実機レビュー microSDカードを使わないeMMC対応の4Kドラレコ YAZACO「P4」の評価

※2021年8月11日更新:実機レビューを追記しました。

こんにちは!Omiです。

ドライブレコーダーの記録媒体はmicroSDカードが一般的ですが、このところ内蔵ストレージeMMCを搭載するドラレコがぼちぼち見られるようになってきました。

今回ご紹介するYAZACOの「P4」も64GBのeMMCに対応するフロント4K+リアフルハイビジョンのハイエンド2カメラドライブレコーダーです。

個人的には4KとeMMCを組み合わせるのは時期尚早と感じているのですが、ざっくりと「P4」の特徴を見てみましょう。

「P4」のスペックと特徴

「P4」の特徴はこちらの表の通りです。

P4
21.0?発売
フロント:3840×2160/25fps/STARVIS
リア:1920×1080/25fps/STARVIS
レンズ視野角
フロント:対角170°
リア:対角??°
LED信号対応
microSD非対応/eMMC64GB
リアカメラケーブル8m
GPS内蔵
駐車監視モード
タイムラプス/自動起動
専用ケーブルはOP
「ドライブレコーダーの持込取り付け」が出来るお店

フロントカメラは800万画素のSONY「IMX415」STARVISセンサーを搭載し4K出力、リアカメラは200万画素の「IMX307」STARVISセンサーでフルハイビジョン出力を行います。

カメラ性能的には充分期待できる内容ではありますが、64GBのeMMCと4K+リアカメラの組み合わせはお互いの長所を消し合うミスマッチであると個人的には感じています。

eMMCのメリットとデメリット

ドラレコにeMMCを使う際のメリットとデメリットを整理しておこうと思いますが…

まずはメリットはYAZACOの販売ページでも解説されている通り

・microSDカードを差し込む必要がない簡単運用
・microSDカードとの相性問題が発生しない確実性

の2点になろうかと思います。

一方でデメリットはこちらの3点が考えられます。

・動画をPCで再生する際に本体を外す必要あり(WiFiモデルなら不要)
・事故で証拠を提出する際の手順が面倒(本体を外してPCに吸出し→カードにコピペ)
・ストレージ容量が小さい(エントリーモデルなら良いですが)

セット内容とデザイン

YAZACOさんから「P4」の実機サンプルをご提供頂きましたのでレビューを追記します。

なお、LaBoon!!では、メーカーさんへの忖度が必要になる事を避ける為、一部のYouTuberやインフルエンサーなどのように広告費や動画制作費などを頂く事はせずにレビューを行っています。(YouTuberの一般的な広告単価はチャンネル登録者数×1~1.5円です
サンプルは原則として自腹購入、時々メーカーさんに製品サンプルを提供してもらう事もありますが、忖度はしません。
なぜならこのような依頼を有料で承った場合、月間80万PVのLaBoon!!のWEBメディアとしての価値を考慮した際の業界内での広告費の相場は「10~50万円程度」になりますし、一連のコンテンツ制作を外注化しただけでも10万円以上の費用が掛かるものを無料でレビューしていますので、メーカーさんへの忖度が必要とは考えていないからです。
このような運営方針からスポンサーなしでの運営を継続する為に、GPSによるドラレコ駐車監視時の電源コントロールガジェット「iZONE」なども自社で企画・開発していますので、駐車監視をされている方は購入を検討して頂けると幸いです。
https://car-accessory-news.com/izone/

セット内容とデザイン

「P4」セット内容についてはこちらの通りとなります。

・フロントカメラ筐体
・リアカメラ
・カメラ接続ケーブル(アナログ4極 8m)
・miniUSBシガー電源ケーブル
・miniUSB通信ケーブル
・ドラレコステッカー
・取扱説明書

フロント筐体

フロント筐体のデザインは最近の2カメラドラレコとしてはやや大きめです。

リアカメラも同様にラージサイズですが、最近のドラレコはコンパクトが進んでいますのでこのサイズ感のものは久々でしたので、良し悪しは別として逆に新鮮でした。

【コムテック「ZDR035」】

液晶サイズはスタンダードな2.3型、筐体正面には5つの操作ボタン

筐体の左側面には電源端子とリアカメラ接続端子が配置されている他には、端子類が一切ないスッキリしたデザインとなっています。(普通はここにmicroSDカードスロットがあり、このタイプのmicroSD版も存在します。)

リアカメラ

リアカメラもラージサイズで、横から4芯のケーブルが生えているタイプ、サイドにはレンズの角度を上下に調整する為のツマミがあります。

カメラ接続ケーブルはコムテック定番の8mのアナログ4極タイプです。

電源ケーブル

電源ケーブルはminiUSBシガープラグタイプとなりますが、駐車監視モードの運用には別途専用の3芯常時電源ケーブルが必要です。

また、この製品はmicroSDカードを使用出来ませんので、PCでの動画再生の際にはこちらのminiUSB通信ケーブルを使用します。

インターフェイスについて

電源ONから録画開始までの起動時間は8秒程度と2カメラドライブレコーダーとしては標準的です。

メニューツリーは一本化されており、ボタンの役割がプリントされていますので使い勝手は悪くありません。

ただし、夜間にはこのプリントが見えませんので操作には慣れが必要です。

車内への取付けについて

今回はアクアに「P4」の取り付けを行いました。

ミラー裏に隠す事も出来ますが、他社製品のカメラが付いていますので右側に少しずらして取り付けました。

リアカメラケーブルは長めの8mですのが、ミニバンなどでは配線の引き方によっては届かないケースもあるかも知れません。

一般的な2カメラドライブレコーダーの取り付け手順はこちらの記事で解説しています。

【保存版】自分で前後2カメラドライブレコーダーを取り付ける方法について解説
...

ドライブレコーダーとしての画質について

画質については次の2つの2カメラドライブレコーダーと前後の映像を比較しました。

・コムテック「ZDR35」~前後フルハイビジョン
・VIOFO「A129 Pro」~前4K、後フルハイビジョン

比較ポイントはこちらの通りです。

・録画視野角
・逆光補正能力
・ナンバー認識精度
・夜間の明るさ

録画視野角について

フロントカメラのレンズ視野角は対角170°書かれていますが、実際の録画視野角は仕様表の表記よりも随分狭く水平117°程度で、現行のドライブレコーダーとしては標準的な部類に入ります。

リアカメラはやや広めの水平120°程度です。

これら3つのモデルの前後合わせた録画視野角を広い順番に並べると次のようになります。

①コムテック「ZDR035」~前:水平135°+後:135°=270°
②YAZACO「P4」~前:水平115°+後:120°=235°
③VIOFO「A129 Pro Duo」~前:水平109°+後:101°=210°

「P4」は、現行2カメラドラレコとしては標準的な録画視野角の製品と言えます。

逆光補正能力について

「P4」は前後カメラとも白飛びが出るようなシチュエーションでは露出を絞り、明るさを抑えていますので白飛びには強いものの、その分黒潰れが出やすい特性と言えます。

【フロント】

【リア】

ナンバー読み取り精度について

「P4」の画質面での最大のセールスポイントは4K800万画素の解像度を活かしたフロントカメラのナンバー認識精度の高さです。

こちらはVIOFO「A129 Pro」と同等以上となっており、期待通りの結果でした。

【フロント】

【リア】

夜のヘッドライトが強く反射した状態のナンバープレートの読み取り精度は、「A129 Pro」よりは高いものの、強烈なHDR補正が入った「ZDR035」には及びません。

夜間の明るさについて

ネオンが多い市街地では、他機種と比べると明るさが絞られており、光が当たらない部分が黒く潰れやすくなります。

【フロント】

リアに関しても最近のSTARVIS機と比べると控え目な明るさとなっています。

【リア】

暗視能力は同じく4Kの「A129」よりは若干高いものの、暗視が特異な製品とは言えないレベルです。

【フロント】

【リア】

フレームレートとLED信号の映り方について

「P4」のフレームレートは前:25fps、後:25fpsとなっていますので電力周波数50Hzの東日本エリアではLED信号機が同期してしまい、数秒間消灯しました。

ドライブレコーダーのLED信号対策のまとめ
...

駐車監視について

「P4」で駐車監視を行う為には、こちらのOPの駐車監視用3芯ケーブルが必要です。

このケーブルの根元はの3色のケーブルに分岐していますが、これをこちらのようなヒューズ電源取り出しケーブルなどを使ってヒューズボックス内のヒューズに接続します。

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・黄色:BATT、常時電源系統のヒューズ
・赤:ACC(アクセサリー)系統のヒューズ
・黒:GND、ボディアース(車体の金属剥きだし部分のボルト)

ドライブレコーダーの駐車監視用3芯直結ケーブルの接続方法のまとめ
...

このケーブルを使った上で駐車監視の設定をONにしておくと、エンジンのON/OFFに連動して自動で駐車監視に入り、常時録画モードに戻ります。

「P4」の駐車監視モードはこちらの3つからの選択式ですが、残念ながら全てのモードで録画解像度が強制的に「2560×1440」+フルハイビジョンに落とされてしまいます。

・衝撃検知のみ:録画待機状態から衝撃検知の直後に録画を行うが、衝撃の手前の状況は映らない。(電力は常時録画並みに消費する)
・動体検知:動体を検知した時だけ2つのカメラで録画を行うが、リアカメラでは検知はしない
・タイムラプス:1秒1コマのコマ送り撮影を行う

動体検知モードではリアカメラでの検知を行いませんので、この製品で駐車監視をするな場合にはタイムラプスモードがおすすめです。

外部電源を使用した駐車監視について

「P4」のタイムラプスモードでの消費電力は6.25W程度でした。

急速充電ドラレコ用外部バッテリー「iCELL」での駆動時間の予測はこちらの表の通りです。(駆動の可否のみ確認。ドラレコの個体差、使用環境によって20~30%程度の誤差が出る可能性もあります)

型番B6AB12AB40A
容量76Wh153Wh422Wh
駆動時間11時間22時間61時間
満充電50分100分150分

ikeep「iCELL B6A/B12A」

ikeep「iCELL B40A」

動画ファイルの再生方法について

動画の再生については以下の3つの方法をテストしました。

・ドラレコ本体での再生
・PC専用ビュワーでの再生
・PC汎用ビュワーでの再生

PCで再生する場合にはフロント筐体を付属のUSBケーブルでPCに接続する必要がありますので、本体を上にスライドさせてマウントを外します。

こちらのケーブルでとPCと接続するとドライブとして認識されます。

ドラレコ液晶での再生について

ドラレコ本体での動画の再生は、液晶サイズが2.4型とスタンダードですが筐体がフロントガラスと水平になりますので画面を下から覗き込む必要がありますので、スタンダードな箱型ドラレコと比べるとやや見にくく感じるかも知れません。

PC専用ビュワーでの再生について

PCの専用ビュワーは以下のページからダウンロード可能です。

■「P4」専用ビュワー

機能的には以下のようにドラレコのビュワーとしては充実しています。

・2カメラ同期再生
・映像の拡大縮小
・地図への走行軌跡の表示
・速度の表示
・方位計の表示
・Gセンサーグラフの表示

PC汎用ビュワーでの再生について

PC汎用ビュワーでの再生については、Windows 10のメディアプレイヤー、OSにデフォルトで搭載されている「フォト」「映画&テレビ」での再生も可能でした。

eMMCへの録画保存時間について

「P4」ではH.264/H.265の2通りのコーデックを選択出来ますが、より高効率のH.265で録画した場合にはこのようなデータサイズになります。

・常時録画~1分当たりフロント143MB+リア41MB=184MB、一時間当たり11GB

内蔵のeMMCはPCで58.1GBと認識されますので、録画データは最大で5.2時間分が保存可能です。

 地デジへのノイズの影響について

「P4」の地デジノイズテストはアルファード+サイバーナビで行いましたが、影響は確認出来ませんでした。

ラジオへのノイズの影響も確認出来ませんでしたが、車種やカーナビの種類、アンテナの位置で状況は変わる事がありますので結果は参考程度に捉えて下さい。

ドライブレコーダーのノイズ、地デジ電波障害の対策
...

「P4」の総評

「P4」の画質面での各比較項目の評価をまとめるとこちらの通りとなります。

 点数視野角ナンバー昼ナンバー夜逆光明るさ暗視
ZDR03524.5点★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
Y-300R22.5点★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
ZDR02522.5点★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
A129 IR Duo22.0点★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
CS-91FH21.5点★★★★★★★★★★★★★★★★★★
A129 Duo21.5点★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
Y-400di21.0点★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
HDR963GW21.0点★★★★★★★★★★★★★★★★★
PDR800FR21.0点★★★★★★★★★★★★★★★★
A129 Plus Duo20.5点★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
SN-TW8120.0点★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
DRV-MR850020.0点★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
VREC-DZ700DLC19.5点★★★★★★★★★★★★★★★★★★
SN-TW80d19.5点★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
SN-TW9500dp19.0点★★★★★★★★★★★★★★★★★★
ZDR02619.0点★★★★★★★★★★★★★★★★★
DRY-TW9100d19.0点★★★★★★★★★★★★★★★★★
P419.0点★★★★★★★★★★★★★★★★★★
DR750S-2CH18.0点★★★★★★★★★★★★★★★
S117.5点★★★★★★★★★★★★★★★★
46Z17.0点★★★★★★★★★★★★★★★★
A129 Pro Duo17.0点★★★★★★★★★★★★★★★
GoSafe S70GS117.0点★★★★★★★★★★★★★★★★
ZDR-01515.5点★★★★★★★★★★★★
DRV-MR74514.0点★★★★★★★★★★★
YA-67014.0点★★★★★★★★★★★★
DRV-MR74012.5点★★★★★★★★
CSD-790FHG11.5点★★★★★★★★
=2pt、=1pt、☆=0.5pt
・録画視野角:2カメラモデルとしてはやや広めの水平115°+120°
・逆光補正:白飛びには強いが黒潰れが出やすいのでバランスはイマイチ
・昼間のナンバー認識精度:フロントは最高、リアはフルハイビジョンとしては標準
・夜間のナンバー認識精度:絞りが強いのでまずまず高め
・夜間の明るさ:フロント・リアともに暗い方
・暗視能力:フロントカメラのみ多少の暗視能力あり

画質面での総合評価はまずまずではあるのですが、色々バランスが悪い部分があり、どんな目的を持ったユーザーにおすすめして良いのか分からないようなちぐはぐな特性と言えます。

・フレームレートが25fpsで東日本LED信号と同期する
・フロントカメラのナンバー認識精度は最強だが、駐車監視では4Kモードは使えない。
・全体的にコントラストが強く、景色撮影向けの色目なのだが、フレームレート25fpsと低く、eMMCの容量の問題で長時間の動画保存が不可と言うミスマッチ仕様

確実に動画を保存すると言うeMMCのメリットは分かるのですが、eMMCを使うのであれば万人向けの

・前後フルハイビジョン/HDR/STARVIS、明るさ特化型

のような特性が欲しいところです。

景色撮影特化モデルとしてはストレージが少なくフレームレートが低い、駐車監視特化モデルとしては録画解像度が落とされてしまう為に微妙、事故対策モデルとしては夜間の明るさが物足りない…とそんな感じの評価になってしまいます。

強いて挙げるなら、eMMC指名買いで走行中のナンバー認識精度が高ければ他は問わない、と言う方におすすめの製品と言えそうです。

(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣

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