「TL315R」「TL405R」「TL245R」の実機レビューと評価 ブリッツ2025年モデル JMA-520/JMA-401に対応するレーダー探知機

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※2025年5月26日更新:MSSS受信感度LOW設定でのSSS受信テスト結果を追記しました。

こんにちは!LaBoon!!編集長の鈴木朝臣です。

2024年末から2025年年始に掛けて、ブリッツからJMA-520/JMA-401に対応するレーダー探知機「TL315R」「TL405R」「TL245R」の3機種が発売されています。

「JMA-520/JMA-401」はここ2~3年で運用が開始された日本無線の可搬式オービスですが、2025年4月時点ではユピテル・セルスターからもこれらの機種の周波数に対応した機種を発表、または販売されています。

※ユピテル・セルスターの製品については後日掲載します。

「TL315R」「TL405R」「TL245R」の特徴

「TL315R」「TL405R」「TL245R」の3機種は何れもレーダー探知機としての基本機能は共通しています。

・Xバンド、Kバンド、移動オービス(MSSS、SSS、JMA-520、JMA-401)対応
・レーザー式オービス対応
・Kバンドの識別による誤報カット対応

上位のTL315RとTL405Rの差は、以下の通り。

・TL315R:感圧式3.1型タッチパネル液晶
・TL405R:静電式4.0型タッチパネル液晶

下位機種の「TL245R」はジャイロセンサーとWiFiによる取り締まり情報の共有に非対応となっています。

因みに「JAM-520」は新潟・大阪・兵庫・三重・岡山で運用が開始されているKバンド帯域の小型オービス、「JMA-401」は北海道・和歌山で運用されているレーダーパト用の器材との事ですが、他の都道府県警察による運用状況については未調査です。

2025年のメーカー別差別化ポイント

LaBoon!!では1世代前の「TL404R」をテスト中なのですが、こちらは「JMA-520/JMA-401」には非対応ではあるものの、その他の機能面では最新世代と同等となっています。

各社の2024~2025年モデルで実装された機能は、Kバンドの誤報対策と「JMA-520/JMA-401」絡みのものとなっていますが、Kバンドの誤報対策についてはメーカーごとに微妙な差があります。

ブリッツのKバンドの誤報対策機能の動作の流れは次のように、取締機以外の電波を受信した際には1秒未満~数秒間の識別時間を設け、その後に本物の取締であった場合には取締アイコンと共に警報を継続します。

上の動画では瞬時に識別が終わっていますが、私が実際に「TL404R」を運用している限りにおいては、動画のように瞬時には識別が終わらず、1秒から数秒掛かっている事が多い印象です。

なお、この識別機能に関してはユピテルの最新モデルでは、識別中には警報を出さずに識別完了後に警報を出す設定も用意されているようです。(どちらが良いとは一概には言えないが)

また、ユピテル製品には、MSSSとJMA-520、JMA-401を含むKバンド取締実装エリア以外では、Kバンドの受信を自動でカットする機能と、別の日に誤報を受信したポイントでは自動で警報をキャンセルする機能も実装されていますので、誤報の少なさの観点で製品を選ぶなら、ユピテル一択になるかも知れません。

ただし、従来からブリッツ製品にはレーザー式・レーダー式取り締まりのネット経由の自動拡散機能が搭載されています。

この機能はスマホのテザリングなどを使用して通信が可能な状態になっている同社の探知機が、レーザー式・レーダー式取り締まりを受信した際に、その情報を同じくネットに繋がる状態の最大半径400km以内の対応探知器に拡散し、GPS警報に反映させるものです。

ブリッツ製品の搭載比率が増えれば、ブリッツ一択になると言えそうですが、レーザー式・レーダー式取り締まりの拡散率、拡散されるまでの平均時間などのデータが目に見えるようになると嬉しいですね。(理論上難しいかと思いますが…)

「TL315R」のセット内容とデザイン

今回は感圧式タッチパネルモデルの「TL315R」を購入して実機テストを行いました。

セット内容はこちらの通りです。

・本体筐体
・シガー電源ケーブル
・マウント&両面テープ
・取扱説明書

本体筐体

本体液晶筐は、正面からのぱっと見は従来の感圧式タッチパネルモデルと変わらないデザインのように見受けられます。

センシス製固定式小型オービスSSSでの警報の出方について

MSSSでの受信テストを実施したいところですが、移動式はそう簡単に遭遇出来ないので今回は埼玉県北本市にあるセンシス製の小型オービスSSSで、ユピテル2025年モデル「YPK-21L」、セルスター2025年モデル「AR-925AW」と合わせて受信テストを行いました。

Kバンド受信感度設定はどの製品も最高設定、識別機能はアクティブな状態にしています。

結果は以下の通りです。

・ユピテル「YPK-21L」:550m手前からプリアラート、50m手前から本警報
・ブリッツ「TL315R」:410m手前から本警報(即時に識別だった)
・セルスター「AR-925AW」:440m手前から本警報(プリアラート機能なし)

因みに「YPK-21L」については、本警報のタイミングに毎回の誤差があるようで、先日テストを実施したでは以下ような結果でした。

・ユピテル「YPK-21L」:550m手前からプリアラート、180m手前から本警報

ユピテルのプリアラート機能をどのように捉えるで変わってきますが、過去に良い結果が出た事がないセルスターが、良い感じの距離での発報となっています。

※ここまで使用した感じでは「AR-925AW」は誤報も少ない為、警報精度の面でも三社横並びに近い結果になるかも知れません。

MSSS受信感度LOW設定での追加テスト

読者の方からご要望があった為、MSSSの受信感度をLOWに設定した追加テストを行いました。

210m手前から検知と言う結果でした。

探知距離が半減ですので、この設定がおすすめとも言えないですね。

おそらく誤報はかなり減るとは思いますが。

Kバンドの誤報の状況について

今回は2025年5月時点での各社最新モデル、ユピテル「YPK-21L」、ブリッツ「TL315R」、セルスター「AR-925AW」の3機種でKバンド取締導入済みの埼玉県、未導入の東京都内において以下の要領にて誤報の傾向をチェックしました。

  • コカ・コーラ動体検知自販機での誤報の挙動チェック
  • マツダ車後方での誤報の挙動の挙動チェック
  • 誤報回数のチェック

走行経路はこちらの125kmです。

・埼玉県久喜市から国道122号線で都内へ
・池袋から山手線に沿って内回りで品川へ
・品川から国道1号線→4号線で埼玉県久喜市へ帰還

レーダー波の受信感度は全てのモデルで全ての周波数を最高設定、ユピテルの誤報対策機能は自動切り替えとしています。

コカ・コーラ動体検知自販機での誤報の挙動

コカ・コーラの一部の自販機は、スピード違反の取締で運用されているものとほとんど同じ周波数で節電を目的とした動体検知による人感センサーが搭載されており、Kバンド取締りが実装されてからは各社のレーダー探知機の誤報が一気に増えています。

2025年モデルでは、各社製品ともKバンドの誤報識別機能が実装済みですが、Kバンド取締導入済みの埼玉県においては、ユピテル・ブリッツ製品は正面から自販機に接近するパターンでは同じようなタイミングでプリアラートが発報され、識別が完了しています。

一方でセルスターの製品は、直前で誤報が出るケース、誤報が出ないケースの2パターンが確認されました。

プリアラートも誤報である事には変わりありませんので、コカコーラの動体検知自販機対策としてはセルスターが最も高精度であると言えそうです。

マツダ車後方での誤報の挙動

マツダ車の後方ミリ波も同様にスピード違反の取締で運用されているものとほとんど同じ周波数となっている事から、従来のレーダー探知機はマツダ車探知機と揶揄されるほどマツダ車の後方では狂ったように誤報を発し続ける問題がありました。

2025年モデルのユピテル製品は、Kバンド取締が導入されているエリアでは、警報を抑制する制御を行わず、未導入エリアでは無駄な誤報を抑える為に、警報を抑制する制御を行います。

今回はKバンド取締が導入されている埼玉県内、未導入の東京都内でのテストを実施しましたが、それぞれ以下のような挙動を示しました。

Kバンド取締が導入されている埼玉県内

Kバンド取締が導入されている埼玉県内では、ユピテル製品・ブリッツ製品とも、遠距離ではプリアラート、ある程度接近するとプリアラートが止まるパターン、接近してもプリアラートが止まらないパターンが確認されました。

後方からマツダ車に追い抜かれるようなケースでは、最短時間のプリアラートの発報となり、徐々に電波が強まるよりも、一気に強い電波を浴びた方が識別時間が短くなるような挙動が確認されました。

一方でセルスター製品は、今のところマツダ車後方での誤報は確認出来ておらず、3社の中では最も精度の高い識別がされているように感じました。

Kバンド取締が未導入の東京都内

Kバンド取締が未導入の東京都内では、ユピテル製品は警報が抑制される制御が入る為、プリアラートは発生せず、ブリッツのみ誤報が出る結果となりました。

誤報回数のチェック

誤報の回数は以下の通りとなりました。

誤報回数セルスターユピテルブリッツ
埼玉県 Kバンド導入済83318
東京都 Kバンド未導入17856
254174

誤報対策はセルスターが最も精度が高いと言えそうです。

レーザー受信性能について

レーザー受信性能については、はここ3年位は各社とも進化がありませんので、おそらく3社とも横並びの性能ではないかと考えられます。(今回はテストしません)

ユピテルレーザー探知モデルの第三世代では、直線においては600m台前半の探知距離を実現し、道路に勾配がない条件であれば、さらに長い探知距離が期待出来ます。

600m台の探知距離は、うっかりスピード違反に対する検挙を防ぐには必要充分なものである、と考えられますので、これ以上は直線探知距離を伸ばす必要性は薄いと考えています。

レーザー式はKバンド取締に比べると探知距離が長く、誤報も少ない為、大きな脅威ではなくなっています。

ブリッツの2025年モデルレーダー探知機の総評

今回のテストでは、主にレーザー式の取締よりも脅威と考えられるKバンドの周波数を使ったレーダー式の取締に対する回避能力の高さを比較しています。

例え探知距離が長くても、誤報が多過ぎると本物の取締を受信した際に反応が鈍くなりますので、受信距離と誤報の多さのバランスが重要かと思います。

Kバンドを使用したセンシス製の小型オービスSSSの受信距離は

・ユピテル「YPK-21L」:550m手前からプリアラート、50m手前から本警報
・ブリッツ「TL315R」:410m手前から本警報(即時に識別だった)
・セルスター「AR-925AW」:440m手前から本警報(プリアラート機能なし)

ですので、ユピテル製品が他車の3割増し程度になりそうです。

一方で誤報対策の面では、セルスター製品は対自販機・対マツダ車とも3社の中で最高の精度、誤報の絶対数も最も少ないと言う結果でした。

誤報回数セルスターユピテルブリッツ
埼玉県 Kバンド導入済83318
東京都 Kバンド未導入17856
254174

従って2025年モデルのレーダー探知機は、セルスター製品がベストバイと言えそうです。

「AR-925AW」「AR-125A」の実機レビューと評価 セルスター2025年モデル JMA-520/JMA-401に対応するレーダー探知機
※2025年5月8日更新:レーダー波の誤報チェックを実施しました。こんにちは!LaBoon!!編集長の鈴木朝臣です。2025年2月から4月に掛けて、セルスターJMA-520/JMA-401に対応するレーダー探知機「AR-925AW」「AR-...

因みに私は複数の車両にユピテル製品のステーと配線が引かれていますので、簡単に乗り替えは不可の状況です。

頑張ってキャンセルポイントの登録を進めつつ、時速40km以下の警報はカットするなど、誤報に慣れてしまわないような工夫をしようと思います。

ブリッツ製品はJMAに対応した事で、前世代よりも誤報が増えているように感じました。

まさかのまさか…という結果でした(-_-;)

コメント

  1. 水野康彦 より:

    誤報の少なさからブリッツを愛用していましたが、昨夏、ユピテル製「YK-3000」が誤報軽減ということで買い替えました。
    しかし、マツダ車の後ろではバンバン警報が出るし、他にも、どこが誤報軽減なの?ということで、ブリッツの「TL315R」発売後すぐに買い替えてしまいました(もうユピテル製は買いませんw)。

    今、気になるのはセルスター社の新型ですね。

    • ドライブレコーダー専門家 LaBoon!!編集長 鈴木朝臣 ドライブレコーダー専門家 LaBoon!!編集長 鈴木朝臣 より:

      昨日埼玉県と都内で各社2025年モデルの誤報チェックを行いましたが、「TL315R」はJMA対応となった事が影響してか、314Rよりも明らかに誤報が増えています。
      314R並みに誤報が少ないのはセルスターの2025年モデルと言う印象です。

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