こんにちは!ドライブレコーダー専門家の鈴木朝臣です。
パイオニアから2022年モデルのWiFi対応2カメラドラレコ「VREC-DZ800DC」が発表しています。
公式プロダクトページをざっくりと見た感じでは、基本仕様は2019年モデルの「VREC-DZ700DLC」をベースにして、安全運転支援機能が追加されたような構成となっていますが、「VREC-DZ700DLC」の評価を振り返りつつ、「VREC-DZ800DC」の特徴を見て行きましょう。
「VREC-DZ800DC」のスペックと特徴
「VREC-DZ800DC」のスペックはこちらの表の通りです。
VREC-DZ800DC |
---|
22.06発売 |
フロント:1920×1080/27.5fps/WDR リア:1920×1080/27.5fps/WDR |
録画視野角 フロント:水平130° リア:水平112° |
LED信号対応 |
microSD付属16GB/最大128GB |
GPS内蔵 |
WiFi |
カメラケーブル9m |
駐車監視モード |
衝撃検知/自動起動 |
内蔵バッテリー40分 専用ケーブル同梱 |
「ドライブレコーダーの持込取り付け」が出来るお店 |
基本仕様としては、最近よく見られる広角2カメラSTARVIS+WiFi対応と言った形で、イメージセンサー、レンズ、録画視野角などのカメラ仕様は2019年モデルの「VREC-DZ700DLC」がベースになっている模様です。
ベースの「VREC-DZ700DLC」は、2019年時点の競合モデルとの評価では、夜間の白飛びがキツいという問題点はあったものの、当時としてはまずまず高い評価を付けています。
全体としては非常に高評価なのではありますが、特にフロントカメラのチューニングが乱暴で明るすぎてヘッドライトの照り返し、ヘッドライトの広がりが気になるシチュエーションがあります。
VIOFOやTHINKWAREのモデルのように、市街地では光源の絞りを効かせ、コントラスト調整で暗い部分の明るさを上げる、などのチューニングが入っていれば2カメラドライブレコーダーとしては最高評価になっていた可能性が高く、残念な結果となりました。
「VREC-DZ800DC」については、ここで指摘している弱点が克服できていれば間違いなく高評価になりますが、最近は他社製品も画質が向上していますので、他社製品を差し置いて「VREC-DZ800DC」をおすすめする、というのは結構ハードルが高いと思います。
※このクラスの製品は、コムテック・ユピテル・セルスターは3年保証、パイオニア・ケンウッドは1年保証で、これが非常に分かり易い差別化ポイントになっている為。
また、パイオニアのドラレコは先代の「VREC-DZ700DLC」も含めて、ファームウェアの不具合が多く、他社から周回遅れで内蔵リチウム電池の膨張騒動などが発生していますので、基本思想が古いな~と感じます。
「VREC-DZ700DLC」でもファームウェアの不具合があって、amazonなどでは酷評されてるんですよね。私のとこでも不具合でました。
なお、「VREC-DZ700DLC」のテストを開始した当初はやたらと録画ファイルのクラッシュや再起動が発生していたのでmicroSDカードの異常と相性の問題を疑ったのですが、どうやらこれはソフトウェアのデバッグが不完全だったようで、後日ファームウェアでの修正が行われています。
ただし、「VREC-DZ700DLC」発売から2年以上経過していますので、画質面でのチューニングは改善されているでしょうし、普通に考えれば今回はファームウェアの不具合はあり得ないと思います。
こちらの画像を見る限り、私が前回に低評価を付けてる項目はしっかり改善されているように見えます。
因みに2カメラドラレコでは、前回テストしたケンウッド「DRV-MR570」に高評価を付けているのですが、「VREC-DZ800DC」の画質が期待値通りであれば、ようやく大手5社の製品の評価が拮抗する形になりそうです。(あとは保証期間の差です)

安全運転支援機能について
「VREC-DZ800DC」には新たに煽り運転対策を目的とした安全運転支援機能が追加されています。
このような機能は既に他の4社の製品では実装済みですので、こちらもようやく大手5社の足並みがそろい、各社の特徴が薄れてきたとも言えそうです。
駐車監視について
「VREC-DZ800DC」の駐車監視モードは、「VREC-DZ700DLC」と同じシステムのようです。
「VREC-DZ700DLC」の駐車監視の仕様は、内蔵バッテリーによる40分間の衝撃検知録画です。
通常の衝撃検知録画は衝撃後の起動&録画ですが、本機の場合には内部メモリに一定時間の録画データを保存しながら、衝撃があった場合にのみ前後20秒のデータをmicroSDカードに保存しますので、衝撃前の録画データも残ります。
※駐車監視の衝撃感度を最高にしているとドアの開閉で反応した
この駐車監視モードとは別に「セキュリティモード」が存在し、これをONにしておくと衝撃検知から3秒後に60秒間の録画を行います。
こちらは車のバッテリーを使用して待機と録画を行いますが、頻繁に衝撃が加わらない状態であればそれほどバッテリーに負荷は掛からないでしょう。
駐車監視のシステムはイマイチですね。
コメント
こんばんは。
私は国内メーカー派なので設計や製造の中身はともかく、ケンウッドやパイオニアと言ったカー用品の老舗が頑張ってくれないと困ると思っています。有力3社に並び替け拮抗するのはいいことだと思います。
欲を言えば、設計くらい自社でやってほしと思いますが。
何はともあれ、いい意味で切磋詫間して性能が向上してほしいですね。
HCR32様
保証期間は分かりやすい差別化ポイントなので、他社に合わせた方が良いと思いますね。