実機レビュー「ZDR048」の評価 コムテックから第二世代のスマートミラー

5.0

※2024年3月16日更新:実機レビューを終了しました。

こんにちは!ドライブレコーダー専門家でLaBoon!!編集長の鈴木朝臣です。

最近レビューしたケンウッドのスマートミラー型ドラレコ「DRV-EM4800」が思いの外高画質で、画質の面ではドラレコ業界全体のレベルが均一化しつつあり、従前は画質面で中華メーカーの後塵を拝する事が多かった日本メーカーのドラレコ画質が、相対的にも絶対的にも向上する傾向が強く見られるようになって来ました。

実機レビュー「DRV-EM4800」の評価 ケンウッドの2023年モデルスマートミラー
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コムテックの第一世代のスマートミラー「ZDR038」も、中華メーカーの製品と比べると機能・画質面では劣り、LaBoon!!でも積極的にはおすすめして来ませんでしたが、2年の開発期間を経て2024年向けに第二世代である「ZDR048」が発表されました。

ざっくりと見た感じでは、ケンウッドと同様に機能面で中華メーカーの最新モデルのそれを取り入れた様子で、各社横並びになりそうな印象です。

「ZDR048」のスペックと特徴

「ZDR048」のスペックは以下の表の通りです。

ZDR048
10.66型液晶
23.12?発売
フロント:1920×1080/27.5fps/HDR
リア:1920×1080/27.5fps/HDR
LED信号対応
録画視野角
フロント:水平138°
リア:水平138°
microSD付属32GB/最大128GB
GPS内蔵
フォーマット不要
駐車監視モード
衝撃クイック録画/自動起動
常時録画+衝撃録画/自動起動
タイムラプス/自動起動
専用ケーブル
CDOP-01P
「ドライブレコーダーの持込取り付け」が出来るお店

先代の「ZDR038」との主な違いは以下の通りです。

・筐体サイズが11.88型から10.66型へ縮小
・別体だったGPSアンテナがフロントカメラに内蔵
・スマートミラー映像の拡縮に対応

「ZDR038」は視野角が広すぎて使いにくい面がありましたが、「ZDR048」では1.5倍までの拡大に対応していますので、後は画質面でケンウッドの「DRV-EM4800」と同クラスであるかどうかが気になるところですね。

付属品とデザインについて

今回は「ZDR048」を購入し、実機レビューを行いました。

セット内容については以下の通りです。

・10.66型ミラー筐体
・フロントカメラ
・車内専用リアカメラ
・フロントカメラ接続ケーブル(0.4m)
・リアカメラ接続ケーブル(9m)
・3PINシガー電源ケーブル
・32GBのmicroSD
・ゴムバンド2セット
・取扱説明書

ミラー型筐体

ミラー型筐体のデザインは一般的な10.66型の中華メーカーのものとさほど変わりません。

背面上部はNEOTOKYO式のコネクタを隠す構造です。

本体下部には1ボタンと、microSDスロット、このボタンで手動イベント録画、駐車監視のON/OFFを行います。

右側面位は、レバーによる項目送り&決定ボタン、メニューボタン、カメラ切り替えボタンが装備されています。

上部には3PIN電源端子、フロントカメラ入力端子、リアカメラ入力端子が配置されています。

GPSは外付けではなく内蔵タイプとなっています。

フロントカメラ・リアカメラ

フロントカメラ・リアカメラはこのようなガラス貼付け専用タイプで、前後に首振りが可能です。

フロントカメラ接続ケーブルは0.4m、リアカメラ接続ケーブルは9mで、いずれも両側が4極プラグです。

電源ケーブル

電源ケーブルはこちらのシガープラグタイプが付属します。

取付けについて

今回は30系アルファードに「ZDR048」の取付を行いました。(画質の比較の為に「MDR-A002」の下に吊り下げ)

リアカメラ中継ケーブルが9mと充分な長さですので、ミニバンなどでも配線を下から這わせる事が出来るでしょう。

一般的な2カメラドライブレコーダーの取り付け手順はこちらの記事で解説しています。

【保存版】自分で前後2カメラドライブレコーダーを取り付ける方法について解説
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インターフェイスについて

「ZDR048」の電源ONから録画開始までの起動時間は3~4秒程度の筈ですが、毎回このようなエラーメッセージが出る不具合が発生しており、その分時間が掛かっています。(気になるポイントの項目で解説)

初期状態で画面に表示されている情報は、録画状態を示すアイコン、カレンダーとなっています。

これらの表示項目のうち、カレンダーは設定から消す事が出来ます。

なお、操作系に関しては本機はタッチパネル操作ではなく、ボタンスイッチ操作になります。

先代の「ZDR038」でタッチパネル操作に何か問題があったのかどうかは分かりませんが、一般的なスマートミラーに慣れてしまうと、ボタン操作は相当面倒に感じます。

バックカメラ機能について

一般的なスマートミラーは、バック信号線を取る事でバックギアに連動して映像を下方向に自動で切り替え、ガイド線を出すことが出来ますが、本製品にはこの機能はありません。

スマートミラーとしての画質の比較

スマートミラーとして画質は、MAXWINの「MDR-A002A」と次の7つの項目について比較しました。

・視野角と後続車両との距離感
・映像の滑らかさ
・画面の明るさ、反射のしにくさ

・昼間の逆光補正

・夜間のヘッドライトの防眩効果
・夜間の市街地での明るさ
・夜間の暗い場所での明るさ

※「ZDR048」はリアカメラの明るさ調整が可能ですが、明るさは標準設定、ナイトビジョンの設定はONにしてテストしました。

視野角と後続車両との距離感

「ZDR048」は「MDR-A002A」と同様に、視野角が調整出来るタイプですので、拡大倍率によって視野角が異なりますが、倍率1倍の視野角はこちらの通り「MDR-A002A」よりも広めでした。

純正ミラーと比べるとどちらも広範囲の状況は認識できるものの、その分距離感はつかみにくくなります。

いずれも倍率を最大にしたケースでは「MDR-A002A」の方がより大きく見えますので、調整幅は「MDR-A002A」の方が広くなります。

映像の滑らかさ

「MDR-A002A」の撮影フレームレートは1秒間に60コマの60fps、一方で「ZDR048」は27.5fpsですので、滑らかさでは圧倒的に「MDR-A002A」が優れています。

※撮影側のカメラの問題で「MDR-A002A」も滑らかに見えませんが、実際は非常に滑らかです。

画面の明るさ、反射のしにくさ

画面の輝度そのものは「MDR-A002」の方が高く感じますが、「ZDR048」の方が昼間の露出を高めているようなチューニングの為、明るさは同等に感じました。

昼間の逆光補正

昼間の逆光補正については、どちらも強いHDR処理が入っている関係で白飛び・黒潰れはよく抑えられています。

夜間のヘッドライトの防眩効果

ヘッドライトの防眩能力については、「MDR-A002A」の方がやや上ですが、「ZDR048」も充分実用的で非常に高い防眩能力です。

 

この画像は撮影側のカメラのHDR補正が微妙なので、実物より強く白飛びが出ていますが、実際の映像はこちらのドラレコの動画に近くなります。

夜間の市街地での明るさ

夜間の市街地では、「ZDR048」は「MDR-A002A」と比べると明暗の差が強く出る傾向があり、明るい部分は「ZDR048」の方が明るく映りますが、暗い部分は「MDR-A002A」の方が明るく見えます。

夜間の暗い場所での明るさ

夜間の暗い場所でも明るさは「MDR-A002A」と同等でスマートミラーの中では明るい部類に入ります。

ドライブレコーダーとしての画質について

ドライブレコーダー画質は、以下のポイントについてMAXWIN「MDR-A002A」と前後カメラを比較しました。

・録画視野角
・逆光補正能力
・ナンバー読み取り精度
・夜間の明るさ

録画視野角について

「ZDR048」の録画視野角は前後カメラとも仕様表記通り、ドラレコとしては最大クラスです。

【前】

【後】

逆光補正能力について

逆光補正能力については、同社の箱型ドラレコと同様にHDR補正の効果で非常に高めとなっており、白飛び・黒潰れを高い精度で抑えられています。(MDR-A002も同様)

【前】

【後】

ナンバー読み取り精度について

前後カメラとも、録画視野角がドラレコとしては最高クラスですので、ナンバー認識精度の面では不利になり、フルハイビジョンクラスとしては最低でした。

【前】

【後】

夜間のヘッドライトが反射したナンバーの読み取り能力は同社の他の製品と同様に非常に高めです。(MDR-A002も同様)

【前】

【後】

夜間の明るさについて

ネオンや街灯が多い市街地ではフロントカメラは明るめ、リアカメラはやや暗めでした。

【前】

【後】

街灯が少ない暗い場所ではフロントカメラはまずまず明るいものの

【前】

リアに関しては、イマイチと言ったところです。

【後】

安全運転支援機能について

「ZDR048」にはこちらの安全運転支援機能が搭載されています。

・後側方接近お知らせ機能:車両斜め後ろに接近する車両などを検出しお知らせ。

・後続車接近おしらせ:後方から接近する車両を映像で認識し、お知らせを行います。また設定により後続車接近録画データとして記録

・先行車発進お知らせ:先行車の発進を検出しお知らせ
・先行車接近お知らせ:先行車への接近を検出しお知らせ
・先行車接近継続お知らせ:自車の前方車両への継続した接近を検出し、アラームでお知らせします。お知らせすることにより意図しない前方車両へのあおり運転を防止
・前方信号お知らせ:前方の信号が青信号であることを検出しお知らせ
・ドライブサポート警報:急加速や急減速、急ハンドルを検出お知らせ
・車速アラーム:設定車速を超えた場合にお知らせ

今回は個別のテストは実施しませんでした。

動画ファイルの再生方法について

「ZDR048」の動画の再生については、ミラー液晶、PCの専用ビュワー、PCの汎用ビュワーでのテストを行いました。

PC専用ビュワーでの再生について

専用のPCビュワーはこちらからダウンロードします。

■ 「ZDR048」PCビュワー

機能的には以下のようにドラレコのビュワーとしては充実しています。

・前後同期再生~〇
・映像の拡大~〇
・地図への走行軌跡の表示~〇
・速度の表示~〇
・方位計の表示~×
・Gセンサーグラフの表示~〇
・再生速度調整(~4倍速)~〇
・明るさの調整~×

PC汎用ビュワーでの再生について

PC汎用ビュワーでの再生については、Windows 10のメディアプレイヤー、OSにデフォルトで搭載されている「フォト」「映画&テレビ」での再生も可能でした。

フレームレートとLED信号の映り方について

「ZDR048」のフロント・リアカメラのフレームレートは27.5fpsですので、西日本・東日本の何れにおいても高速点滅して映るでしょう。

ドライブレコーダーのLED信号対策のまとめ
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駐車監の仕様について

「ZDR048」の駐車監視については内容が濃いので別途専用ベージを作り、こちらで解説しています。

■「ZDR048」の駐車監視の仕組みと使い方について解説

「ZDR048」の駐車監視の仕組みと使い方について解説
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地デジへのノイズの影響について

地デジへのノイズの影響は、アルファード+サイバーナビの組み合わせでは確認出来ませんでした。

ラジオへの干渉も確認できませんでしたが、ノイズ干渉に関しては車種やカーナビ、アンテナの位置により影響が出る場合もありますので結果は参考程度に捉えて下さい。

ドライブレコーダーのノイズ対策と、ノイズが少ないであろうドライブレコーダー
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「ZDR048」の総評

最後に「ZDR048」の総評ですが、スマートミラーとしての画質は、スマートミラー画質は最近高評価だった「DRV-EM4800」と同水準であり、最高クラスであるのは間違いありません。

一方で操作に関してはタッチパネル非対応とかなり癖があります。

また、日本メーカーのスマートミラーとして3年保証が魅了ですので、操作性なら「DRV-EM4800」、保証期間で選ぶなら「ZDR048」がおすすめと言えるでしょう。

その他気になったポイント、不具合

「カメラケーブルの接続を確認して下さい。」のエラーメッセージ

レビュー途中でも述べましたが、カメラの接続端子の接触が悪いらしく、起動するたびに「カメラケーブルの接続を確認して下さい。」のエラーメッセージが表示されます。

カメラと筐体のプラグは何度も奥まで挿し込むも、改善されず、後日コムテックに問い合わせます。

この通り、プラグはしっかり奥まで挿さっているんですが…。

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