※2020年10月20日更新~実機レビューを追記しました。
こんにちは!ドライブレコーダー専門家の鈴木朝臣です。
このところコムテックやユピテルから360°ドライブレコーダーの発売が相次いでおり、2020年はマルチカメラ方式も含めてドライブレコーダーによる全方位録画がトレンドになりそうですが、ついに市場のマスを狙うケンウッドからも初の360°モデルが発売されます。
今回発表されている360°ドラレコの「DRV-C750」はOPのリアカメラを接続する事で全方位と後方のダブル録画が可能なコムテックの「HDR360GW」と同一のコンセプトとなり、コムテックとのガチでの殴り合いが予測されます。
「DRV-C750」のスペック
「DRV-C750」のスペックはこちらの通りです。
DRV-C750 | CMOS-DR750 |
---|---|
20.09発売 | |
1856×1856/27.5fps/HDR/WDR | 1920×1080/27.5fps |
LED信号対応 | |
前:180°×240° | 後:水平100° |
microSD付属32GB/最大32GB | |
GPS内蔵 | |
駐車監視モード | |
自動起動 | |
専用ケーブル CA-DR350 |
|
「ドライブレコーダーの持込取り付け」が出来るお店 |
録画解像度は「1856×1856」とコムテックの「HDR360GW」と同等、イメージセンサー1/2.5型とのみ記載がありますので型番は不明です。
サイズからするとSONYの「IMX317」辺りではないかと考えらえます。
OP扱いのリアカメラは「CMOS-DR750」という型番となっており、水平100°の録画視野角と200万画素で1/2.7型のイメージセンサーとF1.8のレンズですので「DRV-MR740」と同じハードウェアではないかと考えられます。
なお、このリアカメラというか「DRV-MR740/745」を含めたケンウッドの5V駆動モデルは台湾のこの商社経由の製品であると考えらえ、おしなべて私の評価は低い製品ばかりです。
フロントカメラについてはHDR対応と書かれており、昼間の撮影動画がアップされています。
この昼間の映像を見る限り、トンネル内での白飛びには強いようですがコムテックの「HDR360GW」と同様に黒つぶれは出やすいように見受けられます。
夜間の映像は公開されていませんが、昼間にこのような見え方をするものは夜間のヘッドライトの絞りも強くなるため、全体的に暗く映る傾向が強くなります。
リアカメラについては「DRV-MR740/745」に近い画質であると予測されますが、であるならばリアカメラの映像が高評価である「HDR360GW」と比べるとちと厳しいのではないかと予測しています。
現時点ではコンパクトサイズの360°ドラレコは、コムテック・ユピテル・ケンウッドの3社から似たようなスペックの製品が発売されていますが、おそらく総合評価は価格面でのアドバンテージがあるユピテルの「Q-20P」が最も高くなるのではないかと考えられます。。
セット内容とデザイン
今回は「DRV-C750」と合わせてOPのリアカメラ「CMOS-DR750」も購入しました。
なお、こちらの動画でも概要をレビューしています。
「DRV-C750」+「CMOS-DR750」を合わせたセット内容についてはこちらの通りとなります。
・リアカメラ
・カメラ接続ケーブル(8m)
・シガー電源ケーブル(miniUSB)
・32GBのmicroSDカード
・取扱説明書
フロント筐体
フロント筐体はスタンダードな箱型2カメラドラレコと比べるとやや大振りですが、マウントに高さがありませんので車内に取り付けた際にはそれほど圧迫感は感じないでしょう。
光沢素材なので高級感がありますが、手垢や埃が付き易いのがマイナスポイントです。(すぐ埃がついちゃいました)
少し触っただけで手垢もべったりです。
この辺り…機能性より見た目とブランドイメージでゴリ押ししたいというケンウッドの強い意思が感じられます。
サイズ感は一般的な2カメラドラレコよりはやや大きめですが、360°の2カメラドラレコとしては標準的です。液晶サイズは全て2.4型です。
※左からコムテック「HDR360GW」、ケンウッド「DRV-C750」、ユピテル「Q-20P」
進行方向側はマットブラックとなっています。
マウントはツマミ式で90°以上の可動範囲となっています。
ボタン類は右サイドに4つとなっていますが、このボタンが凹凸に乏しく押しにくいのは同社の他の製品と同様で実用性よりもデザインを優先した結果だと思います。
コムテックの製品はボタンが正面に配置されていますので、見た目はともかくユーザービリティは高いと感じます。
左側面にはリアカメラ接続ポート、microSDカードスロット、電源ポートが配置されています。
microSDカードは電源ケーブルを抜かないと出し入れ出来ないので、この辺りにもユーザービリティの低さを感じます。
ケンウッドのドラレコにはタイの子会社による自社生産品と、ドラレコ黎明期からOEM生産を依頼していると見られる台湾のMioというブランドを持つ商社の生産品があるようですが、「DRV-C750」については中国製となっていますし、ソフトウェアの特徴からこの台湾商社のOEM品と考えられます。
因みにこの商社のOEMと思われる製品がケンウッドの主力ですが、他社製品と比較の上での私の評価が良かったもの一つもありません。ケンウッドのドラレコではタイの自社工場生産品のみ高評価でした。
従ってこのユーザビリティの低さは、台湾商社由来のものと思われます。
リアカメラ
リアカメラは同社の他の2カメラドラレコと同様の正方形のコンパクトタイプです。
ケーブルポートは左側
同社の2カメラドラレコ「DRV-MR745」のリアカメラと似たデザインではありますが、奥行きが小さくなってスリム化しています。
事前にメーカーに問い合わせたところ互換性はないと言われましたが、「DRV-MR745」のリアカメラとカメラケーブルと「DRV-C750」の組み合わせでも録画は可能でした。
ただし、メーカーサポート外の使い方ですし、長時間のデバッグはしていないので自己責任でお願いします。
リアカメラ接続ケーブルは、従来どおり両側がminiUSB形状となっていますが、従来の極太からやや太い、と言った感じにこちらもスリムになっています。
電源ケーブル
電源ケーブルは同社の他の2カメラドラレコと同じく極太のminiUSBタイプです。
車内への取付けについて
今回はアクアに「DRV-C750」の取り付けを行いました。
フロントカメラはミラー裏に隠してレンズ部分だけを下から出すようにするとスッキリします。
なお、今回は「DRV-C750」と合わせてこちらの3機種の360°ドラレコをレンズの高さが揃うように装着しています。
リアカメラのケーブルは8mとそこそこ長めですので、ミニバンなどの場合でも配線をマット下などに這わせる事が出来るでしょう。
一般的な2カメラドライブレコーダーの取り付け手順はこちらの記事で解説しています。
インターフェイスについて
電源ONから録画開始までの起動時間は18秒程度と、2カメラドライブレコーダーとしては遅めですが、360°ドラレコとしては標準的で今回テストした4つの製品は若干の差はあるものの、概ね同じくらいの起動時間となっています。
操作系のボタンは全て右サイドに配置されており、液晶に操作ボタンの役割が印字されているものの、凹凸が小さいので押しにくく、横から覗き込んで操作する必要があります。
なお、コムテックの「HDR360GW」は液晶がフロントガラスに平行になるのに対して、他の3機種は地面に対して垂直になりますので、液晶は見易くコムテックのように覗き込んで首が痛くなったりはしません。
インターフェイスは同社の他の5Vドラレコと同系統ですので、以前ケンウッド製品を使用していた方であればすんなり入っていけると思います。
映像のライブビューは右サイドのボタンを押す事で、こちらのように切り替え可能です。
・リアのみ
・フロント大+リア小
・フロント小+リア大
フロントカメラのライブビュー表示形式は、録画形式・再生形式と連動したこちらの4通りとなっており、ドラレコ筐体、PCでの再生のいずれにおいてもラウンドモードで録画したものはラウンドモードでしか再生出来ないなど、あまり融通は効きません。
・パノラマモード
・2分割モード
・4分割モード
ラウンドモードは毎度お馴染みのこの魚眼映像ですが、ドラレコ液晶・PCでの再生のどちらも見にくいので推奨しません。
パノラマモードはこのように左右に映像が広がる形式です。
パソコンでは視点の変更が可能ですのでパソコンでの再生を中心に考えるならこの形式での録画を推奨します。
ただし、ドラレコでの再生を前提とした場合には分かりにくい映像となるのがデメリットです。
二分割モードは前後に映像を分割した最もバランスの良い再生モードです。
パソコンでの視点変更は出来ませんが、ドラレコ筐体でもそこそこ見易いので、特に理由がなければこの方式での録画をおすすめします。
4分割モードでは前後左右の4つの視点に分割表示されますが、パソコン・ドラレコのいずれでも視点の変更は出来ませんのでこのモードは推奨しません。
※実際の操作の様子は動画で解説しています。
動画の再生方法について
本機の液晶での再生は、ライブビューの際に説明したように録画された形式に合わせた映像形式となります。
・パノラマモード
・2分割モード
・4分割モード
液晶が2.4型と360°ドラレコとしては物足りない大きさなので、車内での再生についてはやはりスマートミラー型、またはWiFiタイプにアドバンテージがあります。
なお、microSDカードに保存された録画ファイルはPCの汎用ビュワーでも再生出来ますが、原則としては前後同期再生が出来る、PCの専用ビュワーを使用した方が良いと思います。
基本はこのようにフロントカメラ、リアカメラ、Google Mapの3つのウィンドウが表示される形となります。
フロントカメラの動画形式は、録画形式に依存し、ラウンドモード・2分割モード・4分割モードは視点変更は出来ず、パノラマモードのみ視点変更が可能です。
※一般的な360°ドラレコのPCビュワーは拡縮操作も可能ですが、本製品については拡縮操作が出来ません。ただし、致命的なデメリットでもありませんので、趣味的利用を考えているなど、よほどこだわる方以外は気にしないでも良いと思います。
このビュワーの主な機能はこちらの通りです。
・再生速度の変更(1/4~2倍速)
・地図への走行軌跡の表示
・速度の表示
・Gセンサーグラフの表示
※実際の再生の様子は動画で解説しています。
※価格.comで音声が小さいとの指摘がありますが、当方の個体ではそのような事は全くありませんでした。
ドライブレコーダーとしての画質について
今回は「DRV-C750」の画質を次の3つの製品と比較しました。
リアカメラの「CMOS-DR750」については、このうちユピテルの「Q-20P」以外の2機種と比較しています。
比較ポイントはこちらの6つの項目です。
②ナンバー読み取り精度
③逆光補正能力
④夜間の明るさ
⑤暗視能力
フロント360°カメラの動画比較
フロント360°カメラの録画映像の比較結果はこちらの通りです。
なお、フロントカメラの映像はそれぞれの製品のパソコンの専用ビュワーで再生した映像をキャプチャリング録画したものを編集してますので、少なからず画質に劣化が見られる事をご了承下さい。
録画視野角について
録画視野角は360°×240°と表記されていますが、それぞれの製品を並べて比較した結果では「HDR360GW」「Q-20P」とほぼ同じでした。
※本来は180°×240°と表記すべきだと思います。(180°×180°=半天球、180°×180°×2=180°×360°=全天球です。仕様表に書かれている360°×240°だと全天球を超える視野角という事になるので意味不明ですが、各社販促効果を狙ってかこの表記に統一されています)
・「DRV-C750」:水平180°×垂直240°
・「HDR360GW」:水平180°×垂直240°
・「Q-20P」:水平180°×垂直240°
・「AKY-V360S」:水平180°×垂直220°
この視野角で至近距離の信号もしっかり映る上、リアもガラスの上の方まで撮影範囲内に入っています。
なお、実際には後方の上の方はルームミラーに遮られ、あまり上の方を映しても意味はありませんので無駄な範囲を映さない為に角度調整を行います。
この視野角は360°ドライブレコーダーとしては必要充分でこれ以上は意味のない視野角です。
ナンバー読み取り精度について
これらの製品のフロントカメラの有効画素数はいずれも350万画素程度です。
スタンダードなフルハイビジョンのドライブレコーダーの有効画素数は200万画素程度ですが、360°モデルの撮影範囲はこの6倍程度になりますので、理論上のナンバーの読み取り精度はスタンダードな視野角のドライブレコーダーであれば50~60万画素相当になります。
また、本製品については映像の拡大機能がありませんので、ナンバー認識能力は絶望的に低いと言って良いでしょう。
※他の3製品については拡大・縮小が可能ですので、前方の車にぶつからない程度に接近した状態ではどうにかナンバーを読み取る事が出来る事もあります。
ただし、他の製品に関しても走行中の読み取りはまず不可能ですので、ナンバー認識を考慮するならフロントには別ドラレコが必要になる点ではどれも同じです。
原則としては「DRV-C750」単体の運用ではなく2カメラドラレコ+1として、またはリアカメラの「CMOS-DR750」を使うのであれば別途フロントに単体ドラレコを付ける方向性で考えて行きたいところです。
逆光補正能力について
「DRV-C750」の明るさのチューニングは「HDR360GW」「Q-20P」と非常によく似たものとなっており、トンネル内では一時的に明るさが絞られて周囲が暗く映ります。
その後、徐々に明るくなって行く感じです。
白飛びの出方についても「HDR360GW」「Q-20P」とほとんど同じレベルとなり、この3機種は非常に似た画質であると感じました。
一方で「V360S」の方はやや白飛びが強く出ますが、終始一定以上の明るさを維持していますので総合的には「V360S」が最も見易いように感じます。
夜間の明るさについて
夜間のネオンと街灯が多い市街地では「HDR360GW」「Q-20P」と同程度の明るさで車内・車外とも明るく映っていますが…
ネオンが減ってくると街灯がそこそこあっても途端に暗くなります。
「HDR360GW」「Q-20P」と比べると若干明るいシチュエーションもありますが、「AKY-V360S」のような劇的な明るさではありません。
街灯が少ないような場所での自転車・歩行者の認識能力は全く充分とは言えないレベルです。
暗視能力について
暗視能力についても「HDR360GW」「Q-20P」と同じくほぼゼロで、街灯が少ない場所ではサイド・車内とも真っ暗です。
夜間の暗い場所での監視能力はゼロに近いので、夜間を含めた全方位の駐車監視なら3カメラで超絶明るく撮影が出来るVANTRUEの「N4」がおすすめです。
リアカメラの動画比較
リアカメラの映像はこちらの2機種と合わせて3機種で比較しています。
・「HDR360GW」:標準設定
・「AKY-V360S」:車外用リアカメラ標準設定
録画視野角について
録画視野角については、2018年モデルの同社2カメラドラレコ「DRV-MR740」と全く同じ水平100°、その他の画質も「DRV-MR740」と似たような特徴となっています。
ナンバー読み取り精度について
ナンバーの読み取り精度は視野角が狭いデジタル接続ですので、フルハイビジョンクラスとしては最高の部類に入ります。ただし、逆光時には暗くなるのでナンバー読み取り精度も落ちます。
逆光補正能力について
トンネル内での逆光補正についてはいずれもHDRの効果で白飛びは良く抑えられていますが、「HDR360GW」と同様に黒潰れが出易くなっています。
屋内駐車場でも同様の傾向が見られます。
こちらも全体のバランスでは「AKY-V360S」が最も優れています。
夜間のナンバー読み取り精度について
夜間ナンバー読み取り精度はデジタル接続で視野角が狭い事から、非常に高くなっています。
夜間の明るさについて
夜間のネオンが多い市街地での明るさは「HDR360GW」よりも落ちますが、実用上は問題のないレベルです。
「AKY-V360S」の方はスマートミラーとしての後続車のヘッドライトの防眩効果を重視していますので、明るい市街地では全体の露出を絞る傾向があります。
暗視能力について
「CMOS-DR750」には暗視能力はほとんどなく、街灯が少ない暗い場所では真っ暗になってしまいます。
「CMOS-DR750」の夜間の撮影能力は2年前の製品としても明るいとは言えなかった「DRV-MR740」と同等と見受けられ、あまり良いものとは言えません。
従って360°モデルの「DRV-C750」単体ではそれほど悪くはないのですが、このリアカメラがネックになりそうです。
なので…前後セット購入は微妙ですね。
西日本LED信号の見え方について
「DRV-C750」「CMOS-DR750」の録画フレームレートは27.5/fpsですので全国のLED信号も同期することなくしっかり映る筈です。
駐車監視について
「DRV-C750」には駐車監視モードは存在するものの、フロントカメラのナンバー認識精度が低い為、当て逃げ対策としては向いていません。
駐車監視に使うなら、別途フロント用の単体ドラレコと合わせて使う、またはリアカメラの「CMOS-DR750」をセット購入せずに他社の2カメラドラレコを合わせての使用をおすすめします。
こちらの常時電源ケーブルを使用するとエンジンがOFFになった後も給電が続きますが、その後一定時間振動を検知しない状態が続いた事がトリガーとなって動体検知+衝撃検知の駐車監視モードに入ります。
車との接続方法はこちらの通りです。
※エンジンがONでも一定時間振動を検知しない状態が続くと駐車監視モードに入ります。
専用ケーブルの設定項目はこちらの通りです。
・タイマー設定(0時間・6時間・12時間・24時間)
・カットオフ電圧(12.0V・12.2V・12.4V・12.6V)
エンジンをONにした後に車が動き出してしばらくすると駐車監視モードを解除し、常時録画モードに戻ります。
手動で駐車監視モードをキャンセルした場合には、駐車監視録画が有った旨をアナウンスしますが、通常の場合には動体検知録画が0件という事はあり得ないので、この告知はほとんど無意味です。
また、駐車監視中の録画データは動体検知・衝撃検知とも全て「Parking」フォルダに保存され、動体・衝撃の区別なく上書きされて行きます。
なお、サポートされているmicroSDカードの最大容量32GBでも、最高画質での駐車監視の保存時間は20分程度(2カメラ時)なので、駐車監視向けの仕様とは言えません。
外部電源を使用した駐車監視について
今回は「DRV-C750」+「CMOS-DR750」と旧専用ケーブル「CA-DR150」を使用して外部バッテリーでの駆動テストを行っています。
iCELL | B6A | B12A | B40A |
---|---|---|---|
容量 | 76Wh | 153Wh | 422Wh |
駆動時間 | 15.3時間 | 30.6時間 | 76時間 |
満充電 | 50分 | 100分 | 150分 |
※専用ケーブルを使用しない場合にも、常時給電状態で一定時間以上の無振動状態が続くと自動で駐車監視モードに入りますので、エーモンのシガーソケットと「iCELL」を組み合わせて接続することも可能です。
※ケンウッドのドラレコは昔からソフトウェアの不具合で駐車監視モードに入り易かったり入りにくかったりしますので、駐車監視モードに入らない場合にはメーカーに問い合わせて下さい。
こういう事が結構あります。
改善される機能
●2020/10/06
バージョン
: VAJ0.42.01.BJ1OD.01アップデート対象
: VAJ0.41 で始まるバージョン内容
・駐車モードが始まらない不具合の改善
こちらの個体では純正シガーケーブルと外部電源の組わせでの駐車監視モードへの自動での出入りは確認出来ていますが、やたらと早く入るケース、いつまで経っても入らないケースがありました。
microSDでの録画時間について
「DRV-C750」の2カメラ録画時のデータサイズは、一時間当たり14GB程度となります。
なお、microSDカードの容量は32GBまでサポートされていますが、以下のカードで1時間以上の録画を行った結果では、不具合は見られませんでした。
一方で何故か256GBのSAMSUNGはなぜか使用不可、その他トランセンドの128GBも不可でした。
地デジへのノイズの影響について
地デジへのノイズ干渉に関しては、アルファード+サイバーナビの組み合わせで起動テストを行いましたが、フルセグがギリギリ映る場所で電源をオンにしても変化はありませんでした。
ラジオへの干渉も確認できませんでしたが、ノイズ干渉に関しては車種やカーナビ、アンテナの位置により影響が出る場合もありますので結果は参考程度に捉えて下さい。
「DRV-C750」の総評
最後に「DRV-C750」の総評です。
概ね予想通りの結果ではありますが、画質面では夜間の明るさではほんの少しだけ優れている部分があるものの、概ねコムテックの「HDR360GW」、ユピテルの「Q-20P」と同等で、ハードウェア構成からチューニングまでこの3機種はソックリです。
360°カメラ部分のみ | 点数 | 明るさ | 暗視能力 | 白飛び防止 | 黒潰れ防止 | ナンバー認識 |
---|---|---|---|---|---|---|
AKY-V360S | 20点 | ★★★★★ | ★★★★ | ★★★ | ★★★★★ | ★★★ |
CS-360FH | 18点 | ★★★★★ | ★★★ | ★★ | ★★★★★ | ★★★★ |
ZDR037 | 16点 | ★★★★ | ★★ | ★★ | ★★★★ | ★★★★★ |
PDR900SP | 13点 | ★ | ★ | ★★★★★ | ★★★★★ | ★ |
DRV-C750 | 13点 | ★★★ | ★ | ★★★★★ | ★★ | ★★ |
Q-20P | 13点 | ★★ | ★ | ★★★★★ | ★★ | ★★★ |
HDR360GW | 12点 | ★☆ | ★ | ★★★★★ | ★☆ | ★★★ |
HDR360G | 11.5点 | ★ | ★ | ★★★★★ | ★☆ | ★★★ |
★=2pt、★=1pt、☆=0.5pt |
中華系のドライブレコーダーは売れ筋が出ると、多くの業者が同じ工場に入ってきて似たような製品が市場に溢れますが、この3つの製品は企画こそ別のところから出てきているとは言え、製品としてはどれもほとんど同じような特徴のないものに仕上がっており、各社とももう少し独自性が欲しいところと感じます。
ただし、ドラレコマーケットにおけるブランド力では…
ケンウッド>コムテック>ユピテル、という図式が成り立ちますので、ケンウッドのマーケティング戦略的にはこれでOKとなりそうです。
リアカメラは考えずに「この3機種の中からどれかを選べ」と言われればまずは価格を見ます。
2020年10月17日時点のamazonの価格は
・「DRV-C750」:32,571円
・「HDR360GS」:31,185円
・「Q-20P」:26,000円
と、ネット専売モデルであるユピテルの「Q-20P」が2ランクほど安くなっていますので、特にメーカーにこだわりがない場合には「Q-20P」をおすすめします。
また、リアカメラセットという事になるとケンウッドのリアカメラオプションである「CMOS-DR750」の出来があまり良くなかったので、コムテックの「HDR360GW」をおすすめしたいところです。
なお、近日中にこのクラスの360°ドラレコとして私が一番期待している、セルスターの「CS-360FH」をテスト予定ですので、その結果を待つのもありでしょう。
スマートミラー型なら「AKY-V360S」で。
(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣)
コメント
この製品非常に気になってます。
360度ドラレコの駐車監視で動体検知が付くのは初ではないでしょうか?
ユピテルやセルスターやコムテックとの比較も良いですが、この製品の動体検知機能についての記事が読みたいです!
どのくらいの距離で反応するのか、人通りの多い場所だとどうなのか、夜間の映りはどうなのか等気になる部分が多い製品ですね。
カネダ様
現状では何もなければ10月にテスト予定です。
https://car-accessory-news.com/schedule/
懸念されるのはパーキングモードの割当が最大の32GBのmicroSDで30分程度と言うところですね。
これがあるので、従来はケンウッドのドラレコはあまり駐車監視に向けにはおすすめしてないです。
レビュー楽しみに待ってました。
ですが、一番知りたかった動体検知がどのくらいの距離・明るさで作動するのかという部分は未調査なんですね…。
夜間に引っかき傷をつけられたり落書きされた場合にどの程度認識できるのかという部分が知りたかったので残念です。
今回のレビューと似たようなことをカー用品店の店員にも言われコムテックやユピテルを勧められましたが、その店員は動体検知について具体的に回答してくれなったのでlaboonのレビューを待っていたのですが…。
カネダ様
動体検知は感度設定が可能ですので、最高感度だとかなり敏感ですよ。昼間だと動きが多い場所では録画しっぱしになると思います。
ただし、街灯がない場所では検知しないと思いますし、動画を見て頂けると分かる通り何も映らないです。結論から言うと夜間監視に全く向いてません
画面の動きの割合で録画するかどうかを判断してる感じですね。
因みにセルスターCS-360FHとの比較も終わったので本機はフリーの状態です。
しばらく貸出しましょうか?調査結果をご報告いただけると嬉しいです。
レンタルのご提案ありがとうございます。
ただ一昨日、スーパーオートバックスでドラレコの台数限定キャンペーンをやっていたので焦って購入してしまいました。
daction360sが通常価格から35%引きだったので…
カネダ様
daction360s購入されたんですか?
それなら現行最高性能です。
daction360s>>>CS-360FH>>>DRV-C750>Q-20P>HDR360GW
って感じの序列ですね。
いつもレビュー楽しみに見ています。
フロント360°カメラの録画視野角の表記について教えてください。
「本来は180°×240°と表記すべきだと思います」とのことですが、これはなぜでしょうか。
ひょっとして水平は左右方向、垂直は前後方向ということなのでしょうか。(だとすると240°×240°となりそうな気がします。)
個人的にはウェブサイト(HDR360GW商品情報)にもあるように、水平方向は前後左右の全方位360°、垂直方向は240°という表記のほうが分かりやすいのですが。。。
ひさぴぃ様
例えば半天球は前が全部見えるので
・水平180°×垂直180°
ですよね。
全天球だと
・(水平180°×垂直180°)+(水平180°×垂直180°)
ですよね?
つまり
・(水平180°×垂直180°)×2=水平180°×垂直360°
です。
・(2×2)×2=2×4
と同じようにです。
・(2×2)×2=4×4
ではないですよね?
イメージでわかりやすく解説すると
半天球(水平180°×垂直180°)の垂直の視野だけが広がったものが(水平180°×垂直240°)です。
人間の目の視野に例えて左右に手を広げてイメージするとわかり易いと思います。
水平180°×垂直360°まで広がったところで全天球になります。
または垂直は180°固定でも水平方向が背中に回って360°になれば
水平360°×垂直180°まで広がったところで全天球になります。
360°×240°とか240°×360°などは全天球を超える視野で実際にはあり得ないですし、本物の全天球が何なのかが分かりにくくなるので私は「本来は180°×240°と表記すべきだと思います」が、商業的には360°×240°の方が良いのも知れません。一般ユーザー的にもその方が分かりやすいかも知れませが、中華業者に騙されるリスクもあります。
180°×360°=全天球だと思ったら半天球だったと。
なので、私はそういう間違いがないように「本来は180°×240°と表記すべきだと思います」としています。
「良いものと思って買ったら思ったより悪いもの」と言うケースよりも「悪いものと思って買ったら思ったより良いものだった」という誤解の方が良いですよね?ユーザー的にもそうですし、メーカー的にも目先の売上よりもリピーター需要を獲得した方が良いと思います。
と言うのがLaBoon!!の運営方針です。なので分かりにい事象についてはなるべく正確に解説はしますが、伝わらない場合には
「いものと思って買ったら思ったより悪いものだった」と言うケースよりも、「悪いものと思って買ったら思ったより良いものだった」という誤解の方になるように心がけてます。
丁寧なご説明ありがとうございます。
最後の言葉に感銘を受けました。
今後ともよろしくお願いいたします。
ひさぴぃ様、ありがとうございます!
ついでにテストしているセルスター「CS-360FH」などは、188°×103°の2枚レンズなんですよね。
こういうのも正しく表記すると180°×240°、または360°×103°になるんですけど、全方位はなかなか分かりにくところがありますね。
いつも参考とさせて頂いております。
来月中旬に新型ハリアーの納車を控えてドラレコの選定で悩んでおりケンウッドの360度タイプも視野に入れていたため特に参考となりました。残るはCS360FHとの比較が心残りで決定しかねております。そちらのレビューも楽しみにしております。360度タイプがどれも大差なければZDR025-026あたりを無難に選択するする予定ですが…。セルスターの感触等教えて頂ければ幸いです。
なーさん様
週末に公開予定ですが、C750・HDR360GW・Q-20Pと比べると断然CS-360FHの方が良いですね。
リアガラスに取り付けるカメラがないので、必要ならそこは別途追加する前提になりますが。
使い方によるんですが、画質的な競合はダクション360Sになりそうです。
https://car-accessory-news.com/dc5000/
ただ、白飛びややや強く判定が難しい部分もあるので、レビューをご覧になられた方が良いですよ。
今の段階なら私ならケンウッド・コムテック・ユピテル・セルスターの4社ならCS360FHの方を選びますけど。
丁寧なご返信ありがとうございます。ブログにYoutube、Twitterもフォローさせて頂いておりますのでアップを楽しみにしております。ハリアーに標準装備ドラレコの補助+駐車監視を目的としていました。DACTIONは高価過ぎますね
なーさん様
DACTIONはあと1万円安ければ性能を考えて押せるんですけどね(笑)
これも近日中に再レビューでCS-360FHと比較の予定です。
今のところ高過ぎて私の中でも黒歴史になってる部分があるんですけど。