※2018年5月11日更新~リアに設置した場合の見え方について追記しました。

ユピテルから全天球型ドライブレコーダー、第二弾「Q-02c」が発売されています。

360°ドライブレコーダーへの関心が急激に高まっており、私自身はコストの面から360°タイプのモデルは積極的にはおすすめしていませんが、コスト度外視で考えるなら全天球タイプのドライブレコーダーは事故の際の状況証拠の確保という観点から考えると確かに最強とは言えるでしょう。

今までは360°ドライブレコーダーについて総合的には「微妙」と感じていた為、テストを行ってきませんでしたが、夜間の撮影に特化した「Q-02c」が発売された事で、少なくとも状況証拠の面では昼夜を問わず弱点がゼロになるであろうと思われる選択肢が出てきたため、ユピテルさんにサンプルをお借りする事にしました。

「Q-02c」のスペックと特徴

現状、このクラスの360°ドライブレコーダーは「Q-02c」以外ではユピテルの「Q-01c」、カーメイトの「d’Action 360」の3モデルとなっています。

この3モデルのスペックを比較すると以下の表の通りとなります。

ユピテルカーメイト
「ドライブレコーダーの持込取り付け」が出来るお店
Q-02c
Q-01c(Q-01)
d’Action 360
18.0?発売16.12発売17.02発売
参考価格 18.04.23
64,800円49,680円43,998円
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2560×1280/30fps2560×1080/30fps1440×1440/27.5fps
2880×2880/27.5fps(駐車監視)
CMOS 680万画素CMOS 200万画素CMOS 1353万画素
HDRWDR
LED信号対応
録画視野角 180°×180°+180°×180°180°×194°
付属16GB(SD)付属16GB
最大32GB(SD)最大128GB
GPS内蔵
-WiFi
駐車監視モード
走行時の録画を延長(常時録画+衝撃録画)衝撃録画
自動起動運用不明
専用ケーブル
OP-CB5R
タイマーユニット
OP-VMU01
マルチバッテリー
OP-MB4000
専用ケーブル
DC200
モバイルバッテリーから給電・充電出来るドライブレコーダー
※スペックは誤りがある可能性もありますので、念の為メーカーサイトでもご確認下さい。

「d’Action 360」は純粋なドライブレコーダーではなく、アクションカメラとの併用を意識したモデルで、録画視野角は半天球の為、取り付け位置や車種によっては信号が見えなくなる距離もあるようです。

走行録画の出力解像度は207万画素、駐車監視中は829万画素の4K相当となっています。

 

一方で「Q-02c」については出力解像度は常に「2560×1280」の328万画素で、STARVIS対応の夜間特化型のCMOSセンサーを搭載しています。

因みに「d’Action 360」についても1/2.3の1353万画素の裏面照射型CMOSセンサー搭載と書かれていますが、Youtubeなどの夜間の動画を見る限りさほど明るさは感じません。

 

特徴としては「Q-02c」は走行中の状況証拠に関しては死角のない最強モデル、「d’Action 360」は上方向の視野が狭く、ドライブレコーダーとしては駐車監視重視型(4K相当)と言えるかと思います。

ナンバー認識はいずれも厳しいと思われる

720°の録画視野角で「2560×1280」の解像度の精細感は、通常のドライブレコーダーに落とし込むと概ねVGAクラスより若干下になります。(27万画素相当かと)

撮影されている範囲が通常のドライブレコーダーの12.5倍程度になる為、フルハイビジョン相当のドライブレコーダーの精細感を確保するは2600万画素、8K相当の解像度が必要です。

因みに駐車監視では4K相当の解像度になる「d’Action 360」でも、ナンバーの読み取りは困難ですので、そこは期待しないでテストに臨みます。

あくまでもドラレコの第一の任務である、「走行中の状況証拠の把握」では最強であると言う点がポイントな訳です。

「Q-02c」のレビュー

始めにデザインや録画・ビュワーの仕様、SDカードのテスト状況を報告します。

デザインや付属品はスッキリ

360°ドライブレコーダーはその価格の面から、複数台のカメラの設置パターンとの競合が発生すると考えていますが、そう言った意味では単体で720°の視野角を持ち、かつコンパクトボディである「Q-02c」は他社のどの360°カメラやマルチカメラの構成よりもアドバンテージを持っていると感じます。

主な付属品はスライド式の板状マウント、シガーケーブル(miniUSB)、16GBの専用SDカードとなり、サッパリしています。

【スライド式マウント】

本体側には液晶もWiFiモジュールもありませんので、下部の操作系は緊急録画用のLEDボタンのみとなります。

取り付けの際は位置決めをするのに何度か仮留めが必要かと思います。

レンズ部分は90°の範囲が可動域となっていますので、水平~垂直の部分にも無理なく設置が可能かと思います。

サイドにはminiUSB端子と、付属のレンチでレンズ部の位置を固定するネジ穴があります。

反対側にはSDカードのスロットが装備され、カバーを付属のネジで固定する仕様となります。

動画の保存形式はパソコンでは確認出来ない

「Q-02c」で撮影した360°動画は、専用のビュワーのみで再生が可能です。

パソコンでSDカードを開いてみても動画ファイルはパソコンで認識できないパーテーションに保存されていますので、ファイル形式なども確認する事が出来ません。

パソコンで認識できるのは455MBの領域だけで、未割当の部分に録画データが保存されています。

また、動画ファイルをバックアップしてパソコンで認識できるファイルとして出力する事も可能ですが、こちらも専用ビュワーでしか開けないバックアップファイルとなっています。

従って「Q-02c」で撮影した動画を編集ソフトなどを使用して加工したり、VR動画としてYoutubeなどに投稿する事も出来ないようになっています。

通常視野が変更不能な動画としては、任意の視野・拡大率・ナイトモードのオン/オフを選択の上、AVI形式に変換して他のプレイヤーや編集ソフトで開くことが可能となっています。(1920×960の解像度)

専用ビュワーでの動画枠は「1000×480」程度になり、フルハイビジョンのモニターでは以下のようなサイズとなり、動画枠を広げる事は出来ません。

4Kだとかなり小さくなりますので、モニターの解像度を落とさないと厳しいかも知れません。

他のソフトウェアで編集と再生が可能なVR動画を出力できませんので、ドライブ動画の撮影などには向いていません。

因みに720°の全天球カメラであれば4KのRICHOのTHEATA Vなどもありますが、展示会でゴーグルを使用して動画を視聴したところ、まだまだ画像が粗く臨場感はイマイチと感じましたので、やはり解像度が8K~16Kないと趣味的な利用でも妥協が必要になりそうです。(現時点では数十万~数百万)

 

ハードウェアのスペックや価格から考えると、やはり「Q-02c」には純粋に「走行中状況証拠を死角なくつかむ」という点においてのみ期待した方が良いように感じますね。

専用ビュワーでの設定項目

専用ビュワーではカードのフォーマット、バックアップの他に、録画のフレームレートや解像度などの変更が可能です。

解像度は「1280×640」「2048×1024」「2560×1280」の3通り、フレームレートは「30/15/10/5/1fps」の他に1時間に6コマ~1分に2コマなどの間隔で撮影を行う設定があります。

マルチバッテリーと通信ケーブルを使用する場合には、駐車監視のタイマー設定も変更できます。

他の操作については通常のドライブレコーダーとそれほど大きな差はないので、いじっていれば分かる様な操作方法となっています。

社外品のSDカードの使用状況について

質問を頂いている社外品のSDカードが使えるかどうかテストを行ってみたのですが、ほぼ100%使えないと言って良いかと思います。

純正品のSDカードはパソコンでの可視部分がFAT16形式でフォーマットされており、この部分は477MBしかありません。

右クリックでフォーマット形式を調べてみるとFAT32と表示されますが、コマンドプロンプトのチェックディスクで確認したところ、477MBのみFAT16形式でフォーマットされており、それ以外の部分は認識されませんでした。

Windowsの管理ツールで確認すると、残りの領域は未割当です。

FAT32でフォーマットしたSDカード(128GB)や、16~32GBのmicroSDカードに純正のSDカードをドライブごとクローンコピーしても、専用ビュワーでのフォーマットは不可でした。(もともとドラレコ本体ではフォーマット出来ません)

見た目な同じような感じになるんですけどね…。

おそらく、未割当の領域が正常にコピーされていないような気もしますが、今の段階では詰みですね。

因みに説明書には「純正のカードを専用ビュワーを使用せずにパソコンでフォーマットすると使用不可になる可能性がある」と書かれていますが、ほぼ100%の確率でお亡くなりになると思われます。

純正のカードを使用した場合には付属の16GBで120分、OPの240分の録画時間となります。

※コメントで社外のSDカードで64GBもので使用できたという報告がありました。ただし、こちらで試した以下の2種類の32GBとノンブランドの128GBは使用不可でした。

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走行動画の全体把握は非常に良好

走行中の全体把握については、昼間の逆光時、夜間の光源の少ない状況下の何れにおいても非常に良好です。

まあ、解像度の問題やナイトビジョンモードをオンにして再生すると画質がかなり粗くなる部分はあるのですが、事故の際の全体の状況を把握すると言う目的においては問題のないレベルではないかと思います。

 

※後方が認識しにくいという部分はある

ナンバーについては、カメラから1~2mくらいの範囲でしか認識出来ない様子です。

ただ、動画を解析していて気が付いたのですが、横方向に駐車している車のナンバーはどうにか読み取れそうなレベルですので、後日実際に別の車を様々な角度からぶつかるギリギリの距離まで寄せてみてナンバーの読み取り精度を検証してみようと考えています。

※PC上ではもう少し鮮明に映っています。

夜間に関しては「SN-SV70c」とそこまで受光能力に差はないように感じられ、ほぼ真っ暗に近い場所でも他のドラレコに比べるとかなり明るめに映っています。

 

一番下が最も暗い場所での撮影になりますが、「SN-SV70c」だと以下のように映ります。

ケンウッドの「DRV-320」をフロントガラスに内向きに設置した動画だと真っ暗になります。

2カメラドラレコに比べると後方が認識しにくいというデメリットはあるものの、実際に使用してみて感じたのはサイドや後方からの衝突だけでなく、以下のような状況での相手のウィンカーの点灯具合などが確認出来ます。

ウィンカーが出ていない場合にはもちろん相手の車が通り過ぎてから右折を開始しますし、仮に相手が左折のウィンカーを出していても、相手が充分減速するまでは私は前に出ないように心がけています。

なぜかと言うと、相手のドライバーがウィンカーの誤発信(前に左折して出しっ放し)をしている可能性があるからです。(結構そういうドライバーはいます)

 

こう言った場合、相手が左折を開始する前に前に出てしまうと衝突する可能性がありますが、視野角の狭いドラレコだと相手のウィンカーが映らなお恐れもあります。(カーブミラーに映っていれば良いですが)

【水平100度だとこんなもんです】

【水平132°でもギリギリ映らない事も…】

 【「Q-02c」であれば映る】

信号なしでの交差点の場合、こう言ったウィンカーの出しっ放しや出し忘れで事故に繋がるケースもあろうかと思うのですが、横方向からの出会い頭の衝突の場合、録画視野角の広さが最も力を発揮すると言えそうですので、単体モデルであれば水平150°くらいあった方が良いような気もしますね。(笑)

まあ、やはり事故の際の状況証拠を考えると720°でSTARVIS対応の「Q-02c」に勝るものはないかと思います。

駐車監視の仕様について

駐車監視の仕様は他のユピテルの主要モデルと同様に、走行中の録画モードを継続するタイプです。(常時+衝撃)

駐車監視にはタイマーユニット「OP-VMU01」+ケーブル「OP-E975」の組み合わせか、マルチバッテリー「OP-MB4000」+通信ケーブル「OP-CB5R」が必要です。

「OP-VMU01」を使用した場合にはタイマー電圧はディップスイッチで設定、「OP-MB4000」の場合にはタイマーはディップスイッチかPCビュワーのいずれかで設定します。

おそらく、純正のシガーケーブルを使用して「UPS300」などの外部電源での駆動も可能であると思われます。

ただ、それよりもナンバー認識精度の方が気になるポイントですね。

駐車中のナンバー認識精度

駐車監視中のナンバー認識精度について、淡い期待を持ちつつテストを行いました。(笑)

 

結果は上の動画の通りですが、数字部分はなんとか読み取れるものの、全容は把握できない状況です。

業界的には当て逃げ対策、イタズラ対策、車上荒らし対策などを一括りにして「駐車監視」と表現していますが、車上荒らしに遭った場合にはドラレコごと持ち去られる可能性が高いですので、「Q-02c」の駐車監視は当て逃げと言うよりもイタズラ対策寄りであると感じました。

まあ、これは最初の予測通りではあります。

リアに設置した場合の見え方

コメント欄でリアに設置した場合の見え方についてご質問頂きましたのでテスト撮影を行ました。

 

 

後方車両の認識についてはかなり精度が上がっていますので、フロントに単体モデル+リアに「Q-02c」、またはフロントに「Q-02c」、リアに単体モデルという組み合わせも有効であると思われます。

どちらかというとフロントの方が鮮明な方が良いシチュエーションが多そうですので、フロントに単体モデル+リアに「Q-02c」の方が良さそうではあります。

なお、リアに設置した場合でも至近距離で停車している後方車両のナンバー認識は厳しい状況です。

当て逃げ対策としての駐車監視を重視するなら、単体モデルと組み合わせた方が良いように思います。まぁ、色々言い出すとキリがないですが。(笑)

「Q-02c」の総評

「Q-02c」の評価は簡単なようで難しく、駐車監視を考慮しない場合の単体モデルとしては事故の際の状況証拠の把握能力は「最強」と言えます。

さらに、対2カメラモデルや1+1の前後設置のケースと比較しても、サイドやフロントの左右の視野角の面で総合的には事故の際の状況証拠能力では勝っていると感じます。

弱点は精細感の低さと夜間に後方が認識しにくい点などが挙げられ、フロントにスタンダードタイプのドラレコ+リアガラスに「Q-02c」を設置してみてはどうか?と言うようなご質問も頂いています。

まあ、個人的には事故の際の状況証拠の把握という目的のみに絞れば「Q-02c」単体でも充分ではないかと感じる部分はありますが、ドライブレコーダー選びというのは保険と同様に最終的にはドライバーが安心できるかどうかと言うのがポイントになるかと思います。

また、状況証拠の把握という面で「Q-02c」を超える360°タイプのモデルは今のところないと言ってよいかと思いますが、ハイエンド単体モデル×3のマルチカメラ構成であれば「Q-02c」を超える状況証拠能力を発揮できる可能性はあるかと思いますので、このケースについては以下のページでテストを行います。(コスト的には変わらないです)

■ 全天球ドライブレコーダーとマルチカメラはどちらが良いのか?

(編集長 Omi)

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