※2020年10月25日更新~ケンウッド「DRV-C750」、ユピテル「Q-20P」、セルスター「CS-360FH」の実機テストを行った為、追記しました。

こんにちは!Omiです。

最近はあおり運転からの暴力事件に関する報道が増えている事から360°ドラレコに注目が集まっています。

因みにマスメディアの報道や小売店のセールスなどでは「煽り運転には全方位録画が出来る360°ドラレコが有効です」と言った表現が多く見られますが、360°ドライブレコーダーが得意なのは事故の際の状況認識であって、後方からの煽り運転の証拠を捉えるのは苦手です。

ここを履き違えると選ぶべき製品が全く変わってきますので注意しましょう。

360°ドライブレコーダーが煽り運転対策に向かない理由

360°ドラレコが、煽り運転への対策としては向いてない理由は次の2つです。

・後方の視認性が非常に悪い
・ナンバーの認識精度が絶望的に低い

360°ドラレコは全体の状況を幅広く記録する事には優れていますが、解像度が低すぎて肝心の煽り車両のナンバーを捉える事に関しては絶望的なほど役に立ちません。

360°ドラレコで前方の車のナンバーを認識するなら、6K~8K/1800万~3200万画素以上が必要になり、現在主流である200~400万画素ではぶつかる手前まで車を寄せて運が良ければ読み取れるかどうか?と言ったレベルです。(一部の超高額モデルを除く)

警察にナンバーがはっきり分からない車に対しての捜査を期待する事は、2019年の常磐道での煽り運転からの暴力事件に対する各県警の動きを見ている限りでは難しいと言えるでしょう。

壮絶な煽り運転の末に、殴られて鼻血を吹いてる自分の顔だけ映って、相手の車のナンバーや人相が映らなかった…と言う悲惨な事にもなり得ます。

…と言う訳で、煽り運転の被害にあった時に強いのは、360°ドライブレコーダーではなく通常の2カメラドライブレコーダーになります。

前後が撮影できるおすすめ2カメラドライブレコーダー【2020年版】

ところが、最近ではフロントに360°ドライブレコーダー+リアにフルハイビジョンのスタンダードなカメラ、と言った2カメラモデルも増えてきていますので、事態としては少々ややこしい事になっています。

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実際のところ、2020年にはケンウッド・コムテック・ユピテルなどの大手のメーカーがこのタイプの製品の開発に力を入れており、日本のドラレコ業界では「360°+リアカメラ」と構成がトレンドになっています。

「360°+リアカメラ」の特性

では、「360°+リアカメラ」の実力は一体どうなのか?、通常の2カメラドラレコと比べて優れているのか?と言ったところが知りたくなると思います。

結論から言うと、煽り運転に対する証拠能力としては通常の2カメラドラレコ未満です。

…と言うのは、後方からの煽り運転に対しては通常の2カメラドラレコと同等以上の証拠能力ではあるものの、前に出られて蛇行運転をされたり、車を強引に止められた際にはフロントカメラのナンバーの認識能力で通常の2カメラドラレコに大きく劣るからです。

従って煽り運転に対しては「360°+リアカメラ」では不充分、一方で通常の2カメラドラレコは事故の際の状況認識が不充分と一長一短になり、①煽り運転、②事故対策のいずれに対しても高い証拠能力を期待するなら、最低でも3つ以上のカメラが必要になります。

360°+リアカメラと合わせて、最近では前後と横方向も合わせて撮影する3~4カメラのドライブレコーダーも増えていますが、それぞれの特性を比較するとこちらの表の通りになります

 点数事故対策煽り対策駐車監視
360°+リアカメラ10点★★★★★★★★★★
普通の2カメラ10点★★★★★★★★★★
3カメラ13点★★★★★★★★★★★★★
4カメラ15点★★★★★★★★★★★★★★★

※360°ドラレコはナンバーが読み取れないので、当て逃げ対策としては致命的に向いていない。

もちろん、予算や見た目、メーカーなどの制限がなければ「概ねこれが最強」と言った構成はありますが、ユーザーによって微妙に求めるところが違ってくると思いますので、この記事では

①主に事故対策としての360°ドライブレコーダー
②主に煽り運転対策としての3カメラ以上のドライブレコーダー

について、おすすめモデルをご紹介します。

なお、駐車監視向けの本命モデルは3カメラのVANTRUE「N4」となります

実機レビュー VANTRUEの3カメラSTARVISドラレコ「N4」の評価

また、4カメラも現状ではこちらの1機種しかないですし、タイプもスマートミラー型と一般的ではないので、こちらも以下個別レビューをご参照下さい。

アプデで各種安全運転支援を実装!4カメラスマートミラー型ドラレコ MAXWIN「SMDR-B001」のレビュー、評価

主に事故対策としておすすめの360°ドライブレコーダー

以前は360°ドラレコ単体のコムテック「HDR360G」もご紹介していましたが、既に後継機が発売されており完全下位互換の型落ちとなったので、この製品は除外してここでは次の6つの製品についてご紹介します。

・コムテック「HDR360GW」「HDR360GS」
・ユピテル「Q-20」「Q-30R」
・ケンウッド「DRV-C750」「CMOS-DR750」
・セルスター「CS-360FH」
・AKEEYO「AKY-V360S」
・カーメイト「ダクション360S」

コムテック「HDR360GW/360GS」

コムテックの「HDR360GW/360GS」は同社の第二世代の360°ドラレコで、以下のような違いがあります。

・「HDR360GW」:360°ドラレコ+リアカメラのセット
・「HDR360GS」:「HDR360GW」のリアカメラ別売バージョン

「HDR360GW」のフロント360°カメラ部分は、下図のように水平方向は全方位、垂直方向は上方向だけ視野をカットした240°となっています。

以前は垂直方向の視野が180°しかなかった製品が市場の主流でしたが、その場合にはこの様に前方の信号と後方の上の方が映りません。

コムテックの「HDR360GW」を含めてこの記事でご紹介する製品は、全て垂直方向の視野を充分に広く取った製品ですので、ここはこの記事内での差別化ポイントにはしません。

360°カメラ部分の「HDR360GW」は、他社類似品と比べるとやや暗めに映る傾向があり、360°ドラレコとしてのおすすめ度合いは2020年の10月時点では最低になっています。

360°カメラ部分のみ点数明るさ暗視能力白飛び防止黒潰れ防止ナンバー認識
AKY-V360S20点★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
CS-360FH18点★★★★★★★★★★★★★★★★★★
DRV-C75012点★★★★★★★★★★★
Q-20P12点★★★★★★★★★★
HDR360GW11点★★★★★★★★
HDR360G10.5点0点★★★★★★★★

一方でリアカメラに関してはややにじみが強い映像ではあるものの非常に明るく映りますが、肝となる360°カメラ部分の評価が低い上、価格も高い為、各社製品が出揃った現在ではおすすめしません。

実機レビュー コムテック360°+リアカメラの2カメラドラレコ「HDR360GW」の評価

ユピテル「Q-20」「Q-30R」

ユピテルの「Q-20(Q-20P)」はユピテルの廉価ゾーンの360°ドラレコで、フレームレートなどが若干異なるリアカメラ付きの「Q-30R」と言う製品も販売されています。

360°カメラ部分の「Q-20(Q-20P)」は、コムテック「HDR360GW」と同様の水平は全方位、垂直240°の録画視野角、強めのHDR補正と、画質的には良く似たものとなっていますが、「HDR360GW」よりも若干ながら夜間の撮影能力が高く、価格面で2ランクほど安いのが特徴です。

360°カメラ部分のみ点数明るさ暗視能力白飛び防止黒潰れ防止ナンバー認識
AKY-V360S20点★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
CS-360FH18点★★★★★★★★★★★★★★★★★★
DRV-C75012点★★★★★★★★★★★
Q-20P12点★★★★★★★★★★
HDR360GW11点★★★★★★★★
HDR360G10.5点0点★★★★★★★★

一方で2カメラタイプの「Q-30R」の方については実機未テストではあるものの、2020年世代のユピテルの2カメラドラレコのリアカメラは夜間撮影能力が落ちている為、リアカメラが弱点であると考えられます。

以下、同世代の2カメラドラレコ「SN-TW9500dp」のレビュー記事です。

実機レビュー ユピテル 最新STARVIS 2カメラドラレコ「SN-TW9500d」「SN-TW9500dP」の評価

従って360°ドラレコ部分の「Q-20P」については価格面の優位性がありますので、他社の2カメラドラレコなどと合わせて運用する場合には候補に入れても良いでしょう。

実機レビュー ユピテル2020年モデル360°ドライブレコーダー「Q-20P」の評価

ケンウッド「DRV-C750」「CMOS-DR750」

ケンウッドのケンウッド「DRV-C750」「CMOS-DR750」は、360°ドラレコと専用OPリアカメラの別売2カメラドライブレコーダーです。

大手メーカーの中では後発組となりますが、360°部分の「DRV-C750」については先行するコムテック「HDR360GW」、ユピテル「Q-20P」と比べると夜間の撮影能力が若干高くなっています。

ただし、本気で明るいAKEEYO「AKY-V360S」と比べるとその他多数、と言ったレベルの明るさです。

コムテック、ユピテルの製品よりは明るいですが、価格面でユピテルの「Q-20P」よりも2~3ランク高くなっている為、この価格であればユピテル「Q-20P」、または次に紹介する「価格は少し高いが画質が断然上」のセルスターの「CS-360FH」をおすすめします。

また、OPリアカメラの「CMOS-DR750」は、2018年モデルの同社2カメラドラレコ「DRV-MR740」とほぼ同画質で夜間撮影能力はユピテルのリアカメラよりも低いので、2カメラセットは全くおすすめしません。

もう少し価格が下がって「Q-20P」に近付いてきたら「DRV-C750」をおすすめすると思います。

実機レビュー ケンウッド360°ドラレコ「DRV-C750」の評価

セルスター「CS-360FH」

セルスターの「CS-360FH」は大手4社の中では最新の360°ドライブレコーダーになり、現時点では私の考える本命となります。

ここまでの3社の製品とは異なり、2カメラで前後をこのような広範囲で撮影する仕様です。

一般的な360°ドライブレコーダーは、1つのカメラで明るい前方、暗い後方を撮影しなければならないので、露出の調整が難しく、HDR補正を掛けても薄暗い映像になりがちですが、本機に関しては前方・後方と担当する明るさが異なりますし、どちらも明るさ優先の調整が入っています。

昼間はやや白飛びが出易い傾向があるものの、夜間撮影能力では他の3社の製品よりも頭2つほど抜け出ており、価格帯を考えても本命と言える総合力となっています。

実機レビュー 夜間特化の360度ドライブレコーダーセルスター「CS-360FH」の評価

ただし、リアガラスに付ける後方専用カメラ設定はありませんので、万全を期するのであればリアガラスにリア専用のドラレコを取り付けるなどの対応が必要でしょう。

リア用におすすめのドライブレコーダー9選!!

AKEEYO「AKY-V360S」

AKEEYOは某大手量販店向けのOEM生産を10年近く続けてきた中国商社の直販ブランドですが、昨年後半から複数のスマートミラーを自社ブランドとして本格的に仕掛けて来ており、amazonでのスマートミラーのシェアは1ブランドとしては最高ランクのように見受けられます。

「AKY-V360S」は反射防止フィルム対応の11.88型の長方形の液晶、フロントの360°カメラ部分、リアカメラのスマートミラーとしての性能のいずれも現行機としては最高クラスとなっています。

360°ドラレコ自体がまだまだ一般的ではないですが、この製品はトータルバランスが非常に良い上にそれぞれの性能・機能面でも優秀なので一見の価値アリです

いきなり引いた!最強の360°ドラレコ×最強のスマートミラー AKEEYO「AKY-V360S」の実機レビューと評価

カーメイト「d’Action 360S」

カーメイトの「d’Action 360S」は360°×2レンズの全天球録画に対応したWiFi対応のドライブレコーダーです。(アクションカメラでもありますが)

「d’Action 360S」の最大の見るべきポイントは、ドライブモードで録画した際には全天球を「2880×1440」、フロント部分のみを通常の単体ドラレコと同じフルハイビジョンでダブルで録画できる点です。

これで走行中の最大の弱点は克服された訳ですが、残念ながら駐車監視モードでは4K全天球の録画モードになってしまうので、ナンバー認識は微妙になります。

白飛び耐性や夜間の明るさの面では、スマホとPCビュワーに明るさ調整機能が搭載されていますので、他のドラレコに比べるとかなり良い方かと思います。

また、「ダクション360S」は液晶を搭載しないWiFiモデルですが、アプリの操作性が直観的で分かり易く、機能面でも充実している為、使い勝手の面では全体的にかなり良い部類に入ります。

※以下360°VR動画です。

リアガラスに付ける後方専用カメラ設定はありませんし、価格が高すぎて気軽に「おすすめです!」とは言えませんが…

カーメイト全天球ドライブレコーダー+アクションカメラ「ダクション360S」のレビュー、評価

煽り運転対策としての3カメラ以上のドライブレコーダー

煽り運転対策としての3カメラ以上のドライブレコーダーについては、同一カテゴリーの製品のうち上位互換機に当たるもののみをご紹介します。

・VANTRUE「N4」~3カメラ
・AKEEYO「AKY-X3GTL」~3カメラスマートミラー
・GARMIN「46Z」と「mini」~最大4カメラのWiFiネットワークドラレコ
・MAXWIN「SMDR-B001」~4カメラスマートミラー

VANTRUE「N4」

VANTRUEの「N4」は2020年4月発売の3カメラドラレコです。

フロント+リアカメラと赤外線LEDを搭載したインナーカメラが付帯する3カメラの高解像度STARVISモデルですが、専用のPCビュワーの補正能力が素晴らしくほぼ全ての面で一般的な2カメラドラレコの画質を大きく上回っていますので3カメラドラレコの本命と言えます。

前後に加えてインナーカメラで左右も撮影できますので、事故の際の状況証拠・煽り運転対策・駐車監視などの様々ん目的にオールマイティに対応出来る点も魅力です。

実機レビュー VANTRUEの3カメラSTARVISドラレコ「N4」の評価

 AKEEYO「AKY-X3GTL」

AKEEYOの「AKY-X3GTL」は前後2カメラのスマートミラーに、車内または左サイドのいずれかを録画出来る3カメラタイプのスマートミラーです。

サードカメラを左サイドに取り付けた場合には、バックなどの際に左後方の確認が重点的に可能になり、フロントガラスなどに内向き取り付けた場合には車内から横方向を撮影する事が可能になります。

リアカメラは「AKY-V360S」と共用なのでスマートミラーとしての性能も充分です。

スマートミラーありきで考えている方におすすめの全方位録画モデルとなります。

AKEEYO「AKY-X3GTL」の2つのサイドカメラを比較テスト、車内に取付けも!

 GARMIN「46Z」と「mini」

GARMINの2カメラドライブレコーダー「46Z」とその追加カメラの役割を果たす「mini」は、最大で4カメラまでのBluetoothとWiFiによるネットワークの構築が可能な過去にないタイプのネットワークドラレコです。(全て200万画素のフルハイビジョン)

それぞれのカメラにはUSB電源からの給電は行いますが、それぞれのカメラを結ぶ物理ケーブルは存在しません。

ベースとなる2カメラの「46Z」と「mini」はそれぞれ単独でも運用可能ですが、「46Z」にコンパクトな「mini」を追加する事で最大で4カメラ環境を構築する事が出来る上、ネットワークの管理や配線の取り回しも他のモデルに比べると容易になっていますので、マルチカメラで全方位録画を考えるのであれば是非とも候補に入れたい逸品です。

4カメラまで追加可能なネットワークドラレコ GARMIN「Dash Cam 46Z」が便利すぎた!

MAXWIN「SMDR-B001」

MAXWINの「SMDR-B001」は4カメラ撮影対応のスマートミラー型ドラレコです。

基本セットは前後2カメラとサイドミラー埋め込み式のサイドカメラ×2の4カメラ構成ですが、OPで貼り付けタイプのサイドカメラが用意されており、こちらを使用する事で任意の方向を撮影する事が可能になっています。

スマートミラーとしての機能も優れている多機能モデルです。

アプデで各種安全運転支援を実装!4カメラスマートミラー型ドラレコ MAXWIN「SMDR-B001」のレビュー、評価

まとめ

以上、360°の全方位撮影が可能なドライブレコーダーについて、事故の証拠を目的とした360°ドラレコと煽り運転対策を目的としたマルチカメラモデルについていくつかご紹介しました。

これらのモデルはドラレコの中でもそこそこ高いので、なるべく自分の目的に合わせた構成を選ぶようにしましょう!

(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣

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