※2024年3月23日更新:最新の情勢に合わせて内容を見直しました。
こんにちは!ドライブレコーダー専門家でLaBoon!!編集長の鈴木朝臣です。
後付けのスマートミラー(デジタルインナーミラー)は5~6年位前に中国メーカーのAUTOVOX製品がamazonでデビューしたのを皮切りに、続々と後発の中国メーカー・商社が市場に参入、オートバックスやイエローハットでも中国製の製品が販売されて久しいですが、日本のメーカーの製品は、価格や品質面で折り合いがつかなかったのか、ユーザーからの要望が多かったにも関わらず発売されていませんでした。
ところが2021年に入ってこの流れが一気に変わり、2024年の2月時点ではケンウッド・セルスター・コムテック・アルパインの4社の製品が既に発売済みとなっており、LaBoon!!では既にこのうち4社の製品をレビューを実施しています。
そこでこの記事では、従来から人気のあるMAXWIN、NEOTOKYOに加えて、ケンウッド・セルスター・コムテック・アルパインのスマートミラーについてそれぞれの特徴を解説します。
高性能・高機能型の独自のスマートミラーを得意とするMAXWIN
MAXWINは大阪にある中国のカーエレクトロニクス製品を企画・販売するメーカー(商社)です。
スマートミラーに関しては一時期は中国メーカーのAUTOVOXと工場を共有していましたが、その後はNEOTOKYOやAKEEYO、PORMIDO、JADO、Changerなどと共有していた工場の生産品も販売しています。
日本のメーカーであるがゆえ、単純な同一製品の値段戦では中国メーカーのamazon直販に対しては分が悪く、最近では他社に真似できない独自企画のAndroid OSで動く拡大縮小が可能な高性能・高機能型スマートミラーの販売に力を入れています。
※因みに拡大・縮小の企画は私が持ち込んでます。(企画料無料で…その分商品をLaBoon!!読者に配る、コラボ企画で保証期間を追加、などのご協力を頂いてます)
なお、ここの会社の製品はメーカー直販以外にも、間に様々な業者が入ってamazonや楽天などで販売されていますが、特にアマゾンのレビューの低評価が目立つ製品が多いのが特徴です。
ただし、amazonから桜レビューを排除した場合、どこもこう言う評価に落ち着くのではないかな?という見方も出来ます。
そもそもドラレコにおいては、サクラレビューなしで★が4を超える事自体がおかしいです。
私は販売側の事情も知ってますし、ほとんどの中華メーカーはレビュー投稿で○○をプレゼント、などの規約違反に当たる行為を行っているのが実情です。
なお、MAXWINについてはサポートメールの返信がない、などの問題点の報告を私のところに頂く事もありますが、改めて調査したところ、迷惑フォルダに入ってたという結果が多いようです。
また、MAXWINはドラレコ専業ではなく、様々な工場で生産された目先の新しいカーエレクトロニクス全般を販売するビジネスモデルを採用していますので、同じものを長く販売するNEOTOKYOやAUTOVOXなどと比べると、取扱う製品の品質にバラツキが出易い傾向にあります。
多くの品種で新しい製品を扱うビジネスモデルですので、仕組みとして突き詰めて考えるとサポートの精度が落ちて然るべきだと思います。
個人的な感覚では商品ごとの当たり外れが大きい印象ですが、外れの商品はLaBoon!!ではレビューしても悪影響しかないのでレビュー自体を公開せずにボツにしています。
その一方で当たりの商品は突き抜けて優秀な為、拡大縮小が可能な「MDR-A001」、その後継機の「MDR-A002」、ディーラ―向けの品質重視の「MDR-PRO01」などは、全てのドラレコの中で最もおすすめの機種として取り扱っています。
MDR-PRO1の純スマートミラー版 LMR-001はこちらをクリック
また、貼付け型のスマートミラーでは、360°+2カメラモデルの「MDR-I002」や、拡大・縮小が可能な「MDR-C012」などがおすすめです。
※仕事柄、スマートミラーのサンプル提供や、自己購入も多いですが、こちらで所有している4台の車には、全てMAXWINのスマートミラーを取り付けて運用しています。
最近は大幅に画質が進化したNEO TOKYO(モジ)
日本のメーカーとしては、NEO TOKYOのブランドでスマートミラーやヘッドアップディスプレイなどを展開する東京都渋谷区にあるモジというメーカーが挙げられます。
こちらはMAXWINとは対極にあるビジネスモデルを展開しており、売り方が上手な会社という印象です。
スマートミラーにおいては、以前は扱っている製品自体は他社との差別化という観点で微妙なものが多かったのですが、最近ではオリジナリティが強い製品が中心となっており、商品での差別化も進んで来た印象です。
また、直近に発売されたミラーカム3「MRC-2024」では、純正ミラー貼付型のスマートミラーとしては、私が知るか限りでは初のディスプレイの高輝度化に手を付けた製品で、2024年1月時点では最高画質のスマートミラーとなっています。
また、一世代前の上位モデルのミラーカムPro2「MRC-3023」でも、3カメラモデルとしてドラレコ・スマートミラー画質が大幅に向上しており、弱点がほぼない仕上がりになっています。
取り扱い品目を絞り、クラウドファンディング・フェイスブック・Google広告などに出稿しまくる入魂の広告戦略、取り扱い品種が少ないゆえの充実したサポート体制により、高い知名度と信頼感を誇っていると言えるでしょう。
取扱い商品は中国メーカーの同クラスに製品の1.5~2倍以上の価格となっていますが、取り扱い品種が少ないゆえの充実したサポート体制には期待して良いでしょう。
広告費とサポートに物凄いお金を使ってるように見受けられるので価格が割高になる傾向もありますが、原則としてはサポート重視のユーザーにおすすめのメーカーです。
生産背景は中国メーカーのPORMIDO、JADO、Changerなど共通しているように見受けられますので、不良品率は変わらないかも知れませんが、不良品を引いた後のサポートがしっかりしてそうな印象です。(耐久性を上げる為の独自設計を取り入れているそう)
2024年1月の時点での主力製品は以下の通りです。
3年保証で画質が良いコムテック「ZDR048」
コムテックはドラレコ国内シェアNo.1の人気メーカーですが、韓国メーカーの「EMT OMEGA」によるOEM品を中心に展開しており、2024年3月現在で販売されているミラー貼り付けタイプの前後セパレートカメラスマートミラーである「ZDR048」もおそらくこのメーカーのOEM品の様に見受けられます。(韓国製)
コムテックのドライブレコーダーの中でも、この「EMT OMEGA」によるOEM品と見られる製品群は強いHDR補正による逆光補正に優れた製品が多く、「ZDR048」も同様の特性となっている上、3年保証となっている事から、大手日本メーカーのケンウッド・セルスターと合わせた3社の中では最もおすすめし易い製品となっています。
ケンウッドのミラー貼り付けタイプ「DRV-EM4800」
ケンウッドの2023年モデルの「DRV-EM4800」は同社としては第二世代に当たるスマートミラーです。
第一世代の「DRV-EM4700」は最低評価の駄作でしたが、後継の「DRV-EM4800」ではほぼ全ての問題が解決されています。
NEOTOKYOのミラーカムなどと比べても、ディスプレイの明るさや夜間の明るさなどの面で勝っていると言う印象ですので、先代の「DRV-EM4700」から大幅に画質が改善され、貼付型のスマートミラーとしては、ほぼ最高画質と言えるでしょう。
日本製3年保証が心強いセルスター「CS-1000SM」「DM-10」
セルスターから販売されているスマートミラー「CS-1000SM」「DM-10」の2機種は付属するmicroSDカードの容量で差別化された販売店違いの製品です。
統計的なデータを持っている訳ではありませんが、スマートミラーは通常のドラレコに比べると発熱し易い構造になっている為、故障のリスクも高くなる可能性があります。
中国メーカーのスマートミラーは1万円台前半から2万円台前半が主力となっているのに対して、日本メーカー製はその2~3倍の価格帯となっている事から、故障した時のリスクも非常に大きいものになります。
その点、セルスターのスマートミラーは日本の工場で組み立てを行った事による、安心の3年保証が最大の魅力となっています。
おそらく企画・設計・開発は韓国系のメーカーかと思いますが、韓国系のドラレコメーカーって凄く品質重視で保守的なんです。
少し前に韓国メーカーの話を聞いたところ、スマートミラー型が通常のドラレコと比べると熱を持ちやすく、ガチガチに3年保証とかをやると相当価格を上げないと割に合わないから作りたくないと言ってました。
「CS-1000SM」「DM-10」の2機種は純正のルームミラーに貼り付けるタイプではありますが、機能面では3社の中で最も充実しており、ミラーディスプレイに映し出される映像の拡大・縮小表示が可能となっています。
スマートミラーは純正ルームミラーと比べると視野角が非常に広く、広範囲の状況が把握できる点が魅力ではあるものの、その反面距離感が掴みにくくなるというデメリットもありますので、この製品の映像の拡大・縮小機能は非常に実用性の高い差別化機能であると言えます。
※映像の拡大・縮小機能はMAXWIN「MDR-A001」でも実装
ただし、機能や画質面ではタッチパネル操作に対応していない、画面が暗い、ヘッドライドの白飛びに弱いなどの問題点も目立ちます。
とは言え、日本メーカーによる日本製の3年保証である点と機能面での優位性を考慮した場合、この4社の中では視野角重視であれば最もおすすめなのがセルスターの製品になります。
純正交換式で車両との一体感重視のアルパイン
アルパインのスマートミラーは車種専用の純正ミラー交換式で、こちらの車種専用となっています。(中国製だと思います)
デザイン的にはスマートミラーとしては珍しい逆台形型で、車種専用の取り付けアームやリアカメラカバーが用意されています。
見た感じではMAXWINの「MDR-C003系」などを生産している工場の製品に近いです。
※アルパインのOEM生産をしている、中国の工場の子会社の製品は過去にレビューした事がありますが、親会社がどこであるかは分かりません。(悪い工場でななさそう)
スマートミラーとしての機能的な部分では以下のような評価となっています。
スマートミラーとしての画質は、全体的に白味掛かる傾向があり、フレームの構成が通常のスマートミラーとは異なる為、やたらとカクついて見えるのが気になりました。
ただし、ケンウッドやセルスターなどの製品と比べると、昼夜ともに見易い映像となっており、コムテックの「ZDR038」ほど視野角も広くない為、この4社の中では「DMR-M01R」が最も高画質と言えます。(カクツキと白っぽさに目をつぶれば)
一方で「MDR-A002」と比較した場合には、30fpsのフレームレートと半分以下の負荷しか掛かっていないにも関わらず、ほぼ全ての評価項目で「MDR-A002」を下回る結果となっています。
従って大手メーカーの製品にこだわるがある方以外には「MDR-A002」の方をおすすめします。
※「DMR-M01R」はセカンドロット以降も駐車監視の不具合などが出ており、ファームウェアが実装されています。ある程度確立された仕様である筈なのに、不具合が多い印象です。
なお、本製品には既に後継機が発売されていますが、こちらは未テストです。(車種の汎用性が改善されただけでm画質面では大きくは変わらないと予測)
まとめ
以上、2024年3月時点での日本のメーカー製のスマートミラーの特徴について解説しました。
最近は画質だけでなく、保証期間で差別化しているメーカーも増えて来ていますので、選択肢の幅が広がりましたので、その辺りも考慮して製品を選ばれると良いでしょう。
単純に画質だけで選ぶなら、純正ミラーに被せるタイプはNEOTOKYOのミラーカム3「MRC-2024」、純正ミラー交換式ならMAXWINの「MDR-A002」がおすすめです。
コメント
こんにちは!
プラド150系後期にスマートルームミラー型ドラレコをつけたいと思っています。
MDR-E001を検討中ですが、電波干渉が気になっています。
また、最近MDR-C 005が発売され、そちらが付けれるならミラー交換で付けることも考えてます。
プラドに付けるならコレがおススメ!ってありますか?
プラドマン様
MDR-E001はこちらでは未検証なのですが、ノイズが強いとの報告がありますね。
今手元にこちらの製品が届いたところですので、ひょっとするとこっちの方が良いかも知れません。月末までにはレビューアップ出来ると思います。
https://car-accessory-news.com/ya-350/
MDR-A001Bの動作が不安定になりZDR038に付け替えました。
地デジのノイズが明らかに減ったこと、死角になりやすい斜め後ろの車の動向は見えて便利なのは良かったのですが、確かに距離感は少し掴みづらい感はあります。
またGPS測位によるあやふやな速度表示がオフに出来ないこと(正確な時計はオフにできるのに)、カメラの形状的都合からレンズをガラスに密着させられないためヒーター線がめちゃくちゃ映り込むなど改善の余地は多い印象です。
MDR-A001Bの後継機種が出たら検討してみたいところです。
ゆう様
MAXWINさん自体がMDR-A001Bに対しての現時点の評価をしていないと思うので、次はないような気がします。
MDR-A001Bの拡縮の企画も私が提案したものですし、OEM工場からの進化版の提案もなさそうな雰囲気ですね。
初歩的な質問で恥ずかしいのですが
質問させてください!
セルスター
コムテック
購入迷ってます
24時間監視するわけではなく
駐車中でのドアパンチ、当て逃げ等々があった場合のみ録画したいのですが
製品自体のGセンサーで可能でしょうか(^-^)?
それとも
オプションの
駐車監視機能を取り付けないと
不可能でしょうか?
たてがわ様
コムテック・セルスターの製品は、オプションの駐車監視用ケーブルがないと、駐車監視モードの起動が出来ないですね。
常時録画モードと駐車監視モードでは衝撃感度が違います。
返信ありがとうございます!
ということは
Gセンサーのみだと
衝撃で録音は可能だが
効果は薄いということで
よろしいでしょうか(-_-)?
たてがわ様
外部バッテリーと合わせて使用する前提で、走行中の常時録画モードを継続した場合、感度が低いのでイベント録画がされない可能性があります。
常時録画データを見るから問題ない、と考えるのであればOKですが。
今回デジタルインナーミラードライブレコーダーの購入を検討しており、機種選定に関して個別の製品での詳細な評価が非常に役立っております。さて早速ですが、このサイトでの評価からMAXWINのMDR-A002Bの購入を予定していたのですが残念ながら取り付け対象車に該当せず取付できないとのことで他製品(ゴムバンドで固定する汎用性の高い商品)への変更を余儀なくされました。そこで次に選考対象になったのが、同じMAXWINのMDR-C012Bです。昼間の明るさ・夜間のライトの防眩効果などが気になりますが、同じMAXWINの他製品(MDR-C10B5)などと比較してどうでしょうか?また最近も話題になっているNEOTOKYOのミラーカム2との比較では明るさ・夜間の防眩効果はどうでしょうか?当初は国産製品(コムテック・セルスター)も検討項目に入れていたのですが、画面の明るさや防眩効果が弱い印象があります。どうぞご指導くださいませ。
ひろぶん様
ざっくりとした印象では
MDR-C012=C010>ミラーカム2ですね。
こんにちは
今度発売されるMDR-G014とミラーカム3どちらをつけるか迷っています。どちらも金額含めて良い製品だと思うのですが、どちらがおすすめですか?
明るさ重視ならミラーカム3ですね。
https://car-accessory-news.com/mrc-2024/
お返事ありがとうございます。
ミラーカム3にしてみます。