※2018年5月20日更新~4台パターンのマルチカメラのテストを行いました。

先日、ユピテル全天球ドライブレコーダー「Q-02c」をテストを行いましたが、720°の録画視野角+夜間特化型のCMOSセンサーの組み合わせ+白つぶれを抑える強力な補正能力がなかなか素晴らしく、この部分に関しては感心しています。

ただし、やはり手放しでおすすめ出来るような価格帯ではありませんし、解像度の問題でナンバーの認識精度については全く期待できないという問題点もあります。

とは言え、改めて全天球モデルをテストしてみて、事故の際の状況証拠を押さえるというドライブレコーダーを設置する上での第一の目的のみに絞って考えるとやはり「最強である」と認識しています。

では、この「Q-02c」を使用せずに最強の状況把握能力をゲットする為には何が必要なのかと言えば、それはドライブレコーダーを複数台設置するというマルチカメラ方式が手っ取り早い代替案となります。

因みに当て逃げ対策重視の駐車監視に主眼を置くのであれば、「Q-02c」にはナンバー認識は期待できない為、マルチカメラ方式をおすすめしますが、とりあえず初めに事故の際の状況証拠を押さえる為の最強の構成と言う観点で、「Q-02c」に対抗し得る組み合わせを探ってみます。

「Q-02c」と同等以上であれば3台以上のドライブレコーダーが必要

「Q-02c」に対抗するマルチカメラ方式の設置方法としては、1台目をフロントガラスに前向きに設置、2台目はリアウィンドウに後ろ向きに設置する方法が最もスタンダードですが、この設置方法だと真横が全く映らないので、「Q-02c」には対抗出来ないと言う事になります。

という訳で…プラス1台をフロントガラスに内向きに設置する方法が一番最初に思いつきますね。

ただ、実は内向きドライブレコーダーを設置した場合、昼間は強烈な逆光に晒され、夜間は暗くて外がほとんど映らない言う問題にぶつかりますので、「Q-02c」に対抗するには何でも良いと言う訳には行きません。

良くあるWDRのドライブレコーダーだと、こんな感じに昼間は白つぶれが発生します。

夜間も暗いところだとサイドがあまり良く見えません。

「Q-02c」の場合にはこんな感じで白つぶれはしません。

車内側はやや暗めに映るのですが、PCビュワーのナイトビジョン機能をオンにすると以下のように補正されて明るくなります。

夜間に関しても同じような場所で通常モードで再生すると若干明るめに出力され、ナイトビジョン機能をオンにするとノイズは出ますが、全体が明るく表示されるようになります。

また、録画視野角の問題もあり、100°程度のモデルではフロントガラスの前側2/3程度が死角になってしまいますので、車内向けに設置するドライブレコーダーは①視野角が広く、②逆光補正が強く、③夜間が明るいという3つ能力に特化している事が求められます。(あくまでも「Q-02c」を超える為にはという話です)

車内向きのドライブレコーダーで「Q-02c」を超えられる可能性があるもの

このところハイエンドなドライブレコーダーが続々と発売されており、録画視野角が広く夜間が明るいモデルとしてはユピテル「SN-SV70c」、コムテック「HDR-751G」「HDR-352系」、ケンウッド「DRV-830」が挙げられますが、この用途で考えると「SN-SV70c」は逆光補正が弱いので昼間が苦手、「HDR-751G」はレンズの向きの調整幅が狭く内側は撮影出来ない、「DRV-830」は夜間は少しこれらに劣るが、良い線を行くかも知れなしと予測しています。

おそらく…、ここで挙げたモデル以外では昼夜のバランスで「Q-02c」を超えられるものは今のところないかと思われます。

当て逃げ対策を重視する駐車監視を考慮するなら「Q-02c」は厳しいと思いますし、駐車監視もしっかりやって走行中は「Q-02c」以上の状況証拠の確保を目標としたいと考えるのであれば、コスト面でも運用面でも、取り付けの面でも物凄くハードルは高くなってしまいますが、フロントは「SN-SV70c」「HDR-751G」、車内向きには「HDR-352系」、リアは「SN-SV70c」「HDR-751G」という組み合わせになるかなぁ…と予測しています。

まあ、3台のドラレコで駐車監視をするとなると5V1A以上の電流が流れますので、電源の確保がなかなか厳しくなってくるかと思いますね。

コスト的にも「Q-02c」と変わらなくなるので、まぁどうなんでしょう…と感じてはいますが、多分興味がある方もいると思うので、「HDR-751G」を前向き、「SN-SV70c」をリアウィンドウ、「HDR-352GH」を車内向きに設置して、「Q-02c」との動画の比較をやってみようと考えています。

「HDR-751G」+「HDR-352GH」+「SN-SV70c」の構成でのテスト

表題通りですが、「HDR-751G」を前向き、「HDR-352GH」を車内向き、「SN-SV70c」をリアウィンドウに後ろ向きに設置したパターンでのテストを行いました。

 

 

最も気になったポイントが「HDR-352GH」を車内向けに設置した際の視野角と、逆光の補正状況ですが、これは車種によって異なるかとも思いますが、概ねフロントガラスの前側1/3が映らない感じです。

【HDR-352GH】

設置位置が真ん中からかなりズレているのと、画面が裏側になる為、日光で反射して良く見えず、向きの調整がイマイチな感じではありますのが、大体フロントガラスの前側1/3が映らないと捉えて良いと思います。

なお、ほぼ同じシーン「Q-02c」で撮影し、映ってる視野の範囲を合わせるとこのようになります。(ナイトビジョン補正あり)

【Q-02c】

当たり前ですが、映っている範囲内の映像であれば「HDR-352GH」の方が状況と細部の認識はし易いです。

なお、普通のドライブレコーダーとの比較の為、ケンウッドの水平100°の「DRV-320」HDRモデルでも撮影していますが、やはり視野角と逆光補正の強度の問題で「HDR-352GH」ほどの認識能力はありませんでした。

【DRV-320】

リアに関しては最も「Q-02c」の映像が認識しにくい部分でありますが、「SN-SV70c」と比較するとこのようになります。

【Q-02c】

【SN-SV70c】

フロントは「HDR-751G」との比較になりますが、状況の把握の面では他の部分に比べると最も差は小さいと感じますね。

【Q-02c】

【HDR-751G】

映っている範囲内の認識精度はマルチカメラが有利だが、「Q-02c」は真横に強い

あくまでも映っている部分に関してはマルチカメラの方が認識力は高いのですが、今回「Q-02c」のテストを行って感じたのは、真横方向の認識力が高いという点です。

車両同士の事故で追突に次いで多いのが、構成比28.3%の出会い頭の衝突になるのですが、出会い頭に正面衝突は含まれていない為、大概のケースではフロントバンパーやフロントタイヤ辺りに突っ込まれるパターンかと思います。

視野角が狭いドライブレコーダーだと、こちらから相手の車両が見えたのか見えなかったのか、相手の車両に過失があったかどうかも分からない事もありますし、フロントのドライブレコーダー録画視野角は広ければ広いほど良いと考えられます。

例えば以下のように細道から優先道路に出る場合にはこちらが一時停止や安全確認を怠らなければほとんど事故になる可能性はありませんが、左から来た車が左折のウィンカーを誤って出しており、これを確認してこちらが左折を開始した場合には横に突っ込まれる可能性があります。

上の写真は水平132°の「HDR-751G」の物ですが、左から来た車のウィンカーの状態は映らない可能性があります。

以下は「Q-02c」の物ですが、録画視野角が広い為、ピラーで隠れない範囲においては最高の認識能力を誇ります。

また、細い路地などでお互いに一時停止が必要なケースでも肝心部分が映らない可能性はゼロとは言えません。

 

車種によってフロントガラスの奥行きやピラーの角度、幅が変わるので一概には言えませんが、単体ドライブレコーダーを使用して、ピラーで隠れない範囲を全て撮影するには水平150~160°程度の録画視野角は必要になるのではないかと感じます。

従って以下のような3カメラ構成の場合には、結構ありがちな出会い頭の衝突のケースにおいては「Q-02c」にはかなわないという事が言えるかと思います。

なお、サイドガラスからの左右の視野角の拡大を期待して、車内向きのカメラをリアガラスに設置したテストも行いましたが、斜め前方の視野はフロントのドラレコと大して変わらなかった為、車内向きのカメラはフロントガラスに設置した方が良いかも知れませんね。

走行中からの減速→追突ならマルチカメラが有利

「Q-02c」はマルチカメラと比較すると後方の認識が弱いですが、こちらが止まっていて追突された場合にはほぼ相手の過失割合が100%になります。

追突された時に問題になるのは、こちらが前方の車両との車間距離を充分にとっておらず、前方の車両が危険回避などの為に急減速し、自分は前の車にはぶつからなかったが、後続車両に追突されたようなケースかと思います。

このパータンでそのまま前の車に突っ込むのが精神的にも経済的にも肉体的にも最悪であると思いますが、この場合には自分の過失割合と後続車の過失割合が問題になるかと思いますし、追突事故の割合は41.1%もありますので意外と重要なポイントかも知れません。

マルチカメラは場合によっては相手が居眠りしていたり、スマホをいじっている様子も映るかも知れません。

結局答えは出ません…残念ながら

…という訳で、マルチカメラは出会い頭の事故に関わる真横方向の視野角が弱点、「Q-02c」は追突事故に関わる後方の認識精度が弱点と言えますが、どちらが優れているとは言えません。

おそらく間違いないであろうポイントは

  • コスト面では同等である
  • 設置・運用面では「Q-02c」の方が断然楽である
  • 当て逃げ含む駐車監視を考えるならマルチカメラの方が向いている

の3点となるでしょうか?

なお、4カメラ以下のような4カメラ設置パターンであれば、マルチカメラの方が「Q-02c」の状況把握能力を上回るかと思われます。

ただし、フロントに設置するカメラは左右に首振りが可能である事が条件になるのですが、今のところ左右に首振りが可能なSTARVIS対応のモデルはセルスターの2017~2018年モデルくらいしかありません。

…という訳で4台パターンのマルチカメラのテストを行いました。

「HDR-751G」+「SN-SV70c」+「CSD-670FH」+「DRV-320」の構成でのテスト

今回は読者の方にお教え頂いた以下の設置方法を試してみました。

フロント「HDR-751G」水平132°、リア「SN-SV70c」水平132°、左クオーターガラス「DRV-320」100°、右クオーターガラス「CSD-670FH」の組み合わせとなります。

【フロントガラス分を真ん中に】

【リアガラス分を真ん中に】

左側の「DRV-320」100°の方は、ギリギリ死角が出来ないかどうかと言ったところで、仮に「DRV-320」を左右に設置した場合、132°+132°+100°+100°=464°となります。

以前、読者の方にご提示頂いたケースだとフロント120°+リア132°+サイド107°×2=466°でした。

車種にや設置位置、角度によって若干必要視野角の合計が変わって来るような気もしますが、今回取り付けを行ったのはセダンタイプのランエボ10です。

 

 

3カメラ設定だと斜め前方の状況把握に弱かったのですが、この構成だとバッチリな感じですね。

ドラレコと言うより、移動監視カメラのようです…あんまり並走されたくないですね(笑)

因みにランエボ10はクオーターガラスがドアと一体型なので、ケーブルの取り回しが面倒です。(今回はちゃんとセッティングしていません)

参考までに、ランエボ10の室内長は2030mmですが、室内長が長くなればなるほど、4台合計の必要視野角は広くなるものと思ってよいかと思います。(後日3210mmのアルファードでもテストします)

設置事例は以下の通りとなります。

ちゃんと配線をこていするなら…こんな感じで這わせる事になろうかと思います。

なお、「CSD-670FH」はマウントの形状が垂直面への取り付けにも対応していますが、「DRV-320」は可動範囲が狭い上、奥行きがあるマウントなのでガラス面との距離が空き易くなり、車内の映り込みが強くなる傾向です。

録画視野角は466°を基準に

水平100°の「DRV-320」を左右に設置した場合、合計視野角は464°でギリギリ全方位が録画できる状態となり、116°の「CSD-670FH」であればそこそこ余裕がありました。

夜間に関しては「DRV-320」と「CSD-670FH」では明るさにかなりの差が出ましたので、予算度外視で考えるならサイドにはSTARVIS対応モデルが理想です。

今のところ、首振りマウントでSTARVIS対応モデルとなると「CSD-660/670FH」しか思いつきませんので、サイドはこの2モデルを軸として考えます。

サイドを「CSD-660/670FH」に固定した場合、フロント+リアの必要録画視野角は、464°-(116°×2)=232°となります。

偶然にも「CSD-660/670FH」×4でピッタリ達成できてしまいますね(笑)

■ セルスターフォーマットフリードライブレコーダー「CSD-660FH/670FH」のレビュー、評価

仮にGPS内蔵の「CSD-670FH」×4だと、コストは8.5~9.0万円くらいとなります。(「Q-02c」を余裕で超える)

また、取り付けも真面目にやると結構面倒くさいかも知れませんし、見た目もどうかと言うのもありますので、最終的には何をどこまで妥協するか…という事になるでしょうか。

因みに「CSD-670FH」をサイドに設置した場合、並走する車のナンバーも結構な精度で読み取れます。

駐車監視の事を考えるとほぼ確実に前後左右のナンバー認識は可能になりますが、セルスターのモデルは駐車監視モードになると自動的に30万画素に画質が落とされてしまいますので、外部電源を使用して常時録画状態を継続させた方が良さそうです。

【フルハイビジョンの走行時録画モード】

【30万画素の駐車監視モード】

30万画素の駐車監視モードでも、至近距離になるのでどうにか読み取れなくもないですが、安定感はないかと。

何れにしても、マルチカメラ構成でドアパンチなどの軽度な当て逃げも含めて走行中・駐車監視中の証拠能力を最大に持って行こうと考えるなら、「CSD-660/670FH」が鉄板になるかも知れません。

(編集長 Omi)

■ ドライブレコーダー メニュー

■ 最新版 おすすめドライブレコーダーのまとめ

■ ドライブレコーダー人気ランキング

■ ネット通販で購入した持ち込みパーツの取り付け店舗の探し方

この記事が気に入ったらいいね!しよう