実機レビュー CarPlay対応ナビ、オーディオで動画アプリが再生可能にするOTTOCAST 「CarPlay AI Box」の評価

※2021年10月2日更新:実機レビューを追記しました。記事下にクーポンあり。

こんにちは!ドライブレコーダー専門家の鈴木朝臣です。

先日有線CarPlayのメインユニットを無線化するOTTCASTのアダプターをレビューしたばかりですが、今回は同社から今のところ私の理解の範囲を超えそうな何でもアリっぽいガジェットのレビュー依頼を頂いています。

Bitly

一見すると何だか良く分からない多機能ガジェットのようですが、今までCarPlay対応のメインユニットが抱えていた問題点の大部分を克服してくれそうな機能構成のようです。

CarPlay AI Box の特徴

私自身も使ってみるまでは得体の知れない多機能ガジェットとしか言えませんが、販売ページに書かれている情報を整理するとこちらの通りになります。

※本機が対応するメインユニットについては、こちらに掲載されているメーカーの物だそうですが、個別機種についてはサポートから直接お問い合わせ下さい。

「service@ottocast.com」

・CarPlay対応の全てのメインユニットをサポートし、メインユニットとUSB接続する
・Android OSを搭載し、Androidアプリをインストール&使用出来る
・YouTube、Prime Videoなどの動画アプリの再生をサポート
・画面の2分割表示に対応(ナビアプリと動画アプリの同時表示)
・外付けGPSアンテナモジュールが付属(測位の精度アップ)
・技適認証済み(WiFi、Bluetooth接続に必要、210-156425
・iPhone、Androidスマホのミラーリング出力に対応(ミラーリング機能搭載
iPhone Airplay ミラキャスト&Android スクリーンミラーリング)
・USB経由で4K解像度までの動画再生をサポート(ほとんどのドラレコの動画再生が可能なような?)

その他ハードウェアスペックはこちらの通りです。

なぜこんなことが可能なのか?どんな仕組みで動くのかは今のところ分かりませんが、従来CarPlayが抱えていた、①動画の再生、②ナビ案内中の分割表示、③GPSの測位精度、の3つの問題を解決できる上、ほとんどのドラレコの動画の再生に対応してそうなイメージです。

※初めにこの製品のレビュー依頼を頂いた時に提示されたのがこちらのリンクで、ここにはHDMI対応で後席モニターに出力と書かれていますが

これは記述の誤りとの事で、HDMI出力に対応しているのはこの製品の上位モデルのようです。

Bitly

CarPlay対応マシンがAndroid Audioになるという事でした

OTTOCASTさんからサンプルをご提供頂きましたので実機レビューを追記します。

この製品の仕組みを簡単に説明すると、CarPlay対応マシンをAndroidオーディオ化するものです。

Android OS搭載のカーナビとディスプレイオーディオのまとめ【2022年版】
...

そもそもAndroidオーディオが何であるかをご存じない方に説明するのは難しいのですが、簡単に言うとAndroidタブレットを2DIN化してオーディオメインユニットとしての機能を持たせたものです。

このAndroidオーディオは端末上でAndroidアプリを直接動かせる為、動画アプリの再生やナビアプリの使用など、何でもありでCarPlayやAndroid Autoよりも便利なのですが、いくつか問題点もあります。

例えばこのようなポイントです。

・アプリが車載用に最適化されておらず、文字が小さくて見にくい。
・オーディオとしての機能がショボい
・過去に使ってみた感じでは故障率がかなり高そうな印象(私のは短期間で壊れました)

OTTOCAST 「CarPlay AI Box」は、市販のカーナビやオーディオのCarPlay機能をAndroidオーディオに置きかえる事で動画アプリの再生を実現しています。

※置きかえなのでCarPlay機能は使えなくなります。従ってiPhoneは本機とBluetoothのみで接続する事になり

セット内容とデザイン

セット内容はこちらの通りです。

・AIボックス本体
・USB A to Cケーブル
・USB C to Aアダプタ
・GPSアンテナ
・GPSケーブル
・GPSボックス・取扱説明書(日本語あり)

AIボックス本体

本体は左右の側面にTYpe C、Aポートがそれぞれ装備され、背面には技適認証番号がプリントされています。

Cポートはメインユニットとの接続に使い

AポートはUSBストレージとの接続に使います。

GPSユニット

GPSユニットはアンテナ、ボックス、電源ケーブルの3つのパーツで構成され、AIボックスとは無線で通信するものと見受けられます。

パイオニア「DMH-SF700」との接続

今回はパイオニアのディスプレイオーディオ「DMH-SF700」と合わせて使ってみました。

本製品はスマホと有線接続しませんので、ネット通信にはスマホのWiFiテザリング、または車載ルーターなどのアクセスポイントが別途必要になります。

おすすめの車載WiFi、ルーターを3つ紹介!
...

使用方法は思ったよりも簡単で、有線CarPlay対応のメインユニットと付属のケーブルで接続するだけです。

起動が完了すると本機のLEDが点滅からブルー点灯に変わり

メインユニットの画面がこのように切り替わります。

これはメインユニット側からはCarPlayとして認識されている状態です。

GPSアンテナは別途ヒューズボックスのアクセサリー電源などに接続して電源を取って下さい。

国産車だと車内のヒューズボックスはミニ平型か低背タイプが多いと思います。

付属の平型ヒューズが使えない場合には、ヒューズ部分を切断して別途電源取り出しケーブルを用意する必要があります。

GPSアンテナを通電させ、設定からアンテナの位置を選択すると受信可能な状態になります。

画面の構成と基本操作

画面の構成と操作方法は一般的なAndroid AudioやCarPlay、Android Autoと同じ様なイメージです。

AndroidタブレットがメインユニットのCarPlay機能を乗っ取っている状態ですので、CarPlayでは使用出来なかった動画アプリが使える点が最大のメリットとなります。

動画の再生については若干の音ズレはあるものの、それほど気になりませんでした。

アプリは通常のAndroidスマホと同様にGoogle Playストアからインストール出来ますが、Android 9.0で動いていますので、YouTubeやPrime Video、NetFlixなど一通りの動画アプリは使える筈です。

ただし、GYAO!は何故かこのようなメッセージが出て開けませんでした。

画面の分割表示とPIP表示

画面の分割表示は一部のAndroidスマホにも実装されている機能ですが、分割に対応しているアプリはこちらのように分割アイコンをタップする事で左右半分のエリアでの表示が可能です。

ただし、動画のアスペクト比は変わりませんので、このように小さい画面での再生になってしまうのが残念なところですが…

 

一部のアプリはPIP(ピクチャーインピクチャー)の表示に対応していますので、動画アプリを全画面表示にして、Google Mapを小さい画面に表示させる方法も良さそうです。

こちらで確認した限りでは、Google MapとPrime Videoでピクチャーインピクチャーの表示が可能でした。

ピクチャーインピクチャー対応アプリをフル画面で開いている状態から、ウィンドウ分割アイコンをタップするとそのアプリが小さいウィンドウで表示されます。

動画アプリと地図アプリを併用する場合には、2分割よりもこちらの表示方法の方が見易いと思います。

Google Mapの使い勝手

Google Map以外のアプリの起動時間はサクサクとは言えないまでもそれほど長くは掛からないのですが、Google Mapに関しては読み込むデータ量が多いからなのか描画が遅く、完全に起動し、目的地を設定するまでに結構時間が掛ります。

※回線速度は50Mbps近く出ているのでCPUやGPUなどのマシンパワーの問題かと思います。

Android版のGoogle Mapのアプリは、地図の拡大縮小をピンチイン、ピンチアウトの操作で行いますが、残念ながら本機での使用の際にはピンチ系の操作は出来ませんでした。

ひょっとするとCarPlay自体がピンチ系の操作に対応しておらず、ピンチ系の操作が可能な前提のAndrioid版Google Mapアプリを持って来たらこうなったという状況なのかも知れません。

※こちらは改善中との事ですが仕組み的に無理な可能性もあります。

ピンチ系の操作が前提であるAndrioid版Google Mapアプリを持って来ただけなので、拡大・縮小のボタンもなく、拡縮操作が出来ませんので初期動作の重さと合わせてGoogle Mapの使い勝手はCarPlayの物よりも劣ります。

ピクチャーインピクチャー表示で動画を再生しながらナビ機能も使える点に魅力を感じる方は、ある程度の事は我慢しましょう。

ヤフーカーナビはプレイストアからはダウウンロード出来ない

ヤフーカーナビはプレイストアでは何故か「非対応機種」という扱いでダウンロード出来ませんでした。

プレイストアではなく、「APKPure」からのダウンロードは可能でしたが、「APKPure」からアプリをダウンロードするのに必要な「APKPure」の公式アプリの過去にバージョンからトロイの木馬型マルウェアが発見された事があるそうですので、ダウンロード&インストールは自己責任でお願いします。(現バージョンは問題ないと言われていますが、私には問題の有無を検証出来ません)

ヤフーカーナビは分割表示、PIPに対応していないようで分割表示のアイコンをタップするとホーム画面を呼び出すことが出来なくなる事がありましたので、動作が安定していないように感じました。

こうなると電源の入れ直しが必要になります。

スマホのミラーリングは必要ないかも

本機は車載ルーターなどのアクセスポイントがある状態では、同じアクセスポイントに接続しているスマホのミラーリング出力に対応しています。

ただし、有料系の動画アプリは著作権絡みの問題からかミラーリング再生出来ませんし、音ズレも気になりますのでミラーリング機能を使う場面はほとんどない様に思います。

Googleアシスタンスはアイコンタッチで呼び出し

こちららは本製品の仕様との事ですが「OK Google」のコマンドでGoogleアシスタンスを呼び出す事は出来ません。

従ってGoogleアシスタンスを使うにはマイクアイコンをタップする必要があります。

スマホをBluetooth接続しないと使えない機能

Bluetoothオーディオと通話については、本製品とスマホをBluetooth接続しないと使えません。

メインユニットとスマホをBluetooth接続していたとしても、本機から電話を受ける事が出来ませんので本機を使用する場合は必ずBluetooth接続しておきましょう。

CarPlay AI Boxの総評

最後に「CarPlay AI Box」の総評です。

機能面ではGoogle Mapの初期動作の重さや、拡縮操作が出来ないなどの問題点はあるものの、CarPlay対応メインユニットで動画アプリの視聴とGoogle Mapの分割表示、またはPIP表示が可能ですので、動画を再生しながらナビアプリを使いたい方は検討してみて下さい。

Bitly

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コメント

  1. meitantei より:

    これは面白いですね。NEOTOKYO2020で使えるのかな? ミラーリングが使えればだいぶ助かる。面白いガジェットですね。

  2. misskenken より:

    新型アクアを購入し、テレビも何もつけていません。
    機械には強くないので初歩的な質問です。
    走行中に動画を表示するためにはTVキットなどを使わなくてもこれだけで見られるようになるのですか?

    • ドライブレコーダー専門家 LaBoon!!編集長 鈴木朝臣 管理人Omi より:

      misskenken様
      トヨタのディスプレイオーディオは対応機種だと思います。
      念のため、適合はこちらから販売者に確認をお願いします。

      「service@ottocast.com」

      TVキットとは関係ないので使えますが、スマホで動画を再生できるような通信環境は別途構築する必要がありますよ。
      使える動画アプリは記事内参照して下さい。

      • misskenken より:

        管理人Omi様
        ご返信いただきましてありがとうございます!
        どこを見てもわからなかったので助かりました。

  3. より:

    管理人Omi様

    お世話になります。
    新型ヴェゼルには適合しているのでしょうか。U2-PRIMEを購入し取りつけたのですが、うまいこと動作しません。さらにはインパネの時計とナビの時計が実際の時間から1時間ズレが生じ、元に戻せない状態になりました。YouTubeのようなサクサク感は全くありません。返品するのがよいのでしょうか。

    • ドライブレコーダー専門家 LaBoon!!編集長 鈴木朝臣 管理人Omi より:

      芦様
      このような製品については、車種別の適合面は全く把握していませんので、販売元に確認して貰った方が良いですね。
      このメーカーはほとんど一見さんレビューに近いのでこちらからは連絡しませんが、メーカーの対応次第ではこの記事に注意事項として追記します。
      うちがその姿勢である事は、メーカーにお伝え頂き、交渉の材料に使って貰って構いません。

      • より:

        お世話になります。
        情報ありがとうございました。
        返品希望を購入先に連絡しました。時計についてはディーラーへ持ち込むことにしました。
        結果は後日書き込みます。
        ありがとうございました。

      • takuuuuu より:

        こんにちは。
        ヤリスクロスのディスプレイオーディオに使用しているのですが、hullの動画再生を行おうとするとアプリが落ちてしまいます。同様のことは発生していますか?、

        • ドライブレコーダー専門家 LaBoon!!編集長 鈴木朝臣 管理人Omi より:

          takuuuuu様
          huluは契約してないのでテストはしていません。
          本機は既に手放してしまいましたので、詳細関しては記事中に記載してあります販売元へのお問い合わせをお願いします。

  4. あうる より:

    Omi様

    車はCarPlayのみ対応、AndroidAuto非対(718ケイマン)
    スマホはAndroid

    やりたいこと
    ・スマホで動作しているYahoo!カーナビの表示
    ・スマホ内に保存してある動画の再生

    なんですが、本機に限らずottocast製品で可能でしょうか?
    このレビューページを見る限り、スマホと本機を同一WiFiに繋いでミラーリングすれば可能と思いますが、
    WiFi接続先がない場合は不可なのでしょうか?

    • ドライブレコーダー専門家 LaBoon!!編集長 鈴木朝臣 ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣 より:

      あうる様
      ottocastでは、AI BOXの他にこのようなCarPlayを無線化する製品も販売しており、これらは全く別物です。
      https://car-accessory-news.com/ottocast/

      この記事のAI BOXは、基本機能の部分ではスマホ連動の製品ではありません。スマホはネット回線を提供するだけです。

      このAI BOXにこのようなAndroid Audioが内蔵されているイメージです。
      https://car-accessory-news.com/android-carnavi/

      この機能をCarPlay入力ポートをジャックして流し込んでいる仕組みです。

      別のアクセスポイント経由でのミラーリングにより、以下の処理は可能かと思いますが
      ・スマホで動作しているYahoo!カーナビの表示
      ・スマホ内に保存してある動画の再生

      ただし、Android端末はiPhoneとは異なり、端末メーカーによって仕様が異なる部分が多いので相性問題が出易いかと思います。

      なので事前メーカーに確認した方が良いです。こちらはiPhoneでしか試してませんので。

      因みにWiFi接続先がない場合は不可です。

      • あうる より:

        Omi様

        回答ありがとうございます

        この製品の動作仕様は理解できました

        U2-PLUS
        S32
        PLC-40
        あたりも同じ動作仕様ということですよね

        とすると、
        Yahoo!カーナビはAI boxにインストールしてスマホテザリング
        or
        iPhoneに機種変してCarPlay

        動画視聴は
        USBメモリに入れてAI boxで再生

        が簡単そうですね

        検討してみます

        • ドライブレコーダー専門家 LaBoon!!編集長 鈴木朝臣 ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣 より:

          あうる様
          U2-PLUS
          S32
          PLC-40
          >あたりも同じ動作仕様ということですよね
          そうですね。

          U2-PLUS
          S32

          辺りは無線CarPlay、Android Autoも追加されているようです。
          メインユニット型だとこれに近いと思います。
          https://car-accessory-news.com/atoto-a6-2022/

          Android端末のミラーリングが可能なら、スマホは今のままでも行けそうですよ。

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