最近は全天球モデルのドライブレコーダーも増えつつありますが、12月にユピテルから防犯特化型の全天球ドライブレコーダー「S20」が発売されています。

こちらはネット通販や量販店には出まわらない指定店舗の専用モデルで、その仕様はかなり複雑なものとなっています。

ざっくり見た感じでは車上荒らしやイタズラ対策に特化した全天球ドライブレコーダーと言う印象ですね。

「S20」のスペックと特徴

「S20」のスペックを他の全天球モデルと比較すると以下の通りとなります。

S20Q-02cd’Action 360S
18.12発売18.03発売18.12発売
2560×1080/30fps2560×1280/30fps3840×1920/30fps
2880×1440+1920×1080/27.5fps
CMOS 200万画素CMOS 680万画素CMOS 2706万画素
HDRHDRWDR
西日本のLED信号は同期する可能性ありLED信号対応
全天球全天球全天球
SD付属16GB-
SD最大32GBmicroSD最大128GB
GPS内蔵
Bluetooth-WiFi

「S20」はイメージセンサーが200万画素のSTARVIS対応のExmor Rという事ですが、全天球の録画視野角でこの画素数はかなり粗い映像になると思われます。

出力解像度の方は「2560×1080」となり、同社の「Q-02c」と同等ではありますが、「Q-02c」が680万画素に対して、「S20」は200万画素しかないので更に精細感では厳しい条件となります。

いずれもSTARVIS対応のモデルなので、明るさなどの面に関しては「Q-02c」に近いものになろうかと思われます。

「Q-02c」の精細感については、以下のレビュー記事をご参照下さい。

ユピテル「360°+360°」ドライブレコーダー2018年モデル「Q-02c」のレビュー、評価

また、西日本LED信号対策については、「メーカーは東西LEDでもしっかり記録」と謳っていますが、ユピテルの30fpsモデルにはフレームレートの調整しているモデル、していないモデルが混在し、最近のモデルの中でも「SN-SV70c」「SN-SV40c」「SN-TW80d」などは数秒間の同期が確認されていますので、「S20」についてもどうなっているかは分かりません。

個人的にはこのような状態で日本で人気トップ3以内のメーカーが「メーカーは東西LEDでもしっかり記録」と誤解を招くような表記をするのは大きな問題であると感じていますし、その旨は随分前からユピテルさんにご意見申し上げています。

「S20」のインターフェイスと操作系

ユピテルの全天球モデルはWiFiには非対応ですが、「S20」についてはBluetoothに対応している為、専用のスマホアプリを使用して設定等の変更が可能です。

ただし、通信速度の問題がありますので映像のライブビューや動画の視聴は出来ません。

「S20」の駐車監視の仕様

「S20」の駐車監視の仕様はかなり複雑です。

S20
駐車監視モード
最初の30分・1時間は以下の動作

常時録画
+
衝撃センサー
+
傾斜
+
ドア開
常時録画終了後には半休止状態に入り

ドップラー探知エリア内に動体が進入すると、カメラが録画スタンバイモードになり、以下のイベント録画が有効になる

近接近ーセンサー(さらに接近した場合)
+
衝撃センサー
+
傾斜センサー
+
ドア開センサー
自動起動
専用ケーブル
OP-CB001
マルチバッテリー
OP-MB4000
「ドライブレコーダーの持込取り付け」が出来るお店

「S20」の車両との接続

まず、駐車監視モードを起動させる為には、付属の3芯ケーブルを使用して車のバッテリーから給電する方法と、OPのマルチバッテリーと専用の通信ケーブルを使用する方法があります。

「OP-MB4000」を使用する際には他のモデルとは若干異なり、通信ケーブルも車両の常時電源系統に接続するようです。

ユピテル マルチバッテリー「OP-MB4000」の取り付け、使い方

「OP-MB4000」を使う場合にはタイマーで指定した時間は「OP-MB4000」からの給電を行いますが、タイマー終了後には車両バッテリーからの給電に切り替わります。

「S20」の駐車監視の録画方式

「S20」の駐車監視の録画の仕組みを簡単に説明すると、録画モードが以下のように時系列で切り替わる流れとなります。

①エンジンオフで30分、1時間の常時録画とイベント録画を行う

②イベント録画のみを行う

 

常時録画とイベント録画が合わせて行われる最初の①30分~1時間については特に難しい事はなく、常時録画とイベント録画を合わせて行うだけです。

 

少々ややこしくなるのは②のイベント録画のみを行うモードです。

この段階でのイベント録画発生の流れについては、以下の通りとなります。

①ドップラーセンサーにより動体が一定範囲に入ると、カメラの電源を入れて録画待機状態とする(内部メモリーには一定時間分保存され、microSDには保存されない状態)

②この状態でイベントが発生すると前後10~30秒の録画を開始する

 

イベント録画の録画時間に関しては、発生前と後の各10~30秒を10秒単位で設定可能です。(動体が一定範囲に入ると、イベントが発生しなくても内部メモリーへの短時間の録画データが保存される為)

通常のドライブレコーダーの場合には、「イベント録画」=「衝撃検知録画」となる事が多いのですが、「S20」の「イベント録画」は種類が多くやや複雑です。

 

「S20」は①ドップラーセンサーの他に、②衝撃センサー、③傾斜センサーの3つのセンサーを搭載しています。

各センサーの役割はおそらく以下の通りかと思います。

①ドップラーセンサー~電波を飛ばして近付いて来る動体や、ドアの開閉を検知する(ドアの開閉は電圧検知かも知れない)

②衝撃センサー~一定以上の衝撃を検知する

③傾斜センサー~車体の傾斜を検知する

 

ドップラーセンサーは広範囲で検知を行い、カメラの録画待機状態のON/OFFを管理した上で、さらに動体が接近すると、カメラが近接近録画(要は動体検知録画)を開始します。

なお、ドップラーセンサーについては素早く動くものや部位には敏感に反応するものの、ゆっくり近づいて来る車に対しての反応精度は低い可能性があり(これは使用してないので不明ですが、他のドップラーセンサーでは車に対しては気まぐれだった)、解像度の問題からナンバーの読み取りは不可能ですので、当て逃げ対策に関しては最も苦手となるかと思います。

※イベント発生時には前後で最大30秒ずつの録画が可能なので、衝突の瞬間は撮影出来そうです。ナンバーは読み取れない筈ですが。

衝撃・傾斜・ドア開閉を検知すると警報が鳴る仕様となっていますので、車上荒らしや車両盗難、イタズラ対策の面では強力な防御力を発揮してくれそうです。

ただし、衝撃検知で警報が鳴ってしまうと感度の調整をシビアに行わないと、かなり人騒がせな車になりそうです。

※警報音は「90デシベル」と書かれていますので、かなり大きい音かと思います。

「S20」の駐車監視の運用の流れ

「S20」の駐車監視は、設定で「マニュアル」・「ACC連動」・「Bluetooth連動」の3通りがあります。

「マニュアル」の場合にはエンジンオフから10秒以内にボタン操作を行い、操作しなければ電源オフとなります。

「ACC連動」の場合には、エンジンオフで10秒以内にボタン操作を行わなければ、自動で駐車監視に入ります。

いずれも3分間のキャンセルタイマーが働き、降車時のドアの開閉でのセンサーの検知を防止します。

「Bluetooth連動」の場合には、「S20」とペアリングされたスマホでアプリが前面に出ている状態で車から一定距離離れると駐車監視モードが開始され、スマホが一定の距離に戻ると駐車監視を終了します。

何れの方法でもエンジンをオンにした場合、強制的に駐車監視は終了されます。

乗車時のキャンセルタイマーに関しては、実質的には「Bluetoth連動」モードがその役割を担い、それ以外のモードだとドアを開けた際に警報が鳴り響くようです。(笑)

ただし、ドア開放から0~20秒間のディレイを設定出来ますので、20秒に設定してすぐにエンジンを掛ければ警報は鳴りません。

駐車監視の自動キャンセルエリアの登録

この機能は「DRY-ST6000d」から実装されているものですが、「S20」では付属のケーブルが3芯となっている為、マルチバッテリーなしでもキャンセルエリアを有効に出来るようです。

自宅駐車場などの監視が必要な場所では、毎回操作の必要はなく自動で駐車監視がキャンセルされますが、機械式の立体駐車場などに入れる場合にはGPSが測位出来ないかと思いますので、この機能は使えません。

駐車監視の録画時間とカットオフ電圧について

カットオフ電圧は11.6~12.8Vの間で0.2V刻みで設定可能で、車両バッテリーからの給電時に反映されます。

駆動時間のタイマー設定については、OPの外部バッテリーを使用する場合のみ変更が可能で、最大12時間までとなり、このタイマー時間が経過すると車両バッテリーからの給電に切り替わります。

なお、駐車監視の最大有効時間については、車両のバッテリーからの給電が開始されてから14日間となっているようです。

「S20」のまとめ

ざっくりと「S20」の特徴を見てみましたが、おそらく走行中にはナンバーの読み取りはまず不可能かと思いますので、走行時の使用目的は事故の際の全方位の状況証拠能力に特化していると言えます。

STARVIS対応ですので夜間も明るく、おそらくPCビュワーで明るさの調整も可能であろう事から白潰れにも強そうです。

駐車監視についてはナンバーの読み取り精度が絶望的である事から、当て逃げ対策ではなく防犯対策用のモデルとして捉えるべきであり、どちらかと言うとカーセキュリティユニットと全天球ドライブレコーダーが一緒になったモデルと言えそうです。

防犯対策は必要だけど、当て逃げ対策は要らないよ!と言う方は稀だと思いますので、仮に私が完全武装しつつ、利便性も妥協しないと言う前提であるならば、キャンセルエリアの登録が可能な単体モデルの「DRY-ST6000d」+「S20」の構成を選ぶでしょう。

因みにOPのマルチバッテリーは2系統に分岐できる仕様ではないので、車のバッテリーを使用しないなら、バッテリーが2個必要になります。(笑)

(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣

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