※2020年10月21日更新:2020~2021年モデルが発表されましたので全面的に内容を見直しました。
こんにちは!Omiです。
パイオニアからサイバーナビや新型カーナビ連動ドラレコ「VREC-DS800DC」と合わせて、楽ナビの最新モデル2020~2021年モデルが発表されていますのでざっくりと特徴を解説します。
もくじ(クリック・タップで移動できます)
楽ナビの立ち位置は?
楽ナビはパイオニアのカーナビシリーズの中ではエントリー~スタンダードグレードに当たるブランドで、フラッグシップの役割はサイバーナビが担っています。
ここ数年のカーナビ業界のトレンドは
・100万画素の高精細化
・車種種用モデル
の3つでしたが、一部を除いて各社ともハイエンドグレードを追加する形でこのような製品を投入しており、既存のグレードについては改善を行わずに本体価格や地図の更新費用を下げるなどの対応を行っていました。
楽ナビ自体が常に上位にハイエンドグレードのサイバーナビがすると言う、このご時世を考えると難しい立ち位置のブランドですが、2019年にフルモデルチェンジが行われるまでは放置プレイ気味でした。
その流れが変わったのが2019年のフルモデルチェンジで、このタイミングに合わせてエントリースタンダードグレードは地図更新費用の値下げで割安感を持たせ、アッパーミドル~ハイエンドグレードはフルモデルチェンジで全く新しいインターフェイスの採用と合わせて7~9型の100万画素高精細化が実装されています。

これで放置されていた楽ナビにも再びスポットライトが当たるようになりました。
…と言うのが2019年までの流れで、2020~2021年モデルは従来はアッパーミドル~ハイエンドグレードだけに使用されていた100万画素の高精細液晶が下のグレードまで広がり、エントリーの2機種以外は100万画素モデルとなっています。
また、従来は上位機種の差別化機能であったHDMIのIN・OUTポートが下位4機種を除き、ほとんどの製品で実装され、スマホのデジタルミラーリング・Chromecast・Fire TV・Apple TVなどのガジェット類との親和性が高まっています。



コレに全く気が付かずに時代に逆行してHDMIポートを削っているのがケンウッドですね。
なお、車載でネットメディアを再生する場合に気になるのが通信費用ですが、合わせてこちらの破壊力抜群のモバイルルーターも発表されています。

2020~2021年モデルのグレードごとの特徴
楽ナビの最新モデルを大雑把に括ると以下の3グレードになります。
・100万画素の7~8型モデル
・100万画素の9型モデル
それぞれのグレードの製品の特徴は以下の通りです。
従来型30万画素モデル
昨年まではこのグレードでの展開が最も厚かったのですが、今期はわずか2型番に圧縮されています。
型番も「AVIC-RZ303/RW303」→「AVIC-RZ303Ⅱ/RW303Ⅱ」と言った形の変更ですので、パナソニックの最エントリーと同様に他のグレードとは完全に別系統として細々と販売を継続していくのでしょうか。
AVIC-RZ303Ⅱ/RW303Ⅱ |
---|
20.11発売 |
7.0型液晶 |
VICS WIDE |
スマートループ渋滞情報 別途通信モジュールが必要 |
ETC2.0対応車載機は連動せず |
ワンセグ/SD/USB/CD/DVD/ハイレゾ |
連携ドラレコ |
対応バックカメラ |
ステアリングリモコン |
オービスデータ |
地図更新~3,600円(年) |
取付・取扱説明書 |
車種別適合表 |
工賃が安い「カーナビの持込取り付け」が出来るお店の探し方 |
「AVIC-RZ303Ⅱ/RW303Ⅱ」はBluetoothに対応していない為、ガラケーユーザー、またはスマホは持っているけどあまり積極的には使っていないユーザー向けに機能を絞ったモデルです。
価格次第では結構良いんじゃないかなぁ~、と思う反面、価格が安かったとしてもスマートループが使えないのは痛い…と感じる部分もありますね。
スマートループが使えないと、他社の同グレードのモデルとの差別化の面で厳しいかも知れませんので。
なので、このグレードなら私はケンウッドのカーナビをおすすめします。

逆の見方をすれば旧態依然の廉価カーナビならケンウッドが得意、でも新しさを求めるなら楽ナビの少し上のグレードを選べって事ですかね。
地デジなしの潔い新世代モデル
「AVIC-RZ111/RW111」はスマホアプリを良く使いこなし、音楽再生はもっぱらCD/SDではなく音楽配信アプリを使うユーザー向けですが、スマートループ渋滞情報が使える為、パイオニアのカーナビの肝であるナビゲーション機能は充実しています。
AVIC-RZ111/RW111 |
---|
20.11発売 |
7型/7型ワイド |
VICS WIDE |
スマートループ渋滞情報 |
ETC2.0対応車載機は連動せず |
USB/Bluetooth/ハイレゾ |
NaviCon |
連携ドラレコ |
対応バックカメラ |
ステアリングリモコン |
オービスデータ |
地図更新~3,600円(年) |
取付・取扱説明書 |
車種別適合表 |
工賃が安い「カーナビの持込取り付け」が出来るお店の探し方 |
スマホ以外のメディア再生機能は必要最低限で良いと考えているユーザー向けのモデルですが、昨年までは180mmの1DINのみの展開だったものが200mmモデルも追加されていますので売上は好調のようですね。
なお、このグレードまではHDMIポートを搭載してませんが、状況次第では来年のバージョンアップでこのグレードまでHDMIが降りてくるかも知れませんね。
※因みにこのグレードのコンセプトは3年前に私がこの記事内で書いています。
地デジは欲しいけどCD/DVDは要らない人向けのモデル
「AVIC-RZ511/RW511/RL511」も従来式の型にハマった構成ではなく、スマホユーザー向けに地デジは積むけどSD/CD/DVDドライブを削った筋肉質のモデルです。
8型の「AVIC-RL511」までこの構成がカバーされていて好印象です。
AVIC-RZ511/RW511/RL511 |
---|
20.11発売 |
7型/7型ワイド/8型 |
VICS WIDE |
スマートループ渋滞情報 |
ETC2.0対応車載機は連動せず |
フルセグ/USB/Bluetooth/ハイレゾ/HDMI IN/HDMI OUT |
NaviCon |
連携ドラレコ |
対応バックカメラ |
ステアリングリモコン |
オービスデータ |
地図更新~3,600円(年) ※最大1年分は無料 |
取付・取扱説明書 |
車種別適合表 |
工賃が安い「カーナビの持込取り付け」が出来るお店の探し方 |
最大のポイントはこのグレードからHDMI IN、OUTの両方に対応しており、スマホやFire TVなどの映像を後席のフリップダウンモニターで視聴出来る点でしょう。
HDMI IN、OUTは従来ではハイエンドモデルの差別化機能でしたが、ユーザーの要望はそうじゃないだろって事ですね。
※因みにこのグレードのコンセプトも3年前に私がこの記事内で書いています。
これ以上はフルメディア対応
ここから上のグレードは「AVIC-RZ711/RW711/RL711/RZ911/RW911/RQ911」の6機種での展開になるのですが、機能面ではどれもフル装備となっており、液晶サイズと地図更新の期間で差別化されています。
本体幅 | 液晶サイズ | 地図更新 | |
---|---|---|---|
RZ711 | 180mm | 7型 | 最大1年無料 |
RW711 | 200mm | 7型 | |
RL711 | 180mm | 8型 | |
RZ911 | 180mm | 7型 | 最大3年無料 |
RW911 | 200mm | 7型 | |
RL911 | 180mm | 8型 | |
RQ911 | 180mm | 9型 |
機能面はこちらの通りです。
AVIC-RZ711/RW711/RL711/RZ911/RW911/RL*911/RQ911 |
---|
20.11発売 |
7型/8型/9型 |
VICS WIDE |
スマートループ渋滞情報 |
ETC2.0対応車載機 |
フルセグ/SD/USB/Bluetooth/CD録音/DVD/CD/ハイレゾ |
HDMI IN×1 HDMI OUT×1 |
NaviCon |
連携ドラレコ |
対応バックカメラ |
ステアリングリモコン |
オービスデータ |
地図更新~3,600円(年) ※RZ711/RW711/RL/711は最大1年無料 ※RQ911/RZ911/RW911/RL911は最大3年無料 |
取付・取扱説明書 |
車種別適合表 |
工賃が安い「カーナビの持込取り付け」が出来るお店の探し方 |
以前はこのグレード以上で高音質チップが採用されていましたが、こちらは下のグレードまで惜しみなく拡大されていますので機能面での差別化ポイントはSDを使用しての車種別の「車種専用エキスパートチューニング」程度になります。
また、SD/CDドライブもこのグレード以上になりますのでCDの使用頻度が高い方はこちらがおすすめになりますね。
まとめ
以上、楽ナビの2020~2021年モデルについてご紹介しました。
9型の大画面モデルについては全部アリになってしまいますが、9型大画面&CD/DVDなしという構成も欲しいですね。
何故かと言うと、最近アクアで同社の「DMH-SF700」を使い始めているのですが、使う前はそれほど意識していなかったものの、一度大画面を使い始めるともう7型には戻したくないと感じるようになりました。
カーナビ機能なしなら「DMH-SF700」でカバー出来ますが、CarPlayやAndroid Autoのナビ機能は自信を持って他人におすすめ出来るようなものではないので、「AVIC-RZ111/RW111」にHDMI IN/OUTを追加して9型モデルを出すというのもアリではないかと思います。

これでティスプレイオーディオを含めれば商品構成の穴はなくなるかと!
コンサル料欲しいくらい私が書いた通りになってます!
因みに現状のパイオニアの楽ナビの方向性は2017年に私がこの記事の中で書いていた通りになっていますね。
現状のグレードの括り分けはそれ以外にフルセグ・CD録音の対応と言った部分になるのですが、時代の流れで「TV」の視聴率が落ちていますし必須なのはワンセグではなくむしろBluetoothの方だと思います。
また、CDメディアの売上は20年前の40%まで落ちていますから、CDスロットが要らない人も相当いると思いますね。
ICT総研の調査によると、2016年の時点では音楽の有料配信の売上高はCD・DVDメディアの20%強ですが、ユーザー数で見ると2018年には2000万人を突破する見込みだそうですよ。
また、東急ベル KOETOMOの調査では音楽を聴くのが週に1日以下の割合は44%となっています。
残りの56%の人が音楽市場を牽引しており、そのうちの半分弱位が有料配信サービスを利用している訳ですね。
従って、ほとんど音楽を聴かない人の半分程度はカーナビにCDスロットは不要と考えるかも知れませんし、逆に2000万人の有料配信サービス利用者の半分程度もCDスロットは不要と考えるかも知れません。
今のカーナビ市場は完全にメーカー目線で機能を足したり引いたりしてグレードの差を付けていますが、そうではなくもう少しユーザー生活スタイルに合わせて機能を最適化しては如何かと思います。
車の中で音楽をほとんど聴かない層も一定数存在する筈ですし、こんな感じの方が良いのではないでしょうか?
エントリー スタンダード ハイエンド Bluetoothあり
CD/DVDスロットなし CD/DVDスロットあり CD録音なし CD録音あり TVなし TVなし フルセグ 少なくともカーナビ機能そのもののレベルは、常に通信が可能なスマホやタブレットのアプリに抜かれつつあるので、そこはグレードで差別化すべきではないと思います。
むしろスマホ単体ではカバーできないAV機能面でダイナミックに切り分けるべきではないでしょうか?
パイオニアさん、コンサル料下さい(笑)
(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣)
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