実機レビュー 4Kドライブレコーダー VIOFO「A129 Pro」の評価

こんにちは!ドライブレコーダー専門家の鈴木朝臣です。

VIOFOは欧米で年間30万台のドラレコ販売実績を誇るグローバルメーカーですが、昨年末から日本への展開に力を入れ始め、じわじわと人気が上昇しているようです。

VIOFOの商品構成は無駄のない必要最低限の6モデルとなっていますが、今回はシングルモデルとしては最上位に当たる4Kモデルの「A129 Pro」の実機テストを実施しました。

「A129 Pro」の2カメラ版「A129 Pro Duo」のレビューはこちらの記事を参照して下さい。

WiFi対応の4Kの2カメラドラレコ VIOFO「A129 PRO DUO」の実機レビューと評価
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「A129 Pro」のスペック

「A129 Pro」のスペックは以下の表の通りです。

A129 PRO

■ 楽天市場「A129 PRO」
■ Yahoo!「A129 PRO」
3840×2160/30fps
2560×1440/60fps
1920×1080/120fps
レンズ:対角130°
LED信号対応不明
microSD付属なし/最大256GB
GPS:マウントに内蔵
駐車監視モード
動体検知+衝撃検知/自動起動
タイムラプス+衝撃検知/自動起動
専用ケーブルはOP
偏光フィルターはOP
WiFi対応
「ドライブレコーダーの持込取り付け」が出来るお店

レンズはF1.8、イメージセンサーにはSONYの800万画素「IMX317」を採用していますが、この構成は先行して日本で展開されているVANTRUEの4Kモデル「X4」と全く同等となってます。

因みに過去にも4Kと謳われた製品は多く存在していましたが、そのほとんどが200~400万画素センサーを使用したインチキ4Kで、国内で最も早い時期に本格的に展開された4Kモデルが上述の「X4」となります。

4K録画ができるおすすめドライブレコーダー
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セット内容とデザイン

セット内容については以下の通りとなります。

①ドラレコ本体

②miniUSB電源ケーブル

③USBケーブル(家庭用)

④2ポートシガーチャージャー

⑤GPSアンテナ内蔵のマウント

⑥カードリーダー

⑦取扱説明書(日本語版)

⑧その他取付用品

以下の偏光フィルターと駐車監視ケーブルは日本でもOP扱いです。

ドラレコ本体

ドラレコ本体のデザインはコンパクトな平型タイプで、板型のGPSマウントの脱着が可能です。

液晶は2.0型、5つの操作ボタンにしっかり見易い色で役割が印字されているのは、同社の他のモデルと同様です。

写真では分かりにくいですが、手のひらサイズのコンパクトです。

レンズ部分は上下のみの可動範囲になっています。

 

右側面にはminiUSB電源ポートとアナログAV出力端子、リアカメラ端子

左側面にはmicroSDカードスロットが配置されています。

GPSマウントには上部に電源ポートが装備されています。

電源ケーブル

電源ケーブルは2ポートのシガーチャージャーとminiUSBケーブルを組み合わせて接続します。

今回はこちらのOPの駐車監視ケーブルを使用しました。

このケーブルではカットオフ電圧の調整のみ可能です。

フェライトコアが嫌らしい位置についてますが…。

リーフでは問題なくルーフパネルに押し込めました。

インターフェイスについて

電源ONから録画開始までの起動時間は10秒とドライブレコーダーとしてはやや遅めです。

インターフェイスについてはデフォルトが英語設定で、GPS時刻も世界標準時になっていますので、設定から「日本語」、GMT+9を選択します。

インターフェイスはよくある中華ドラレコに近いのですが、メニューツリーは1本化されており、RECボタンで一度録画を解除した後にMENUでツリーを呼び出す事が出来ます。

メニューから抜けた後に自動で録画が開始されたり、録画を手動で停止すると警告音が鳴ったりと中華ドラレコの中では使いやすい部類に入るかと思います。

なお、一定時間で画面がOFFになるスクリーンセイバー機能ですが、最大3分でOFFにする事は出来ません。(他のVIOFOのモデルはOFFに出来るが本機に関しては熱対策でOFFに出来ない仕様との事)

WiFiアプリについて

WiFi通信については2.4/5GHz帯の選択式ですが、日本国内での5GHz帯の屋外使用は法令で禁じられていますので、2.4GHz帯を使用します。

 

車内は屋外の扱いだそうです。

■ NECユーザーズマニュアル

駅のホームや自動車や電車など乗り物の中は屋外の扱いとなりますので注意してください。

WiFi機能については一番右のボタン長押しで、アクティブ/OFFの切り替えが可能です。

※アプリはこちらからダウンロード

■ iOS VIOFOアプリ

■ Android VIOFOアプリ

 

なお、WiFi接続を行うと本体側からの操作を一切受け付けなくなり、以下のように画面が真っ暗になります。

アプリの使い勝手に関してですが、ほぼ全ての設定をWiFiアプリから行う事が出来ますので非常に便利です。

以前は英語表記でしたが、2020年3月の時点ではこちらから要望していた日本語化が実装されていました。

なお、アプリの操作感は悪くはないですが、設定メニューを開いている間、「録画開始ボタンを押せ」の警告音が鳴り続けるのはうるさいのが気になりますが。(メニューで電子音OFFにすれば消せますが、全ての電子音が消えます)

実際のアプリの操作感は以下の下位グレード「A129」のものを参考にして下さい。

車内への取付けについて

今回は初期型のリーフに「A129 Pro」の取り付けを行いました。

ミラー裏に簡単に隠せますが、なるべくレンズが車の真ん中にくるように設置したいところです。

ドライブレコーダーとしての画質について

画質については次の3つのドライブレコーダーと4K/30fpsの撮影モードでの映像を比較しました。

①VIOFO「A119V3」~「2560×1440」STARVIS(夜間特化センサー)

②VIOFO「A129」~フルハイビジョンSTARVIS(夜間特化センサー)

③ケンウッド「DRV-340」~フルハイビジョン

「A129 Pro」にはOPの偏光フィルターを取り付けた状態です。

比較ポイントは以下の通りです。

①録画視野角

②ナンバー認識精度

③逆光補正能力

④夜間のナンバー認識精度

⑤夜間の明るさ

録画視野角について

録画視野角はドライブレコーダーとしては概ね標準的な水平109°程度でした。

ナンバー読み取り精度について

「A129 Pro」の最大のセールスポイントは4K解像度によるナンバー認識精度になります。

至近距離の先行車のナンバーはフルハイビジョンモデルでも問題なく読み取れますが、隣の車線になると解像度による読み取り精度の差が目立ちます。

逆光補正能力について

この4つのモデルのうち「DRV-340」だけがHDR補正、その他は全てWDRとなってます。

この中では「A129 Pro」の補正能力が最も低めです。

夜間のナンバー読み取り精度について

夜のヘッドライトが強く反射した状態のナンバープレートの読み取り精度は「A129」「DRV-340」「A119V3」が標準+α、「A129 Pro」は標準-αとなっています。

夜間の明るさについて

夜の明るさについては市街地では「A129」「A119V3」が非常に明るく、「A129 Pro」はまずまずの明るさ、「DRV-340」は非常に暗めです。

街灯が少ない場所でのヘッドライトのみでの走行時には「A129」「A119V3」「A129 Pro」が非常に明るく、「DRV-340」のみが非常に暗めという結果でした。

暗視能力については「A129」が最も高めで、次いで「A119V3」>「A129 Pro」の順です。(「A129 Pro」はほとんど暗視には期待出来ず)

景色の撮影能力について

景色撮影に関しては本来の目的からは外れる為、別途以下記事にて4Kモデルの画質を比較しています。

【2021年版】景色が綺麗に撮影出来るおすすめドライブレコーダー
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西日本LED信号の見え方について

現状のファームウェアでは30fps出力となっていますので西日本エリアではLED信号が同期する可能性あります。

※1カメラモデルの「A119V3」では先行して27.5fps化のファームウェアが実装されていますので、27.5fps化を要望しておきます。

ドライブレコーダーのLED信号対策のまとめ
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駐車監視について

駐車監視については専用ケーブルを使用する事で、エンジンに連動して以下のモードを起動させる事が出来ます。

ドライブレコーダーの駐車監視の配線方法について解説
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①動体検知+衝撃検知

②タイムラプス(1/3/5/10fps)+衝撃検知

③低ビットレートの常時録画+衝撃検知

※衝撃感度は走行時とは別に設定が可能

中国メーカーとしては最も使い勝手が良い部類に入りますね。フロントが4Kですのでナンバー認識精度はかなり強力なものとなるでしょう。

※2020年8月のファームアップデートで、駐車監視はフルハイビジョン解像度に落とされました。

■ VIOFO ファームウェア

主な修正ポイントはこちらの通りです。

・4K(21:9)モード追加
・駐車監視タイマー追加
・駐車監視の降車タイマー追加
・駐車監視のループ録画最適化
・駐車監視の解像度はFHD+FHDに変更
・翻訳の修正

なお、「駐車監視モード」として扱われているこれらのモードは、専用ケーブルを使用してエンジンのON/OFFに連動させる事が出来ますが、専用ケーブルを使用しなくても「動体検知」「タイムラプス」「低ビットレート録画」は手動で起動させる事が出来ます。

少しややこしいですが手動駐車監視については、メニューのトップツリー直下の「動体検知」が動体検知モード、「インターバル録画」がタイムラプスモード、「ビットレート」が「低ビットレート録画」となります。

GPSで自動で駐車監視のON/OFF LaBoon!!企画のガジェット「iZONE」
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外部電源を使用した駐車監視について

ドラレコ専用の外部バッテリーiCELLを使用した駐車監視の駆動予想時間はこちらの通りです。(10fpsのタイムラプス)

iCELLB6AB12AB40A
容量76Wh153Wh422Wh
駆動時間18.5時間37時間103時間
満充電50分100分150分

ikeep「iCELL B6A/B12A」

ikeep「iCELL B40A」

動画ファイルの再生方法について

動画の再生については以下の4つの方法をテストしました。

①スマホアプリでの再生

②ドラレコ本体での再生

③PC専用ビュワーでの再生

④PC汎用ビュワーでの再生

スマホアプリでの再生について

スマホアプリでの再生についてはストリーミングとスマホのアプリ内、またはアルバムにダウンロードしてから再生する方法があります。

フロントカメラは4Kですので普通のドラレコと比べると非常にデータサイズが大きくなります。

1分当たり430MB程度のファイルの大きさですが、ストリーミング再生を行うと4秒再生されて6秒ダウンロードのような動きになり、完全ダウンロードを行った場合にはダウンロードに1分30秒くらい掛かります。

因みにフルハイビジョンでもこれくらいのダウンロード時間のものもありますので、4Kでこのダウンロード速度は悪くないと思います。

実際のアプリの操作感は以下の下位グレード「A129」のものを参考にして下さい。

ドラレコ液晶での再生について

ドラレコ本体での動画の再生は、液晶サイズが2.0型で液晶部分がフロントガラスの角度とほぼ平行になる為、スタンダードの箱型ドラレコと比べると画面がやや見にくくなります。

PC専用ビュワーでの再生について

PCの専用ビュワーは以下のページからダウンロード出来ました。

■ A129ビュワー

このビュワーは専用ソフトではないようで、課金モードと無料モードがあり、無料モードでは一度に読み込めるファイル数が2つまでに制限されています。

英語版なのでハッキリ言って扱いにくいのですが、機能的には非常に充実してたりします。

このビュワーの主な機能はこちらの通りです。

①映像の拡大縮小

②地図への走行軌跡の表示

③速度の表示

④方位計の表示

⑤Gセンサーグラフの表示

⑥1/32~5倍速の間での再生速度調整

⑦明るさの調整

実際のアプリの操作感は以下の下位グレード「A129」のものを参考にして下さい。

動画が上手く再生されない場合には必要なコーデックがインストールされていない可能性がありますので、こちらから「K-Lite Codec Pack」のベーッシック版の最新バージョンをインストールます。

PC汎用ビュワーでの再生について

PC汎用ビュワーでの再生については、Windows 10のメディアプレイヤー、OSにデフォルトで搭載されている「フォト」「映画&テレビ」での再生も可能でした。

microSDでの録画時間について

「A129 Pro」は画質を落とさないで保存する4Kモデルですので、データサイズもかなり大きめです。(ビットレートは下げられますが画質も落ちます)

①常時録画~1分当たり431MB、一時間当たり25.9GB

②タイムラプス10fps~常時録画の1/3で1分当たり144MB、一時間当たり8.6GB

microSDカードは4K対応のU3クラスを使用した方が良いでしょう。

以下のカードは問題なく使用が可能でした。

■ サムスン256GB U3

 地デジへのノイズの影響について

地デジへのノイズの影響については、「A129 Pro」の単体使用では、初期型リーフ+純正ナビの組み合わせで影響は確認出来ませんでした。

ラジオへのノイズの影響も確認出来ませんでしたが、車種やカーナビの種類、アンテナの位置で状況は変わる事がありますので結果は参考程度に捉えて下さい。

「A129 PRO DUO」の総評

「A129 Pro」の各比較項目をまとめると以下の通りとなります。

点数視野角ナンバー昼ナンバー夜 逆光夜明るさ暗視
T325.0点★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
MINIEYE23.0点★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
HDR752G21.5点★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
WD260S21.0点★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
A12921.0点★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
HDR852G20.0点★★★★★★★★★★★★★★★★★★
DRV-83020.0点★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
SN-ST3200P19.5点★★★★★★★★★★★★★★★★★★
DRV-35019.0点★★★★★★★★★★★★★★★★★
HDR203G18.5点★★★★★★★★★★★★★★★★
A119V318.0点★★★★★★★★★★★★★★★
SN-SV40c18.0点★★★★★★★★★★★★★★★★
A129Pro17.5点★★★★★★★★★★★★★★★★
SN-SV70c17.5点★★★★★★★★★★★★★★★
WD250S15.5点★★★★★★★★★★★★★
ZDR02215.0点★★★★★★★★★★★★
DRY-ST1700c15.0点★★★★★★★★★★★★★
DRV-650/W65014.0点★★★★★★★★★★★
HDR001C14.0点★★★★★★★★★★★★
DRV-34012.5点★★★★★★★★★

①録画視野角:標準的な水平107°~★★

②昼間のナンバー認識精度:4Kだけあってドラレコ全体の中でも最高~★★★★★

③夜間のナンバー認識精度:白飛びには強くはないのでドラレコ全体の中ではやや弱め~★★

④逆光補正:逆光補正能力は標準よりもやや弱め~★★

⑤夜間の明るさ:STARVISの最高クラスには劣るがドラレコ全体の中では上位クラス~★★★★

⑥暗視能力:STARVISではないので暗視には期待できず~★☆

基本的には万人向けではなく高精細の駐車監視特化モデルとなります。

バランスは下位の「A129」の方が良く、総合評価では「A129」には劣りますので、駐車監視の際に少しでもナンバー読み取り精度を上げたいという方、または景色を高解像度・高フレームキレイに撮影した方向けの玄人仕様のモデルと言えます。

※2020年8月のファームアップデートで、駐車監視はフルハイビジョン解像度に落とされましたので、本機は景色撮影特化モデルになります。

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VIOFOのドライブレコーダーの特徴をまとめて紹介
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(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣

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