※2022年7月24日更新:実機レビューを追記しました。記事下に駐車監視ケーブルが無料になるクーポンあり。
こんにちは!ドライブレコーダー専門家の鈴木朝臣です。
VANTRUEは中国の最大手ドラレコメーカーで、現在ではハイエンド3カメラモデルの「N4」が人気機種となっていますが、もともとはオリジナリティの強いデザインを採用し続けている、デザイン重視のメーカーでもあります。
今回は同社からから、デザインに特化したWiFi対応の高解像度コンパクトドラレコ「Element 1」が発表されています。
発売は5~6月頃を予定しているようで、製品仕様の詳細は明らかになっていない部分もありますが、公式ページで公開されている情報をもとに「Element 1」の特徴を見て行きます。
「Element 1」のスペックと特徴
現在公開されている情報から読み取れる、「Element 1」のスペックはこちらの表の通りです。
Element 1 |
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22.06?発売 |
2592×1944/27.5fps 2560×1440/27.5fps 1920×1080/55fps |
録画視野角 水平110° |
microSD最大512GB |
WiFi対応 |
GPSは付属マウント内蔵 |
偏光フィルターはOP |
駐車監視機能 |
動体検知/自動起動 タイムラプスモード/自動起動 |
専用ケーブル |
「ドライブレコーダーの持込取り付け」が出来るお店 |
イメージセンサーは500万画素のSONY IMX335、WiFiにとBluietoothリモコン対応する他、音声操作をサポートしています。
また、私の記憶するところではVANTRUEとしては初となる、偏光フィルターにもOPで対応するようです。
駐車監視の録画方式は「検知」とのみ表記されていますが、おそらく動体検知がサポートされるものと考えられます。
特長をまとめるとデザイン重視のコンパクトWiFiモデル、となりますので、実用性の観点から「このような用途におすすめ」と言いにくい製品です。
なお、日本ではWiFiの使用に技適認証が必要ですが、日本のamazonなどで展開されるまでは、認証は終わっていないと見た方が良さそうです。
セット内容とデザイン
今回はVANTRUEの提供サンプルにて実機テストを行いました。(OPの偏光フィルターも手配)
セット内容は至ってシンプルで以下の通りとなります。
・ドラレコ筐体
・GPSマウント
・Type Cシガー電源ケーブル
・PC通信用Type Cケーブル
・リモコン
・取扱説明書
・ドラレコステッカー
・両面テープ
・レンチ
・取付部材
・偏光フィルター(OP)
カメラ筐体
カメラ筐体のデザインは、コンパクトで掌に軽く収まるサイズ感です。
液晶はドラレコとしては最も小さ目の1.5型
筐体の下側面には3つの操作ボタン
左側面には電源ボタンとmicroSDカードスロット
右側面にはPC通信用のType C端子が装備されています。
付属のマウントにはGPSアンテナが内蔵されています。
電源ケーブル
電源ケーブルはType Cシガープラグタイプとなりますが、
駐車監視の運用には別途専用の常時電源ケーブルが必要です。(N4と同じ物)
![](https://car-accessory-news.com/wp-content/uploads/2021/06/2021y06m27d_104757475-160x90.jpg)
インターフェイスについて
電源ONから録画開始までの起動時間は11秒程度とドライブレコーダーとしてはやや遅めです。
メニューツリーは従来のVANTRUEドラレコと同系統ですので、使い勝手は悪くありません。
ただし、本機はWiFi対応機種ですので、操作系はWiFiアプリを使った方が良いでしょう。
WiFiアプリについて
WiFiアプリについてはこちらからダウンロードが可能です。
WiFiアプリを使用する為には、その都度WiFi機能をアクティブにする操作が必要になります。(メニュー長押し)
WiFiメニューでは本体のメニュー項目が全て網羅されており、使い勝手は非常に良いと感じました。
WiFiアプリでの動画のストリーミング再生は、初めの読み込みに少し時間が掛かりますが、一度再生が開始されるとカクツキなどは見られず、ストレスなく視聴する事が出来ました。
ただし、スマホへの動画のダウンロードにはかなり時間が掛かります。(5分の動画で5分くらい?)
おすすめはストリーミング再生です。
リモコン操作について
本機にはこちらのリモコンが付属しますが、
2つのボタンでそれぞれこのような操作が可能です。
音声操作について
また、本機ではこちらの7つの音声操作にも対応しています。
この手のWiFi機種でネックになり易いのが、WiFiポートの開放の操作ですので、これをリモコン・音声操作でサポートして欲しかったところです。
車内への取付けについて
今回は初期型のアクアに「Element 1」の取り付けを行いました。
ミラー裏に簡単に隠せますが、なるべくレンズが車の真ん中近くになるように設置したいところです。
一般的ドライブレコーダーの取り付け手順はこちらの記事で解説しています。
![](https://car-accessory-news.com/wp-content/uploads/2021/06/c8927d6c80da09fa8bfa9acf45b27580-160x90.jpg)
ドライブレコーダーとしての画質について
画質についてはケンウッドの「DRV-MR570」と映像を比較しました。
比較ポイントはこちらの通りです。
・逆光補正能力
・ナンバー認識精度
・夜間の明るさ
なお、「Element 1」のビュワーはN4とは別のタイプで、明るさを調整する事が出来ません。夜間の映像はフリーソフトのVLCで明るさを調整して再生する事をおすすめします。
![](https://car-accessory-news.com/wp-content/uploads/2018/08/2017y07m20d_220227299-500x211.jpg)
録画視野角について
「Element 1」録画視野角は、ドライブレコーダーとしては標準的な水平110°程度でした。
最近の日本メーカーのドライブレコーダーは、水平130°オーバーの広角モデルが一般的になっていますし、高解像度は広角との相性も良いのですが、VANTRUE製品はグローバルモデルなので、企画段階での日本向けのローカライズがイマイチですね。
逆光補正能力について
「Element 1」のHDRモードでは、過去のVANTRUEでは見られなかった強烈なHDR補正が掛かります。
このままでは黒潰れが気になりますね。VLCを使って調整しましょう。
ナンバー読み取り精度について
「Element 1」は2.5Kの高解像度モデルなので、フルハイビジョンの「DRV-MR570」と比べるとナンバー認識精度は圧倒的に高くなっています。
夜のヘッドライトが強く反射した状態のナンバープレートの読み取り精度は、強烈なHDR補正の恩恵で非常に高いと言う結果です。
夜間の明るさについて
夜間の映像については、ドライブレコーダーとしては標準的なものとなっています。
N4用のVANTRUE VIEWERの明るさ補正に慣れてしまうと厳しく感じる明るさですが
VLCで調整すれば、ある程度は明るくする事が可能です。
OPの偏光フィルターについて
OPの偏光フィルターは、レンズ部分に被せるだけですので取り付けは簡単ですが、このように切り欠きが水平方向になる向きに取り付けます。(向きを間違えると機能しない)
映り込みの軽減効果はしっかり確認出来ましたので、こちらはほぼ必須のOPと考えて良さそうです。
フレームレートとLED信号の映り方について
「Element 1」のフレームレートは27.5fpsとなっていますので、日本全国でLED信号が高速点滅して映るでしょう。
![](https://car-accessory-news.com/wp-content/uploads/2018/09/2018y06m09d_220729177-1.jpg)
駐車監視について
「Element 1」の駐車監視については内容が濃いので別途専用ベージを作り、こちらで解説しています。
■「Element 1」の駐車監視の仕組みと使い方について解説
![](https://car-accessory-news.com/wp-content/uploads/2022/07/2022y07m20d_080022645-160x90.jpg)
PCでの動画の再生について
動画の再生については以下の2つの方法をテストしました。
PC専用ビュワーでの再生について
PCの専用ビュワーは以下のページからダウンロード可能です。
これはN4とは違う新しいタイプのビュワーですが、残念ながら明るさの調整機能はなくなっています。
その他の機能的には以下のようにドラレコのビュワーとしてはスタンダードなものでした。
・地図への走行軌跡の表示~〇
・速度の表示~〇
・方位計の表示~×
・Gセンサーグラフの表示~〇
・再生速度調整~〇
・明るさの調整~×
PC汎用ビュワーでの再生について
PC汎用ビュワーでの再生については、Windows 10のメディアプレイヤー、OSにデフォルトで搭載されている「フォト」「映画&テレビ」での再生も可能でした。
また、明るさを調整出来るVLCも使用可能でしたので、通常はVLCでの再生をおすすめします。
![](https://car-accessory-news.com/wp-content/uploads/2018/08/2017y07m20d_220227299-500x211.jpg)
microSDでの録画時間について
「Element 1」の録画データサイズは以下の通りです。
microSDカードの容量は512GBまでサポートされていますが、25%程度はイベント録画の領域になっている筈ですので、50時間程度の録画データの保存が可能な計算です。
地デジへのノイズの影響について
「Element 1」の単体使用では、アルファード+サイバーナビの組み合わせで影響は確認出来ませんでした。
ラジオへのノイズの影響も確認出来ませんでしたが、車種やカーナビの種類、アンテナの位置で状況は変わる事がありますので結果は参考程度に捉えて下さい。
![](https://car-accessory-news.com/wp-content/uploads/2022/01/2021-04-05-13.56.06-160x90.jpg)
「Element 1」の総評
最後に「Element 1」の総評です。
機能面ではリモコンや音声操作に対応するなど、WiFi機としては使い勝手は良い製品と感じましたが、製品のデザインなどを考えると、「Element 1」をリアウィンドウなどにも追加で取り付けたいと考える方も多いのではないでしょうか?
ただし、このようなケースではボタン長押しによるWiFiポートの開放の操作がかなり面倒になります。
従ってこのような機能を追加してもらいたいところです。
※「WiFiを開く」と「WiFiを閉じる」で実装予定、テストファームウェアは完成
※試していませんが、リモコンは1個で2つの筐体に信号を送れるものと予測しています。
画質面ではビュワーでの補正なしの素の動画については、HDRの実装により、同社のN4よりも高画質になっていますが、N4用の旧VANTRUE VIEWERの補正能力はVLCよりも優秀なので、特に暗所において、補正後の画質ではN4>Element 1となります。
日本市場では数年前から2カメラ以上のドラレコが主流となっていますので、これからシングルドラレコを取り付けようと考えている方は少ないでしょうから、ナンバー認識が苦手な360°ドラレコ+1での運用がおすすめの機種と言えそうですね。
クーポン
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コメント
お疲れさまです。初めてコメントさせていただきます。
Element 1、小型でWi-Fi対応な物希望でGarminを検討していたのでとても気になります。
Garminは、46zにあった動体検知がなくなってしまった事、これは46zもですがViewerソフトでGPSデータを使わせなくなってしまった事と、Wi-Fiを使うと録画が止まってしまう事が不満でした。
Element 1の駐車監視における動体検知、衝撃検知、タイムラプスの使い勝手は、以前記事にしていただいたN4等と同じなのでしょうかね。
写真や説明では1カメラと思われるのですが、https://www.vantrue.us/e1 のWi-Fiの説明写真の中に『check the view from the front and rear cameras』と“rear”と書かれてあるのがとても気になります。front、rearと言わず、Garminの様に2カメラ〜4カメラと同期できるシステムなら飛び付いてしまいそうです。今導入検討するとなれば3カメラ欲しくなってしまうので。せめて2カメラは期待して良いところなのでしょうか⁇
橋本様
現段階では何も情報がないので何とも言えないですね。
おそらく技適の問題で日本での販売は遅れると見てますので、2~3ヶ月お待ち頂ければレビューするとは思います。
ネットワーク構築型なら魅力ありますが、複数カメラを個別に別ネットワークで管理する場合には、普通のWiFiモデルになりますね。
Sony IMX6xx系を採用した製品が気になります。
あと、WiFiだと遅延がどの位あるかですね
ワイパーの位置往復を1.0とすると
0.25:Viofo A129、129Pro
0.5:Viofo A129Plus、ユピテル Y-400di
上記を超える遅延はルームミラーの補助は厳しそう
ちなみにA129Proは4Kだと夏場はフリーズ、2.5Kでの
運用となっています
うさぎ馬鹿様
WiFi機は遅延があるので、後方認識の用途は想定されてないですね。
A129 Proは熱対策で何度かファームアップデートが実施されているようです。
本体からパソコンへ接続する際に、C-Cで接続できない理由はわかりますか?
新谷様
分かりませんのでサポートにお問い合わせ下さい。
support@vantrue.net
車のネットワークで外部から画像がみられるといいんですが、そうはなってないですよね?
これは外部通信には対応してないですね。