※2020年8月1日更新~実機レビューを追記しました。

こんにちは!Omiです。

ユピテルからリーズナブルな?コンパクトタイプの360°ドラレコが発表されています。

ユピテルの360°ドライブレコーダーと言えば、今までは全天球モデルで液晶を搭載しない「Q-01/Q-02」シリーズが主力で、価格帯からするとどちらかと言えば限られたガジェット好き向けのアイテムでした。

一方でドラレコ業界ではこの数ヶ月の間に2~3万円台で3カメラ録画、または360°+リアカメラの全方位対応のリーズナブルな製品が増えており、従来と比べると一般層にマルチカメラ方式や360°ドラレコを使用した全方位録画が浸透しつつあります。

おそらく従来のニッチなカテゴリーを狙った「Q-01/Q-02」シリーズは不発に終わった製品かと思いますが、「Q-20P」はそれとはまた違った一般層を狙った商品のように見受けられます。

ただし、私は単体の360°ドラレコについては「ナンバー認識」と後方の「状況認識」が弱いので積極的にはおすすめしていません。

従って「Q-20P」についても同様に単体設置はおすすめしないので一般層向けの製品としては見ていませんが、デザインやサイズ感、価格面を考えると既に2カメラドラレコを設置している車に追加で取り付ける方法はアリアリのような気がします。

と言う訳で、単体ではなく2カメラドラレコ+1で設置する前提で「Q-20P」の特徴を見て行きましょう。

「Q-20P」のスペック

「Q-20P」のスペックは以下の表の通りです。

Q-20P
20.06発売
1856×1856/28ps/HDR
フロント:500万画素CMOS
LED信号対応
前:180°×240°
microSD付属16GB/最大128GB
GPS内蔵
駐車監視モード
常時録画/自動起動
タイムラプス/手動起動
専用ケーブル
OP-VMU01
「ドライブレコーダーの持込取り付け」が出来るお店

大まかな仕様的にはコムテックの「HDR360GW」のフロントカメラと同様で、500万画素のSTARVISセンサー(おそらくIMX335)を搭載し、録画解像度は「1856×1856」の有効画素数344万画素となっています。

録画視野角も同様に水平180°×垂直240°(360°×240°と書かれていますが本来は180°×240°とすべき)となっていますので、前後ともに上の方まで撮影可能です。

【180°×180°】

【180°×240°】

コムテックの「HDR360G/360GW」は夜間の撮影能力が低く、ガチガチのSTARVIS機と比べると街灯が有るような場所でも横方向は真っ暗になってしまいますが、過去のユピテルの360°モデルを見る限り「AKY-V360S」に近い明るさになっているものと期待は出来ると思います。

サイズ的には7cm×7cmのコンパクトタイプなので、録画視野角が前後カメラとも水平110°未満の狭角タイプの2カメラドラレコと合わせて使うのが良さそうです。

なお、液晶サイズは「HDR360G/360GW」と同じ2.4型で動画は魚眼と前後に分割表示のいずれかの録画方式となります。

セット内容とデザイン

こちらの動画でも概要をレビューしています。

セット内容については以下の通りとなります。

①カメラ筐体

②2芯直結電源ケーブル

③16GBのmicroSDカード

④板状マウント

⑤マウント固定ボルト

⑥ドラレコステッカー

※説明書はWEBダウンロード

カメラ筐体

カメラ筐体はスタンダードな箱型ドラレコと比べるとやや大振りですが、マウントが板状でガラスにピッタリ張り付くタイプである上、本体に高さがないので車内に取り付けた際にはそれほど圧迫感は感じないでしょう。

普通はミラー裏に隠すと思います。

コムテックの「HDR360GW」と比較すると高さがない分、奥行きが広がった寸胴タイプとなっています。

ボタン類は右サイドに5つ、液晶サイズはドラレコとしてはスタンダードな2.4型で「HDR360GW」と同じサイズ

左サイドにはminiUSB電源端子とmicroSDカードスロットが装備されています。

マウント

マウントはボルトによる固定式、レンズ部分は本体と一体化していますのでマウント下から本体ごと前後に角度調整を行う仕様です。

電源ケーブル

電源ケーブルはシガープラグタイプではなく、2芯のアクセサリー電源直結タイプが付属します。

車内への取付けについて

今回はアクアに「Q-20P」の取り付けを行いました。

液晶が垂直に近い向きになりますので、コムテックの「HDR360GW」と比べると液晶の視認性は良好です。

【HDR360GWは液晶が斜め】

液晶部分はミラー裏に隠してレンズ部分だけを下から出すようにするとスッキリします。

インターフェイスについて

電源ONから録画開始までの起動時間は22秒程度と、一般的なドライブレコーダーとしては遅めですが360°ドラレコとしては標準的です。

操作系のボタンは5つありますが、一番上のボタンで画面の表示形式の切替、2番目が再生モードの表示、3番目がメニューツリー表示となっていますが、これらの役割は横からボタンを覗き込まないと分かりませんので操作にはやや慣れが必要です。

一度メニューツリーを表示させてしまえば、このように右側にボタンの役割が表示されますので慣れれば扱いにくさは感じなくなるかも知れません。

映像のライブビューはデフォルトでは魚眼ですが、ボタン操作で前後の分割表示などに切り替える事が可能です。

また、録画方式は魚眼と前後分割の2種類から選ぶ事が可能ですが、本体液晶・PCでの再生の何れのケースにおいても、魚眼で録画されたものはVR表示の他に前後分割画面での再生も可能ですが、前後分割で録画されたものは前後分割でしか再生出来ませんので、録画形式は魚眼方式をおすすめします。

※実際の操作の様子は動画で解説しています。

動画の再生方法について

本機の液晶での再生についてはボタン操作で魚眼から前後分割、前方のみ、後方のみと切り替えが可能ですので、魚眼固定のコムテックの「HDR360GW」よりは使い勝手は良いものの、液晶が2.4型小さく360°映像の再生には向いていません。

PCの専用ビュワーはこちらのページからダウンロードが可能です。

■「Q-20P」専用ビュワー

基本はこのように動画再生枠、地図、ファイルリスト、Gセンサーグラフの4項目の分割表示となります。

フロントカメラの動画表示は視点が固定の魚眼表示、マウスポインターで視点を動かすVR表示、拡縮可能な前後分割表示の3つから選びます。

右下のアイコンをクリックする事で全画面表示も可能です。

再生速度は0.3~4倍速の範囲で調整が出来、ドラレコのビュワーとしては多機能な部類に入りますが、残念ながらユピテルの旧360°モデルで採用されていた明るさの調整などの機能はありません。

主な機能はこちらの通りです。

①映像の拡大・縮小

②再生速度の変更(0.3~4倍速)

③地図への走行軌跡の表示

④速度の表示

⑤Gセンサーグラフの表示

※実際の再生の様子は動画で解説しています。

ドライブレコーダーとしての画質について

今回は「Q-20P」の画質をコムテックの「HDR360GW」のフロントカメラ、AKEEYOのスマートミラー型360°カメラ「AKY-V360S」のフロントカメラと比較を行いました。

比較ポイントはこちらの5つの項目です。

①録画視野角

②ナンバー読み取り精度

③逆光補正能力

④夜間の明るさ

⑤暗視能力

録画視野角について

録画視野角は360°×240°と表記されていますが、それぞれの製品を並べて比較した結果では「HDR360GW」とほぼ同じでした。

※本来は180°×240°と表記すべきだと思います。(180°×180°=半天球、180°×180°×2=180°×360°=全天球です。仕様表に書かれている360°×240°だと全天球を超える視野角という事になるので意味不明ですが、各社販促効果を狙ってかこの表記に統一されています)

①「Q-20P」~水平180°×垂直240°

②「HDR360GW」~水平180°×垂直240°

③「AKY-V360S」~水平180°×垂直220°

アクアの場合には至近距離の信号もしっかり映る上、リアもガラスの上の方まで撮影範囲内に入っています。

なお、実際には後方の上の方はルームミラーに遮られますので、あまり上の方を映しても意味はありませんので無駄な範囲を映さない為に角度調整を行います。

この視野角は360°ドライブレコーダーとしては必要充分でこれ以上は意味のない視野角だと思います。

ナンバー読み取り精度について

「Q-20P」「HDR360GW」のフロントカメラの解像度はいずれも「1856×1856」で、有効画素数は344万画素です。

スタンダードなフルハイビジョンのドライブレコーダーは「1920×1080」の解像度で、有効画素数は207万画素ですが、「Q-20P」の撮影範囲は6倍程度になりますので、理論上のナンバーの読み取り精度はスタンダードな視野角のドライブレコーダーであれば50~60万画素相当になります。

前方の車にぶつからない程度に接近した状態ではどうにかナンバーを読み取る事が出来ましたが…

走行中の読み取りはまず不可能です。

駐車監視ではどうにか読み取りが可能なレベルですが、自分の車のノーズの長さや相手の車のナンバーの位置によっては読み取り出来ない可能性もありますので、駐車監視の用途でも万全ではないように思います。

従って「Q-20P」単体での運用ではなく、2カメラドラレコ+1として考えて行きたいところです。

逆光補正能力について

「Q-20P」の明るさのチューニングは「HDR360GW」と非常によく似たものとなっており、トンネル内では一時的に明るさが絞られて周囲が暗く映ります。

その後、徐々に明るくなって行く感じです。

白飛びの出方についても「HDR360GW」とほとんど同じレベルとなり、この2機種は非常に似た画質であると感じました。

一方で「V360S」の方はやや白飛びが強く出ますが、終始一定以上の明るさを維持しています。

夜間の明るさについて

夜間のネオンと街灯が多い市街地では「HDR360GW」と同程度の明るさで車内・車外とも明るく映っていますが…

ネオンが減ってくると街灯がそこそこあっても途端に暗くなります。

「HDR360GW」とほとんど同じような見え方で「AKY-V360S」と比べるとかなり暗く感じます。

夜間にスマホをいじりながら自転車を運転している人に遭遇する事も多いのですが、「AKY-V360S」以外はその様子が全く映っていません。

暗視能力について

暗視能力についても「HDR360GW」と同じくほぼゼロで、街灯が少ない場所ではサイド・車内とも真っ暗です。

夜間の暗い場所での監視能力はゼロに近いので、夜間を含めた全方位の駐車監視なら3カメラで超絶明るく撮影が出来るVANTRUEの「N4」がおすすめです。

実機レビュー VANTRUEの3カメラSTARVISドラレコ「N4」の評価

西日本LED信号の見え方について

「Q-20P」の録画フレームレートは28fpsですので全国のLED信号も同期することなくしっかり映る筈です。

ドライブレコーダーのLED信号対策のまとめ

駐車監視について

「Q-20P」には駐車監視モードは存在するものの、フロントカメラのナンバー認識精度が低い為、単体での運用は当て逃げ対策としては向いていません。

ノーズの短いアクアではナンバーがどうにか読み取れましたが、全ての車種で読み取れるかどうかは分かりません。

付属の2芯電源ケーブルをOPのタイマーユニットに接続する事で駐車中も常時録画を継続しますが、ボタン長押しで1秒1コマ撮影のタイムラプスモードに切り替える事も可能です。

ユピテル駐車監視ユニット「OP-VMU01」の使い方

外部電源を使用した駐車監視について

今回は「Q-20P」と付属の2芯ケーブルのみを使用して外部バッテリーでの駆動テストを行っています。

UPS400」での駐車監視については、1fpsのタイムラプスモードで12時間の録画が可能でした。

その他の外部バッテリーでの駆動時間の予測はこちらの通りです。(駆動の可否のみ確認)

型番UPS300
UPS400
UPS500EN6000EN12000
容量28.8Wh115.4Wh76Wh153Wh
駆動時間12時間48時間31.5時間63時間
満充電180分240分50分100分

「Q-20P」の付属の2芯ケーブルと「MIGHTYCELL」との接続方法はこちらの通りです。

①「MIGHTYCELL」赤線~絶縁

②「MIGHTYCELL」白線~「2芯ケーブル」の赤線に接続

③「MIGHTYCELL」黒線~「2芯ケーブル」の黒線に接続

ドラレコ駐車監視用 急速充電バッテリー ikeep MIGHTYCELL「EN6000」「EN12000」

microSDでの録画時間について

「Q-20P」の録画データサイズは、一時間当たり10GB程度となります。

なお、microSDカードの容量は128GBまでサポートされていますが、以下の256/512GBのカードで2時間以上の録画を行った結果では、不具合は見られませんでした。

 地デジへのノイズの影響について

地デジへのノイズ干渉に関しては、アルファード+サイバーナビの組み合わせで起動テストを行いましたが、フルセグがギリギリ映る場所で電源をオンにしても変化はありませんでした。

ラジオへの干渉も確認できませんでしたが、ノイズ干渉に関しては車種やカーナビ、アンテナの位置により影響が出る場合もありますので結果は参考程度に捉えて下さい。

ドライブレコーダーのノイズ、地デジ電波障害の対策

「Q-20P」の総評

最後に「Q-20P」の総評です。

過去にテストしたユピテルの360°ドラレコである「Q-02c」は、全天球と言う録画視野角に対しての解像度は200万画素と低めで今回テストした「Q-20P」の半分の精細感しかありませんが、再生ソフトが優秀で街灯が少ない場所でもそこそこ明るく映ると言うのが魅力的でした。

「Q-20P」もこの流れを汲みつつ、コムテックの「HDR360GW」とは夜間の明るさの面で大きく差別を行い、「AKY-V360S」に近いチューニングが入ると予測していたのですが、結果は全く逆で「HDR360GW」と見分けがつかないほど良く似た画質となっていました。

「Q-20P」は2カメラセットモデルではないので、既に2カメラドラレコを装着しているユーザー向けにどうか?と言う評価をしますが、この観点からでも夜間の撮影能力がそれほど高くなかったので微妙になります。

ただし、見方によってはコムテックの360°単体モデルの「HDR360GS」とほとんど同じ画質になり、価格的には2ランク程度安いのでコスパは高いと言えますが、「AKY-V360S」と比べてしまうとやはり夜間の撮影能力の低さが気になります。

おそらくケンウッドの「DRV-C750」も似たような画質ではないかと考えられますので、価格の安さで「Q-20P」を選ぶか、ケンウッドの「DRV-C750」のレビュー結果を待つか、夜間の撮影に特化した別のモデルの発売を待つのも良いかも知れません。

(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣

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