※2020年10月27日更新~2020年の秋冬の情勢に合わせて内容を見直しました。
こんにちは!Omiです。
2020年はパイオニア・ケンウッド・アルパインがこのカテゴリーに新製品を投入してきており、これから何年かは盛り上がりそうな感じになってきましたので2020年2度目の記事更新です。
インダッシュ型のカーナビはオーティオ機能が一体化しているので便利ではありますが、カーナビを使用する事がほとんどない人、カーナビ機能はスマホやタブレットのアプリで充分と考えている人の中にはインダッシュ型のカーナビの操作性や地図更新のコスト、本体購入時の初期コストに不満を感じる人も多いでしょう。
私自身はインダッシュナビとスマホの無料カーナビアプリを別々の車で使い分けていますが、どちらも完璧ではないですし、それぞれの良い部分・悪い部分がありますので、車の使い方によって使用する端末を選んでいる感じです。
最新の市場の流れですが、特にパイオニアはカーナビと合わせてこのようなユーザーの個別要望に応えるような商品展開をしてきており、概ねどのような要望にもマッチングする製品が見つかるような状況になりました。
もくじ(クリック・タップで移動できます)
2DINオーディオを選ぶ理由は?
さて、今回は2DINのオーディオの各社製品の比較記事になるのですが、この記事に辿り着いた方はおそらく通常のカーナビは高いので微妙…と考えている事と思います。
最近は1DINオーディオもスマホとの親和性が高まっていますので、オーディオとしては1DINの方も選択肢として捨てがたい状況ではあるのですが…
それでも2DINを選びたい!と考えている方は、おそらく以下ような理由でその考えに至っていると想像します。
・バックカメラの映像を画面に出力したい
・カーナビパネルとの見た目の一体感から2DINを希望する
・最低限のコストでYouTubeやFire TV、Chromecast、Apple TVなどの映像を液晶で視聴したい
他にも導入の動機があれば教えて頂けると幸いなのですが、今回はこの2点の理由から2DINのカーナビの導入を検討している方向けに各社のモデルの紹介・比較を行います。
2DINオーディオの現状の国内メーカーの製品は、ほぼパイオニア・ケンウッド・アルパインの3社に集約されていますので、全メーカーの製品をカテゴリー別にご紹介します。
パイオニアの2DINオーディオ
パイオニアの2DINオーディオはここ1年ちょいの間に大幅な展開モデルの見直しがあり、2020年現在では最新のCarPlay・Android Auto対応モデルが主力となり、従来型の液晶・LEDパネルを搭載した製品は縮小されています。
2020年10月現在ではこのような構成です。
・DMH-SZ700(最新世代/6.8型液晶/CarPlay・Android Auto対応モデル)
・FH-7600SC+SDA-700TAB(最新世代/8型/タブレットポン付けモデル)
・FH-6500DVD(旧世代/6.8型液晶)
・FH-4600(LED表示パネル/CD/USB/Bluetooth)
・FH-3100(LED表示パネル/CD/USB)
因みに私もアクアでCarPlay・Android Auto対応の9型フローティングモデル「DMH-SF700」を使っていますが、なかなか満足度の高い買い物だと感じています。
ここではそれぞれのカテゴリーについて順番に解説して行きます。
CarPlay・Android Auto対応モデル
CarPlay・Android Auto対応の最新モデルはこちらの2つとなっています。
上位機種の「DMH-SF700」は1DINの本体に9型100万画素のフローティング液晶を搭載、下位の「DMH-SZ700」は一般的な2DINの6.8型液晶です。
どちらも基本機能は同等でHDMI INポートを搭載している事から、スマホやFire TV、Chromecast、Fire TVなどとの親和性も非常に高いものとなっています。
・HDMI INポート搭載
・ウェブブラウザ搭載
・Bluetooth対応
・バックカメラ入力対応
・WiFi対応
iPhone、Android端末とのミラーリングは、こちらのようにHDMI入力ポートを活用して行います。
■ iPhoneをカーナビにHDMIで有線ミラーリングする方法
■ androidスマホをmicroUSBからHDMIに変換して有線ミラーリングする方法
現行のアフターパーツではHDMI INポートを搭載した製品はパイオニア以外にはないと思いますので、CarPlay・Android Auto対応の2DINオーディオではパイオニア製品が最もスマホやネットメディアとの親和性が高いと言えます。
因みにCD/DVDなどのドライブは搭載してませんし、地デジにも非対応です。

タブレットポン付けモデル
「FH-7600SC」は専用タブレット「SDA-700TAB」をポン付け可能な全く新しいカテゴリーの製品です。
タブレットをカーナビ代わりに使用しつつ、車載オーディオからBluetoothなどで音楽を再生させる方法は昔からありましたし、私も一時期この構成を試した事がありますが、見た目の一体感は微妙ですし、オーディオ側の操作はタブレットから出来なかったりと、不便な部分もあったりなかったり…。
また、文字もサイズも車載用に最適化されていないので、画面が見にくいと言う問題点もありました。バックカメラにも非対応ですしね。
「FH-7600SC」と「SDA-700TAB」の組み合わせの場合にはインターフェイスが車載用に最適化され、脱着も容易になっている上、液晶サイズも8型のフローティングと視認性も良好かと考えられます。
もちろんバックカメラも使用が可能です。
先に紹介したCarPlay・Android Auto対応モデルと比べた場合、使用可能なアプリの数が多く、機能制限も掛からないと言う面では「FH-7600SC」の方に分がありますね。
因みに私はCarPlay・Android Autoが使ってみたかったので「DMH-SF700」を購入したのですが、こっちにもなかなか興味があったりします。
そもそもApple Musicなどのプレイリストはクラウド管理なので、必ずしもスマホとリンクさせなければならないと言う事もないですし、YouTubeやPrime Videoも同様ですよね。
なので、「FH-7600SC」と「SDA-700TAB」も結構良いんじゃないかな~と思います。
因みに中華製品ではAndroid OS搭載のオーディオをかなり前からありますが、これはこれで良いと感じる部分はあるものの、オーディオ機能が弱く、文字サイズも車載向けに最適化されていない、故障のリスクが高い、などの問題があります。

…なのでDIYで取り付けが可能な方にしかおすすめしてませんでしたが、「FH-7600SC」と「SDA-700TAB」は万人におすすめ出来そうです。

従来型カラー液晶モデル
従来型のカラー液晶モデルは「FH-6500DVD」1モデルを残すのみとなっており、後はケンウッドなどの他社メーカーにお任せという姿勢です。
主な仕様はこちらの通りです。
・CD/DVD/USB/Bluetooth/ハイレゾ対応
・バックカメラ対応
従来型のカラー液晶オーディオですので、HDMI 入力ポートなどもありませんが、バックカメラ対応でスマホの音楽再生はBluetoothで充分、と考えている方にはかなりコスパ高の選択肢になると思います。
LEDディスプレイモデル
こちらのLEDディスプレイ搭載モデル「FH-3100」「FH-4600」はカラー液晶モデルのようにバックカメラ映像を出力する事が出来ません。
主な仕様はこちらの通りです。
・CD/USB
・Bluetooth(FH-4600のみ)
「FH-4600」の方は発売が2019年10月と比較的新しく、Bluetooth、オーディオコントロールアプリ「Pioneer Smart Sync」にも対応しており、スマホから細かい音響環境の設定が可能となっています。
ただし、この「Pioneer Smart Sync」は1DINモデルでも対応機種がありますので、それなら1DIN+小物入れなどの構成でも良いのでは?と言ったところですね。

ケンウッドの2DINオーディオ
ケンウッドの2DINオーディオはパイオニアのように確固たる信念のもとにスマホとの親和性を追求するのではなく、その時々で良いとこ取りをしようとしてコケる…と言うような動きが目立ち、CarPlay、Android Auto対応の製品は一時期ラインナップから消えていましたが、2020年の秋に低価格ゾーンの「DDX5020S」と言うモデルで復活しました。
パイオニアに比べるとケンウッドはこれから廃れていくカテゴリーの構成が無駄に厚く、面白みがありません。
・DDX6190BT(旧世代/7型液晶/CD/DVD/USB/Bluetooth)
・DDX4190BT(旧世代/6.2型液晶/CD/DVD/USB/Bluetooth)
・DPX-U750BT(LED表示パネル/CD/USB/Bluetooth/Alexa)
・DPX-U740BT(LED表示パネル/CD/USB/Bluetooth
・DPX-U530(LED表示パネル/CD/USB)
あと2機種ほど絞ってしまった方が言いような気がしますが、それぞれの特徴はこちらの通りとなります。
CarPlay・Android Auto対応モデル
2020年秋に発表されている「DDX5020S」は、ケンウッドとしては1年振りに復活したCarPlay・Android Auto対応モデルです。
基本コンセプトは同じく6.8型液晶を搭載するパイオニアの「DMH-SZ700」と似たようなものと感じるかも知れませんが、以下のような違いがあります。
・「DDX5020S」:HDMI INには対応しないが、CD/DVDを搭載
CD/DVDドライブは価格が上がらなければ有ったほうが良いですが、HDMIポートがないとスマホやFire TV、Chromecast、Apple TVなどとの親和性がぐっと下がります。
どうしてもCD/DVDドライブが必要、かつCarPlay・Android Autoも使いたい、と言う方向け限定の製品ですね。

従来型カラー液晶モデル
従来型カラー液晶モデルは7型液晶の「DDX6190BT」、6型の「DDX4190BT」と2型番での展開ですが、どちらも対応メディアは共通でこちらの通りとなっています。
・バックカメラ対応
特にこれといった特徴のない製品を液晶サイズで2つに分けていますが、実売価格がパイオニアよりも高いのでおすすめする理由がありません。
LEDディスプレイモデル
カラー液晶ではないLEDディスプレイのモデルは次の3つです。
・DPX-U740BT(LED表示パネル/CD/USB/Bluetooth
・DPX-U530(LED表示パネル/CD/USB)
エントリーの「DPX-U530」でもUSB経由でスマホの音楽再生は可能ですので、上位モデルとの機能差を考えると「DPX-U530」のコスパは非常に高いと感じますね。
真ん中の「DPX-U740BT」はBluetoothに対応し、着座位置指定で音場を調整する「デジタルタイムアライメント」と言う機能が搭載されています。
さらにAlexaに対応させたのが最新の「DPX-U750BT」です。
このAlexa対応は通常のスタンドアローン型のAlexa対応ガジェットとは異なり、Alexaのウェイクアップに音声での呼びかけではなくボタン操作が必要となっています。
完全にハンズフリーではない点が微妙ですし、これは疑似アレクサのような機能かと思います。
実機でテストを行った訳ではないですが、シミュレーションした結果、スマホのAlexaアプリと操作手順はほとんど同じと言う事が分かりました。
運転中にスマホをいじると御用になるので、その対策が実装されたところで、実質的な機能面ではスマホのAlexaアプリとそれほど変わらないと言ったところです。
アルパインの2DINオーディオ
アルパインからは9型液晶のフローティングBIG DAと言う製品が1モデルだけ販売されています。
こいちらもパイオニアの「DMH-SF700」と同じく、1DINの本体に9型液晶が付いた製品なので2DINではありませが、用途的には2DINと同様になるでしょう。
「DMH-SF700」と比べるとHDMI INポートを非搭載、WiFi非対応、ハイレゾ非対応など基本コンセプトがぼやけた特性となっており、中途半端感は否めません。
パイオニア DMH-SF700 | アルパイン BIG DA |
|
---|---|---|
液晶サイズ | フローティング9型 | フローティング9型 |
液晶画素数 | 100万画素 | 100万画素 |
筐体 | 1DIN | 1DIN |
Bluetooth | 〇 | 〇 |
USB | 〇 | 〇 |
ハイレゾ | USB/Bluetooth(LDAC) | USB |
WiFi | 〇 | - |
WEBブラウザ | 〇 | - |
HDMI IN | 〇 | - |
AV IN | 〇 | - |
バックカメラIN | 〇 | 〇 |
CatPlay | 〇 | 〇 |
Android Auto | 〇 | 〇 |
Alexa | 〇 | - |
やはり、ルーターや回線も含めてカーライフの総合的な提案力と言う面で私はパイオニア製品を支持します。


(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣)
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