実機レビュー「A810」の評価 70maiのWiFi対応の4K2カメラドライブレコーダー

※2024年3月22日更新:実機レビューを終了しました。

こんにちは!ドライブレコーダー専門家でLaBoon!!編集長の鈴木朝臣です。

70maiのWiFi対応の4K2カメラドライブレコーダー「A810」についてご質問を頂いたので、後日のレビューを前提に分かる範囲で解説します。

70maiはXiaomiのスタートアップ支援システムを利用したパートナー企業と言われていますが、ドラレコに関してはBTO的な汎用の工場企画品らしき製品から、最近では独自開発と推察される「Omni」などを展開し、ドラレコ専業メーカーの色を強めています。

一方で「A810」を含めたその他の製品は、オリジナリティに乏しく、このような汎用の工場企画品をBTOパソコンのようにケースや部品の構成を変えたような雰囲気が強く出ています。

このような情勢をマクロ視点から見た場合、生粋のドラレコ専業メーカーとしての長い歴史を持つVANTRUEやVIOFOの製品を総合力で超える可能性は低いだろうと言うのが私の従前からの予測であり、これにより70maiの製品は独自開発と推察される「Omni」以外の実機レビューは避けて来ました。

ただし、同社の製品に関する問い合わせ、iCELLやiZONEと組み合わせた際のトラブルサポート(駐車監視ケーブルが特殊)も増えていますので、「A810」に関しては3月中の実機レビューを予定しています。

「A810」のスペックと特徴

「A810」のスペックはこちらの表の通りです。

A810
24.01発売
フロント:3840×2160/HDR/25fps
リア:1920×1080/HDR/25fps
LED信号対応不明
レンズ視野角
前:対角155°
後:対角130°
リアカメラケーブル?m
microSD付属64・128GB/最大256GB
GPS対応
駐車監視モード
タイムラプス/動体検知/衝撃検知
専用ケーブルはOP
「ドライブレコーダーの持込取り付け」が出来るお店

フロントカメラのイメージセンサーは最近の4Kハイエンドモデルの定番である、STARVIS 2対応のSONY IMX678を搭載しています。

LaBoon!!では過去にこのセンサーを搭載したVANTRUE「N4 Pro」、VIOFO「A139 Pro」と、4Kモデルをそれぞれ1機種ずつテストしていますが、センサーの特性を活かすチューニングレベルはVANTRUE>>>VIOFOとハッキリとした差が出ました。

※「A139 Pro」は逆光時の黒潰れが強い

WiFiなどの使い勝手はおそらく音声コントロールが実装されているVANTRUEが最も高いと思われますが、70maiは中国メーカーとしては珍しい3年保証としていますので、ここは大きな魅力かと思います。

セット内容とデザイン

今回は「A810」のサンプルを購入し、実機レビューを行いました。

セット内容についてはこちらの通りとなります。

・フロントカメラ筐体
・リアカメラ
・リアカメラ中継ケーブル(5.5m)
・Type C USB電源ケーブル
・シガーチャージャー
・64GBのmicroSD
・その他取付用品
・取扱説明書

フロント筐体

フロント筐体は正面に液晶ディスプレイと4ボタン配置

向かって左サイドに電源ボタン

右サイドにリアカメラ端子・Type C電源端子・microSDカードスロットが装備されています。

レンズ部分は上下のみの可動範囲、板型のマウントはスライド脱着が可能です。

リアカメラ

リアカメラはスタンダードな円筒型

ケーブルは5.5mの4PIN to microHDMIっぽい規格です。(カメラ部分のケーブルと合わせての総長は6m程度)

ミニバンなどの場合にはリアカメラケーブルを車両の上側に這わせる必要があるでしょう。

電源ケーブル

付属の電源ケーブルはType A to C+シガーチャージャーです。

WiFiアプリについて

WiFi通信については2.4GHz帯で技適認証が受けられているようです。

WiFi機能については、設定から自動開放・手動開放の切り替えが可能です。

全てのメニュー設定がアプリから変更出来る為、使い勝手は良いと感じました。

 

車内への取付けについて

今回はアクアに「A810」の取り付けを行いました。

ミラー裏に簡単に隠せますが、なるべくレンズが車の真ん中近くになるように設置したいところです。

一般的な2カメラドライブレコーダーの取り付け手順はこちらの記事で解説しています。

【保存版】自分で前後2カメラドライブレコーダーを取り付ける方法について解説
...

ドライブレコーダーとしての画質について

ドライブレコーダーの画質については、前後カメラの映像を「A810」と同様にフロント4K画質である3CHのVANTRUE「N4 Pro」と比較しました。

※過去にテストした4Kモデルとしては「N4 Pro」が最も高画質でした。

比較ポイントはこちらの通りです。

・録画視野角
・逆光補正能力
・ナンバー認識精度
・夜間の明るさ

録画視野角について

「A810」の録画視野角はこちらの通りでした。

【前】

【後】

逆光補正能力について

トンネル内での逆光補正能力は「N4 Pro」と同様に、STARVISモデルーの中では高めとなっています。

【前】

 

【後】

リアは黒潰れが出ていますが、フロントは非常に優秀でVANTRUEビュワーでの補正を考慮しなければ4Kセンサーとしては驚異的なチューニングレベルと感じました。

似たようなシチュエーションでは、同じセンサーを使用する「A139 Pro」は以下のような見え方です。

ナンバー読み取り精度について

「A810」、「N4 Pro」とも、フロントカメラの録画解像度は4Kですが、4Kなりの精細感の高さが確認出来ました

【前】

【後】

夜間のヘッドライトが反射した状態のナンバー認識精度も同様に非常に高いものでした。

【前】

【後】

夜間の明るさについて

夜間の市街地での明るさは、「A810」は明るさが調整出来るVLC、「N4 Pro」はVANTRUE VIEWERで補正した映像も合わせて比較しています。

【前】

【後】

補正前はSTARVISセンサーとしては標準的ですが、露光感度が高いので補正の効果も出易くなっています。

街灯が少ない場所では補正後の明るさは「N4 Pro」を上回っています。

【前】

【後】

景色の撮影について

景色の撮影能力については、フルハイビジョン/60fpsの設定にて、VIOFOのA139と比較しましたが、残念ながら60fpsモードではHDRに対応しておらず、白飛び・黒潰れが出易い微妙な画質であると言う結果でした。

西日本LED信号の見え方について

「A810」のフレームレートは2カメラとも25fps出力となっていますが、24fps撮影、25fps出力と見らられますので、LED信号の同期はないと考えられます。

ドライブレコーダーのLED信号対策のまとめ
...

駐車監視について

「A810」の駐車監視については別途専用ベージを作り、こちらで解説しています。

■「A810」の駐車監視の仕組みと使い方について解説

動画ファイルの再生方法について

動画の再生については以下の2つの方法をテストしました。

・スマホアプリでの再生
・PC汎用ビュワーでの再生

※PC用の専用ビュワーは見当たりませんでした。

PC汎用ビュワーでの再生について

PC汎用ビュワーでの再生については、Windows 10のメディアプレイヤー、OSにデフォルトで搭載されている「フォト」「映画&テレビ」、汎用ビュワーで明るさが調整出来る「VLC」での再生も可能でした。

スマホアプリでの再生について

スマホアプリでの再生についてはストリーミングとスマホのアプリ内、またはアルバムにダウンロードしてから再生する方法があります。

2.4GHz帯を使ったストリーミング再生(5GHz帯は非対応)では、若干カクツキが見られますが、それほど問題には感じませんでした。

また、ダウンロードした動画を再生するとこのように走行軌跡が地図上に表示される仕様です。

今回はフロント4K/25fps撮影、動画ファイルの時間は3分に設定していたのですが、3分の動画のダウンロード時間は3分程度でした。

 地デジへのノイズの影響について

地デジへのノイズ干渉に関しては、アルファード+サイバーナビの組み合わせで起動テストを行いましたが、フルセグがギリギリ映る場所で電源をオンにしても変化はありませんでした。

ラジオへの干渉も確認できませんでしたが、ノイズ干渉に関しては車種やカーナビ、アンテナの位置により影響が出る場合もありますので結果は参考程度に捉えて下さい。

ドライブレコーダーのノイズ対策と、ノイズが少ないであろうドライブレコーダー
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「A810」の総評

最後に「A810」の総評です。

これは全く予想していませんでしたが、昼間の逆光補正の精度と、汎用ビュワーであるVLCでの再生・補正を前提とした夜間の明るさ、ナンバー認識精度はVANTRUEの「N4 Pro」を上回っている事が確認出来ました。

従って4K対応のドラレコとしては、2024年3月時点では最も高画質と言っても良いでしょう。

ただし、駐車監視についてはこちらの環境では動体検知が機能せず、タイムラプスも1fpsしか選べない為、駐車監視を目的とする場合には、「N5」、または「N4 Pro」をおすすめします。

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画質面では「A810」>VANTRUE、「A810」はソフトウェアが日本向けにローカライズされてませんので、機能面ではVANTRUE>「A810」と言えるでしょう。

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