※2020年12月5日更新~実機レビューを追記しました。
こんにちは!ドライブレコーダー専門家の鈴木朝臣です。
コムテックのシングルモデルのエントリードライブレコーダーと言えば、2018年8月に発売された「ZDR-022」が最新モデルでしたが、8月に後継機的なポジションの「HDR001C」が発売され2年ぶりにモデル更新が行われるようです。
型番的にはZDRではなくHDRですので単純な後継機とは言えませんが、今後ZDR系のシングルモデルがなくなる可能性はありますね。
実機レビューはいずれ行う予定ですが、今回は「HDR001C」の特徴についてざっくりと解説します。
「HDR001C」のスペック
「HDR001C」のスペックは以下の表の通りです。
HDR001C |
---|
20.08発売 |
1920×1080/27.5fps/HDR |
レンズ視野角/水平110° |
LED信号対応 |
microSD付属32GB/最大32GB |
GPS非対応 |
フォーマット不要 |
駐車監視モード/なし |
「ドライブレコーダーの持込取り付け」が出来るお店 |
液晶サイズは2.4型とスタンダード、イメージセンサーは型番不明の1/2.7型(このサイズだとSONY製ではなさそう)、レンズF値は2.1とドラレコとしては最も暗めですので、ハードウェアスペック的にはしょっぱい感じですね。(笑)
画質について
画質についてはコムテックの公式サイトに掲示された昼夜の映像を見る限り、
①昼間はモザイク状のブロックノイズが多い(YouTubeにアップした際に劣化した可能性もあるが…)
②夜間はHDR効果でヘッドライトの絞りが強く効いているが、全体的に暗い
と言った印象です。
駐車監視機能は思い切ってカット
コムテックのドライブレコーダーは駐車監視の利便性が高いのがセールスポイントですが、「HDR001C」は思い切って駐車監視機能を削って価格で勝負するモデルのようです。
考えてみれば私も駐車監視モデルをおすすめする際には下位のモデルではなく、「HDR752G」「ZDR025」「ZDR026」などの上位モデルをおすすめしてきましたので、このグレードには駐車監視機能は要らないかも知れませんね…その分が価格に反映されていれば。
「HDR001C」の付属品とデザイン
レビュー概要や操作方法等については以下のレビュー動画でも解説しています。
「HDR001C」の付属品は至ってシンプルでこちらの通りです。
①2.4型液晶搭載の筐体
②miniUSBシガーケーブル
③32GBのmicroSDカード
④マウント調整用レンチ
⑤その他取り付け部品
⑥取扱説明書
筐体のデザイン
「HDR001C」の筐体は先代の「ZDR022」と同じコンパクトな箱型です。
他社の同クラスの製品と比較した際のサイズ感はこちらの通りです。
本機はコムテックとしてはおそらく初の5V機で、miniUSB電源端子は上側面、microSDカードスロットは右側面に配置されています。
「HDR001C」の取付について
今回はアクアに「HDR001C」の取り付けを行いました。
ルームミラーは純正ではなく、MAXWINの交換式スマートミラー「MDR-A001」が装着されていますが、ミラー裏の車両センターに配置するとミラーからはみ出でしまう為、やや右寄りに取り付けました。
一般的な2カメラドライブレコーダーの取り付け手順はこちらの記事で解説しています。
「HDR001C」のインターフェイスについて
「HDR001C」の起動時間は18秒程度で1カメラのドライブレコーダーとしては最も遅い部類に含まれます。
インターフェイスはこれと言って特徴のないスタンダードなツリー型ですが、ボタンが下側に付いている上、それぞれのボタンの役割が下から覗き込まないと分からないので扱いにくいと感じました。
「HDR001C」のドライブレコーダー画質について
「HDR001C」のドライブレコーダーとしての画質については、次の3つの製品と比較を行いました。
②ユピテル「WD260S」
③ケンウッド「DRV-340」
比較ポイントは次の5つです。
②ナンバー読み取り精度について
③トンネル出口での白飛び耐性について
④夜間のナンバー読み取り精度について
⑤夜間の明るさについて
録画視野角について
録画視野角については仕様表に記載されている水平110°程度で、現行のドライブレコダーの中ではほとんど標準的なものとなっています。
ナンバー読み取り精度について
録画視野角が標準的なものでしたので、ナンバー認識精度もフルハイビジョンクラスとしては標準クラスです。
トンネル出口での逆光補正について
コムテックのドライブレコーダーは全般的に強いHDR補正の効果で白飛びを良く抑えられていますが、「HDR001C」についても白飛びには強いものの、露出を落とし過ぎているため黒つぶれが強く出ます。
明暗差があるシーンでは日陰が黒く潰れがちですので、バランスが悪い調整です。
このクラスの製品ではユピテルの「WD260S」が最も優れたチューニングと言えるでしょう。
先代の「ZDR-022」と比べてもとかなりの改悪です。
夜間のナンバー読み取り精度について
夜間にヘッドライトの光が強く反射した先行車のナンバーの読み取り精度は、HDR補正と露出調整の効果で非常に高いものがあります。
しかしながら、「HDR001C」が優れているのはこの1点のみで、その為に他の能力を全て殺したとも言えるでしょう。
夜間の明るさについて
「HDR001C」は露出を異常に絞りすぎている為、明るい市街地であってもこの様に光源以外の部分は暗く映ります。
最近のドラレコにしては珍しい暗さです。
街灯が少ない場所でのヘッドライトのみでの走行時にも明るさは最低クラスで、夜間の撮影能力は全般的に低いと言えます。
暗視能力についてもほぼゼロとなっています。
ドラレコとしての画質の特徴をまとめると「HDR001C」はドラレコ全体の中では
②逆光補正はチューニングが悪くやや低め
③夜間の市街地での明るさ最低クラス
④暗視能力では最低クラス
となります。
点数 | 視野角 | ナンバー昼 | ナンバー夜 | 逆光 | 夜明るさ | 暗視 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
T3 | 25.0点 | ★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★★ |
MINIEYE | 23.0点 | ★★☆ | ★★★★ | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★ | ★★☆ |
HDR752G | 21.5点 | ★★★★★ | ★★ | ★★★★★ | ★★★★ | ★★★☆ | ★★ |
WD260S | 21.0点 | ★★★★★ | ★★ | ★ | ★★★☆ | ★★★★★ | ★★★★☆ |
A129 | 21.0点 | ★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★☆ | ★★★★★ | ★★★★☆ |
HDR852G | 20.0点 | ★★★★★ | ★★☆ | ★★★★★ | ★★★★ | ★★☆ | ★ |
DRV-830 | 20.0点 | ★★★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★★ | ★★★ | ★★ |
SN-ST3200P | 19.5点 | ★★★★★★ | ☆ | ☆ | ★★☆ | ★★★★★ | ★★★★★ |
DRV-350 | 19.0点 | ★★★☆ | ★★★ | ★★★★★ | ★★★☆ | ★★★ | ★ |
HDR203G | 18.5点 | ★★★★★ | ★★☆ | ★★★★★ | ★★★★ | ★ | ★ |
A119V3 | 18.0点 | ★ | ★★★★ | ★★☆ | ★★☆ | ★★★★☆ | ★★★☆ |
SN-SV40c | 18.0点 | ★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★ | ★☆ | ★★★★☆ |
A129Pro | 17.5点 | ★★ | ★★★★★ | ★★ | ★★★ | ★★★★ | ★☆ |
SN-SV70c | 17.5点 | ★★★★★ | ★ | ★ | ★★ | ★★★★☆ | ★★★★ |
WD250S | 15.5点 | ★★★★★ | ★★ | ★ | ★★ | ★☆ | ★★★★ |
ZDR022 | 15.0点 | ★★★ | ★★☆ | ★★ | ★★★☆ | ★★☆ | ★☆ |
DRY-ST1700c | 15.0点 | ★★★★★ | ★★ | ★★★ | ★★★ | ★ | ★ |
DRV-650/W650 | 14.0点 | ★★★ | ★☆ | ★★★ | ★★★ | ★★☆ | ★ |
HDR001C | 14.0点 | ★★☆ | ★★★ | ★★★★★ | ★★ | ☆ | ★ |
DRV-340 | 12.5点 | ★☆ | ★★★ | ★★★ | ★★★ | ★ | ★ |
「HDR001C」のフレームレートとLED信号の映り方について
「HDR001C」のフレームレートは27fpsとなっていますので、日本全国でLED信号が高速点滅して映るでしょう。
動画の再生方法について
「HDR001C」の動画の再生については、本体液晶、PCの汎用ビュワー、スマホでのテストを行いました。
本機はGPS非対応なのでPCの専用ビュワーはあるものの地図やGPSセンサー情報は表示されません。
本体液晶での再生
「HDR001C」の液晶サイズはスタンダードな2.4型ですので、動画の視認性は可もなく不可もなく、と言ったところです。
PCの専用ビュワーでの再生
本機はGPS非対応なのでPCの専用ビュワーはあるものの地図やGPSセンサー情報は表示されません。
PC汎用ビュワーでの再生
PC汎用ビュワーでの再生については、Windows 10のメディアプレイヤー、OSにデフォルトで搭載されているソフトでも可能でした。
スマホでの再生について
スマホでの再生については、iPhone SEでは「Tube Reader」、Androidスマホではカードリーダー経由でXPlayerでの再生状況を確認しました。
「Tube Reader」ではエラーメッセージが出て音声が出力されないものの、映像の再生は可能でした。
Androidスマホでも同様に音声は出力されないものの、映像の再生は可能でした。
スマホで再生するとカード内に余分なフォルダが作成されますが、そのままカードを戻してもフォーマットなどは要求されず、通常通りに録画が開始されました。
駐車監視の仕様について
「HDR001C」には駐車監視モードはありませんので、駐車監視目的であれば「HDR752G」などの駐車監視対応品をおすすめします。
どうしても駐車監視を行いたい場合には、外部電源を使用して走行中の常時録画を継続させる事になります。
外部電源を使用した駐車監視の運用について
ドラレコ専用の外部バッテリーiCELLを使用した駐車監視の駆動予想時間はこちらの通りです。(走行中の常時録画モードの継続)
iCELL | B6A | B12A | B40A |
---|---|---|---|
容量 | 76Wh | 153Wh | 422Wh |
駆動時間 | 29時間 | 58時間 | 145時間 |
満充電 | 50分 | 100分 | 150分 |
使用可能なmicroSDカードの最大容量
「HDR001C」のmicroSDカードのサポート範囲は32GBまでとなっていますが、以下の256GB以上のカードはフォーマットが出来ず使用不可でした。
地デジへのノイズ干渉について
「HDR001C」の単体使用では、アルファード+サイバーナビの組み合わせで影響は確認出来ませんでした。
ラジオへの干渉も確認出来ませんでしたが、ノイズの影響はドラレコの設置位置や車種、カーナビの種類などの状況によって変わる事がありますので、結果は参考程度に捉えて下さい。
「HDR001C」の総評
「HDR001C」のドライブレコーダーとしての画質の特徴をまとめると以下の通りとなります。
②逆光補正はチューニングが悪くやや低め
③夜間の市街地での明るさ最低クラス
④暗視能力では最低クラス
点数 | 視野角 | ナンバー昼 | ナンバー夜 | 逆光 | 夜明るさ | 暗視 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
T3 | 25.0点 | ★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★★ |
MINIEYE | 23.0点 | ★★☆ | ★★★★ | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★ | ★★☆ |
HDR752G | 21.5点 | ★★★★★ | ★★ | ★★★★★ | ★★★★ | ★★★☆ | ★★ |
WD260S | 21.0点 | ★★★★★ | ★★ | ★ | ★★★☆ | ★★★★★ | ★★★★☆ |
A129 | 21.0点 | ★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★☆ | ★★★★★ | ★★★★☆ |
HDR852G | 20.0点 | ★★★★★ | ★★☆ | ★★★★★ | ★★★★ | ★★☆ | ★ |
DRV-830 | 20.0点 | ★★★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★★ | ★★★ | ★★ |
SN-ST3200P | 19.5点 | ★★★★★★ | ☆ | ☆ | ★★☆ | ★★★★★ | ★★★★★ |
DRV-350 | 19.0点 | ★★★☆ | ★★★ | ★★★★★ | ★★★☆ | ★★★ | ★ |
HDR203G | 18.5点 | ★★★★★ | ★★☆ | ★★★★★ | ★★★★ | ★ | ★ |
A119V3 | 18.0点 | ★ | ★★★★ | ★★☆ | ★★☆ | ★★★★☆ | ★★★☆ |
SN-SV40c | 18.0点 | ★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★ | ★☆ | ★★★★☆ |
A129Pro | 17.5点 | ★★ | ★★★★★ | ★★ | ★★★ | ★★★★ | ★☆ |
SN-SV70c | 17.5点 | ★★★★★ | ★ | ★ | ★★ | ★★★★☆ | ★★★★ |
WD250S | 15.5点 | ★★★★★ | ★★ | ★ | ★★ | ★☆ | ★★★★ |
ZDR022 | 15.0点 | ★★★ | ★★☆ | ★★ | ★★★☆ | ★★☆ | ★☆ |
DRY-ST1700c | 15.0点 | ★★★★★ | ★★ | ★★★ | ★★★ | ★ | ★ |
DRV-650/W650 | 14.0点 | ★★★ | ★☆ | ★★★ | ★★★ | ★★☆ | ★ |
HDR001C | 14.0点 | ★★☆ | ★★★ | ★★★★★ | ★★ | ☆ | ★ |
DRV-340 | 12.5点 | ★☆ | ★★★ | ★★★ | ★★★ | ★ | ★ |
他社製品と比べて優れているのは夜間のナンバー認識精度だけですので、全くおすすめするポイントがありません。
従って1万円程度の価格帯で選ぶならユピテルの「WD260S」が、最もおすすめという結果になりました。
(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣)
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