※2019年9月20日更新~実機レビューについて追記しました。

VANTRUEの一体型2カメラドライブレコーダー「N2 Pro」についてご質問を頂きましたので、製品の特徴について解説します。

「N2 Pro」は2017年に発売された「N2」の後継上位モデルで、画質面で大幅は改善が見られるモデルです。

2年前に「N2」をテストした際には完成度は高いものの、2カメラドライブレコーダーとしてはオマケ的な印象でしたが、「N2 Pro」については前後のカメラともにパワーアップ&その動画を処理するエンジンも見直されています。

因みに2019年8月に起きた常磐道での煽り&殴り事件で被害者側の車に装着されていたのが、この「N2 Pro」だそうです。

「N2 Pro」のスペック

「N2 Pro」のスペックは以下の表の通りです。

N2 Pro
18.??発売
フロント:1920×1080/30fps
リア:1920×1080/30fps
LED信号対応
フロントレンズ視野角:対角170°
リアレンズ視野角:対角140°
microSD付属なし
最大256GB
GPSはマウントOP
駐車監視モード
動体検知/自動起動
タイムラプス/手動起動
専用ケーブルはOP
「ドライブレコーダーの持込取り付け」が出来るお店

「N2 Pro」は、円筒型の筐体の前後にレンズが配置された2カメラドラレコですが、それぞれ以下の異なるイメージセンサーが搭載されています。

①フロント~OV4689(400万画素の高解像度向けセンサー、暗い場所は苦手)

②サブ~IMX323(200万画素のSONYの汎用ドラレコ向けセンサー、暗い場所は得意)

録画解像度ついてはフロント単体録画であれば、「2560×1440/30fps」「1920×1080/60fps」での録画が可能ですが、2カメラ録画時には「1920×1080/30fps」×2となります。

フロントの400万画素のOV4689は、本来は高解像度録画向けのセンサーですので2カメラ録画が前提であれば前後ともに200万画素のIMX323が望ましく感じますね。

サブカメラに関しては赤外線LED+IMX323ですので、夜間の車内はかなり明るく映ると思います。

車外についてはそれほど強力なHDR補正が入っている訳ではなさそうですので、そこそこ白潰れする様子ですね。

従ってサブカメラは、車外ではなく車内撮影用と割り切った方が良さそうです。

「N2 Pro」のレビュー概要は以下の動画でも視聴出来ます。

付属品とデザインについて

「N2 Pro」のセット内容は以下の通りです。

①ドラレコ筐体

②吸盤マウント

③miniUSBシガー電源ケーブル

④miniUSBケーブル(外部機器に接続時に使用)

⑤取扱説明書

本体のデザイン

本体のデザインは下位モデルの「N2」とほぼ同じ、スタイリッシュな円筒型で筐体のほぼ中央にレンズが配置されています。

車内側には右側にサブカメラと4灯の赤外線LED、1.5型液晶が配置され、左側に2ボタン、下側には4ボタンが配置されています。

端子類は向かって左側に集中しており、miniUSB電源端子、外部出力用のminiHDMI端子、microSDカードスロットが装備されています。

吸盤マウント

付属の吸盤マウントはGPS非搭載、OPでGPS内蔵のマウントを購入する事が可能です。

因みにどちらのマウントにも第二の電源端子が装備されているのですが、端子の位置が異なります。

何れも吸盤をセットした状態ではバーが上に来ますが、付属品のマウントは左側に

GPSマウントは先端に端子が付いています。

シガー電源ケーブル

シガー電源ケーブルはminiUSBタイプで、根元のカバーをスライドさせるとUSBポートが顔を出します。

こちらのポートからスマホの充電などが可能です。

「N2 Pro」の取付について

今回は初期型のリーフに「N2 Pro」の取り付けを行いました。

比較用に他にもドラレコがたくさんついていますが、インナーカメラ付きのこのデザインの場合、ルームミラー下から液晶とインナーのレンズ部分が飛び出るような形に設置した方が良さそうです。

※あんまり下げると保安基準に引っ掛かりますが。

「N2 Pro」のインターフェイスについて

起動時間は2カメラドラレコとしては速めの7秒程度です。

「N2 Pro」のインターフェイス自体はメニューボタンを押す事で全てのツリー入口が表示される為、分かり易い構成ではありますが、画面のサイズが1.5インチと小さく、本体下のボタン類も小さ目なので操作性は良い方ではありません。

本体での動画再生に関しても、液晶の大きさの関係で視認性は最も良くない部類に入ります。

※同社の「X4」はGPSでの時刻同期が不可でしたが、本機については同期を確認しました。

 画質について

「N2 Pro」の画質については、フロントカメラはケンウッド「DRV-340」、インナーカメラは以下の3モデルと昼夜の見え方を比較しています。

①ケンウッド「DRV-340」

②ユピテル「SN-SV40c」

③コムテック「HDR-352GH」

フロントカメラ

フロントカメラの画質についてはケンウッド「DRV-340」と、こちらのポイントを比較しました。

①録画視野角

②ナンバー認識精度

③逆光補正能力

④夜間のナンバー認識精度

⑤夜間の明るさ

録画視野角について

録画視野角についてはドライブレコーダーとしてはまずまず広めの水平114°でした。

ナンバー認識精度について

ナンバーの読み取り精度についてはフルハイビジョンモデルの中では標準+αクラスです。

逆光補正能力について

「N2 Pro」はHDR対応と謳われていますが、逆光補正能力は一般的な中華ドラレコと同等で、白飛びには強くありません。

夜間のナンバー認識精度について

同様に夜間にヘッドライトが強く反射した部分のナンバープレートは真っ白になり、読み取る事が出来ません。

夜間の明るさについて

夜間の見え方は街灯が多い市街地、ヘッドライトのみでの走行時のいずれにおいても非常に明るく、暗視能力に関してもSTARVIS対応モデル以外では最も明るい部類に入ります。


インナーカメラ

インナーカメラについては、車内・車外が広い範囲で昼夜を問わずしっかり録画されるのが理想ですが、カメラの宿命として暗い車内と明るい車外を同時に撮影すると、車外が白く潰れてしまうと言う問題があります。

また、「N2 Pro」の場合には夜間は赤外線で明るさを確保していますが、通常のドライブレコーダーの場合には街灯がまばらな場所では真っ暗に映ってしまいます。

今回は「N2 Pro」のインナーカメラの見え方を以下の3つの異なる特徴を持った機種と比較しました。

①ケンウッド「DRV-340」~ごく普通のドライブレコーダー

②ユピテル「SN-SV40c」~STARVIS対応の暗視特化モデル

③コムテック「HDR-352GH」~逆光補正・明るさに優れた超広角のバランスモデル

比較ポイントはこちらの通りです。

①録画視野角

②逆光補正能力

③夜間の明るさ

録画視野角について

車内だけを撮影した場合には録画視野角は気にする必要はありませんが、車外も撮影したい場合には視野角が広ければ広いほど状況の確認の面では有利になります。

結果はこちらの通り。

①コムテック「HDR-352GH」~水平132°

②ユピテル「SN-SV40c」~水平115°

③VANTRUE「N2 Pro」~水平107°

④ケンウッド「DRV-340」~水平100°

逆光補正能力について

車内だけが映れば良いのであれば、車外の白潰れは気にする必要はありませんが、車外も撮影したいのであれば逆光補正能力は重要です。

この4モデルの中ではやはりコムテックの「HDR-352GH」が抜群に高く、次いでケンウッドDRV-340」=ユピテル「SN-SV40c」、VANTRUE「N2 Pro」は最も低くなり、車外の撮影能力の面ではまだまだ改善の余地があります。

※撮影は曇りの日に行いましたので、晴れの日ではもっと差が出る筈です。

夜間の明るさについて

夜の明るさについては、街灯が多い市街地・街灯が少ない場所・車内・車外で状況が変わります。

【市街地】

【街灯が少ない場所】

評価をまとめるとこちらの表の通りになります。

 N2 ProDRV-320SN-SV40cHDR-352GH
車内・市街地★★★★★★★★★★★
車内・街灯少★★★★★★★★★
車外・市街地★★★★★★★★
車外・街灯少★★★★★

やはり「N2 Pro」のカメラ特性は昼夜ともに車内の撮影に特化したものとなっており、車外の撮影能力も必要な場合には単体の夜間特化モデルの方に分があります。

西日本LED信号の見え方について

「N2 Pro」の出力フレームレートは30fpsの固定、録画フレームは1秒に2~3コマのダブりがありますので、おそらく撮影は27~28fps、出力は30fpsで行っているものと考えられますので、西日本エリアでのLED信号は高速点滅するでしょう。

駐車監視の仕様と運用について

「N2 Pro」の駐車監視については以下の専用の常時電源ケーブルを使用します。

本機で「駐車モード」として扱われているのは「動体検知」となります。

「駐車モード」の設定をONにした状態で、エンジン停止後に5分間動きがなければ自動で「動体検知」の録画を行う「駐車モード」に切り替わります。

または、「P」ボタンの長押しでも「動体検知」の起動が可能です。

動体を検知した場合には10秒間の録画を行い、エンジンをオンにして車を動かすと自動で走行時の録画モードに戻ります。

 

また、本機には「駐車モード」以外にもタイムラプス機能があり、この機能をONにする事で「駐車モード」の設定に関わらず、常にタイムラプスによる録画を継続するようになります。

駐車中にタイムラプスを使用したいのであれば、車を降りる前にタイムラプスの設定をON、車に戻ったらOFFにするなど、手動での操作が必要になります。

※説明書には動体検知はフロントカメラのみと記載されていますが、こちらで確認した限りではインナーカメラでも動体を検知して録画を開始しています。

外部電源を使用した駐車監視の運用

ドラレコ用の外部バッテリー「UPS300」を使用しての駐車監視については、動体検知モードで12時間の録画&待機が可能でした。

■ ドライブレコーダー駐車監視用バッテリー 「UPS300」の使い方

その他の外部バッテリーでの駆動時間の予測は以下の通りです。(駆動の可否のみ確認)

型番UPS300
UPS400
UPS500EN6000EN12000
容量28.8Wh115.4Wh76Wh153Wh
駆動時間12時間48時間31時間63時間
満充電180分240分50分100分

■ ドラレコ駐車監視用バッテリーMEDIK「UPS400」「UPS500」

■ ドラレコ駐車監視用 急速充電バッテリー ikeep MIGHTYCELL

動画の再生方法について

動画の再生については以下の4つの方法をテストしました。

①ドラレコ本体での再生

②スマホでの再生

③PC専用ビュワーでの再生

④PC汎用ビュワーでの再生

ドラレコ本体での再生について

ドラレコ本体での再生は液晶が小さいので画面はみにくいです。

※実際の再生の様子は以下動画で解説しています。

スマホでの再生について

スマホでの再生はメーカーのサポート範囲外ですので自己責任で行います。

iPhone 7での再生については「Tube Reader」と言うガジェットを使用する事で問題なく可能でした。

android端末については、XPlayerでカードリーダー経由での再生が可能でした。

ドライブレコーダーの動画の見方、ソフトや8つの再生方法のまとめ

※実際の再生の様子は以下動画で解説しています。

PC専用ビュワーでの再生について

PCの専用ビュワーは以下のソフトウェアを使用します。

■ Vantrue Dash Cam GPS Player

GPSマウントを使用した状態で録画をしたファイルを再生すると、地図への走行ルートの表示、速度、方位計、Gセンサーグラフの表示などが可能ですが、再生速度の変更、画面の拡大・縮小、前後の動画の同時再生などは出来ず、良くあるスタンダードな機能となっています。

PC汎用ビュワーでの再生について

PC汎用ビュワーでの再生については、Windows 10のメディアプレイヤー、OSにデフォルトで搭載されている「フォト」「映画&テレビ」での再生、Quick Time Playerでの再生も可能でした。

大容量microSDでの録画・再生状況

「N2 Pro 」のmicroSDカードのサポート範囲は256GBまでとなっていますが、以下の200GB以上のカードでの1時間の録画・再生に異常は見られませんでした。

■ サンディスク200GB Class10

■ サムスン256GB U3

■ 上海問屋256GB U3

1時間当たりのデータ使用量は10.8GB程度ですので、128GBでは11時間、256GBでは22時間程度の録画データの保存が可能です。

偽物に注意!!ドライブレコーダーにおすすめのmicroSDカードは?

地デジへのノイズの影響について

地デジへのノイズの影響のテストは、初期型リーフの純正EVナビで行いました。

ギリギリでフルセグが映る場所での電源のON/OFFの操作で、アンテナの数に変化はありませんでした。

※地デジへの影響は車種やカーナビの種類、アンテナの位置で異なる場合があります。

ドライブレコーダーのノイズ、地デジ電波障害の対策

「N2 Pro」の総評

例えば今回の常磐道での煽り運転からの暴力事件の被害を想定した場合、「N2 Pro 」単体の使用では後方車両との距離感やナンバー認識の面で不安が残ります。

もちろん、車を前に停められて進路を妨害されるところまで行けば、フロントカメラの方でナンバーは記録されるケースが多い事と思いますが、そこまで至らなかった場合、煽られるだけ煽られて横から抜き去られるなどの場合には相手の車のナンバーは映りませんし、やはり万全を期すのであればリアガラスには別途シングルドライブレコーダーを設置する前提で考えたいところです。

この条件で突き詰めて考えて行くと、「N2 Pro 」は昼間も夜も車内の状況はバッチリ映りますので、実際に車を停められての車両や身体への暴力、または警察の誤認逮捕に対しては最も強力な証拠を残せるモデルと言えます。

一方で逆光補正能力がそれほど高くなく、夜間も赤外線の明るさに頼った撮影をしている為、車外の横方向の認識が苦手であると言う事が分かりました

因みに現時点では単体モデルとしてのライバルはほとんど存在していませんので、一体型の2カメラモデルのスタンダードとして、今後のベンチマーク基準にして行きたいと考えていますが、見た目やコスト、運用の不便さなどを考えないのであれば、コムテックの「HDR-352GH」や、広角のSTARVISモデルが車内向けの単体カメラとしては良さそうである事も分かりました。

コストと運用面での利便性を考えるのであれば、「N2 Pro」を軸に考えて、リアガラスにSTARVIS対応の「SN-SV40c」「SN-R11」などを追加で設置する方法が良さそうです。

この構成なら3万円台後半で3カメラ構成が組めます。

 

上を目指すとキリがなく、5~6万円の全天球モデル「d’action360S」をフロントに、リアに「SN-SV40c」「SN-R11」などを入れればほぼ最強の構成になりますが、7~8万円のコストが掛かりますので、どこまでお金を掛けるかですね。

既に単体のドラレコが余っているような状況であれば、それを後方に設置してフロントに「N2 Pro」を取り付けるであるなどの使い方も考えられます。

なお、最近MAXWINから「N2 Pro」のライバル機も発売されていますので、気になる方はこちらの記事もどうぞ。

実機レビュー 前後STARVISの一体化2カメラドラレコ「DVR-D021」の評価

(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣

■ 前後が撮影できる2カメラドライブレコーダー11選

■ ネット通販で購入した持ち込みパーツの取り付け店舗の探し方

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