こんにちは!ドライブレコーダー専門家の鈴木朝臣です。
ケンウッドからまたまた「DRV-CW560」という型番でWiFi対応の新型360°ドラレコが発表されました。
今年は10月までにケンウッド・コムテック・ユピテル・セルスターの国内主要メーカーの360°ドライブレコーダーの比較テストを終わらせ、ようやく別のカテゴリーのテストに移ろうと考えていたのでこの想定外の発表はちょっと痛いですね(笑)
発売は11月だそうですが、手元にある手付かずのサンプルがかなり多いので12月~1月辺りの実機テストになりそうです。
…ので、テスト前にざっくりと「DRV-CW560」を見ておきましょう。
「DRV-CW560」のスペック
「DRV-CW560」のスペックはこちらの通りです。
DRV-CW560 |
---|
20.11発売 |
2160×2160/27fps/WDR |
LED信号対応 |
前:180°×210° |
microSD付属32GB/最大32GB |
フォーマット不要 |
GPS内蔵 |
WiFi対応 |
駐車監視モード |
動体検知/自動起動 |
専用ケーブル JVC CU-BC100 |
「ドライブレコーダーの持込取り付け」が出来るお店 |
既にテストが終わっている、先行機種の「DRV-C750」のとの違いですが…。
まずはイメージセンサーが「DRV-C750」の方は型番非公開でおそらく非STARVISの1/2.5型なので、IMX317辺りを使用していると考えられます。
これはVANTRUE「X4」、VIOFO「A129 Pro」辺りにも使われている851万画素高精細センサーですがSTARVIS対応ではなく、夜間撮影能力はそれほど高くはありません。
※STARVISセンサーでも、高解像度はそれほど明るくないですが…。
一方で今回発表されている「DRV-CW560」の方は、1/2.8型、840万画素、STARVIS対応と書かれています…ので、おそらく「IMX415」の方かと考えられます。
この「IMX415」というセンサーはSTARVIS対応品ではあるものの、画素数の割にサイズが小さく過去にテストした「IMX415」をを搭載したドライブレコーダー、VANTRUE「N4」、MAXWIN「MDR-D022」のいずれも、PCの再生ソフト側の補正に頼らなければ暗視能力は期待出来ない程度の明るさでした。
※再生ソフトの補正を使うとガッツリ暗視出来ますが。
VANTRUEの「N4」は白飛びを抑える為にベースの露出をかなり下げており、素の動画は明るくないのですが、PCの再生ソフトで補正を行う事で暗い場所でもここまで明るくなります。
ただし、「DRV-CW560」でネックになるのは単眼カメラで暗い車内・明るい車外を撮影しなければならない点です。
こちらのプロモーション動画でも明るい車外に露出を合わせている為、車内は暗く映っています。
夜間もかなり街灯が多い場所で撮影している割には暗く見えます。
思えば、この製品と良く似たWiFi対応モデルに2017年2月と4年近く前に発売されているカーメイトのダクション360という製品がありますが…
2018年には単眼による問題を避けるために後継のダクション360Sでは2カメラ化しています。
…という事を考えると、ケンウッドがやっている事は凄い周回遅れな訳です。さも新しい事をやってるようなイメージ作りは素晴らしいと感じますが。
録画解像度は「2160×2160」ですので、有効解像度は466万画素、「DRV-C750」やコムテック、ユピテルの同クラスの製品は「1856×1856」の344万画素なので、精細感は若干高くなっていると予測されますが、360°ドラレコはナンバー認識が苦手!という根本的な問題を解決出来る画素数では全くありません。
因みにプロモーションではこの解像度が「業界最高水準」の高精細なんだそうですが…いやいやカーメイトの「ダクション360S」は4K出力なのでどう考えても「業界最高水準」ではありません。
嘘はいかんですよ、ケンウッドさん!…と思ったら下の方に小さく書いてありますね。
※1 単眼360°の常時録画記録解像度と書いてあります。
…がしかし!、カーメイトの旧製品で現行でも販売が継続されている「ダクション360」は単眼で「2880×2880」の830万画素です。
カーメイトは業界の外なんですかね(笑)これは景品表示法に引っかかる恐れアリ?
…と思ったんですが、ダクション360の方はドラレコとしての常時録画が200万画素、手動録画と駐車監視が4Kでした。
従って単眼360°ドラレコの中では業界最高峰の466万画素というのは嘘ではないようです。
その他の部分では垂直方向のレンズ視野角が240°→210°と狭くなっており、上方向が映りにくくなっているようです。
240°あれば必要充分だと思いますが、210°だとどうかな?と言った感じですね。
一方でWiFi機能に関してはユピテルにも指定店舗向けの「ZQ-35R」という製品があるものの、360°ドラレコは液晶画面での動画の視認性が極悪なので、WiFi非対応のコムテック・セルター製品、同社の「DRV-C750」に対してのアドバンテージになります。
駐車監視の仕様について
「DRV-CW560」の駐車監視は「動体検知」となりますが、従来の5V機である「DRV-C750」やその他シングルモデルとは基本仕様が異なるようで、使用する専用ケーブルも別の物となります。
端子形状はminiUSBタイプですが、こちらはKENWOODではなく「JVC KENWOOD」のドラレコ用ですので、おそらく…ですが、「DRV-CW560」は過去に私が低評価してきた台湾MioのOEMではなく、「JVC KENWOOD」の「GC-TR100」を生産している工場での生産品ではないかと考えられます。
もともと家電部隊のJVC KENWOODはオートモーティブのKENWOODブランドのドラレコをロゴだけ変えて販売してきましたが、2020年からは独自モデルと見られる製品も出てきており、KENWOODへの逆輸出が始まっているのかも知れません。
このケーブルの主な仕様はこちらの通りです。
・タイマー:OFF/2/4/6/8/10時間
・カットオフ電圧:12.0/12.3/12.6/12.9V
まとめ
以上、「DRV-CW560」の概要について解説しました。
あまり期待はしていませんが、12~1月頃を目処にテスト予定です。
(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣)
コメント
カーメイトの単眼のドラレコは常時録画が200万画素で、駐車監視録画のみ830万画素ですね。
なのでケンウッド製品の360度単眼常時録画の466万画素は業界最高なのは間違いなさそうです。
カネダ様
おお!確かに常時録画は200万画素、駐車監視と手動録画は4Kと書いてますね。
ご指摘ありがとうございます!
こんにちは、楽しく拝見させて頂いております。omiさんのレビュー非常に参考になります。
1つ、私の悩みを相談させていただきたく。
今までユピテルのs10+OP-MB4000にて駐車監視を行っていたのですが、故障が重なり、本機ケンウッドのDRV-CW560を購入しました。車体バッテリを弱らせたくないので、なんとかmb4000を活用してcw560の駐車監視機能が使えないかと考えております。
◾️mb4000の出力は12vなのでUSB5vへの変換が必要
→ cw560付属のシガーソケット電源を変換コネクタを作って接続すればいけるのではと考えました。
でもこのケーブルには5vプラスマイナスの2極のみ存在。
ここで疑問なのが、cw560はどうやってエンジン停止を判断しているのか、ということです。
ユピテルs10は6極12vでmb4000と繋がっているので、エンジン停止時の何かしらの変化を読み取っていると推測。
ケンウッドの他の機種では5分間振動がないことを検知するとhpで説明されているものもあるが、この機種にはその説明がない。振動検知する方式でないとすると、駐車監視用オプションハーネスであるJVC CU-BC100では、5v電源以外の、何かしらの信号線がUSBに含まれているのではないかと思っています。このハーネスのUSB側ケーブルの接続端子が3ピンに見えるので、電源以外の1極をmb4000の5ピンのどこに刺せば(ミニUSB端子の何番に入れれば)うまく駐車監視機能が働くのかと、ウェブで情報を探っているのですが、見つけられず。
もしomi様の経験でわかることがありましたら、ぜひアドバイスいただきたく。。。
よろしくお願いします。
みやしん様
OP-MB4000に付属の2芯出力ケーブルを使用すればDRV-CW560にも使えると思います。
この2芯出力ケーブルの赤+は常時通電状態です。
これも使います。
https://amzn.to/3vS5RLV
>ケンウッドの他の機種では5分間振動がないことを検知するとhpで説明されているものもあるが、この機種にはその説明がない。
おそらくOEM受注メーカーが違うので、この系統はACC信号の有無で即時に駐車監視の制御を行うタイプだと思います。
・OP-MB4000に付属の2芯出力ケーブルの+ to JVC CU-BC100 黄色
・OP-MB4000に付属の2芯出力ケーブルの- to JVC CU-BC100 黒
・JVC CU-BC100 赤 to ACCヒューズ
これで正常に動かなけれは、 ここを分岐させて車体にアースしてみて下さい。
・OP-MB4000に付属の2芯出力ケーブルの- to JVC CU-BC100 黒
>電源以外の1極をmb4000の5ピンのどこに刺せば(ミニUSB端子の何番に入れれば)うまく駐車監視機能が働くのかと、ウェブで情報を探っているのですが、見つけられず。
これは以前私も探してみましたが、どういう制御なのか分かりませんでした。
シンプルに2芯ケーブルを使いましょう。
Omi様
早速明確なご回答ありがとうございます!
本日午前中に、ドラレコ付属の2芯ケーブル(シガーソケットオス)+シガーソケットメス変換ケーブル+MB4000付属の2審出力ケーブルで配線してみましたが、やはりOmiさんのおっしゃる通りMB4000で指定した時間までドラレコへ常時通電&常時録画されるため、1時間でMB4000のバッテリー残量がみるみる減っていってしまいました。
(5分経とうが30分経とうが駐車録画モードにならず)
駐車監視モードへの切り替えはACC信号の有無なのですね。
なんとか5000円するCU-BC100ケーブルを買わずに済めばと思いましたが、、、。やはり私にとって駐車監視は必要なので、あきらめてケーブルを買うことにします。
でも、MB4000のバッテリーを活用できる方法をOmi様に教えていただいたので、ユピテルの遺産を無駄にせずに済みそうです。
週末トライしてみます。本当にありがとうございました!
みやしん様
・CU-BC100とCW560は実機を使っていないのであくまでも予測であることをご了承下さい(笑)
Omi様
上記配線にて無事駐車監視モードに移行することが確認できましたのでご報告します。
amazonにて、CU-BC100とエーモン 低背ヒューズ電源 DC12V・60W/DC24V・120W 15Aヒューズ差替用 (E578)
を購入し
・OP-MB4000に付属の2芯出力ケーブルの+ to JVC CU-BC100 黄色 ⇒ギボシ接続
・OP-MB4000に付属の2芯出力ケーブルの- to JVC CU-BC100 黒 ⇒ギボシ接続(CU-BC100側作り替え)
・JVC CU-BC100 赤 to ACCヒューズ ⇒ギボシ接続
CU-BC100のGND黒配線をクワガタ端子からギボシに作り直す際に、念のため分岐して20㎝ほど線を取り出し
クワガタ端子をつけて、Omiさんのおっしゃる通り車体にアースししました。
>・OP-MB4000に付属の2芯出力ケーブルの- to JVC CU-BC100 黒
上記を分岐して車体にアース
結果、エンジンOffした際ドラレコから、3分後に駐車監視を開始する旨音声が流れ、無事切り替わってくれました。
OP-MB4000は助手席の下に設置されているので、CU-BC100も一緒にそこに置きたかったですが、配線上、ACCヒューズへのケーブルが届かず、左Aピラー下のヒューズボックス付近にて、束ねた配線類とCU-BC100のスイッチボックスを無理やり押し込んで収納しました。
うまく収めることができてとても満足しています。ご助言ありがとうございました。
p.s.
DRV-CW560には動体検知の感度変更切り替え機能がないようですね。ユピテルs10では10段階で変更できたので、あまり感度が高すぎて木が揺れただけで録画し続けてしまったらどうしようかと心配していますが、これから楽しみに確認していこうと思います。
みやしん様
無事に駆動出来て良かったですね^^
DRV-CW560は規格としてはほとんど初物なので、私からすると海の物とも山の物とも言えないのですがどうでしょう(笑)
Omiさん ご返答ありがとうございます。
正統派なドラレコを買ったのが前出のユピテルs10が初めてだったので、あまり批評できるような経験はないのですが、300kmほどの走行含め、ここ数日使ってみた感想としては、
【画質】
・s10よりは確実に高画質。曇天の昼間なら対向車のナンバーが読める。ただし夜間の室内は映すだけ無駄なくらい真っ暗。夜間の社外もナンバー読み取りは絶望的。(s10からの乗り換えだから許せるレベル?)
・210°の画角はs10と一緒で狭いが、信号が映らないということはなかった。ただ、新しい機種なら240°に対応してほしかった。
昨今の2カメラ高画質ドラレコを知っている人だと不満だと思いますが。。大体の状況が分かればいい私には画質的には問題ありませんでした。室内のいらない部分の画素を殺して、映したい部分の画質を上げる、なんてことできたらいいのに、と素人考えでは思います。
【操作性】
・本体は2ボタンでシンプル。スマホで操作が前提なので割り切っていていいが、設定で変えられる項目も少ないため逆を言うと何もいじれない。(s10もスマホで設定でき、単純比較はできないが、設定できる項目が3倍ほどあった。)
特にエンジン切った後に駐車監視するかしないかを選べるオプションは欲しかった。
【駐車監視】
・動体検知が欲しくて選んだが、感度を変えられず、家の駐車場では車や人が通るたび、はたまた強風で気がなびくたびに録画され、時間タイマー(2時間)で電源切れるまでかなりの頻度で撮り続けられたため、OP-MB4000のバッテリーは1日ですっからかんに。s10では自宅での監視をGPS認識で停止できたが、これはできないため、MB4000のタイマー設定を30分くらいにしないと持たないかも。。。
やはりどとうしても旧機種と比べてしまいますね。画質が向上した以外はあまり満足できるレベルではありませんでした。値段を考えると仕方ないのかもしれませんが、3年経っても、思ったほど進化がなくて、個人的には少々がっかりしました。。。(s10が先進的だったというべきでしょうか。個人的には接近監視時の威嚇LEDライトが好きでした。)
ただ、s10は壊れやすく、何度も再起動したり修理に出さなければいけなかったり大変だったので、CW560の耐久性に関しては、これから見極めていこうと思います。せめて3年くらいは何事もなく持ってほしいなと。
以上、Omiさんに向かってレビューするなど恐れ多いことをしてしまいましたが、一個人の感想としてご参考になれば。
みやしん様、ご報告ありがとうございます!
>対向車のナンバーが読める
これは人によっては高評価になるかも知れないですね。
>s10は壊れやすく、何度も再起動したり修理に出さなければいけなかった
そうなんですね(笑)色々盛り込み過ぎたからなんでしょうか。
通常の動体検知はドップラー制御と違って、常にメモリに書き込みを行いながら必要に応じてmicroSDに録画を行うものなので常時録画と電力の使用量は変わらないんじゃないですかね。
以前、外付けのセンサースイッチを使って動体検知テストをした事がありますが、動作が気まぐれで使えませんでした(笑)
https://car-accessory-news.com/swc295%E2%85%A1/
ドップラーセンサー付きで速起動出来るドラレコがあると良いなぁと思ってますけど、起動速度はCPU依存なので3カメラとか360°+アルファなどにすると台数もそれほど出ないでしょうからべらぼうに高くなりそうです(笑)
実は私が企画&出資したドラレコを作ろうと言う話もあるんですが、原価とか開発費なども考慮すると1万台くらいは売れないとマズいようで、このカテゴリーを日本だけでそれだけ売るのは難しい気がしています。
>通常の動体検知はドップラー制御と違って、常にメモリに書き込みを行いながら必要に応じてmicroSDに録画を行うものなので常時録画と電力の使用量は変わらないんじゃないですかね。
そうなんですね。ニッケル水素で安全とは言え、ただでさえ容量の少ないMB4000とDRV-CW560の組み合わせでは、なかなか理想の安定した駐車監視(せめて一晩)は厳しそうですね。。。
s10はその点ドップラーを使っていたので、明け方くらいまではちゃんと機能していました。ただ、普段そんなに距離走らないので、バッテリー消費量>充電量 となって、結局しまいには1時間程度で機能停止するという事態にはなっていましたが。。。
s10もドップラー反応後から起動、録画開始までには数分のタイムラグがあり、それまではLEDやランプで威嚇して追い払うという、苦肉の策を使っていたので、電力使用との兼ね合いは難しいのでしょうね。(未然防止という観点ではそれでも満足でした。)
Omiさんの企画、ぜひ実現してほしいです! 1万台ですか。高機能であればニッチな客層はお金を落としてくれそうですが、私はユピテルのs10も、新車と抱き合わせで思い切って奮発したものの、今となってはあの金額を出すのは躊躇してしまいます。ので、お財布とうちのお上と相談。。。
他の記事でも書かれていましたが、私のように駐車監視を必要としている人が、どれくらいいるか、でしょうね。
いっそドラレコ専用に、車体にソーラーパネル&大容量バッテリーでも設置して24時間常時録画&威嚇するしかないんでしょうかね。。。(それでも充電が追い付かないか。。。)
マニアックなことを常に考えてくださるOmiさんを応援しております。これからも頑張ってください。
みやしん様
ほとんど乗らない車で駐車場が離れたところにある車が一番厄介ですよね(笑)
ユピテル製品が故障多いと言う体感はないのですが、業者さんの中には結構あるとおっしゃる方もいるようで(又聞きなんですが)
ソーラーパネルで動くドラレコも韓国にはあるんですけど、筐体がラフレシアみたいな感じになってて笑いました。