8月の常磐道煽り&殴り事件から車内録画が出来るドラレコの注目度が一気に高まっており、先日はまさにその煽り事件で被害者の方が使用されていたVANTRUE「N2 Pro」をご紹介したばかりですが、今回はMAXWINの一体型2カメラドラレコ「DVR-D021」についてサンプル提供頂いていますので、先攻の「N2 Pro」とのガチ比較テストを実施しました。
「DVR-D021」は前後に200万画素の夜間特化型STARVIS対応センサー、SONYのIMX307を搭載していますので画質の特徴次第では一気にこのカテゴリーの大本命に駆け上がる可能性を秘めています。
「DVR-D021」のスペック
「DVR-D021」のスペックは以下の表の通りです。
DVR-D021 |
---|
19.09発売 |
フロント:1920×1080/30fps リア:1920×1080/30fps |
レンズ視野角 フロント:対角150° リア:対角150° |
LED信号対応 |
microSD付属なし |
microSD最大128GB |
GPSはOPマウントに内蔵 |
駐車監視モード |
動体検知 |
手動起動 |
専用ケーブル CAB-DVR03 |
「ドライブレコーダーの持込取り付け」が出来るお店 |
一応、フロントカメラについては「2560×1440」の録画モードもありますが、IMX307は207万画素のイメージセンサーですので、フルハイビジョンの録画モードと精細感は変わりません。(検証済み)
ですので、録画モードをは前後フルハイビジョンを選択する事になります。
付属品とデザインについて
「DVR-D021」のレビュー概要は以下の動画でも視聴出来ます。
「DVR-D021」のセット内容は至ってシンプルで以下の通りとなります。
①ドラレコ筐体
②マウント
③miniUSBシガー電源ケーブル
取扱説明書についてはウェブでのダウンロード版になります。
本体のデザイン
本体デザインは横長の長方形。
車内側には右側にサブカメラと4灯の赤外線LED、2.0型液晶が配置されています。
下側には5つの操作ボタンが配置。
左側面には上からminiUSB電源端子、GPS端子、microSDカードスロットが装備されています。
ライバル機のVANTRUE「N2 Pro」と比較するとこのようなサイズ感です。
マウント
マウントは小振りの両面テープタイプが付属しますが、今回は合わせてGPSアンテナ内蔵の吸盤マウントも送って貰いました。
L字のピンを本体側面の端子に挿し込む形です。
シガー電源ケーブル
シガー電源ケーブルはminiUSBタイプで、根元にはUSBポートが装備されていますのでスマホなどの充電が可能です。
microSDカード
microSDカードはOPですが、今回は合わせてMAXWIN純正U3の128GBをご提供頂きました。
「DVR-D021」の取付について
今回は初期型のリーフに「DVR-D021」の取り付けを行いました。
「DVR-D021」のインターフェイスについて
起動時間は2カメラドラレコとしては標準的な12秒程度です。
インターフェイスは中華系のドラレコではよくあるタイプのメニューのトップツリーが①録画系、②システム系、③静止画系、④再生系の4つに分かれるタイプで、私が苦手なやつです。
メニューに入るにはOKボタンで録画停止、メニューボタン一度押して録画メニュー、二度押しでシステムメニュー、長押しで静止画メニュー、二度長押しで再生メニューと切り替わります。
ボタンが5つあり、下から覗き込まないとボタンが見えず、どれがどのボタンかは分かりにくいので操作性は良くありません。
また設定画面から抜けた後に自動で録画が再開されませんので、設定後は一度電源を切るかボタン操作で録画を開始する必要があります。
中華メーカーに多い仕様ですが、今回も複数台の比較際に本機の設定変更後の録画再開ボタンの押し忘れがあり、撮り直しが必要になりました。
ドラレコを扱いなれていないユーザも押し忘れる可能性大なので、この点は注意が必要です。
※実際の操作は動画で解説しています。
画質について
「DVR-D021」の画質については、フロントカメラはVANTRUE「N2 Pro」、インナーカメラは以下の3モデルと昼夜の見え方を比較しています。
①VANTRUE「N2 Pro」
②ユピテル「SN-R10」
③コムテック「HDR-352GH」
フロントカメラ
フロントカメラの画質についてはVANTRUE「N2 Pro」と、こちらのポイントを比較しました。
①録画視野角
②ナンバー認識精度
③逆光補正能力
④夜間のナンバー認識精度
⑤夜間の明るさ
録画視野角について
録画視野角についてはドライブレコーダーとしてはまずまず広めの水平117°でした。
ナンバー認識精度について
ナンバーの読み取り精度についてはフルハイビジョンモデルの中では標準+αクラスです。
逆光補正能力について
もともとSTARVISモデル全般的に逆光補正能力は低めですが、一般的な中華ドラレコよりは白飛びに強くなっています。
夜間のナンバー認識精度について
同様に夜間にヘッドライトが強く反射した部分のナンバープレートは真っ白になり、読み取る事が出来ません。
夜間の明るさについて
夜間の見え方は街灯が多い市街地、ヘッドライトのみでの走行時のいずれにおいても非常に明るく、暗視能力に関してもSTARVIS対応モデルらしい明るさとなっています。
インナーカメラ
インナーカメラについては、車内・車外が広い範囲で昼夜を問わずしっかり録画されるのが理想ですが、カメラの宿命として暗い車内と明るい車外を同時に撮影すると、車外が白く潰れてしまうという問題があります。
また、「DVR-D021」や「N2 Pro」の場合には夜間は赤外線で明るさを確保していますが、通常のドライブレコーダーの場合には街灯がまばらな場所では真っ暗に映ってしまいます。
※今回は通常のドライブレコーダーは比較に使用してません。どれも暗い場所でもそれなりに明るく映るモデルです。
今回は「DVR-D021」のインナーカメラの見え方を以下の3つの異なる特徴を持った機種と比較しました。
①VANTRUE「N2 Pro」~「DVR-D021」と同じく赤外線対応だがSTARVISではない
②ユピテル「SN-R10」~STARVIS対応の暗視特化の超広角モデル
③コムテック「HDR-352GH」~逆光補正・明るさに優れた超広角のバランスモデル
比較ポイントはこちらの通りです。
①録画視野角
②逆光補正能力
③夜間の明るさ
※「DVR-D021」のインナーカメラの動画は鏡像で保存されますので、編集で他のモデルに合わせて正像に修正しています。
録画視野角について
車内だけを撮影した場合には録画視野角は気にする必要はありませんが、車外も撮影したい場合には視野角が広ければ広いほど状況の確認の面では有利になります。
結果はこちらの通り。
①ユピテル「SN-R10」~水平138°
②コムテック「HDR-352GH」~水平132°
③MAXWIN「DVR-D021」~水平111°
④VANTRUE「N2 Pro」~水平107°
逆光補正能力について
車内だけが映れば良いのであれば、車外の白飛びは気にする必要はありませんが、車外も撮影したいのであれば逆光補正能力は重要です。
この4モデルの中ではやはりコムテックの「HDR-352GH」が抜群に高く、次いでユピテル「SN-R10」、MAXWIN「DVR-D021」、VANTRUE「N2 Pro」の順となります。
「SN-R10」の場合には白飛びを抑える為に明るい部分に露出を合わせていますので、昼間に車内が暗く映る事があります。
「DVR-D021」は白飛びが出るものの、「N2 Pro」よりは若干抑えられています。
夜間の明るさについて
夜の明るさについては、街灯が多い市街地・街灯が少ない場所・車内・車外で状況が変わります。
「DVR-D021」は赤外線LEDを装備しているものの、街灯がほぼない場所でもカーナビなどのモニターの光だけで充分な明るさを確保できていますので、赤外線撮影モードは駐車監視などの限られた場面、またはモニターレスの車で使用する際にONにするとよさそうです。
赤外線モードをONにすると車外が暗くなってしまいますので、基本は赤外線撮影モードをOFFにしたいところです。
【市街地・赤外線OFF】
【暗い場所・赤外線ON】
【暗い場所・赤外線OFF】
西日本LED信号の見え方について
「DVR-D021」の出力フレームレートは30fpsの固定、録画フレームは1秒に2~3コマのダブりがありますの。
おそらく撮影は27~28fps、出力は30fpsで行っているものと考えられますので、西日本エリアでのLED信号は高速点滅するでしょう。
駐車監視の仕様と運用について
「DVR-D021」の駐車監視は内蔵バッテリーによる衝撃後の録画と、常時電源ケーブルを使用しての動体検知モードの2種類があります。
動体検知モードについては以下の専用の常時電源ケーブルを使用します。(検知はフロントカメラのみ、録画は2カメラで行う)
外部電源を使用した駐車監視の運用
ドラレコ専用の外部バッテリーiCELLを使用した駐車監視の駆動予想時間はこちらの通りです。
iCELL | B6A | B12A | B40A |
---|---|---|---|
容量 | 76Wh | 153Wh | 422Wh |
駆動時間 | 29時間 | 58時間 | 145時間 |
満充電 | 50分 | 100分 | 150分 |
動画の再生方法について
動画の再生については以下の4つの方法をテストしました。
①ドラレコ本体での再生
②スマホでの再生
③PC専用ビュワーでの再生
④PC汎用ビュワーでの再生
ドラレコ本体での再生について
ドライブレコーダーでの再生に関しては液晶サイズがやや小さめですので若干動画の視認性が悪い部類に入ります。
※実際の動画の再生の様子については以下の動画で解説しています。
スマホでの再生について
スマホでの再生はメーカーのサポート範囲外ですので自己責任で行います。
iPhone 7での再生については「Tube Reader」というガジェットを使用する事で問題なく可能でした。
android端末については、XPlayerでカードリーダー経由での再生が可能でした。
PC専用ビュワーでの再生について
PCの専用ビュワーはただいま調整中との事で後日テストを行います。
PC汎用ビュワーでの再生について
PC汎用ビュワーでの再生については、Windows 10のメディアプレイヤー、OSにデフォルトで搭載されている「フォト」「映画&テレビ」での再生、Quick Time Playerでの再生も可能でした。
大容量microSDでの録画・再生状況
「DVR-D021」は128GBまでのmicroSDカードが使用可能ですが、以下の200GB以上のカードは全て使用できませんでした。
1時間当たりのデータ使用量は10.4GB程度ですので、128GBでは11時間、256GBでは22時間程度の録画データの保存が可能です。
地デジへノイズの影響について
地デジへのノイズの影響のテストは、初期型リーフの純正EVナビで行いました。
ギリギリでフルセグが映る場所での電源のON/OFFの操作で、アンテナの数に変化はありませんでした。
※地デジへの影響は車種やカーナビの種類、アンテナの位置で異なる場合があります。
「DVR-D021」の総評
以上、今回は「DVR-D021」を主に「N2 Pro」と比較してみましたが、デザイン的な部分は好みが分かれると思いますが、フロントカメラ・インナーカメラの性能はいずれも概ね「DVR-D021」の方が上回っている事が分かりました。
フロントカメラ
「DVR-D021」の方が視野角が広く、白飛びに強く、夜間も明るい。ナンバー認識精度は同程度。
インナーカメラ
「DVR-D021」の方が視野角が広く、白飛びに強く、夜間も明るい。STARVISセンサーの為、赤外線LEDに頼らずともかなり暗い場所まで対応できる。
特性的には「N2 Pro」の上位互換的な感じになりますので、デザイン面以外で選ぶなら「DVR-D021」の方が良さそうです。
(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣)
コメント
×常盤
○常磐
申し訳ないがライターさんなら間違えてはいけないことだと思いますが?
ご指摘ありがとうございます。
irモードのオン、オフは容易ですか?
宮島様
残念ですがボタン一つで切り替えではありません。
メニューを呼び出してIRの項目を選択→OFFの操作になります。
ありがとうございます。
n2proと比較していただきとても良かったです。
室内が撮れて、室内が綺麗なドラレコの評価が判断し辛かったですが、この記事を見させてもらい、購入を考えるようになりました。
これからも、よろしくお願いします。
宮島様
ありがとうございます!不明点等があれば今後とも遠慮なくご質問下さい。
度々申し訳ありません。
質問内容自体が保証されてないことなので難しいかと思いますが、可能であれば教えていただけたら幸いです。
今現在ドライブマンのgp1をドライブマンの三軸の常時録画用の配線を使用して駐車監視をしていますが、この配線を使用して同じミニUSBの端子のDVR-D021に使えますか?
宮島様
GP1は貸与品で手元にありませんので確認できませんが、仕組みが異なるので無理だと思います。
GP1→本体にACCの情報を送っている
DVR-D021→ACCの情報はケーブルのスイッチ部のタイマー&電圧監視に使われており、ドラレコまではいっていない。
解答ありがとうございました!助かります。
宮島様
不明点等があれば今後とも遠慮なくご質問下さい。
お世話になります。
こちらのドラレコは、駐車監視モード時は車内も撮影しますか。
gaia様
動体検知モード使用時には、フロントカメラのみで検知し、録画は2カメラで行います。
動体検知モードを使用しなければ、2カメラで常時録画を継続します。
ありがとうございました。
また質問なのですが、鏡像を正像になおすには、専用ビューアで
可能ですか。フリーソフト等必要ですか。
gaia様、正像・鏡像の切り替え機能はビュワーにはないですね。
なお、この手の一体型のモデルはAutovoxのAuroraと言う製品もありますし、今月末にYAZACOから同コンセプトの製品も発売予定です。
https://car-accessory-news.com/autovox-aurora/
来月初旬には本機・Aurora・YAZACOの製品の比較を実施予定ですので、しばらく待った方が良いかも知れません。
本体画面の表示についてですが、右下の方にバッテリー?電池?のようなマークが点滅したりしているのですが、これはなんでしょうか?説明書にこれらの画面表示の説明が一切ないので不親切すぎですね。
かんちゃん様
このインターフェイスの系統は3年くらい前から中華系のドラレコで多く使われていますが、私も苦手ですね。
電池のアイコンは内蔵リチウムの充電状況です。
お世話になります。
内蔵リチウムの充電状況ということですが、
何の為の内蔵電池なのでしょうか?
あと、駐車監視用に専用電源配線コードを使用しているのですが
エンジン停止後、駐車監視中、ずっと液晶画面がつきっぱなしなのですが、画面は消えない仕様なのでしょうか?
私は、駐車監視は夜中もずっと監視しておきたいため、
12時間に設定しています。
なので、この間ずっと画面もつきっぱなしとなると
かなりのバッテーリー消費になるのではと不安です。
※車はハイブリットです。
あと、設定項目で、スクリーンセイバーとタイムゾーンというのは何でしょうか?
沢山書いてしまい申し訳ありません。
なんせ、取説が不親切すぎまして・・・
かんちゃん様
①内蔵リチウム~これはカレンダーなどの設定保持の為ですね。使い切ると設定飛びます。
②確か、スクリーンセイバーで設定した時間で画面が消える仕様だったと思います(走行・駐車時問わず)
③スクリーンセイバーは液晶OFFの設定時間、タイムゾーンは世界標準時に対する各地域の誤差です。日本は+9時間ですね。
http://ja.timeofdate.com/city/Japan/Tokyo
お世話になります。
大変ご丁寧なご説明頂き、とてもよくわかりました。
ありがとうございます。
続けて申し訳ありませんが、スクリーンセイバーの件について
なのですが、設定した時間で画面が消えるということですが
画面が消えるだけで、走行中や駐車監視中も録画はされているんでしょうか?画面が消えると同時に、録画もストップ状態になるのでしょうか?
かんちゃん様
スクリーンセイバーは節電と液晶の保護の為に液晶表示だけをOFFにする機能ですので、録画は継続されます。
承知しました!
ありがとうございます。
あと一点だけ教えて下さい。
動体検知についてなのですが、これは駐車監視中状態のみの機能ですよね?
これをONに設定すると、駐車監視中は常時録画ではなくなり、
検知した場合のみ録画になるのでしょうか?
夜間等、常の録画状態にしておきたい時のみ
OFFにするということでしょうか?
かんちゃん様
>動体検知についてなのですが、これは駐車監視中状態のみの機能ですよね?
厳密には駐車監視モードという項目はありません。
動体検知を手動でONにする=動体検知による駐車監視が出来る=駐車監視モードと呼ぶ人もいる
動体検知モード中は動体を検知した時だけ録画を行います。
>これをONに設定すると、駐車監視中は常時録画ではなくなり、
>検知した場合のみ録画になるのでしょうか?
そのとおりです。
動体検知モードOFFの状態で、駐車中にも電源だけ供給し続ければ、電力が尽きるまで走行中の常時録画を行います=常時録画による駐車監視と呼ぶ人もいる
>夜間等、常の録画状態にしておきたい時のみOFFにするということでしょうか?
そのとおりです。