JVC「GC-DR1」、ケンウッド「DRV-610」のレビュー、評価

※2019年3月6日更新~JVC「GC-DR1」と合わせて最新モデルとの比較について追記しました。

ケンウッドの「DRV-610」は2016年3月に発売された、国内初のフルハイビジョンを超える解像度「2304×1296」の録画モードを搭載したドライブレコーダーですが、2017年10月に後継モデルの「DRV-630」「DRV-W630」が発売された事で型落ちとなり、ケンウッドの正式ラインナップからは消えています。

ただし、少々ややこしい話になるのですが、後継モデルの「DRV-630」の系統は完全に「DRV-610」の機能をカバーした物ではなく、「DRV-610」の機能性を更に上位の「DRV-830」と中位の「DRV-630」に分割したという経緯があり、実は機能面では旧型の「DRV-610」の方が新型の「DRV-630」よりも勝っていたりする部分もあります。

価格的に「DRV-610」の方が安ければこちらを選べば済む事ですが、既に型落ちになって久しく、現時点では2万円以上で流通しています。

…が、実は「DRV-610」は「KENWOOD」のブランドではなく「JVC」ブランド(同じ会社ですが多分販路が微妙に違い)で「GC-DR1」と名を変えて安価で販売されていますので、2019年時点でもまだまだ購入の選択肢に入れても良いモデルであると感じています。

「GC-DR1」「DRV-610」のスペック

「GC-DR1」「DRV-610」のスペックは以下の表の通りです。

GC-DR1DRV-610
18.05発売16.03発売
2304×1296/27.5fps
録画視野角 水平121°
WDR
microSD付属16GB
microSD最大128GB
GPS内蔵
駐車監視機能
衝撃検知+動体検知
自動起動
内蔵バッテリー15分
専用ケーブル
CA-DR150
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おそらくケンウッドのこのクラスのモデルを検討されている方は、前述の「DRV-630」辺りから入ろうかと考えているのではないかと思うのですが、「GC-DR1」「DRV-610」は機能的には「DRV-630」と変わりませんが、以下の2つの点で「DRV-630」よりも優れています。

①録画視野角が水平121°と広い(「DRV-630」は水平102°)

②microSDカードが2枚差し可能で(1枚はバックアップ)、128GBまでのmicroSDカードをサポートしている(DRV-630」は32GB)

 

逆に「GC-DR1」「DRV-610」が劣っている点もあります。

①解像度が「GC-DR1」「DRV-610」は「2304×1296」だが、「DRV-630」は「2560×1440」

 

このような形になりますので

①走行中の状況証拠能力を重視するのであれば「GC-DR1」「DRV-610」

②ナンバー認識精度を重視するのであれば「DRV-630」

③長時間の駐車監視を行うのであれば「GC-DR1」「DRV-610」

 

を選んだ方が良いですよ、という事になります。

 

なお、①走行中の状況証拠能力について更に上のレベルを求めるなら、最上位の「DRV-830」がおすすめになります。

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「GC-DR1」「DRV-610」のセット内容とデザイン

「GC-DR1」「DRV-610」のセット内容は以下の通りとなります。

①ドラレコ筐体

②マウント

③シガーケーブル

④16GBmicroSDカード

 

デザイン的には横長でドラレコとしては比較的大きい部類に入る2.7型液晶を搭載。

各種ポートの配置は上面にminiUSB電源ポート、底面にmicroSDスロット×2となります。

操作系のボタンは左側に電源ボタン、右側にその他のボタン類が搭載されています。

高さがそれほどありませんので大抵の場合ミラー裏に隠せます。(電源ケーブルは純正外の物を使用しています)

「GC-DR1」「DRV-610」の画質の特徴

「GC-DR1」「DRV-610」の画質の特徴については、以下のポイントを他社の高解像度モデルと比較しています。

①録画視野角

②ナンバー認識精度

③白飛び耐性

④夜間のヘッドライト反射時のナンバー認識精度

⑤夜間の明るい場所での見え方

⑥夜間の暗い場所での見え方

 

このテストは計8モデルで比較を行いテスト結果の詳細に関しては以下の記事で詳しく説明していますので、ここでは結果だけ簡単にまとめておきます。

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録画視野角について

録画視野角については仕様上は水平121°の表記となっていますが、実測値では113°と思ったより広くなく、テストした8モデル中最下位という結果に終わりました。

ナンバー認識精度について

ナンバー認識精度についても同様に8モデル中最下位です。

昼間の白飛び耐性

トンネル内の白飛び耐性に関してはしっかり絞りが効いており、8モデル中1位の結果でした。

夜間のヘッドライト反射時のナンバー認識精度

夜間のヘッドライト反射時のナンバー認識についても、絞りが良く効いており1位という結果です。

夜間の見え方

「GC-DR1」「DRV-610」は明るさをかなり絞り込んで白飛びを抑えているモデルなので、夜間の状況認識は苦手としています。

明るい場所、暗い場所ともに明るさは最下位となります。

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高解像度ドラレコ全体の中での評価は以下の表の通りとなります。

モデル録画視野角ナンバー認識白潰れ耐性夜間明るさナンバー反射
DRV-830★★★★★★★★★★★
DRV-610★★★★★★
DRY-ST7000c★★★★★★★★★
DRY-WiFiV5c★★★★★★
TA-011C★★★★★★★
GoSafe 520★★★★★★
f520g★★★★
DR02J★★★★★

白飛び耐性と夜間のヘッドライト反射時のナンバー認識精度に優れているものの、もともとの精細感があまり高い方ではなく、録画視野角もスペック仕様表ほど広くない為、高解像度ドラレコの中では微妙な立ち位置になりますね。

西日本LED信号の見え方について

「GC-DR1」「DRV-610」のフレームレートは27.5fpsですが、ケンウッドの27.0~27.5fpsモデルの60Hzの西日本エリアでのLED信号の見え方は以下の通りとなります。

ドライブレコーダーのLED信号対策のまとめ
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「GC-DR1」「DRV-610」の駐車監視の仕様

「GC-DR1」「DRV-610」の駐車監視の仕様は、内蔵バッテリーによる15分間の「動体検知+衝撃検知」、または常時電源ケーブルを使用して車のバッテリーから給電を行う「動体検知+衝撃検知」となります。

指定の常時電源ケーブルは以下の「CA-DR150」となります。

ドライブレコーダーの駐車監視の配線方法について解説
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こちらのケーブルでタイマーとカット電圧の設定を行い、駐車中にもドライブレコーダーに給電を行います。

①タイマー設定(6時間・12時間・24時間)

②カットオフ電圧(12.0V・12.2V・12.4V・12.6V)

③電源のオン・オフのスイッチはない

 

駐車監視の運用については、エンジンオフで5分以上振動を検知しない状態が続くと自動で「動体検知+衝撃検知」の駐車監視モードに入り、エンジンオンで一定時間以上の振動を検知すると走行中の録画モードに戻りますので、基本的には駐車監視を行う際の操作は不要です。

ただし、駐車監視から復帰する際にはHVやEVなどでは充分な振動が検知されず、数分間は動体検知録画を継続してしまう事があります。(手動で解除すれば問題ないですが)

また、駐車監視中の衝撃録画に関しては復帰時に特にアナウンスがある訳ではありませんので、事前に車の外装に異常がないか確認する必要があります。

この辺りの仕様は後継モデルの「DRV-630」も同様ではあるのですが、「DRV-610」が駐車監視の面で優れているのはサポートされているmicroSDカードの容量が128GBであり、より長時間の録画が可能である点となります。

①「DRV-630」「DRV-W630」の駐車監視時の最大録画時間~20分または20ファイル(32GB時)

②「GC-DR1」「DRV-610」の駐車監視時の最大録画時間~56分または80ファイル(128GB時)

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なお、iCELLなどの外部電源を使用しての駐車監視も可能です。

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「GC-DR1」「DRV-610」の安全運転支援機能

「GC-DR1」「DRV-610」には以下の3つの安全運転支援機能が搭載されています。

①前方衝突警告

②車線逸脱警告

③発進遅れ警告

 

ただし、精度に関してはイマイチで実用性は低いです。(以下記事で他社モデルの安全運転支援機能と比較)

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仕様外のmicroSDでの録画・再生状況

「GC-DR1」「DRV-610」は128GBまでのmicroSDカードがサポートされていますが、以下の200GBのについてはドラレコメニューからのフォーマットが可能で、1時間の録画・再生に問題は認められませんでした。

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地デジへのノイズの影響について

地デジへのノイズの影響については、フルセグがギリギリで映る場所での電源のオン・オフで影響は認められませんでしたが、車種やカーナビの種類、アンテナの位置などで影響が出る事もあるかも知れません。

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ファイルの録画形式と再生方法について

「GC-DR1」「DRV-610」の録画ファイルの形式は「MP4」、動画のコーデックはH.264、ビットレートは14,000kbps程度です。

ドラレコでの再生

「GC-DR1」「DRV-610」の液晶サイズは横長の2.7インチですので、通常のドラレコと比べると動画の視認性は良好です。

以下、2インチ正方形の「DRV-340

専用ビュワーでの再生

パソコンでの再生については、以下の専用ビュワーで地図やGセンサー情報などの表示が可能です。

■ ROUTE WATCHERⅡ

主な機能は以下の通りです。

①地図の表示

②Gセンサーグラフの表示

③速度表示

④再生速度の変更(1/4~2倍速)

 

拡大縮小は出来ません。

余談ですが、おそらくパイオニアのminiUSBモデルと同系列の工場を使用していると思われ、ビュワーソフトはパイオニアのものも使えます。

■ パイオニアビューアーソフト「Driving Viewer」

こちらは地図がGoogle Mapではなく、インクリメントPの物を使っているような気がしますが、ビュワーとしてのデザインや機能面はほぼ同じです。

パイオニアの「ND-DVR10」が2016年2月に発売された時は「ケンウッドのパクリ!」的な見方をされており、このビューワーも存在しなかったのですが、パクリというよりもケンウッドの企画も中国の工場手動である可能性がありますし、両社ともにもともとドラレコのノウハウを持ってない状態からブランド力に頼って勝負に出た筈なので、似てしまうのも分かりますね。(笑)

因みにパイオニアのビュワーは部分拡大機能があるので、こちらの方が使い易いかも知れません。

PC汎用ビュワーでの再生

PCの汎用ビュワーでの再生に関しては、Win 7→10にアップグレードしたPCのメディアプレイヤー12で可能でした。

スマホでの再生

スマホでの再生については、iPhone 7で以下のガジェットを使用し、動画・音声の再生が可能でした。

iPhone、iOS端末でドラレコの動画を再生する手順について解説
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モバイルバッテリーでドラレコの駐車監視をする方法について解説
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android端末の場合には内蔵microSDスロット、または市販のカードリーダーを使用しての動画・音声の再生が可能でした。

ドライブレコーダーの動画の見方、8つの再生方法のまとめ
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※スマホでの再生はメーカーのサポート範囲外です。

「GC-DR1」「DRV-610」の総評

「GC-DR1」「DRV-610」はベースが2016年の型落ちモデルである為、ドラレコ市場全体から評価すると微妙な感じになります。

高解像度モデルに求められるナンバー認識精度は最低ランク、夜間の視認性も最低ランクです。

モデル録画視野角ナンバー認識白潰れ耐性夜間明るさナンバー反射
DRV-830★★★★★★★★★★★
DRV-610★★★★★★
DRY-ST7000c★★★★★★★★★
DRY-WiFiV5c★★★★★★
TA-011C★★★★★★★
GoSafe 520★★★★★★
f520g★★★★
DR02J★★★★★

従って他社のモデルを視野に入れた場合には積極的におすすめ出来るものではないという事になります。

ただし、ケンウッドのブランドにこだわりがある方、過去にケンウッドのドラレコを使用していて操作性などの愛着がある方は、同社の他の現行品と見比べて検討してみる価値はあると思います。

録画視野角の部分では仕様表通りではないものの、現時点では最上位の「DRV-830」に次ぐものとなっており、「DRV-830」は駐車監視は衝撃検知のみとなりますので、ケンウッドのドラレコで長時間の駐車監視をしたい場合には「GC-DR1」「DRV-610」がおすすめという事になりそうです。

(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣

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コメント

  1. MAQ より:

    新車購入を期にドラレコ購入を検討しており調べていたところ辿り着きました。基本的なところから、様々な角度からレビューされているので非常に勉強になりました。
    その上で、少し教えて頂けたら助かります。

    DVR-610の駐車監視機能はCA-DR150を利用することで長時間の録画が可能とのことですが、当製品では任意に駐車監視機能をOFFにすることは可能でしょうか。自宅の立体駐車場では駐車監視機能は必要せず、バッテリー保護のためにもOFFにできれば良いと考えています。

    お手間取らせてしまうかも知れませんが購入の参考にしたいと思っております。宜しくお願い致します。

    • ドライブレコーダー専門家 LaBoon!!編集長 鈴木朝臣 管理人Omi より:

      MAQ様、DVR-610についてはドライブレコーダーの電源を長押しして電源をオフにするか、駐車録画の設定をオフにすることでご要望の対応が可能かと思います。

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