ランエボ10の中古車を買うならMTがおすすめの理由

※2019年1月21日更新~最新の情勢に合わせて内容を見直しました。

このページではこれからランエボ10を購入しようとしている方に向けて、中古でランエボ10を購入する際にはSSTではなくMT車を選んだ方が良い理由を説明します。

因みに私はSST車には乗った事がありませんので、そのフィーリングがどうであるとかという話ではなく、長く乗り続けた時の維持費の問題がメインのテーマになります。

不具合が多く、新車時の保証が無くなるTC-SST

ランエボ10は2007年の10月にデビューし、11月にはその目玉とも言うべき6速ツインクラッチSST車が発売開始されました。

【三菱自動車】

因みに私がランエボXに行き着いた理由は「MTのスポーツカーにもう一度乗りたい」というものでしたので、最初からTC-SSTは選択肢から除外しており、その性能や特性については調べることすらしませんでした。

将来的には嫁もストレス無く乗れるであろうTC-SSTへの乗り換えを考えた事もあるのですが、特に中古でTC-SSTを購入する事はかなりのリスクがあると分かりました。

それは三菱としては10万や20万キロではビクともしないと豪語していたSSTの不具合報告がネット上で散見されること、更に新車の場合は10万キロ5年保障が付いているものの、中古になるとその保証が無くなり、全て自腹で修理をした場合100万円を超える修理費が発生することが分かったからです。

SSTは以前は生産元であるゲトラグ社とのライセンス契約の問題でASSYでの全交換が前提でしたが、現在ではオーバーホールが可能で、状況によっては10~70万円くらいで修理してくれるところもあるようですが、リスクが高い事には違いありません。

※マイナーチェンジごとにSSTの制御の見直しなど、改善はされているようですが、壊れ易さと壊れた時の費用はMT車と比べるとかなり違いと思います。

 

特に初期型に不具合が多かったようですが長く乗り続けようという前提で考えているなら、例え年式が新しくてもTC-SSTへの乗り換えには二の足を踏んでしまいますね。

その点5MTはかなり頑丈に作られており、MTブローの情報はほとんど見つかりません。

ノーマルでの街乗り程度ではビクともしないのでしょう。

因みに私の場合は6万キロでクラッチ交換となりましたが、ショップを選べば10万円強で新品のクラッチと交換出来ます。

ランエボ10に長く乗り続けようと思うなら、やはり5MTを選択するのが良いでしょう。

TC-SSTも改良されてはいるが

特に年式の古いモデルのTC-SSTは故障の報告が多いようですが、年式が新しくなるにつれて不具合発生の報告は減っているようです。

ランエボ10のデビューが2007年で、初期型のSSTのトラブルが発売から1~2年で頻発していたそうですね。

この不具合の発生頻度を受けて、マイナーチェンジではSSTの制御の見直しなどが行われ、特に2010年以降のモデルには大幅な改良が加えられています。

それでも「壊れたら大量出費」のリスクがゼロになる訳ではなりませんので、2010年以降のモデルでも走行距離が多い個体に関しては避けた方が無難だと思います。

最近はSSTの修理案件がかなり増えているようですし、高額な消耗品ですので距離を走れば走るほど、壊れるリスクが高くなります。

ランエボ10のMTとSSTの中古車相場

ランエボ10の中古車相場を見ると、MTとSSTではその故障率や弾数の差を反映した価格差が如実に表れています。

■ 30万台の中古車物件を掲載『カーセンサーnet』

2019年1月の時点でのランエボ10のカーセンサーの相場を見てみると、MTが42台、SSTが100台となっており、車両本体価格の平均相場はMTが281万円SSTは219万円となっています。

※修復あり車両とファイナルエディションは集計から除く

まずはトランスミッションの形式と年式別で平均価格を見てみましょう。

ランエボ10 トランスミッション別の中古車相場~年式別

以下の表は、年式ごとにMT、SSTの中古車相場を集計したものです。

MTSST
年式台数距離(万km)価格(万円)台数距離(万km)価格(万円
200766.7242147.6187
2008137.1247456.9185
200947.1243116.0218
201046.526363.7262
201145.330366.1246
201254.934794.6282
201334.035853.8314
201433.136944.1355
計/平均426.02811006.2219

年式の平均値はMTが2009年9月、SSTが2009年2月でした。

走行距離はMTが6.0万、SSTが6.2万に対して、価格はMTが281万、SSTが219万と60万円以上の差があります。

中古車価格の相場にSSTの故障リスクが60~70万円反映されているという事ですね。

特に弾数の多い2007~2008式で価格が大きく、年式が新しいものは価格差が埋まる傾向にあります。

次に走行距離による相場の変化をみてみましょう。

ランエボ10 トランスミッション別の中古車相場~走行距離別

次に走行距離別の相場の下がり方を見てみましょう。

MTSST
距離(万km)平均年式価格(万円)平均年式価格(万円
0~1.9万--
2010297
2~2.9万20113502011305
3~3.9万20103142010290
4~4.9万20113272009239
5~5.9万20092892009236
6~6.9万20072582009201
7~7.9万20102582007175
8~8.9万20082372009177
9~9.9万20082142008169
10万~20081892008144

MTの場合には4.9万キロまでは走行距離による価格の下落は少なく、それを超えると下落幅が大きくなっています。

これはおおよそこの位の距離で、クラッチやブレーキパッドなどの大きな消耗品の交換が必要になるからだと思います。

ディーラーに頼むと合わせて30~40万コース、社外品やショップなどを自分で探して安いところを見つければ合わせて15~20万円くらいで済みます。

5~7万キロの山を越えてしまうと、後は走行距離が増えても急激には相場が下がらないのが特徴ですね。

 

消耗品パーツを交換すれば蘇るというところでしょう。

因みにランエボ10はかなり頑丈に作られていて、普通に街乗りしかしないのであればSSTを除いて全然壊れません。壊れる気配すらないです。

もちろん、油脂類は説明書に掛かれている通りの時期に交換するのは当たり前ですが。

通常のメンテナンスで通常の走行をしている限り、大きな手間とお金のかからない車です。

ランエボ10はデビューから12年経ちますが、個人的にはこの加速・制動・コーナリング性能・燃費性能・居住性・乗り心地・メンテナンス性でこの価格というのは、他の車を考えれば有り得ないくらい素晴らしいと思います。

 

少し話が逸れましたが、走行距離別相場のSST部分を見てみましょう。

SSTに関しては4万キロ当たりが一つの山になっており、4万キロを超えると急激に相場が下がっています。

この辺りを超えると急激にSSTの故障のリスクが高まるという事でしょうか。

どうしてもSSTに乗りたいなら押さえておきたいポイント

まとめとしてはMTの方が故障のリスクが少なく、長期的な維持費が掛からないのでランエボ10に乗りたいだけならMTをおすすめしますが、どうしてもSSTに乗りたいというのであれば次の点を頭に入れておくべきだと思います。

①SSTの故障リスクが高い2007~9年式を選ぶなら、SSTの修理が前提と考え70万円程度予備資金を用意しておき、出来るだけ安い弾を選ぶ

②2010年式(10月21日切替)であれば、出来るだけ走行距離が少ない物を選ぶ(SSTが改善されたとは言え、走行距離が増えすぎると不具合が発生するかも知れないのでリスクはゼロじゃないです)

③考え方にもよりますが、SST故障を見越して中古車販売店で保証を付ける

 

ランエボ10の自動車保険や維持費について
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(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣

■ 30万台の中古車物件を掲載『カーセンサーnet』

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