブルクリックする事でを動画ウィンドウのみをモニター画面一杯に最大化する事は可能ですが、最大化中には一切の操作を受け付けません。

また、360°モードで撮影した場合、この手のビュワーソフトはマウスホイールで拡大縮小出来ると有難いと感じるのですが、拡大に関してはメニュー下の+のアイコンを押して、動画の一部を指定してクリックする形となり、2段階の固定倍率の拡大となります。

縮小は出来ないのですが、表示形式を切り替える事で以下の2通りの表示方法も可能です。

前後分割録画のファイルについては、視野の変更等は出来ません。(拡大は可能)

早送りは2・4倍速、スロー再生は0.5倍速を選択可能です。

Media Playerでの再生

何れも1分単位のMP4ファイルですが、コーデックは他のほとんどのドラレコと同様のH.264で、こちらのWin10/Media Player環境下では普通に再生出来ました。

 

H.264のデコーダーがない場合には別途ダウンロードすれば再生出来るようになるかと思います。

まぁ、360°モードでは以下のようにしか映らないので微妙ではありますが…。

上下分割の場合には前後の動画が上下に結合された映像が再生されます。

テレビ・カーナビ・その他の外部液晶での再生

テレビやカーナビなどの外部モニターに「HDR360G」の動画を出力する為には、以下の専用のAVケーブルが必要になります。

また、車外で再生する場合には以下のような電源ケーブルも必要です。

本体上部のAVポートと外部液晶を以下のように専用ケーブルで接続します。

2分割表示だと割と良い具合に表示されますね。

スマホでの再生

スマホでの動画再生については仕様外の事になりますので、自己責任になりますが、iPhone・Android端末ともに再生が可能でした。

iPhoneでの再生については以下のモバイルバッテリーを使用しています。

ドライブレコーダーの動画をスマホで再生 Remax RePower 10000mAh

Android端末ではカードリーダーを用いて再生が可能でした。(内部スロットでも問題はないと思われる)

ただし、360°モードで撮影した動画は再生は出来たものの動きがカクカクしたものとなっています。(これは端末側の問題なのか、Appとファイルの相性の問題なのかは分かりません)

「HDR360G」の総評

「HDR360G」の特徴をまとめると以下の通りとなります。

まずは優れていると感じた点です。

・録画視野角は360°がしっかり撮影出来るので死角はほぼない

・サイドガラスの白潰れはほどんどしない

・前後分割モードで撮影すれば、ドラレコ本体でも動画の確認がそれなりにし易い

・駐車監視はエンジンのオン/オフに連動する

 

イマイチと感じる点は以下の通りです。

・後方車両の挙動は2カメラモデル比べると分かりにくく、後方ドライバーのスマホいじりなどは分からない

・トンネルなどの白潰れにはやや弱い

・昼間でも車内は暗めに映り、夜間は真っ暗

・低照度センサーではないので、夜間のサイド・後方は周囲が明るくないとかなり暗くなる

・駐車監視のイベントアナウンスがない

・電源ボタンがないので、駐車監視の一時キャンセルが面倒

 

因みにユピテルの「Q-02c」と比べると、価格は2万円以上安く、ドラレコ本体で動画の再生が出来る点では勝っていますが、その他の項目では「Q-02c」の方が優れています。

「Q-02c」については、車内で全く再生が出来ないのはちょっと痛いところですので、使い勝手の面を考えれば「HDR360G」の方が万人向けであるとは言えそうです。

ただ…、このクラスの性能だと良く分からない中華メーカーや、OEM輸入系の日本のメーカーでもっと安いのがあるような気もしなくはないですね。

個人的には3万円台前半はちょっと高いかも?と感じる部分はありますが、廉価の360°モデルを使った事がないので価格の面ではなんとも…と言ったところです。

まぁ、ドラレコ1番人気のコムテックの360°モデルなので、今後のベンチマークとして使って行こうと考えています。

360度のドライブレコーダーって実際どうなの?

(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣

■ ネット通販で購入した持ち込みパーツの取り付け店舗の探し方

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