実機レビュー MAXWIN 「MDR-C003B2」の評価 純正風デジタルミラー型2カメラドライブレコーダー

MDR-C003のLaBoon!!とMAXWINのコラボ企画

こんにちは! 元エンジン要素研究員で、自称エンジニア上がりモータージャーナリストの大林寿行です。

最近、更に中国メーカー(商社)から続々と新製品が登場しておりますが、特にドライブレコーダーでは、スマートミラ型でも似たような製品をよく見かける事が多く、購入する方の視点では、「どの製品を購入するのが一番良いのか分からない」というご意見をお寄せ頂きました。

そこで今回は、デジタルミラー型ドラレコの中でも、売れ筋商品であるMAXWIN「MDR-C003B2」を取り上げて、PORMIDO製品と比較をしながら、製品レビューをご紹介して行きます。

「MDR-C003B2」のスペックと特徴

「MDR-C003B2」のスペックは以下の表の通りです。

MDR-C003B2
24.1月発売
液晶モニターサイズ:9.88型タッチパネルIPS液晶
液晶モニター解像度:1600×400pixel
フロント:1920×1080P/27.5fps
リア:1920×1080/25fps
LED信号対応
レンズ視野角
対角124°/124°
microSD付属なし/最大128GB
GPS内蔵
駐車監視モード
タイムラプス/衝撃検知
専用ケーブルはOP
「ドライブレコーダーの持込取り付け」が出来るお店

本機は、純正風ミラー型ドラレコで、純正ミラー交換タイプの前後分離式化カメラとなったMDR-C003A1X/B1Xの後継機種にあたるモデルです。

カメラは、前後有効画素数200万画素、ソニースタービス IMX307 CMOSセンサーを搭載しており、ドラレコとしては、オーソドックスな仕様となっています。

また、C003A2/B2と車外/車内仕様でカメラか選べる仕様となっています。

セット内容とデザイン

セット内容は以下の通りとなります。

デジタルミラー本体

逆台形型の9.88インチで、本体自体はやや大きさを感じます。

純正ミラー交換タイプのため、アーム及びブラケットを組み付ける必要があります。今回、ノアヴォクシー90系に装着しましたが、付属のアームで単眼カメラの干渉等もなく、取付する事は可能でした。

前後カメラ

前後同じカメラを使用しており、200万画素1/2.7型フルカラーソニースタービス CMOSセンサーIMX307を採用。

カメラのタグを確認すると、0307品番を確認する事が出来ます。

基盤にも307の番号が使われている事が確認出来ます。

アスペクト比16:9のイメージセンサーが使われていますが、単体だけでは、ソニーセンサーかどうか判別出来ないので、日本メーカーが手がけるネオ東京のミラーカム3のカメラに内蔵されているIMX307と比較しました。

イメージセンサを含めて、ネオ東京と全く同じ仕様のカメラである事が確認出来ました。

電源ケーブル

純正交換タイプのデジタルミラー型ドラレコのため、電源ケーブルは、ヒューズボックスに繋げる3芯ケーブルを使用。

リヤカメラケーブル

リヤカメラ接続ケーブルは、7mタイプが付属され、ノアヴォクシー90系でも使用しましたが、十分余裕のある寸法でした。

その他付属品

クロス、カメラハーネスカバー、ハーネスフック、ドラレコマグネットが付属。

取付要領までしっかりと掲載されている取り扱い説明書が同され、保証書も一緒になっています。

「MDR-C003B2」の取付について

今回はPORMIDOスマートミラーとの比較の為に、90系ヴォクシーにPORMIDOミラーの上に仮設置しました。

リアカメラは、車内カメラ専用になりますので、リア純正スモークガラス内側に貼り付けをしています。

なお、リアカメラケーブルの赤いバック信号線をバックランプの+線に割り込ませる事でバックギアに連動して映像範囲を切り替える事が出来ます。

「MDR-C003B2」のインターフェイスについて

インターフェイスは、ネオ東京で使われている物と同系統のもので操作性は良好です。

「MDR-C003B2」の前後カメラの反転及び鏡像機能

唯一、設定項目で異なる機能が、フロントカメラ上下反転及び左右反転(正像/鏡像)機能の有無になります。

特に上下反転機能がある事により、リヤカメラと同様、フロントカメラの取付向きの自由度が上がりますので、より様々なクルマに対応しているのがMDR-C003B2となります。

「MDR-C003B2」のスマートミラーとしての画質

「MDR-C003B2」のスマートミラーとしての画質は、次のポイントについてPORMIDOとの比較を行いました。

・ディスプレイの明るさ

・視野角と後続車両との距離感

・後続車両のヘッドライトの見え方
・夜間の明るさ

リアカメラはいずれも車内に取り付けています。

・両者同等の性能を持ち、全てデジタルミラーとして標準的レベルの性能である。

ディスプレイの明るさ

ディスプレイの明るさは、600cd/㎡と公表されており、この2者では同じ明るさであると感じました。また、1000cd/㎡以上の輝度を誇るMDR-A002と比べると暗めな印象を受けます。

見え方の特徴をまとめるとこのようになります。

・明るさはやや暗い→周囲の乱反射の影響は、ミラーの角度によっては受けやすい。

視野角と後続車両との距離感

どちらも拡大機能に対応した機種ですので、視野角については好みで設定可能です。

倍率1倍ではどちらもほぼ同じ見え方でした。

後続車両のヘッドライトの見え方

両者のヘッドライトの防眩効果は同等であり、スマートミラーの標準的なレベルは充分にクリア出来ています。

・防眩能力は標準的なレベル

夜間の明るさ

スマートミラーでは防眩能力と合わせて夜間の明るさも重視したいところです。

夜間の明るさについてもほぼ同等で、スマートミラーとしては標準的なレベルです。

・市街地での明るさは標準的なレベル

暗い場所での見え方について

暗い場所での見え方についてもほぼ同等で、スマートミラーとしては標準的なレベルです。

・暗視能力は標準的なレベル

ドライブレコーダーの画質、機能について

「MDR-C003B2」のドライブレコーダーの画質と機能・性能について

ドラレコ画質についてはPORMIDOのデジタルミラー型ドラレコの映像を比較しました。

比較ポイントはこちらの通りです。

・録画視野角
・HDR補正能力
・ナンバー認識精度
・夜間の明るさ
・両者同等の性能を持ち、全てドラレコとして標準的なレベルの性能である。

録画視野角について

後方視界の視野角比較。MDR-C003B2 水平102度/PORMIDO 水平?

・両者の視野角は同等で、標準的なレベル

HDR補正能力

停車時の後方車両のヘッドライトによる防眩性能。

・両者のHDR補正能力同等で、標準的なレベル

ナンバー認識精度

走行時の右側前方車両のナンバー認識精度。

停止時の前方車両のナンバー認識精度。

・両者のナンバー認識精度は同等で、標準的なレベル

夜間の明るさ

・両者の夜間の明るさは同等で、標準的なレベル

フレームレートとLED信号の映り方について

「MDR-C003B2」のフレームレートはフロントカメラ:27.5fps、リアカメラ:25fpsとなっていますので、日本全国でLED信号が高速点滅して映るでしょう。

「MDR-C003B2」の総評

最後に「MDR-C003B2」の総評です。今回は、読者様よりご意見を頂き、デジタルミラー型ドラレコでも似たような製品をよく見かける事が多く、「どの製品を購入するのが一番良いのか分からない」というご意見をお寄せ頂き、PORMIDO製品との比較レビューを実施する事としました。

結論は、ミラーの見え方及びドラレコの性能は、両者共に同等である事が分かり、また、デジタルミラー型ドラレコの性能は標準的なレベルでした。

その大きな理由は、採用されているカメラが全く同じ物が使われていたためです。

当初、PORMIDOのフロントカメラは、ソニースタービス IMX335 500万画素対応センサーを使っていると謳っており、同系統のユニットを使っていても、フロントカメラの解像度の違いにより差別化を図っているのか?レビュー前に最も着目した点でした。

しかし、収録動画の映像を比較してみると、見え方が全く同じであり、また、ナンバー認識精度の比較のために、収録動画を並べてみると、有効画素数の違いがなく、MDR-C003B2が使っているIMX307 200万画素対応センサーを使っているのではないかと疑問を持ちました。

そこで、カメラを分解して、搭載されているイメージセンサーの比較を行いましたが、MDR-C003B2と全く同じIMX307センサーを使っている事が判明しました。

しかし、MAXWIN MDR-C003B2も中国メーカー(商社)であり、IMX307センサーを使っているのか少々疑問があり、日本メーカーのネオ東京のミラーカム3で採用されているIMX307センサーを物差しとして比較を行いました。

その結果、同じセンサーを使っている事が判明し、PORMIDOの製品は、IMX335 500万画素センサーを使っておらず、IMX307 200万画素対応センサーを使っている事が断定されました。

現在、PORMIDO販売サイトでは、IMX335 500万画素センサーを使っている虚偽な表記は削除されており、MDR-C003B2と同じスペックである事が、販売サイトでも読み取れるようになっています。

※PORMIDO公式HPより抜粋

製品自体は同等の性能を誇っていたとしても、虚偽な表記をして、スペックの水増しにより、物を売ろうとする精神を持った中国メーカー(商社)の製品を誰が快く購入をするのでしょうか?

今回の件は、PORMIDOだけの問題ではなく、MAXWINやAKEEYOなどの中国を代表とするガジェットメーカー(商社)に対して、顔に泥を塗る行為に値します。

我々LaBoon!!は、中国製の製品が悪いと考えておりません。何故なら、今や大企業であるユニクロは、中国生産の製品でありながらも、日本人がものづくりの現場に介入する事によって、ハンドリングしつつ、品質とコストで磨きをかけて伸びてきた企業です。

日本人の売りである誠実で、丁寧で、正直な精神を注ぎ込む事により、中国生産の製品であっても、信頼性の高い製品にシフトして行けるであろうと考えております。

その中で、今回レビューさせて頂いたMAXWIN MDR-C003B2は、中国製ドラレコとして、皆様に躊躇する事なくおすすめ出来る一台である事をこの記事の最後にお伝えしたいと思います。

MDR-C003のLaBoon!!とMAXWINのコラボ企画

コメント

  1. dekapan より:

    はじめまして。
    MDR-C003B2またはMDR-A001Bのいずれかを検討していて、参考にさせていただいてます。

    MDR-A001Bの読者レビュー(https://car-accessory-news.com/mdr-a001b-meitantei/)を拝見しますと、消費電力と発熱について次のような評価をなさっていました。
    ・ACC OFF時の消費電力が小さいためバッテリー上がりの心配が少ない
    ・(検証環境下では)ほんのり温かい感じで過熱している感じもなく、かなり優秀

    よろしければMDR-C003B2の消費電力や発熱の観点からご見解をお伺いできますと幸いです。
    ※ACC OFF時の消費電力に関しては、どの駐車監視モードを選択するかにもよるかと思いますが、衝撃検知録画のみを想定しています。

    • ご参考頂きまして、誠にありがとうございます。
      デジタルミラーにおいて、発熱の観点で最も影響因子の強い要素は、モニターの輝度値になると考えています。
      C003は、PRD80CやNikomaku AS-X IIと同じ600カンデラに対して、A001は、1000カンデラと66%増の明るさとなっています。

      実際にモニターの発熱具合を確認しますと、C003は発熱という概念すら出て来ない程、カメラ自体の発熱も含めて、全く不安を感じる事がないレベルになっていると思います。
      C003自体の消費電力は測っておりませんが、同じハードを持つPRD80Cのタイムラプスの駐車監視時(モニターオフ)で5W程度でしたので、
      常時録画でモニターON時でも、モニター及びカメラの発熱の概念すら出て来ないC003ですので、衝撃検知録画による駐車監視録画の場合ですと、
      発熱による心配をする必要は無いのではないかと考えます。

      ちなみに、A001Bは、去年の春頃から継続して使用しておりましたが、一年経たない内にバグが出るようになってしまい、システムが立ち上がらなくなった経緯から、
      モニター輝度値に重きを置いて作られている事から、内部基盤自体が熱負荷に耐えられなかったんではないかと推測ではありますが、考えております。

      • dekapan より:

        大林さま
        早速のご回答をありがとうございます。
        とても参考になるご見解をいただき、ありがとうございました。

        想定している用途では、消費電力、発熱、ともにあまり心配する必要がなさそうで安心いたしました。
        逆に、MDR-A001Bは非常に安定している印象でしたので、大林さまの体験談をお伺いして驚きました。
        先述の読者レビューでもミラー部の温度が最も上昇しているとのことでしたし、輝度値の影響により、それなりの負荷がかかっているのかもしれませんね。

        MDR-C003B2の方で検討を進めていきたいと思います。
        この度は丁寧にご対応いただき、ありがとうございました。

タイトルとURLをコピーしました