※2018年4月13日更新~ユピテル 全天球360°+360°カメラ 2018年モデル「Q-02c」について追記しました

ユピテルやカーメイトから360度のドライブレコーダーが発売され、徐々に関心が高まっている様ですので、今回は360度ドライブレコーダーを4モデル程度比較しつつ、ドライブレコーダーとして設置する場合のメリットとデメリットについて考えてみたいと思います。

そもそも私自身が360度ドライブレコーダーを使用した事がありませんので、あくまでも仕様上の話であることをご了承ください。

とりあえず360度ドライブレコーダーを3つ比較

ここではおそらく360度ドライブレコーダーの中で世間の注目度が高いであろう3つのモデルを紹介しつつ、スペック表から見て取れる画質や、駐車監視の仕様などについて説明します。

ユピテル「Q-01」

ユピテルの「Q-01」は他の360度ドライブレコーダーと比べると仕様がちょっと特殊です。

と言うのは、他の360度ドライブレコーダーはレンズが1つで下側半面を中心に魚眼レンズでやや上方までカバーしているのに対して、ユピテルの「Q-01」は2つのレンズで前後を分担している形になります。

 

要は上の方まで見えるという事になりますね。

1カメラタイプの物は近くの信号が映りにくいのでその対策かも知れません。

 

視野角の他に、各モデルで大きく変わって来そうなのが駐車監視などの際に重要になるナンバーの読み取り精度です。

ユピテルのスペック表には360度×360度と書いてありますが、要は180度×180度が2つあるという事です。

CMOSセンサーは200万画素、出力解像度は2560×1080となっていますが、これは200万画素のCMOS×2の400万画素で取り込んだものを2560×1080=276万ピクセルに合成圧縮しているという事でしょう。

例えば一般的なフルハイビジョンドライブレコーダーである、ケンウッドの「DRV-320」は録画視野角が水平100度×垂直52度となっていますが、CMOSセンサーは211万画素で出力ピクセル数は207万程度です。

解像度は276万:207万なので大きな差はありませんが、録画されている範囲が全く違います。

「Q-1」の一つのレンズが担当する範囲は、「DRV-320」と比較するとこんなに広くなります。

更にもう1枚レンズがありますので、この2倍になるのですがこの図の面積比だと1枚で6.23倍、2枚だと12.46倍になります。

最終的に出力される解像度を見ると「DRV-320」はフルハイビジョンの207万、「Q-1」は276万で大きなさはありません。

「DRV-320」と同等の精細感を維持したければ207万×12.46=2580万ピクセル~7000×3500以上の解像度が必要です。

スタンダードなフルハイビジョンドライブレコーダーの精細感を維持するのに必要な解像度の10.7%しかありません。

従って見え方としては「580×330」程度の解像度のドライブレコーダーと同じくらいになるかと思います…残念ですが。

 

駐車監視の仕様云々の前に「駐車監視は当てにならないと思うので期待しない方が良いです」言う結論です。

現時点ではそうですが、実際に試す機会があれば考えは変わるかも知れません。

カーメイト「d’Action 360」

カーメイトの「d’Action 360」は1カメラタイプでスペック表記では360度×194度となっています。

 

つまりはカメラは1つですが、分かり易く言うと水平180度×垂直97度のカメラが2個あるようなものです。(上半分近くは映りません)

駐車監視の最高解像度は「2880×2880」=829万の4K相当ですが、撮影範囲が「DRV-320」の6.7倍となる為、精細感はフルハイビジョン未満です。

通常の視野角のドライブレコーダーであれば「1500×800」程度の精細となるでしょうか。

HD画質に毛が生えた程度の精細感なので、おそらくフロント側でナンバーを正面から映す事が出来れば読み取りは十分可能ではないかと思います。

駐車監視に関しては衝撃検知にはなりますが、前後を撮影するようですので比較的実用性の高い仕様となっています。

ただし、公式チャンネルの駐車監視動画ではナンバーがしっかり映っていませんので、解像度以外にも何か問題がありそうです。

 

CMOSセンサーも1353万画素、「裏面照射型CMOSイメージセンサー 1/2.3型」と書いてあるのでもう少し鮮明に映っても良さそうですが実際のサンプル動画はよろしくありませんね。

また、上部が映らないので近くの信号が映りにくそうです。

もう少しで及第点になりそうなので惜しいモデルです。

上海問屋「DN-914679

こちらは圧倒的に価格が安いのですが、スペックは以下の通りとなっています。

CMOSセンサー~300万画素、記録解像度1440×1440=207万、視野角は360度としか書いていないのですがレンズは1つなので180度×180度前後でしょうか?

何れにしても記録解像度がフルハイビジョン相当なので駐車監視は難しそうです。

こちらの動画を見る限りナンバーの判別は難しいと思います。

 

また、至近距離の信号を映そうと思うと180度では足りず、カメラを傾けなければならないみたいです。

従って駐車監視以外の面でもちょっと微妙な感じがしますね。

価格が圧倒的に安いので実用面では厳しいですが、360度カメラがどういう物かを知りたい人には良いかも知れません。

ユピテル 全天球360°+360°カメラ 2018年モデル「Q-02c」について追記

ユピテルから360°ドライブレコーダーの2018年モデル「Q-02c」が発売されています。

360°ドライブレコーダーについては2017年末から急激に世間の関心が高まっていますが、画素数や解像度の問題で今のところは積極的におすすめしていません。

■ 360度のドライブレコーダーって実際どうなの?

事故の大雑把な状況だけを押さえる分には画質が悪かろうと360°ドライブレコーダーの方が有利になろうかと思いますので、駐車監視と価格を考慮しなければベストに近い選択肢ではあるでしょう。

中には1万円台の360°ドライブレコーダーも発売されていますし、これだけ安ければ精細感、逆光補正や夜間の明るさなどの部分で劣っていたとしてもコスパは悪くないのかと思います。(おそらくこのクラスのモデルはパソコンでの再生が不可と思われる)

パソコンでの再生であろう事から、興味はあるもののテストしたとしてもしっかり検証が出来ない気がするので今のところはテストには至っていません。

「Q-02c」では何が変わったのか?

少し話が逸れましたが、2018年モデル「Q-02c」は先代の「Q-01c」から画質面が大きく進化したようではあります。

具体的にはCMOSセンサーが200万画素から680万画素のSTARVIS対応の物に大幅にバージョンアップしています。

 

 

おそらく…(680画素のCMOSセンサー+レンズ)×2という構成なのかと思いますが、出力解像度は「2560×1280」(327万画素相当)となっています。

なお、最高画質では32GBでの録画時間が240分となっていますので(フルHDの「DRY-2」は320分)、680万画素のCMOSセンサー×2の映像を合成圧縮しているものと考えられます。

 

カーメイトの「d’Action 360」はレンズ1と1353万画素のCMOSセンサーで出力解像度が走行中は「1440×1440」、駐車監視中は「2880×2880」(829万画素相当)となっていますので、駐車監視中の精細感については「d’Action 360」の方が上であろうかと思われます。

「d’Action 360」の方は撮影範囲が360°で829万画素相当、「Q-02c」は720°で327万画素相当ですので、やはり駐車監視については「d’Action 360」がかなり有利ですし、それでもナンバーは判別出来ていません。

 

従って駐車監視にはあまり期待できないであろうと予測しています。

再生・フォーマットにはパソコンの専用ビュワーが必要

事故の際の状況証拠の記録であれば専用ビュワーで再生が可能なら問題はないのですが、専用ビュワーがないと再生も編集も出来きないとなると、趣味的利用…例えばYoutubeなどにアップしてVRゴーグルで視聴する事が出来なくなります。

また、仮に私がテストを行った際にもパソコン上でビュワーを立ち上げて再生し、その動画をキャプチャーして録画しなければならないので、画質がかなり劣化すると思われます。

事故の際の状況証拠のみを考えるなら

駐車監視や趣味的な利用を考えずに、純粋にドライブレコーダーとしての本来の能力として事故の際の状況証拠を期待するなら、おそらく現段階では「Q-02c」を上回るものはないと思われます。

なお、「Q-02c」の製品紹介ページには事故の際の衝突部位や状況について以下のような記載があります。

データのソースについては『(公財)交通事故総合分析センター「車両の第1衝突部位別、当事者別、全事故件数(第2当事者) 』とありますが、このデータに関しては有料統計の為、今すぐ確認する事が出来ません。

一方で警察庁の事故統計によると、2017年度の車両相互の事故の発生件数は408,812件となっています。(全事故は472,165件)

■ 平成29年中の交通事故の発生状況

このデータで拾えるものをまとめたのが以下の表となります。

車両相互の事故のパターン
正面衝突10,0002.4%
追突167,84541.1%
出会い頭衝突115,70428.3%
追越・追抜時衝突8,2372.0%
すれ違い時衝突5,0011.2%
左折時衝突21,0795.2%
右折時衝突38,6859.5%
その他42,26110.3%
408,812100.0%

ユピテルの引用しているデータに関しては、「第2当事者側」(過失が2番目に重い)から見た、最も大きい損傷箇所の割合についてサイド・リアが73%という事でしょう。

 

次に事故のパターン別にどの部分が最も大きく損傷するか考えてみましょう。

上の表の「追突」41.1%、「すれ違い時衝突」1.2%、「追越・追抜時衝突」2.0%はほとんどがサイド・リアが破損しますが、合計で44.3%となります。

73%には28.7%不足していますが、どこが壊れるか分からない「出会い頭衝突」・「左折時衝突」・「右折時衝突」・「その他」の合計は53.3%になり、この53.3%のうちの53.8%=全体の28.7%がおそらくサイド・リアに損傷を負ったものと考えられます。

車両相互の事故のパターンうち、サイド・リアの損傷のケース
正面衝突2.4%
0%
追突41.1%
41.1%
追越・追抜時衝突2.0%
2.0%
すれ違い時衝突1.2%
1.2%
出会い頭衝突28.3%
15.2%
左折時衝突5.2%
2.8%
右折時衝突9.5%
5.1%
その他10.3%
5.5%
100.0%
73%

まあ、多少の誤差はあろうかと思いますが、追突はさておき、出会い頭に横から突っ込まれたパターンが15.2%もありますね。

あとは自分が優先の際の右左折時に横に当てられるケースが7.9%となり、前後2カメラの場合だと映らない事もありそうです。

もっとも、前後2カメラで撮影している限り、横が映っていなくても自分の過失の有無は証明可能ではあると思います。

ただし、事故の際には相手との過失の割合で賠償負担が決まりますし、自分が動いていない場合には話は早いのですが、特に右左折時に自分が横に損傷を受けるケースでは、自分も相手も動いている事が多いのではないかと思います。

具体的なケースとしては、以下のものが考えられます。

自分が左折、相手が右折

この当たり方だと相手が止まっている状態であれば、横っ面を損傷する可能性はほとんどない為、仮に衝突の瞬間に相手が映っておらず、相手が動いていないと言い張ってもそれは通らないのでは?と思うのですが、実際の事故の処理の際にどうなるのかは私には分かりません。

自分が右折、相手が左折

このケースでは基本的には相手が優先になりますので過失割合は自分の方が大きくなりますが、相手が動いていた場合と止まっていた場合では若干過失割合が変わって来るかと思います。

まぁ、相手が止まっていれば当たらないと思いますが、動いていても止まっていたと勘違いする事はあり得ますね。

自分が右折、相手が左折

あとは信号のない交差点ではこのようなケースも考えられます。

自分が優先道路を走っていて相手の車がいる道路に右折しようとした際に、相手の車がこちらの右折のウィンカーを見て左折を始めようとしてサイドに当たるパターンです。

相手の車両が衝突時に前後のドラレコに映らない可能性もありますし、相手が動いていないと言い張る可能性もゼロではありません。

自分が右折、相手も右折

こちらも信号がない交差点のケースですが、自分が優先道路から相手の車のいる道路に右折しようとするパターンです。

まあ、レアケースではあるような気もしますが、こちらが右折しようとしているところに、相手が徐行しながら出てきた場合ですね。

こちらの衝突の瞬間にドライブレコーダーに相手の車が映っておらず、相手が止まったと言えば過失割合に影響するかも知れません。

360°ドライブレコーダーの方が有利ではありますが

…という訳で、事故の際の状況証拠を考えれば720°の全天球モデルが最も有利なのは間違いありません。

ただし、価格がべらぼうに高い上に駐車監視が微妙ですので、今の段階では2カメラモデル+リアかフロントウィンドウに車内側に1台コンパクトドラレコを取り付ける方法の方が圧倒的にコスパは高そうです。

まぁ、こんな感じで。

360°ドライブレコーダーのまとめ

今の段階では1万円台の360°カメラを画質の面で妥協して使用するのはなかなか良い選択ではないかと思います。

一方で5~7万円弱の「d’Action 360」や「Q-02c」については、何かを妥協出来るような価格帯ではないような気がします。

まあ、この辺りは人それぞれの考え方次第で、複数のドラレコを管理するよりも全て一元化したいという方もいるかと思いますので、そう言った方は「d’Action 360」や「Q-02c」を検討されても良いかも知れません。

なお、「Q-02c」については読者の皆さんの関心が高いようですので、ユピテルさんにサンプル貸し出しが可能かどうか確認しています。

(編集長 Omi)

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