※2020年12月22日更新~VANTRUEの公式通販サイトでのみ使用可能な割引コードを追加しました。(記事の一番下です)

こんにちは!Omiです。
車内側が撮影可能なインナーカメラ付きの2カメラドラレコの元祖と言えば、中国メーカーのVANTRUE「N2」ですが、その後この製品は「N2 Pro」に進化して2019年に宮崎文夫被告が引き起こした常磐道煽り&暴力事件を捉えたドラレコとして脚光を浴びました。
その「N2 Pro」も発売から何年か経ち、今年は後継機の「N2S」が発売されています。
フロント・インナーカメラ付きの一体化2カメラドライブレコーダーは、VANTRUEが他社に先駆けて開拓して来た市場ですが、ここ1年くらいでAUTOVOXやYAZACO、MAXWINなどから同一のコンセプトの製品が発売されており、いずれもSONYのSTARVISセンサーを搭載している事もあり、「N2 Pro」はやや規格が古いと言う印象になってきたところです。
もくじ(クリック・タップで移動できます)
「N2S」のスペック
「N2S」のスペックはこちらの表の通りです。
N2S |
---|
20.??発売 |
フロント:2560×1440/30fps インナー:2560×1440/30fps フロントのみ 3840×2160/25fps |
フロントセンサー:IMX335 インナーセンサー:IMX307 |
LED信号対応不明 |
フロントレンズ視野角:対角155° インナーレンズ視野角:対角165° |
microSD付属なし/最大256GB |
GPS吸盤マウント付属 |
OPで両面テープマウントあり |
駐車監視モード |
衝撃検知/自動起動 衝撃検知+動体検知/自動起動 タイムラプス/手動起動 |
Type-C 専用ケーブル |
「ドライブレコーダーの持込取り付け」が出来るお店 |
イメージセンサーはフロントが500画素のSONYの夜間特化型STARVISセンサー「IMX335」、インナーは200万画素のSTARVISセンサー「IMX307」、レンズF値はフロント1.4、リア1.8となっていますので、ハードウェア構成としてはまずまず期待出来る内容となっています。
録画解像度はフロント:2560×1440、インナー:2560×1440と記載されていますが、インナーのイメージセンサーが200万画素の「IMX307」ですので、インナーは1920×1080を超える解像度での運用はおすすめしません。
なお、本製品についてもPCの専用ビュワーは明るさ調整が可能な最新のアップグレード版となっていますので、夜間の暗視能力は同社「N4」と同様に非常に高いものであると期待しています。
なお、フロントのみでの録画の場合には「3840×2160」の4Kモードがありますが、フレームレートが25fpsですし、VANTUREのドラレコは彩度が低めに設定されていますので、景色の撮影には向いていないように思います。

付属品とデザインについて
「N2S」のレビュー概要は以下の動画でも視聴出来ます。
セット内容は至ってシンプルで以下の通りとなります。
②吸盤式GPS内蔵マウント
③USB TYPE-Cシガー電源ケーブル
④屋内用USB TYPE-Cケーブル
⑤取扱説明書
本体のデザイン
本体デザインはベースは先代の「N2 Pro」と「N4」の中間のようなイメージの円筒形です。
インナーレンズ部分には4灯の赤外線が装備され、上下に回転可能です。
VANTRUEのドライブレコーダーは「N2」からこの独特な円筒形のデザインを踏襲しており、このデザインで固定のファンを掴んでいる部分があると見受けられます。(ブランドってこう言うもんですよね)
概ね「N2 Pro」に近いデザインですが、液晶サイズが2型と「N4」に近いサイズとなり、ボタン類の配置も「N4」と同様に下から上に移動しています。
◆液晶サイズ
・「N2 Pro」1.5型
・「N2S」2.0型
・「N4」:2.45型
こう言った一貫性はユピテルなどの日本メーカーも見習うべきところがあるように感じます。(最近ユピテルの円筒モデルは開発に力が入っていないように見受けられますので…)
筐体左側にはmicroSDカードスロット、Type-C電源端子、microHDMI出力端子が配置され…
右側面にはボタンやポート類はありません。
吸盤マウント
吸盤マウントは従来品と比べると厚みがあり、やや目立つデザインとなっています。
高さもそこそこありますし吸盤は振動に弱いので、足まわりの固い車に乗っている方は両面テープマウントのOPを選んでも良いと思います。
シガー電源ケーブル
シガー電源ケーブルはUSB Type-Cで、根元にはUSBポートが1つ装備されていますのでスマホなどの充電が可能です。
また、端子から10cmくらいのところにフェライトコアが付いていますので、取り付けの際に注意が必要になるケースがあります。
「N2S」の取付について
今回はアクアに「N2S」の取り付けを行いました。
日除けのドットがある車の場合だと吸盤は付きませんのでこの位置まで下がってしまいましたが、この高さだと運転の邪魔ですし、保安基準に引っかかる可能性が高いので、この車の場合には両面テープマウントを使いたいところです。
「N2S」のインターフェイスについて
起動時間は2カメラドラレコとしてはやや遅めの14秒程度です。
インターフェイスはこちらのトップツリーからの選択式になっていますので、比較的使いやすい方かと思います。
ただし、一度メニューを開いてしまえばボタンの位置が画面に表示されますが、メニューを呼び出すまではボタン配置が分からないので上からのぞき込む必要があるのが難点です。
また、GPS機能については初期の「X4」と同様に日時の同期が行われていませんので、後日のファームウェアでの対応になります。(既にこちらに送って貰ったファームウェアではGPS同期が実装されています)
画質について
「N2S」の画質については、こちらの3つの製品と比較しました。
①VANTRUE「N4」
②VANTRUE「N2 Pro」
③AUTOVOX「Aurora」
主な比較ポイントはこちらの通りです。
②ナンバー認識精度
③逆光補正能力
④夜間のナンバー認識精度
⑤夜間の明るさ
なお、VANTRUEのドラレコはPCビュワーでの明るさ調整で見え方が大きく変わりますので、夜間の動画に関してはビュワーで調整したものをキャプチャリングした映像も比較しています。
※録画解像度はインナーが200万画素センサーなので1440P+1080Pの設定としています。
録画視野角について
フロントカメラの録画視野角はドライブレコーダーとしては標準的な水平108°、インナーカメラはこの手の車内向けカメラとしてはほぼ最大値の水平125°程度でした。
逆光補正能力について
「N2S」に使われているSTARVISセンサーは全般的に逆光補正能力が低めですが、本機は「N4」と同様にビュワーで明るさを調整する事を前提に暗めの調整が入っている為、白飛びには強めとなっています。
白飛びを抑えた状態で暗い場所を確認したい場合には、このようにビュワーで明るさを調整します。
従ってこのビュワーありきで考えた場合には逆光補正能力は最高評価になります。
インナー側については最近の製品としては特別白飛びに強い訳ではないですが、「N4」と同様に「N2 Pro」と比べると確実に車内・車外の白飛びが抑えられています。
ナンバー認識精度について
ナンバーの読み取り精度については「N2S」「N4」は2.5K、その他はフルハイビジョンですので2.5Kの2機種の方が読み取り精度が高くなっています。
夜間のナンバー認識精度について
「N2S」は「N2 Pro」よりも明るさの絞りを強くしていますので、ヘッドライトが反射したナンバーの読み取りは若干有利になっていますが、反射がきつい部分は読み取り出来ません。
この部分では現行のドラレコとしては標準レベルです。
夜間の明るさについて
「N2S」はPCのビュワーで明るさを調整する事が前提になっていますので、素の映像はやや暗めです。
ただし…ビュワーで調整を入れるとこれだけ明るくなり、現行のドラレコの明るさ最大値を余裕で振り切ります。
街灯が少ない暗い場所でも素の見え方はこのような感じですが…
ビュワーで補正を入れるとこのように見えます。
暗視能力でもこの通り、圧倒的な明るさです。(ベースはN4と同じ画質です)
一方でインナーカメラには赤外線が装備されていますが、車外も含めて撮影能力を向上させたい場合には赤外線撮影モードはOFF設定が推奨です。
赤外線モードは車内は明るく映りますが、ガラスに赤外線が反射しますので車外の撮影能力が落ちます。
同じ画質の「N4」と比べると車外の見え方の差は一目瞭然です。
特に暗い場所では赤外線をONにすると外が全く見えなくなりますし
赤外線をOFFにしてもカーナビ程度の明るさがあれば、ビュワーでここまで明るく出来ます。
西日本LED信号の見え方について
「N2S」の撮影・出力フレームレートはいずれも30fpsとなっていますが、こちらに送って貰ったファームウェアでは前後27.5fpsに修正されています。(メニューの表示は30fpsになっていますが、実際には27.5fpsで録画されています)
おそらく後日ファームウェアでの修正が入ると考えられます。

動画ファイルの再生方法について
動画の再生についてはこちらの3つの方法をテストしました。
①ドラレコ本体での再生
②PC専用ビュワーでの再生
③PC汎用ビュワーでの再生
ドラレコ液晶での再生について
「N2S」は液晶サイズが2.0型とドラレコとしてはやや小さめですが、動画の視認性はそこまで悪くはありません。
動画はフロント・インナーの個別再生となります。
PC専用ビュワーでの再生について
PCの専用ビュワーは以下のページからダウンロード出来ます。
機能的には非常に充実しており、以下の操作と表示が可能です。
②映像の拡大
③再生速度の変更(1/4~4倍速)
④明るさ・コントラスト・ガンマ値の調整
⑤地図への走行軌跡の表示
⑥速度の表示
⑦Gセンサーグラフの表示
特筆すべきはやはり明るさ調整機能です。
このように明るさ・コントラスト・ガンマ値を調整する事で確認したい部分に合わせて明るさを調整する事が出来ます。
PC汎用ビュワーでの再生について
PC汎用ビュワーでの再生については、Windows 10のメディアプレイヤー、OSにデフォルトで搭載されている「フォト」「映画&テレビ」での再生も可能でした。
「N2S」の駐車監視について
「N2S」の駐車監視モードは最近の同社のほとんどの製品と同様でこちらの3種類となっています。
①「衝撃検知」:専用ケーブル、または外部バッテリーで常時給電されている状態で一定時間衝撃を検知しない状態が続くと自動で駐車監視モードに入り、本体がスリープ状態に入り、衝撃を検知した数秒後に起動、録画を行います。
②「動体検知+衝撃検知」:専用ケーブル、または外部バッテリーで常時給電されている状態で一定時間衝撃を検知しない状態が続くと自動で駐車監視モードに入り、「動体検知+衝撃検知」による録画モードに入ります。
③タイムラプス:手動でタイムラプスモードに切り替えると、1fps/5fpsの常時タイムラプス録画を行います。
外部電源を使用しない場合にはこちらの専用ケーブルが必要です。
駐車監視モードは一定以上の振動を連続して検知した場合に解除、または衝撃検知録画を行うと解除され、再度5分程度の振動を検知しない状態が続くと駐車監視モードに入ります。
動体検知については感度調整設定はありませんが、結構敏感に反応する印象です。
駐車監視中の衝撃検知の感度調整項目も見当たりませんが、ドアを閉めた際に検知を行いました。
なお、自宅で駐車監視をしない場合には電源をオフにするなどの操作が必要ですが、こちらのLaBoon!!企画の製品と合わせて使用する事でドラレコの操作は行わず、自宅で電源をOFFにする事が可能です。

外部電源を使用した駐車監視の運用
ドラレコ用の外部バッテリー「UPS300」を使用しての駐車監視については、走行中の録画モードを継続という形で行いました。
それぞれの外部バッテリーでの駆動時間の予測はこちらの表の通りです。(駆動の可否のみ確認)
型番 | UPS300 UPS400 | UPS500 | EN6000 | EN12000 | iCELL |
---|---|---|---|---|---|
容量 | 28.8Wh | 115.4Wh | 76Wh | 153Wh | 422Wh |
駆動時間 | 8.5時間 | 34時間 | 22時間 | 45時間 | 112時間 |
満充電 | 180分 | 240分 | 50分 | 100分 | 150分 |
■ ドラレコ駐車監視用 急速充電バッテリー ikeep MIGHTYCELL
■ ドライブレコーダー駐車監視用バッテリー 「UPS300」の使い方
■ ドラレコ駐車監視用バッテリーMEDIK「UPS400」「UPS500」
大容量microSDでの録画・再生状況
「N2S」は256GBまでのmicroSDカードがサポート範囲となっていますが、以下の512GBのカードは1時間の録画、再生で問題は出ませんでした。
※1時間当たりのデータ使用量は9~10GB程度です。

地デジ・ラジオへノイズの影響について
「N2S」の単体使用では、アルファード+サイバーナビの組み合わせで影響は確認出来ませんでした。(車種やカーナビの種類、アンテナの位置で状況は変わる事があります)

「N2S」の総評
最後に「N2S」の総評ですが、本機はSTARVISセンサーと明るさが調整出来るビュワーによって同カテゴリーの製品に対して大きなアドバンテージを持っています。
この手の2カメラモデルであれば迷わず「N2S」をおすすめするだけの差が他社製品との間にありますので、検討されている方の後押しになれば幸いです。
割引コードについて
VANTRUEさんから公式通販サイトで使用可能な20%割引コードを頂きました。
割引コード:CCVAF02
途中でコード入力の画面が出ます。
VANTRUEサイトは日本語対応していないので分かりにくいかと思いますが、英語の分かる方、Google翻訳を使える方は是非どうぞ!
なお、支払いはPayPalのみにしか対応していません。(クレジットカードがあればPayPalアカウント作れます)
※支払いはクレジットカード、PayPalに対応しました。
なお、発送は国内のデリバリーセンターにある分は国内発送、ない場合には中国からの発送になるそうです。
現段階では購入時に出荷元がどちらか分からないので、日本語化・クレジットカード対応と合わせて先方に提案しています。
(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣)

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