※2019年3月1日更新~「DRV-240」と同一モデルであるJVCの「GC-DK3」について追記しました。
ケンウッドから2019年モデルドライブレコーダーの第一弾、エントリースタンダードクラスの「DRV-240」「DRV-340」が発売されています。
同社のこのクラスのドライブレコーダーには「DRV-230/320/325」がありますが、概ねこの系統の後継といえる特徴を持っているようです。
まぁ…、個人的にはかなりガッカリなモデル更新である印象ですが、とりあえず「DRV-240」「DRV-340」の特徴を見て行きましょう。
なお、ケンウッドお会社としての正式名称は「JVCケンウッド」ですが、この会社が持っているブランドには「KENWOOD」以外にも「JVC」というおそらく家電量販店向けのブランドがあり、「JVC」ブランドでも「GC-DK3」という型番で同一製品が販売されています。(おそらく「GC-DK3」についてはネットでは出回らないような思います…出ていても高い!)
「DRV-240」「DRV-340」「GC-DK3」のスペックと特徴
「DRV-240」「DRV-340」「GC-DK3」のスペックは以下の表の通りです。
DRV-240/GC-DK3 | DRV-340 |
---|---|
19.02発売 | |
1920×1080/27.5fps/HDR | |
録画視野角 水平100° | |
microSD付属16GB/最大32GB | |
GPS非対応 | GPS内蔵 |
駐車監視機能 | |
衝撃検知+動体検知/自動起動 | |
内蔵バッテリー25分 | |
専用ケーブル CA-DR150 |
|
「ドライブレコーダーの持込取り付け」が出来るお店 |
※「GC-DK3」はGPSの「DRV-240」と同一のスペックとなりますが、本体のカラーが黒/ダークブランと若干異なる模様です。
見た目のスペックやレンズのF値、イメージセンサーのサイズや画素数などは先代の「DRV-230/320/325」と同様です。
録画視野角なども全く同じですので、中身はいじってない可能性がありますね。
異なる点は、マウントと筐体のデザイン変更によりレンズとフロントガラスとの距離が近くなる事でダッシュボードの映り込みが軽減される点と謳われています。
microSDカードの録画時間などは先代と変わらないので、おそらく内部のハードウェアとソフトウェアともに何も変わっていない可能性はありますね。(予測ですが)

おそらく…ですけど、偏光フィルターなどを使用しない限りダッシュボードの映り込みの軽減はそれほど期待出来ないのではないか?と考えています。(過去の経験上とある程度のシミュレーションをしてみた結果)

「DRV-340」のセット内容とデザイン
今回はGPS内蔵の上位モデル「DRV-340」を購入して、先代の「DRV-320」と比較する事にしました。
セット内容は以下の通りです。
①ドラレコ筐体
②マウント
③シガー電源ケーブル
④16GBのmicroSDカード
⑤取扱説明書
「DRV-320」と比較すると、デザインはスタイリッシュになりましたね。
そもそも「DRV-320」がぼってりしてマウントが突き出たブサイク野郎?だったので。(笑)
液晶サイズは全く同じです。
地味な変更点ですが、側面の操作ボタンのサイズ変更と周辺カバーとの凹凸が大きくなった為、操作性は「DRV-320」よりも向上しています。
車内で操作する際には運転席側から見て右側のボタンを手探りで押す事になるのですが、「DRV-320」についてはボタンが小さく凹凸も小さかった為、これは充分評価に値する改善ポイントだと思います。
サイズ的には余裕でミラー裏に隠せますし、「DRV-320」ほど手前にせり出てこないので取り付けの際の汎用性は高いと言えますね。(ミラーに干渉しにくい)
「DRV-340」のインターフェイス
「DRV-340」のインターフェイスは「DRV-320」と全く同じでスタンダードなボタン操作のツリー式です。
操作性が特別に優れている訳ではないですが、メニュー横に操作ボタンの役割が表示されていますので、ガジェット系が苦手な方でも触ってみれば操作方法は理解できるかと思います。
「DRV-340」の画質について
「DRV-340」の画質については以下のポイントを「DRV-320」と比較しました。
①録画視野角
②昼間のナンバー認識精度
③昼間の白飛び耐性
④夜間のヘッドライト反射時のナンバー認識精度
⑤夜間の明るい場所での見え方
⑥夜間の暗い場所での見え方
⑦ダッシュボードの映り込み程度の比較
結論から言うと全ての項目で「DRV-320」との差は認められませんでした。
録画視野角は水平100°で最近のドラレコとしてはやや狭い部類に含まれます。
昼間のナンバー認識精度は最近のフルハイビジョンクラスのドラレコのなかでは、やや劣る部類に含まれますね。
「DRV-340」はHDR対応モデルですが、昼間の白飛び耐性についてはドラレコ全体から見ると高い方、HDR対応モデルの中では標準クラスと言ったところです。
夜間のヘッドライト反射時のナンバー認識精度は、WDR系のモデルに比べると高い方ですが、完全に反射した状態ンなると読み取り不能になります。
明るい場所、暗い場所ともに光量が絞られて暗めに映るのが「DRV-340」、「DRV-320」の特徴です。
「DRV-340」の最大のセールスポイントである、ダッシュボードの映り込みについてはやはり事前の予測通り体感できるほどの効果は認められませんでした。(各動画を参照して比べてみて下さい)
なお、「DRV-340」と全く同じ画質である「DRV-320」については以下記事で多数の同クラスのモデルと画質の比較を行っています。

また、ユピテルの超広角の最新エントリーモデル「DRY-ST1700c」とは以下記事にて画質の比較を行いました。

西日本LED信号の見え方について
「DRV-240」「DRV-340」「GC-DK3」の日本エリアでの撮影は実施していませんが、ケンウッドの27.0~27.5fps機のLED信号の見え方は以下のようになります。
「DRV-240」「DRV-340」「GC-DK3」の駐車監視の仕様
「DRV-240」「DRV-340」「GC-DK3」の駐車監視の仕様は、同社の動体検知モデルの系統と同様に、25分の駆動が可能な内蔵バッテリーまたは常時電源ケーブル「CA-DR150」を使用しての車のバッテリーからの常時給電を前提としています。
駐車監視のタイマーや電圧の設定は「CA-DR150」のディップスイッチで行い、以下の範囲で調整が可能です。
①タイマー設定(6時間・12時間・24時間)
②カットオフ電圧(12.0V・12.2V・12.4V・12.6V)
③電源のオン・オフのスイッチはない

ケンウッドの動体検知モデルの駐車監視の問題点は、動体検知+衝撃検知の録画を行う点は良いのですが、これらのファイルが一律で「パーキングフォルダ」に保存されてしまい、イベント扱いされない点です。
これの何が問題か?と言いますと…
駐車監視優先のmicroSDの領域割り当てを行ったとしても、動体検知と衝撃検知を合わせた録画時間は、サポート範囲内の最大容量のmicroSDカードを使用したとしても15分だけしかないので、そこそこ長時間の駐車監視を行うと、当て逃げ動画が上書されてしまう可能性があります。
これは3年位前からずっとこの仕様なのですが、そろそろ見直した方が良いと感じますね。
コムテックなどは少々仕様が分かりにくくなっても、短いスパンで細かい仕様変更を入れて来ますので、こう言った部分がここ2年くらいのドラレコマーケットでの盛大な逆転劇に繋がってると思うのですが…。(ケンウッド転落、コムテック・ユピテル浮上)
外部電源を使用した駐車監視について
ドラレコ専用の外部バッテリーiCELLを使用した駐車監視の駆動予想時間はこちらの通りです。
iCELL | B6A | B12A | B40A |
---|---|---|---|
容量 | 76Wh | 153Wh | 422Wh |
駆動時間 | 33時間 | 66時間 | 164時間 |
満充電 | 50分 | 100分 | 150分 |
仕様外のmicroSDでの録画・再生状況
「DRV-340」は32GBまでがサポート範囲となっていますが、以下のmicroSDカードではドラレコメニューからフォーマットが可能で、1時間以上の録画・再生に問題は見られませんでした。

地デジへのノイズの影響について
地デジへのノイズの影響については、フルセグがギリギリで映る場所での電源のオン・オフで影響は認められませんでしたが、車種やカーナビの種類、アンテナの位置などで影響が出る事もあるかも知れません。

ファイルの録画形式と再生方法について
「DRV-340」の録画ファイルの形式は「MP4」、動画のコーデックはH.264、ビットレートは11,000kbps程度です。
ドラレコでの再生
「DRV-340」の動画の再生はメニューから簡単に出来ますが、液晶が2インチと小さ目なので動画は見易くありません。
本体が小振りなのは良いんですが、動画が再生される領域もかなり狭くなるんですよね。
専用ビュワーでの再生
パソコンでの再生については、以下の専用ビュワーで地図やGセンサー情報などの表示が可能です。(GPSなしの「DRV-240」「GC-DK3」については地図は出ないか思います。
なお、PC画面のスクリーンショットは動画部分が真っ黒になってしまいましたので、モニター画面をスマホのカメラで撮影しました。
主な機能は以下の通りです。
①地図の表示
②Gセンサーグラフの表示
③速度表示(「DRV-340」のみ)
④再生速度の変更(1/4~2倍速)
拡大縮小は出来ません。
余談ですが、おそらくパイオニアのminiUSBモデルと同系列の工場を使用していると思われ、ビュワーソフトはパイオニアのものも使えます。
■ パイオニアビューアーソフト「Driving Viewer」
こちらは地図がGoogle Mapではなく、インクリメントPの物を使っているような気がしますが、ビュワーとしてのデザインや機能面はほぼ同じです。
パイオニアの「ND-DVR10」が2016年2月に発売された時は「ケンウッドのパクリ!」的な見方をされており、このビューワーも存在しなかったのですが、パクリというよりもケンウッドの企画も中国の工場手動である可能性がありますし、両社ともにもともとドラレコのノウハウを持ってない状態からブランド力に頼って勝負に出た筈なので、似てしまうのも分かりますね。(笑)
因みにパイオニアのビュワーは部分拡大機能があるので、こちらの方が使い易いかも知れません。
PC汎用ビュワーでの再生
PCの汎用ビュワーでの再生に関しては、Win 7→10にアップグレードしたPCのメディアプレイヤー12で可能でした。
スマホでの再生
スマホでの再生については、iPhone 7で以下のガジェットを使用し、動画・音声の再生が可能でした。


android端末の場合には内蔵microSDスロット、または市販のカードリーダーを使用しての動画・音声の再生が可能でした。

※スマホでの再生はメーカーのサポート範囲外です。
「DRV-240」「DRV-340」「GC-DK3」のの総評
まとめると、「DRV-240」「DRV-340」「GC-DK3」のドラレコとしての基本性能と機能は「DRV-320」と全く同じとなります。
マウントや本体デザインの変更により、ダッシュボードの映り込みが軽減されるとの触れ込みでしたが、この部分は全く効果は体感出来ませんでした。
その他の部分でデザインがスタイリッシュになった、ボタンが大きくなり操作性は向上した、などの改善ポイントはありますので、確かに「DRV-325」よりは良いモデルではあると思うのですが、基本設計は2016年のままなんですよねぇ…。
なので他社のモデルと比べると性能的にやや厳しくなって来ているように思います。
ただし、既に旧系統の「DRV-230」「DRV-320」「DRV-325」は価格が上昇し、「DRV-240」「DRV-340」の方が安くなっていますし、そろそろ旧系統は正式なラインナップから消えそうですので、買うなら新モデルという事になりますね。
まぁ、何れにしてもケンウッドのこのグレードのモデルは、ブランドの安心感と操作の分かり易さを売りにしてきた部分があるので、特に2014~2015年モデルの「KNA」系からの乗り換えであればストレスなく移行出来るかとも思います。(敢えて大きくいじってないって部分もあるのかなと)
性能的にもう少し新しいものを…、という方は以下の記事をご参照下さい。

(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣)

コメント