「VREC-DZ800DC」の実機レビューと評価 パイオニアWiFi対応の2カメラドラレコ

※2022年11月6日更新:実機レビューを追記しました。

こんにちは!ドライブレコーダー専門家の鈴木朝臣です。

パイオニアから2022年モデルのWiFi対応2カメラドラレコ「VREC-DZ800DC」が発表されています。

公式プロダクトページをざっくりと見た感じでは、基本仕様は2019年モデルの「VREC-DZ700DLC」をベースにして、安全運転支援機能が追加されたような構成となっていますが、「VREC-DZ700DLC」の評価を振り返りつつ、「VREC-DZ800DC」の特徴を見て行きましょう。

「VREC-DZ800DC」のスペックと特徴

「VREC-DZ800DC」のスペックはこちらの表の通りです。

VREC-DZ800DC
22.06発売
フロント:1920×1080/27.5fps/WDR
リア:1920×1080/27.5fps/WDR
録画視野角
フロント:水平130°
リア:水平112°
LED信号対応
microSD付属16GB/最大128GB
GPS内蔵
WiFi
カメラケーブル9m
駐車監視モード
衝撃検知/自動起動
内蔵バッテリー40分
専用ケーブル同梱
「ドライブレコーダーの持込取り付け」が出来るお店

基本仕様としては、最近よく見られる広角2カメラSTARVIS+WiFi対応と言った形で、イメージセンサー、レンズ、録画視野角などのカメラ仕様は2019年モデルの「VREC-DZ700DLC」がベースになっている模様です。

ベースの「VREC-DZ700DLC」は、2019年時点の競合モデルとの評価では、夜間の白飛びがキツいという問題点はあったものの、当時としてはまずまず高い評価を付けています。

全体としては非常に高評価なのではありますが、特にフロントカメラのチューニングが乱暴で明るすぎてヘッドライトの照り返し、ヘッドライトの広がりが気になるシチュエーションがあります。

VIOFOやTHINKWAREのモデルのように、市街地では光源の絞りを効かせ、コントラスト調整で暗い部分の明るさを上げる、などのチューニングが入っていれば2カメラドライブレコーダーとしては最高評価になっていた可能性が高く、残念な結果となりました。

「VREC-DZ800DC」については、ここで指摘している弱点が克服できていれば間違いなく高評価になりますが、最近は他社製品も画質が向上していますので、他社製品を差し置いて「VREC-DZ800DC」をおすすめする、というのは結構ハードルが高いと思います。

※このクラスの製品は、コムテック・ユピテル・セルスターは3年保証、パイオニア・ケンウッドは1年保証で、これが非常に分かり易い差別化ポイントになっている為。

また、パイオニアのドラレコは先代の「VREC-DZ700DLC」も含めて、ファームウェアの不具合が多く、他社から周回遅れで内蔵リチウム電池の膨張騒動などが発生していますので、基本思想が古いな~と感じます。

「VREC-DZ700DLC」でもファームウェアの不具合があって、amazonなどでは酷評されてるんですよね。私のとこでも不具合でました。

なお、「VREC-DZ700DLC」のテストを開始した当初はやたらと録画ファイルのクラッシュや再起動が発生していたのでmicroSDカードの異常と相性の問題を疑ったのですが、どうやらこれはソフトウェアのデバッグが不完全だったようで、後日ファームウェアでの修正が行われています。

ただし、「VREC-DZ700DLC」発売から2年以上経過していますので、画質面でのチューニングは改善されているでしょうし、普通に考えれば今回はファームウェアの不具合はあり得ないと思います。

こちらの画像を見る限り、私が前回に低評価を付けてる項目はしっかり改善されているように見えます。

因みに2カメラドラレコでは、前回テストしたケンウッド「DRV-MR570」に高評価を付けているのですが、「VREC-DZ800DC」の画質が期待値通りであれば、ようやく大手5社の製品の評価が拮抗する形になりそうです。(あとは保証期間の差です)

実機レビュー 「DRV-MR570/575C」ケンウッドの人気2カメラドラレコの評価
...

安全運転支援機能について

「VREC-DZ800DC」には新たに煽り運転対策を目的とした安全運転支援機能が追加されています。

このような機能は既に他の4社の製品では実装済みですので、こちらもようやく大手5社の足並みがそろい、各社の特徴が薄れてきたとも言えそうです。

 セット内容とデザイン

「VREC-DZ800DC」のセット内容については以下の通りとなります。


・フロントカメラ筐体
・リアカメラ
・カメラ接続ケーブル(9m)
・3芯電源ケーブル
・板状マウント
・16GBのmicroSDカード
・取扱説明書

フロントカメラ筐体

フロントカメラ筐体は、先代同様に板状マウントと液晶部分に円筒型のレンズ部分が組み合わさったデザインで、スタイリッシュであると感じました。

サイズは最近のドラレコの中では大振りです。

操作系のボタンは正面下の方に4つです。

本体左側面にはmicroSDカードスロット

右側面にはリセットボタン

上側面には電源端子、miniUSBタイプのリアカメラ端子が装備されています。

リアカメラ

リアカメラはminiUSB接続のコンパクトタイプです。

ケーブル類

カメラ接続ケーブルは9mのロングタイプで両側はストレートのminiUSB端子。

電源ケーブルはパイオニアの独自タイプ

車両側との接続は常時、ACC、アースの3芯となっています。

車内への取付けについて

今回はアクアのミラー裏にフロント筐体を設置しました。

ミラー裏に簡単に隠せますが、なるべくレンズが車の真ん中近くになるように設置したいところです。

リアカメラケーブルは長めの9mですので、ミニバンなどでもケーブルをマット下などに這わせる事が出来るでしょう。

【保存版】自分で前後2カメラドライブレコーダーを取り付ける方法について解説
...

インターフェイスと操作感について

エンジンONから録画開始までの時間は2カメラドラレコとしてはやや遅めの10秒程度です。

メニューツリーは一本化されており、ボタンの役割が液晶下にプリントされていますが、ディスプレイがフロントガラスとほぼ平行になる為に下から覗きこむ必要があります。

WiFiアプリについて

WiFi通信に関しては、電源ONで自動的に通信ポートがアクティブになりますので接続の手間はそれほど掛かりません。

ただし、WiFiアプリはメニュー項目が限定されており、ほぼライブビューの確認と動画の再生しか出来ません。

ドライブレコーダーとしての画質について

ドライブレコーダーとしての画質については、コムテックの「HDR801」との比較を行いました。

比較ポイントはこちらの通りです。

・録画視野角
・逆光補正能力
・ナンバー認識精度
・夜間の明るさ

録画視野角について

フロントカメラの録画視野角は水平130°程度でした。

【フロント】

リアカメラは112°程度です。

【リア】

逆光補正能力について

「VREC-DZ800DC」では、先代の「DZ700」にHDR補正を入れたような画質で、トンネル内の白飛びは比較的よく抑えられていました。(HDR801と比べると白飛び・黒潰れが出易い)

【フロント】

【リア】

ドラレコ全体の中ではまずまず補正は強い方です。

【フロント】

【リア】

ナンバー読み取り精度について

昼間のナンバー読み取り精度は、録画視野角が広い事から一般的な視野角のフルハイビジョンドラレコに比べると低めです。

【フロント】

リアに関しては標準的な視野角の為、ナンバー認識精度も標準的でした。

【リア】

夜間のヘッドライトが反射した状態のナンバー認識精度は、先代の「DZ700」からは随分改善されていますが、ドラレコ全体の中では標準的なレベルです。

 【フロント】

【リア】

夜間の明るさについて

夜間の明るさについては、先代の「DZ700」は過度に露出を開放していましたが、「DZ800」では前後カメラともHDRと絞りを効かせたバランス型となっています。(STARVISモデルとしては標準)

【フロント】

【リア】

リアは結構暗めです。

暗い場所でもフロントは一般的なSTARVISモデルの明るさに落ち着いた印象で

【フロント】

リアは暗くなっちゃいました。

【リア】

LED信号の見え方について

「VREC-DZ800DC」のフレームレートは前後ともに27.5fpsですので、東日本・西日本の何れにおいてもLED信号は高速点滅して映ります。

※西日本エリアでは未テスト

ドライブレコーダーのLED信号対策のまとめ
...

駐車監視の仕様と運用について

「VREC-DZ800DC」の駐車監視については、別途専用ベージを作りこちらで解説しています。

■「VREC-DZ800DC」の駐車監視の仕組みと使い方について解説

「VREC-DZ800DC」の駐車監視の仕組みと使い方について解説
...

動画ファイルの再生方法について

動画の再生については以下の4つの方法が選択可能です。

ドラレコ液晶での再生について

ドラレコ本体での動画の再生は、ディスプレイがフロントガラスと平行になる為に下から覗き込む必要がありますので、視認性は良くありません。

スマホアプリでの再生について

スマホアプリでの動画の再生についてはmicroSDカード内のファイルを直接ストリーミング再生する事が出来ず、フルサイズの90MB/分のファイルをスマホに一度ダウンロードしなければなりません。

※1分の動画のダウンロードに1分半かかるのでダウンロードは遅い。

1分の動画をダウンロードするのに1分30秒掛かりましたので、普通の人ならストレスを感じるでしょう。

PC専用ビュワーでの再生について

PC汎用ビュワーでの再生については、こちらの「Driving Viewer」を使用します。

このビュワーで可能な操作や表示は以下の通りです。

・前後同期再生~〇
・映像の拡大縮小~〇
・地図への走行軌跡の表示~〇
・速度の表示~〇
・方位計の表示~×
・Gセンサーグラフの表示~〇
・再生速度調整~〇
・明るさの調整~×

PC汎用ビュワーでの再生について

PC汎用ビュワーでの再生については、Windows 10のメディアプレイヤー、OSにデフォルトで搭載されている「フォト」「映画&テレビ」での再生も可能でした。

仕様外のmicroSDでの録画・再生状況

microSDカードの容量は128GBまでサポートされていますが、以下の256GBのカードでは1時間の録画・再生で問題は見られませんでした。

地デジへのノイズの影響について

「VREC-DZ800DC」の単体使用では、アルファード+サイバーナビの組み合わせで影響は確認出来ませんでした。

ラジオへのノイズの影響も確認出来ませんでしたが、車種やカーナビの種類、アンテナの位置で状況は変わる事がありますので結果は参考程度に捉えて下さい。

ドライブレコーダーのノイズ対策と、ノイズが少ないであろうドライブレコーダー
...

「VREC-DZ800DC」の総評

「VREC-DZ800DC」の各比較項目をまとめるとこちらの通りとなります。

 点数視野角ナンバー昼ナンバー夜逆光明るさ暗視
X4S29.5点★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
HDR80128.0点★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
Y-4K25.5点★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
DRV-MR57025.5点★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
47Z24.5点★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
CS-92WQH24.0点★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
ZDR03523.5点★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
Y-300R22.0点★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
ZDR02522.0点★★★★★★★★★★★★★★★★★★
A129 IR Duo22.0点★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
CS-91FH21.5点★★★★★★★★★★★★★★★★★★
A129 Duo21.5点★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
Y-400di21.0点★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
HDR963GW21.0点★★★★★★★★★★★★★★★★★
PDR800FR21.0点★★★★★★★★★★★★★★★★
A129 Plus Duo20.5点★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
SN-TW8120.0点★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
DRV-MR850020.0点★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
P420.0点★★★★★★★★★★★★★★★★★
SN-TW80d19.5点★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
VREC-DH300D19.0点★★★★★★★★★★★★★★★★★★
SN-TW9500dp19.0点★★★★★★★★★★★★★★★★★★
DRY-TW9100d19.0点★★★★★★★★★★★★★★★★★
VREC-DZ700DLC18.5点★★★★★★★★★★★★★★★★★
ZDR02618.5点★★★★★★★★★★★★★★★★
DR750X Plus18.5点★★★★★★★★★★★★★★★★
VREC-DZ800DC18.0点★★★★★★★★★★★★★★★★★★
A129 Pro Duo18.0点★★★★★★★★★★★★★★
DR750S-2CH18.0点★★★★★★★★★★★★★★★
S117.5点★★★★★★★★★★★★★★★★
46Z17.0点★★★★★★★★★★★★★★★★
GoSafe S70GS117.0点★★★★★★★★★★★★★★★★
DRV-MR76016.0点★★★★★★★★★★★★★★
ZDR-01515.5点★★★★★★★★★★★★
DRV-MR74515.0点★★★★★★★★★★★★
YA-67014.0点★★★★★★★★★★★★
DRV-MR74013.5点★★★★★★★★★
CSD-790FHG11.5点★★★★★★★★
=2pt、=1pt、☆=0.5pt

「VREC-DZ800DC」は、一言で表現すると夜間の明るさに特化した先代の「VREC-DZ700DLC」に、HDR補正を入れて露出を絞った画質です。

これで白飛びには強くなりましたが、特化していた夜間の明るさも標準レベルに落ちてしまい、2022年現在で新規に発売されている機種と比べると、総合評価では2ランク程度落ちると言う結果に落ち着きました。

従って現状ではパイオニアと言うブランド面以外では、特におすすめポイントはない製品と言えそうです。

コメント

  1. HCR32 より:

    こんばんは。
    私は国内メーカー派なので設計や製造の中身はともかく、ケンウッドやパイオニアと言ったカー用品の老舗が頑張ってくれないと困ると思っています。有力3社に並び替け拮抗するのはいいことだと思います。
    欲を言えば、設計くらい自社でやってほしと思いますが。

    何はともあれ、いい意味で切磋詫間して性能が向上してほしいですね。

    • ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣 ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣 より:

      HCR32様
      保証期間は分かりやすい差別化ポイントなので、他社に合わせた方が良いと思いますね。

  2. ヒロセ より:

    いつも楽しく拝見しております。
    こちらの実機のレビューのご予定はございますでしょうか。
    納まり良く設置出来そうですので、本気で購入を検討しておりまして・・・。
    可能でありましたら、実機レビュー宜しくお願い致します。

    • ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣 ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣 より:

      ヒロセ様
      本機に関しては700DLCと大差ない可能性が高いので、実機レビューは予定しておりませんが、予算・時間的に折り合いがつけば検討致します。

タイトルとURLをコピーしました