こんにちは!ドライブレコーダー専門家の鈴木朝臣です。
このところドライブレコーダーの駐車用バッテリーで新しいものがいくつか出て来ていますが、この記事では2021年の最新情勢を踏まえておすすめのドラレコの駐車監視用バッテリーをいくつかご紹介します。
なお、人によってはそれ以前にそもそも駐車監視用のバッテリーが必要なのかどうか?という問題もあるかと思いますので、そのような疑問をお持ちの方は以下の記事をご参照下さい。
ドラレコ駐車監視用バッテリーのタイプ
ドラレコの駐車監視用のバッテリーには
②入力・出力端子の形状などの機能面
の違いによっていくつかのタイプが存在します。
②の「入力・出力端子の形状などの機能面」については、製品によっては自社ドラレコの専用品の扱いであったり…など汎用性が低いものもあるのですが、配線の取り回しを工夫する事で他社ドラレコにも使えますので、まずは工夫しても変更する事が出来ない性能面について解説します。
性能を見分けるポイントは容量と充電速度
まずは自分の駐車監視の運用方法を考慮した上で、必要な性能を見極めましょう。
これを見誤るとオーバースペックな製品に無駄金を使うであるとか、考えていた目的が達成不能という残念な結果になる可能性があります。
容量=駐車監視の継続時間
駐車監視用のバッテリーを選ぶ際に一番最初に考えておきたいのが、駐車監視を最大でどれくらいの時間継続したいのか?というポイントです。
これによって選ぶべき製品が大きく変わってくるのですが、一般的な2カメラドライブレコーダーの駐車監視の消費電力は4.5W程度である事を理解しておきましょう。
駐車監視のバッテリーでこの4.5Wのドラレコを何時間駆動させる事が出来るのかは、バッテリーの容量(電力量)を表す「Wh」の数値を見れば分かります。
Whとは1時間当たりの電力量を表す単位で、4.5Wのドラレコを1時間駆動させた時の電力量は4.5Whです。
例えば、45Whの容量のバッテリーであれば、
と言った式になるので、4.5Wのドラレコを10時間駆動させる事が出来ます。
WとWh、バッテリーの容量の関係がお分かり頂けましたでしょうか?
次に各社の駐車監視用のバッテリーの容量と、4.5Wの2カメラドラレコの駆動時間についてまとめたのが以下の表です。
メーカー | 型番 | 容量 | 4.5Whドラレコ 駆動時間 |
---|---|---|---|
MEDIK | UPS300 | 28.8Wh | 6.4時間 |
UPS400 | 28.8Wh | 6.4時間 | |
UPS500 | 115.2Wh | 25.6時間 | |
ユピテル | OP-MB4000 | 48Wh | 10.7時間 |
ikeep | B6A | 76.5Wh | 17時間 |
B12A | 153Wh | 34時間 | |
B40A | 380Wh | 84.4時間 |
一度の駐車監視が6時間程度までであれば、一番容量が小さい「UPS300」「UPS400」で足りますが、それを超える時間の場合には目標に合わせて更に大きい容量の製品を選ぶ必要があります。
ただし、それだけではバッテリーは選べません。次の充電速度も考慮しましょう。
充電速度も重要
それぞれのバッテリーは走行中にカーバッテリー、または車のオルタネーター(発電機)からの電力で充電されますが、製品によって充電速度が大きく異なります。
具体的にはこちらの通りです。
型番 | 容量 | 4.5Whドラレコ 駆動時間 | 充電時間 |
---|---|---|---|
UPS300 | 28.8Wh | 6.4時間 | 180分 |
UPS400 | 28.8Wh | 6.4時間 | 180分 |
UPS500 | 115.2Wh | 25.6時間 | 240分 |
OP-MB4000 | 48Wh | 10.7時間 | 180分 |
B6A | 76.5Wh | 17時間 | 50分 |
B12A | 153Wh | 34時間 | 100分 |
B40A | 380Wh | 84.4時間 | 150分 |
この表だけだと何が良いたいのか良く分からないと思いますので、「1時間の充電で、4.5Wのドラレコが何時間駆動するか」をまとめたのが以下の表となります。
型番 | 充電量/1時間 | 充電1時間/4.5Whドラレコ駆動時間 |
---|---|---|
UPS300 | 9.6Wh | 2.1時間 |
UPS400 | 9.6Wh | 2.1時間 |
UPS500 | 28.8Wh | 6.4時間 |
OP-MB4000 | 16.0Wh | 3.6時間 |
B6A | 91.8Wh | 20.4時間 |
B12A | 91.8Wh | 20.4時間 |
B40A | 152.0Wh | 33.8時間 |
一度の駐車監視が6時間程度であり、かつ次の駐車監視までそこそこ走る場合には「UPS300」「UPS400」で問題ないですが、駐車監視が長い上に走行時間が短い場合にはMYGHTYCELLやiCELLを選ぶ必要が出てきます。
最大出力について
2カメラドライブレコーダーの電力は概ね4~5W程度が標準的ですが、起動時などの高負荷時には通常時の2~2.5倍程度の電力を消費する事があります。
また、最近一般に普及しているスマートミラー型のドラレコも消費電力が大きくなりがちです。
従って最大出力の小さいバッテリーでは再起動を繰り返すなどの不具合が出る事もありますので、2カメラ以上のドラレコの場合には最大出力にも注目したいところです。
型番 | 容量 | 最大出力 |
---|---|---|
UPS300 | 28.8Wh | 12V/1A/12W |
UPS400 | 28.8Wh | |
UPS500 | 115.2Wh | |
OP-MB4000 | 48Wh | |
B6A | 76.5Wh | 12V/2A/24W |
B12A | 153Wh | 12V/2A/24W |
B40A | 380Wh | 12V/2A/24W |
ユピテルのバッテリーは他社製品での使用はサポート外、MEDIKの「UPS300/400/500」は汎用品ですが、最大出力が12Wと低くLaBoon!!では各ドラレコとの適合を担保する訳ではありませんので、適合に関しては直接メーカーに問い合わせて下さい。
なお、24Wと出力に余裕があるiCELLについては、全てのドラレコで安定動作が可能です。(LaBoon!!も卸に入っている関係で積極的にサポートに介入していますが、適合機種は今のところ皆無ですし、仮に適合不可のケースが有った場合にはユーザー目線でしっかりサポートします)
それぞれのバッテリーでのカバー範囲
では、次に4.5Wの2カメラドラレコで駐車監視をする際に、それぞれのバッテリーでどのような運用が出来るのか?について個別に解説します。
「UPS300」「UPS400」
「UPS300」「UPS400」では、4.5Wのドラレコで駐車監視をした場合、駐車監視時間ごとの必要な走行時間は以下の通りとなり、これに満たない場合にはバッテリーが足りなくなります。
4.5Whドラレコ | 消費電力 | 充電速度 | 必要走行時間 |
---|---|---|---|
1時間 | 4.5Wh | 9.6Wh | 0.5h |
2時間 | 9Wh | 0.9h | |
3時間 | 13.5Wh | 1.4h | |
4時間 | 18Wh | 1.9h | |
5時間 | 22.5Wh | 2.3h | |
6時間 | 27Wh | 2.8h |
これで充分足りる、という方はこちらの記事をどうぞ。
「UPS500」
「UPS500」ではこちらの通りです。
4.5Whドラレコ | 消費電力 | 充電速度 | 必要走行時間 |
---|---|---|---|
6時間 | 27Wh | 28.8Wh | 0.9h |
12時間 | 54Wh | 1.9h | |
24時間 | 108Wh | 3.8h |
「UPS500」では最大24時間の駐車監視が可能ですが、その分の充電には3.8時間掛かります。
12時間ではその半分の1.9時間ですが、それくらいの走行時間は確保出来る、という方はこちらの記事をどうぞ。
「OP-MB4000」
ユピテルのOP-MB4000は性能と価格のバランスから考えるとコスパが悪く、ユピテル専用品の様な立ち位置です。
4.5Whドラレコ | 消費電力 | 充電速度 | 必要走行時間 |
---|---|---|---|
6時間 | 27Wh | 16Wh | 1.7h |
10時間 | 45Wh | 2.8h |
容量の割に充電速度が遅いので、日々の走行時間がそこそこ長い方向けの特性と言えます。
iCELL「B6A」「B12A」
iKeepのiCELL「B6A」「B12A」は安全性が高く、充電速度の速いリン酸鉄リチウムイオン電池(LiFePo4)を採用したサブバッテリーです。
「B6A」「B12A」のセールスポイントは1時間当たり91.8Whの急速充電ですので、ここまでの製品と比べると驚異的な充電速度を誇っています。
4.5Whドラレコ | 消費電力 | 充電速度 | 必要走行時間 |
---|---|---|---|
6時間 | 27Wh | 91.8Wh | 0.3h |
12時間 | 45Wh | 0.6h | |
17時間 | 76.5Wh | 0.8h |
駐車監視時間がそこそこ長い上に走行時間が短い方は、このグレード以上の製品を検討すると良いでしょう。
iCELL「B40A」
iKeepのiCELL「B40A」は現状販売されているドラレコの駐車監視用バッテリーとしては最大容量、最速の充電速度を誇ります。
4.5Whドラレコ | 消費電力 | 充電速度 | 必要走行時間 |
---|---|---|---|
6時間 | 27Wh | 152Wh | 0.2h |
12時間 | 54Wh | 0.4h | |
24時間 | 108Wh | 0.7h | |
36時間 | 162Wh | 1.1h | |
48時間 | 216Wh | 1.4h | |
60時間 | 270Wh | 1.8h | |
72時間 | 324Wh | 2.1h | |
84時間 | 378Wh | 2.5h |
一方で価格もそれなりにゴージャスですので、何日も連続で駐車監視をしなければならない、という止むを得ない事情を抱えている方向けの製品と言えるでしょう。
まとめ
以上、ドライブレコーダーの駐車用バッテリーを選ぶ上でのポイントと条件に合わせたおすすめモデルをご紹介しました。
バッテリーの性能も重要ですが、ドラレコの消費電力を落とす事で条件が緩和されますので合わせてドラレコの省電力化も検討してみて下さい。(省電力のドラレコを選ぼうって事)
(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣)
コメント
いつもお世話になっております。
こちらの記事に書くのが適当か分かりませんが、ポータブル電源にも遂にリン酸鉄リチウムイオンバッテリーが普及してきています。そのような安全性の高いポータブル電源とicellなどの商品を比較した場合の利点はありますでしょうか?そろそろ値段的にも性能的にもicellに進化が欲しいところです。
ちなみに私はメインの車でicellを使用させて頂いておりますが大変快適です。サブの車ではシガーソケットから電源を取っており、適宜監視が必要な際はポータブル電源に刺すという運用ております。
サイトウ様
電池の種類を変えないとiCELLの進化は不可ですね。
因みに同じリン酸鉄でも電池のグレードはピンキリなので、クオリティ変わりますよ。
iCELLは最上グレードの電池使ってます。
私はiCELLの企画・販促・サポートをビジネスとして行っていますので、ポータブルバッテリーでの駐車監視について解説したりはしません。
PL保険などの問題も絡むので、ポータブルがそのような使用をどこまで許容するかってものありますね。
因みに私はiCELLを売る側の人間なので、これ以上のコメントは控えさせて頂きます。
車を購入予定で、初めてのドライブレコーダーの設置を考えています。自宅駐車場は機械式で駐車時監視する必要はないと考えていますが、外出時のトラブルに備えて、駐車監視はあった方が良いかと思っています。
週末ドライバーの為、自宅で不要な駐車監視が動くとバッテリー上がりが心配です。補助バッテリーも1週間は保たないでしょうから、駐車監視機能はあきらめた方が良いでしょうか?
マキノ様
外出中だけの駐車監視なら、バッテリーは上がらないと思います。
自宅では手動でドラレコの電源をオフにするかiZONEを使用して下さい。
https://car-accessory-news.com/izone/