※2019年2月28日更新~2019年モデルが発表された為、記述を見直しました

ここ1年くらいでパイオニア・クラリオンの株式売却やアルパインの親会社との事業合併など、カーナビ業界には業界再編の嵐が吹き荒れています。

富士通テンも一足先にデンソーグループに入り、大手アフターパーツカーナビメーカーで従来の形態を維持しているのはパナソニックとケンウッドのみになり、まともな年次更新が期待できるメーカーが限られてきました。

もともとケンウッドは年始に全モデルの一斉更新と言う方法は採ってこなかったのですが、2019年に限っては全モデルが一斉に更新されており、今後のアフターパーツのカーナビ市場の先行きを占うには注目すべき更新内容であると思われます。

果たして2019年モデルのケンウッドのカーナビのモデル更新はどう言った方向性になっているのでしょう?

2019年モデルでの更新のポイント

ケンウッドの2018年→2019年のモデル更新のポイントは以下の通りです。

①機能面でのクラス数が4から3に減った

②エントリークラスの機能はそのままで、アッパーミドルとスタンダードクラスが統合された

③ハイエンドクラスは機能の統廃合があり、9インチの100万画素となった

 

2018年までは400・500・700(800)・900系の実質4つのクラスでしたが、2019年モデルでは500・700系が統合され、新たな700系となっています。

新700系のざっくりとした印象は旧スタンダードの500系にハイレゾ再生とドラレコ前後連携機能を追加したもので、700系の名は冠してはいるものの、個人的に大好きだったピンチ系の操作による地図に拡縮、スマートループ渋滞情報には非対応になりました。(基本は500系なので)

因みに私がランエボ10で使っている「MDV-Z702」は確か2015年モデルだったかと思いますが、当時はこの型番が最上位クラスとなっていた為、これらの操作に対応している上にHDMIポートも搭載しています。

型番は似ているものの、年々全くの別物に格下げされちゃってます。(笑)

 

今回新たに追加された「MDV-M906HDL」については、2018年モデルの900系からandroid AUTO、CarPlayの機能を削除して高解像度の9インチ大画面液晶化したモデルとなります。

ケンウッドはこの3~4年で他社が大画面化の高級化路線に舵を取る中で、ドラレコの開発に力を注ぎ、リーズナブルな価格で使い易さを追求してきた感があるので、今さら大画面ナビ??と言う感もありますし、デザイン面でも他のグレードと差別化が出来てないように思いますので、これはちょっと微妙な展開だ…と正直感じます。

冒頭で「今後のアフターパーツのカーナビ市場の先行きを占うには注目すべき更新内容であると思われます。」と述べましたが、やっぱり「アフターパーツのカーナビメーカーの手詰まり感が半端ない」と言う印象です。

ケンウッド彩速ナビの特徴

2019年モデルの更新ポイントはかなり微妙ではありますが、これまでのケンウッドの立ち位置が急激に変化する訳では無いと思いますので、現時点でのケンウッドのカーナビの特徴をまとめておきます。

ケンウッドの彩速ナビは、その名の通り最速です…と言うのが最大の特徴かと思いますが、ここ3~4年の市場の流れと彩速ナビの進化を見ていると、その特徴がより際立った…と言うより他の特徴が薄まった感があります。(笑)

4年位前までは唯一のハイレゾ音源対応のメーカーでしたが、このところは他社もハイレゾモデルを出していますし、話題性という部分を考えると今一つ特徴がなくなって来たかな?という印象が最近は強くなってきていますね。

ただし、目立たない部分では年次の更新でかなり手が入っており、インターフェイスの使い易さや下位モデルへの惜しみない機能のフィードバックなど、全体的な評価は悪くはありません。(個人的には)

小粒だがピリリと辛いセールスポイントをいくつも備えているのが、ケンウッドの彩速ナビかな~と感じていました。(派手さはないですし、面白味もありませんが)

彩速ナビの特徴を挙げると以下の通りになります。

  • 地図の更新費用が安い
  • 彩速の名の通り、処理が速い
  • インターフェイスがかなり研究されており、見易く使い易い
  • 上位モデルから下位モデルへの機能の落とし込みが早い
  • 上位モデルではスマートループにも対応
  • 音楽再生機能には他社よりもこだわっている
  • 連動するドライブレコーダーが高解像度

地図の更新費用が安い

他のメーカーに比べて優れているのは、なんと言ってもパイオニア傘下のインクリメントPが運営する「MapFan」と連携しており、地図データの更新が全てのモデルで年会費3,600円の「KENWOOD MapFan Club」に入会する事で年に2回まで無料で出来る点です。

地図更新のコスパは絶大です。

他のメーカーは低価格モデルの地図データの更新を完全に切り捨てているか、もしくは1万円台後半から販売という形をとっていますので、この差はカーナビを選ぶ上では非常に重要なポイントになります。

また、2016年以降に発売されたモデルに関してはグレードに関わらず1年の無料更新期間が付属するのもなかなか太っ腹だと思います。

彩速の名の通り、処理が速い

最近はスマホやタブレットの性能も上がり、普段からサクサクヌルヌルの操作感に慣れている人にとっては従来のカーナビの重たい動きはストレスがたまります。

各社のカーナビの中で、最もスマホに近い操作感でストレスなく地図をサクサク動かせるのはケンウッドの彩速ナビだと思います。

他社のモデルは描画やスクロールがやや引っ掛かりますが、彩速ナビは地図の操作だけでなく、ルート探索やその他の処理で全くストレスなく動かす事が可能です。(ピンチ系の操作は過去にはアッパーミドルクラス以上で可能でしたが、2019年モデルでは最上位モデルだけとなっています

インターフェイスがかなり研究されており、見易く使い易い

カーナビのインターフェイスは慣れの問題もありますので一概に比較は出来ませんが、もともと完成度が高かったケンウッドのカーナビは、この3~4年でコツコツ細かい部分の見直しを行っています。

特に右左折する交差点手前の案内は、以前からこだわりがありましたが、年次でさらなる使い易さを求めて改善を繰り返しています。(派手さはないですが)

上位モデルから下位モデルへの機能の落とし込みが早い

彩速ナビの最大の魅力の一つが、下位モデルの機能面での充実です。

他社の場合、グレードを分ける為に無理矢理下位モデルの機能を絞り込んでいる感がありますが、ケンウッドの場合には過去の上位モデルの機能を下位モデルに落とし込むサイクルが早く、地図更新についても上位と下位で大きな差別化はしていません。

最近は上位モデルの機能を削っているグレードを落としている印象ですが…。

上位モデルではパイオニアのスマートループ渋滞情報にも対応

パイオニアの「スマートループ渋滞情報」は、VICSなどの渋滞情報やユーザーの走行データによる情報を組み合わせて、より正確な渋滞情報をユーザーにフィードバックするシステムです。

パイオニア以外の他社のカーナビは都内のみ対応の「VICS WIDE」が使用可能ですので、都内では渋滞回避能力にそれほど差は出ないのかも知れませんが、東京以外の都心部に近いところでは「スマートループ渋滞情報」が力を発揮してくれるかと思います。(過去にはアッパーミドルクラス以上が対象でしたが、2019年モデルでは最上位クラスのみとなっています

音楽再生機能には他社よりもこだわっている

彩速ナビは数年前から業界で唯一のハイレゾ音源の再生機能をセールスポイントにしてきましたが、その後の他社がハイレゾ再生に対応する流れの中で、配信音源で最高音質となる「DSD」形式のファイルにも対応しています。(最上位モデルのみ)

また、Bluetoothのコーデックに関しても従来のSBCの3倍の転送レートである「LDAC」方式にも対応するようになりました。(過去にはアッパーミドルクラス以上が対象でしたが、2019年モデルでは最上位クラスのみとなっています

連動するドライブレコーダーが高解像度

彩速ナビ2019年モデルでは、エントリークラスの400系でフロントのみ、700・900系では前後2台の「2304×1296」の解像度のドライブレコーダーとの連動が可能となっています。

ただし、ドラレコ連動機能に関しては最近はイクリプスもバックカメラの映像を生かした2台録画対応のモデルを発売して来ていますので、以前と比べるとドラレコ連動面での優位性はなくなりつつあります。

クラスごとの違いとおすすめクラス

2019年のモデル更新でケンウッドのカーナビはついに僅か3グレードでの展開になってしまいましたが、これらの違いは以下の通りとなります

①エントリ~「400系」~地デジはワンセグ・Bluetoothなし・ドラレコはフロントのみ連携

②スタンダード「700系」~地デジはフルセグ・Bluetoothあり・ハイレゾ再生あり・ドラレコは前後で連携(8インチモデルもあり)

③ハイエンド「900系」~9インチの100万画素でバックカメラも100万画素モデルに対応・スマートループ使用可能・Bluetoothコーデックが最新の規格に対応・DSDファイルの再生に対応・ピンチ系の操作が可能・HDMIポート搭載(たぶん)

エントリークラス「MDV-L406」「MDV-L406W」

エントリークラスの「MDV-L406」「MDV-L406W」の機能一覧は以下の表の通りとなります。

MDV-L406/MDV-L406W
19.03発売
7.0型液晶
180mm/200mm幅
VICS WIDE
ETC2.0 対応車載機
ワンセグ
CD録音
DVD/SD/USB
HDMI×
BluetoothI×
ピンチ系操作×
NaviCon
SMART USEN
連携ドラレコ
バックカメラ
ステアリングリモコン
オービスデータ
地図更新
1年無料
3,600円/年/5年まで
取付・取扱説明書
車種別適合表
工賃が安い「カーナビの持込取り付け」が出来るお店の探し方

このクラス自体は2018年モデルからの変更はありませんので、機能面でも同等となります。

このクラスの特徴はカーナビとしての最低限の機能と拡張性を装備している点ですが、以前と比べて「最低限」のハードルが上がって来ていますので、カーナビ本来のルート案内という部分に関してはハイエンドモデルと大きな差は無くなりました。

「ETC2.0」車載機への対応、地図更新が1年無料、最新のカーナビ連動ドライブレコーダーへの対応、フロントカメラへの対応、CD録音も可能であるなど、他社の同グレードと比べると機能面が充実しています。

ケンウッドのカーナビは「彩速」というブランド名の通り、見易く操作が軽いのが特徴で、あまり面白味はないのですが最もストレスが溜まらないカーナビだと感じます。

このグレードはBluetooth非対応でフルセグ地デジも視聴出来ませんが、実用面では必要充分ですし、下位モデルにも関わらず、地図更新が1年無料である点、5年間は年間3,600円で地図更新が出来る点が魅力です。

また、2018年モデル以降はこのグレードも含めて全モデルで音楽配信アプリ「SMART USEN」のインターフェイスが追加されています。

Bluetoothには対応していませんが、ハンズフリー通話については以下のようなガジェットで補完可能です。

■ Bluetoothイヤホン付のハンズフリー通話可能な充電器

価格面ではまだ発売されて間もない為、高めに推移していますが4月中頃になれば落ち着くと思いますので、5万円台前半になったら購入するのが良いでしょう。

エントリークラスのカーナビであれば、他社も含めてケンウッドのこのクラスのモデルが最もコスパが高いと感じますね。

スタンダードクラス「MDV-S706」「MDV-S706W」「MDV-S706L」

スタンダードクラスの「MDV-S706」「MDV-S706W」「MDV-S706L」の機能一覧は以下の表の通りとなります。

※「MDV-S706L」は8インチモデル

ケンウッド MDV-S706/MDV-S706W/MDV-S706L
19.01~02発売
7.0型液晶/7.0型液晶/8.0型液晶
180mm/200mm/ラージサイズ
フリーワード検索
VICS WIDE
スマートループ渋滞情報は非対応
ETC2.0対応車載機
フルセグ
Bluetooth
CD録音
DVD/SD/USB
ハイレゾ再生
HDMI×
ピンチ系操作×
NaviCon
SMART USEN
連携ドラレコ
対応バックカメラ
ステアリングリモコン
オービスデータ
地図更新
1年無料
3,600円/年/5年まで
取付・取扱説明書
車種別適合表
工賃が安い「カーナビの持込取り付け」が出来るお店の探し方

このクラスの特徴はフルセグ地デジとBluetoothに対応している点に加えて、ハイレゾ音源の再生と前後ドラレコの連動に対応している点となります。

基本は旧500系なのでエントリー+αではあるのですが、もともとケンウッドの400~500系自体が多機能でコスパが高かったグレードなので、スタンダードグレードとしての価格帯を考えると更に機能が増えた事で他社に比べるとコスパは高くなると考えています。

また、取り敢えず2カメラドラレコを連動させる目的であればこのクラスがおすすめですね。

ハイエンドクラス「MDV-M906HDL」

ハイエンドクラスは「MDV-M906HDL」の1グレードのみとなります。

ケンウッド MDV-M906HDL
19.03発売
9.0型液晶 100万画素
フリーワード検索
VICS WIDE
スマートループ渋滞情報は、年額3,600円の「KENWOOD MapFan Club」に入会し、Bluetoothデザリングで使用可能か?
ETC2.0対応車載機
フルセグ
ハイレゾ再生
CD録音
DVD/SD/USB
HDMI OUT×1
Bluetooth
Bluetoothデザリング
NaviCon
SMART USEN
連携ドラレコ
対応バックカメラ
フロントカメラ
オービスデータ
地図更新
1年無料
3,600円/年/5年まで
取付・取扱説明書
車種別適合表
工賃が安い「カーナビの持込取り付け」が出来るお店の探し方

説明書がまだアップロードされていないようなので、HDMIポートの有無などは不明ですが、他のグレードの差別化ポイントは以下の通りとなります。

①9インチの100万画素でバックカメラも100万画素モデルに対応

②スマートループが使用可能

③Bluetoothコーデックが最新の規格に対応

④DSDファイルの再生

⑤ピンチ系の操作が可能

⑥HDMIポート搭載(たぶん)

9インチの100万画素でバックカメラも100万画素モデルに対応

「MDV-M906HDL」では9インチの大画面化に伴い、画素数も他社同様に100万画素となっている訳ですが、特筆すべき点としてバックカメラも100万画素の新モデルである「CMOS-C740HD」に対応しています。

「CMOS-C740HD」は解像度が高いだけでなく、カメラ内部でHDR処理をしているようなので、明暗差に強く従来のバックカメラと比べると視認性は良好です。

多分…なんですけど、最近ぼちぼち見かけるようになったバックカメラの映像を録画する2カメラドラレコ発売への布石ではないかと思いますね。

正直…、バックカメラでここまでハイコストで高性能な物が必要かどうか?と感じる部分もありますし…。(高すぎです!)

スマートループ渋滞情報が使用可能

最近のカーナビは、タクシーなどの業務用車両から収集したリアルタイムのプローブ情報を吸い上げてルート案内に活用する「VICS WIDE」を搭載していますし、ケンウッドのモデルも全グレードで「VICS WIDE」に対応済みですが、「VICS WIDE」が活用出来るのは都内の一部のエリアのみとなっており、地方都市や都内以外の首都圏では使えません。

個人的にはGoogle Mapの渋滞情報の方が優秀なのではないかと感じているものの、その代替としてパイオニアのスマートループ対応のカーナビから集めた情報をフィードバックする「スマートループ渋滞情報」を活用すると言う手もあります。

以下、楽ナビのスマートループ

因みに私が使用している2015年モデルの「MDV-Z702」では、MapFanの地図更新プランを契約し、WiFiテザリングを使用する事で「スマートループ渋滞情報」が無料で使えますが、ケンウッドのカーナビは毎年この点では改悪が進み、今の段階では「MDV-M906HDL」で「スマートループ渋滞情報」が無料で使えるかどうかは不明です。

※アプリ課金になる可能性もある

Bluetoothコーデックが最新の規格に対応

Bluetoothでの通信は、データを圧縮して送信する方法が採られており、スタンダードな圧縮コーデックは低ビットレートのSBCと言うものが使用されています。

高音質な音楽ファイルはBluetooth送信によりデータサイズが圧縮され、音質が劣化する可能性がありますが、「MDV-M906HDL」では従来の3倍のビットレートで、高音質の音楽ファイルの再生に適しているとの事。

DSDファイルの再生

「MDV-M906HDL」のDSDファイルはPCM変換されて出力されるもののようなので、若干の劣化はあるようですが、他のフォーマットに比べると高音質なのだそう…、違いが体感できる人は限られると思いますが。

ピンチ系の操作が可能

個人的にはカーナビの地図操作で最も有難いのがスマホライクなピンチ系の操作だと考えているのですが、これが可能なのがハイエンドクラスのみになってしまったのは残念ですね。

余談ですが…、個人的にやり方が気に喰わないと感じたのが上位クラスの型番で機能を落とした「700系」の説明から地図操作の部分が除外されている点です。

一番下の「400系」とハイエンドの「900系」ではしっかり可能な操作の説明があるにも関わらず、「700系」ではユーザーに「旧700系」の操作と誤認させる為に記述を削除したのでは?と勘ぐってしまいます。

【以下、400系の説明】

売ったもん勝ちの考え方はユーザーの満足度を下げるだけだと思うんですけどねぇ…。

「MDV-M906HDL」適合車種について

現時点では「MDV-M906HDL」の適合車種は以下のトヨタ車に限られている模様です。

■ 「MDV-M906HDL」適合車種

まぁ、いきなり色々やり過ぎて完成度が低いものを販売されるよりはマシですけど。(サイバーナビではそう言う事があるので)

ケンウッド彩速ナビのまとめ

コスパの高いケンウッドの彩速ナビの主力はあくまでもエントリー~スタンダードグレードです。

エントリークラス「MDV-L406」「MDV-L406W」については手放しでおすすめ出来ると言っても良いくらいのコスパの高さですので、とりあえずインダッシュ型のカーナビならケンウッドかな?と思います。

ただ、最近はデンソーテンがイクリプスのエントリーモデルを廃止した代わりにSOLINGブランドのカーナビを販売し始めていますので、こちらの方の動向も気になるところですね。

デンソーテンが販売する「SOLING(ソーリン)」のカーナビってどうなの?

(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣

■ カーナビおすすめ最新モデルの比較

■ ネット通販で購入した持ち込みパーツの取り付け店舗の探し方

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