実機レビュー HDR対応の改良版!スマートミラー型ドラレコ MAXWIN「MDR-C004B3」

※2020年6月2日更新~実機レビューを追記しました。

こんにちは!ドライブレコーダー専門家の鈴木朝臣です。

MAXWINの「MDR-C004」は2019年夏に発売されている前後フルハイビジョンの9.88型スマートミラーですが、秋以降には業界全体での大型液晶化、右レンズ化、HDR化の波にのまれて微妙な立ち位置になってしまいました。

今回発売されている「MDR-C004B3」は「C004」の前後カメラにSONYの夜間特化型STARVISイメージセンサー「IMX307」を搭載し、リアカメラはHDR対応となった改良モデルのようです。

「MDR-C004B3」のスペック

「MDR-C004B3」のスペックは以下の表の通りです。

MDR-C004B3
9.88型IPS液晶
フロント:1920×1080/27.5fps
リア:1920×1080/25fps
LED信号対応
レンズ視野角
フロント:水平118°
リア:水平102°
リアカメラケーブル10m
microSD付属なし/最大128GB
GPS外付け付属
駐車監視モード
動体検知/自動起動
衝撃検知/自動起動
専用ケーブル
MDR-CCAB01
「ドライブレコーダーの持込取り付け」が出来るお店

仕様表に記載されている内容は「MDR-C004」と全く同じですので、おそらくレンズはそのままでイメージセンサーを「IMX307」に換装したものと考えられます。

「MDR-C004」はもともと元祖スマートミラーのAUTO VOX「X1/X2」を生産していた工場の製品の筈ですが、昨年秋から猛威を振るっているHDR対応品はこの工場とは別のところから出て来ており、AUTO VOXについても最新の「V5」「V5 Pro」はこことは違った工場で生産しているように見受けられますので、この工場から出てきたHDR対応品は私も初見になります。

また、駐車監視の方式も動体検知をサポートしている筈なので、HDR補正の味付け次第では駐車監視向けのスマートミラーとしての立ち位置を確保出来るかも知れませんね。

付属品とデザインについて

本機は過去に散々テストし尽くしたHDRリアカメラの10型液晶左レンズタイプですので、今回は動画での解説は行いません。

結論から先に申し上げると過去のテストで10型スマートミラーとしては最も評価の高かった、PORMIDO「PR992」の左レンズ・車内カメラ版と言った特性でした。(同じ工場、同じソフトウェアかと思います)

「MDR-C004B3」の付属品は以下の通りです。

①9.88型ミラー液晶

②リアカメラ

③リアカメラ接続アナログ4極ケーブル(10m)

④miniUSBシガーケーブル

⑤GPSアンテナ

⑥ゴムバンド

⑦ふき取りクロス

⑧ドラレコ前後録画ステッカー

⑨取付・取扱説明書

フロント筐体のデザイン

9.88型のフロント液晶は純正ミラーと比べるとやや大きめで、元の「MDR-C004」とフロント筐体のデザインは全く同じです。

サイズは下辺幅が270mm、高さが70mmで、純正ミラーは240mm×70mmですので、幅が10%程度広くなっています。

レンズ部分は左側でスライド式になっています。

液晶筐体にはボタン類は配置されておらず、操作は完全に液晶タッチパネルのみで行いますので、手動での電源OFFは出来ません。

上部には左からリアカメラ入力端子、GPS端子、microSDカードスロット、miniUSB電源端子が配置されています。

リアカメラのデザイン

リアカメラはマウントが一体化したコンパクトな円筒型で、サイドにアナログ出力端子が装備されています。

取付状況について

今回は初期型リーフに取り付けを行い、AUTO VOX「V5 Pro」とのフロントのドラレコ映像の比較を行う為に、純正ミラーではなく「V5 Pro」に被せてみました。

リアカメラ接続ケーブルは10mですのでミニバンなどの場合でも長さは足りるかと思います。

インターフェイスについて

「MDR-C004B3」の電源ONから録画開始までの起動時間は4秒程度で、2カメラドラレコとしては非常に速い部類に含まれます。

初期状態で画面に表示されている情報は、録画状態を示すアイコン・カレンダーの表示・方位計の3つの項目です。

これらの項目のうち、方位計のみが設定画面から表示を消す事が出来ます。

インターフェイスはAUTO VOXの初期の製品など同様でフリック・ドラッグ操作が滑らかな最も使い易いタイプで、画面の上下ドラッグで視点の変更、左右ドラッグで液晶明るさの変更が可能で、Aのアイコンをタップする事で明るさオートの設定のON/OFFとなります。

なお、録画解像度は2.5Kとフルハイビジョンの選択式ですが、イメージセンサー200万画素ですのでフルハイビジョンを超える解像度に設定しても精細感は上がらず、データサイズが大きくなるというデメリットしかありませんので、フルハイビジョンを選択しましょう。

スマートミラーとしての使い勝手について

スマートミラーとしての使い勝手については、単体使用のインプレッション(印象・感想)を述べた後に以下の3モデルとの比較結果を報告します。

①MAXWIN「MDR-C004」

②AUTO VOX「V5」

③AKEEYO「AKY-V360S」

※リアカメラは全て室内に設置

単体使用でのインプレッション

インプレッションは感覚的なのものですが、トンネルや屋内駐車場などでの白飛びの処理や、夜間の後続車両のヘッドライトの防眩能力の高さは現在主流になっているHDRモデル特有のもので、夜間の映像については市街地では充分な明るさ、暗い場所でもそれなりに明るく映るという印象を受けました。

なお、リアカメラのフレームレートは25fpsで、他のスマートミラーと同等ですが、25fpsというのは1秒間に25コマの画面の切り替わり速度の事です。

過去に何度か25fpsのカクツキ具合についてご質問を頂いているのですが、初めてスマートミラーを使う方だと私がそうであったように若干違和感を覚えると思いますが、慣れるとカクツキは感じなくなると思います。

一般的なモニター画面は1秒間に60回画面が切り替わる60Hzですので、25fpsと60fpsを比べると全く滑らかさは違いますが、スマートミラーとしての実用性とコストを考えると、今のところ25fpsは良い落としどころだと言えるでしょう

 

ミラーへの車内の映り込みの程度は他社モデルと同等でので、反射を避けるため、画面をオフにした状態で着座位置からリアガラスが見えるような角度には設置しないようにしましょう。

内装が光を反射し易い淡色系の車は映り込みがきつくなりがちですが、反射防止フィルムを使用すると映り込みが軽減されます。

スマートミラーの反射防止フィルムの効果を4つ比較テスト
...

視野角と後続車両との距離感

「MDR-C004B3」のスマートミラーとしての視野角は、標準的な水平110°程度です。

液晶サイズが12型の「V360S」と比べると一回り小さいので映っている車の大きさは同じですが、視野はやや狭くなります。

距離感の掴みやすさはスマートミラー全体の中では標準的なものとなり、平面鏡との見え方の比較は以下の通りです。

【平面鏡】

【C004B3】

昼間の逆光補正

昼間の逆光補正能力に関しては、最近のモデルの中でも比較的高い部類に入ります。

※こちらの映像は撮影側のカメラ性能のせいでどれも白飛びしてますが、実際の映像はドラレコ動画に近いものとなります。

【ドラレコ動画】

夜間の明るさ

夜間の明るさについては、市街地では明るい部分に合わせて絞りが強く入る為、暗めに映りますが実用中は問題のないレベルです。

実際の見え方はこちらのドライブレコーダーの動画に近いものとなります。

暗視能力について

暗視能力についてはそれほど高くなく、「C004」「V5」と同程度でした。

元になるドラレコ動画はこんな感じです。

後続車両のヘッドライトの見え方

後続車両のヘッドライトの防眩能力は、スマートミラーとして最も重視したいポイントです。

「C004B3」はHDRらしい補正が掛かっており、防眩能力が非常に高く仕上がっています。

ミラーを撮影した映像は派手に白飛びしてしまいますので、ドラレコ映像を見てみましょう。

ヘッドライトの防眩能力はスマートミラーとしては最も高い部類に入ります。

スマートミラーとしての見え方のまとめ

「C004B3」のスマートミラーとしての見え方をまとめると、過去に散々テストしてきた強防眩のHDRモデルとほとんど同じ見え方と言えます。

具体的な機種はこちらの通りです

・「AKY-X2/X2GR」「MDR-C006」「MDR-C007」「PR992」

軽自動車などのフロントガラスの面積が狭い車に12型の大型液晶のスマートミラーを取り付けると圧迫感が出る事もありますので、そう言った車におすすめの製品となります。

ドライブレコーダーの画質と機能・性能について

ドライブレコーダー画質は、以下のポイントについてAUTO VOX「V5 Pro」とフロントカメラの比較を行い、その他のモデルとはリアカメラの動画のみを比較しました。

①録画視野角

②ナンバー読み取り精度

③逆光補正能力

④夜間のナンバー読み取り精度

⑤夜間の明るさ

⑥暗視能力

フロントカメラの画質

フロントカメラの画質はAUTO VOX「V5 Pro」とのみ比較を行っています。

録画視野角について

録画視野角の実測値はドラレコとしては広めの水平124°程度でした。

ナンバー読み取り精度について

ナンバーの読み取り精度はフルハイビジョンクラスとしては標準的なレベルです。

トンネル出口での逆光補正について

トンネル出口での見え方は、白飛び・黒潰れとも「V5」よりも若干強めに出ている印象です。

夜間のナンバー読み取り精度について

先行車にヘッドライトの光が強く反射した状態でのナンバーの読み取りについても、「V5」と同様にほとんど不可能です。

夜間の明るさについて

夜間の明るさについては、いずれもSTARVISらしく市街地では最高クラスですが「C004B3」の方が全体的にやや明るめに映っています。

暗視能力について

街灯が少ない場所でのヘッドライトのみでの走行時と暗視能力についてはそこそこ高めですが、STARVIS機としては標準的なクラスとなり、暗視特化の特性ではありません。

リアカメラの画質

リアカメラの画質はこちらの3モデルと比較しました。

①MAXWIN「MDR-C004」

②AUTO VOX「V5」

③AKEEYO「AKY-V360S」

なお、リアカメラのドラレコ画像の一部がミラーにそのまま出力されていますので、スマートミラーの実際の見え方はドラレコ動画が参考になります。

 

録画視野角について

リアカメラの録画視野角は、ドライブレコーダーとしては標準的な水平110°程度です。

昼間のナンバー認識について

ナンバー認識精度についてはフルハイビジョンモデルの中では非常に高いものでした。

逆光補正について

トンネル内などの逆光補正については、どれも実用上は問題のないレベルですので、ドライブレコーダーとしてはあまり気にしなくても良いでしょう。

夜間の明るさについて

夜間の明るさに関してはスマートミラー機能で説明した内容と被りますが、市街地や後続車両がいる場合にはやや暗めに映ります。

暗視能力について

街灯がなく、後続車もいない状態では以下のような見え方となります。

フレームレートとLED信号の映り方について

「MDR-C004B3」のフロントカメラのフレームレートは27.5fpsですので、西日本・東日本の何れにおいても高速点滅して映るでしょう。

リアカメラは25fpsですので東日本で同期する可能性がありますが、後方ですので問題ありません。

ドライブレコーダーで信号は点滅して映った方が良い?
...

動画の再生方法について

「MDR-C004B3」の動画の再生については、ミラー液晶、PCの専用ビュワー、PCの汎用ビュワーでのテストを行いました。

ミラー液晶での再生

ミラー液晶での再生に関しては操作性は良好ですが、全画面再生は出来ません。

PC専用ビュワーでの再生

専用のPCビュワーのインストーラーはmicroSDカード内に自動生成されます。

ビュワーとしては使い易いですが、機能は必要最低限で前後の同期再生は出来ません。

機能をまとめると以下の通りとなります。

①前後同期再生~×

②前後個別再生~〇

③映像の拡大縮小~×

④地図への走行軌跡の表示~〇

⑤速度の表示~〇

⑥方位計の表示~〇

⑦Gセンサーグラフの表示~〇

⑧再生速度調整~×

⑨明るさの調整~×

PC汎用ビュワーでの再生

PC汎用ビュワーでの再生については、Windows 10のメディアプレイヤー、OSにデフォルトで搭載されているソフトでの再生も可能でした。

 駐車監視の仕様について

「MDR-C004B3」の駐車監視モードの録画方式は内蔵バッテリーによるエンジンOFF後の衝撃検知後の録画となります。

また、通電している状態で一定時間の振動を検知しない状態が続くと、自動で画面がOFFになった上、動体検知モードに入ります。

指定の専用ケーブルはこちらですが、付属のシガーケーブルと外部電源を組み合わせての動体検知も可能でした。

GPSで自動で駐車監視のON/OFF LaBoon!!企画のガジェット「iZONE」
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外部電源を使用した駐車監視の運用について

ドラレコ専用の外部バッテリーiCELLを使用した駐車監視の駆動予想時間はこちらの通りです。

iCELLB6AB12AB40A
容量76Wh153Wh422Wh
駆動時間16時間32時間79時間
満充電50分100分150分

ikeep「iCELL B6A/B12A」

ikeep「iCELL B40A」

 使用可能なmicroSDカードの最大容量

microSDカードのサポート範囲は128GBまでとなっていますが、以下の256GB以上のカードでの1時間の録画・再生に異常は見られませんでした。

■ サムスン512GB U3

1時間当たりのデータ使用量は10~11GB程度です。

偽物に注意!!ドライブレコーダーにおすすめのmicroSDカードは?
...

 地デジへのノイズ干渉について

「MDR-C004B3」の単体使用では、初期型リーフ+純正ナビの組み合わせで影響は確認出来ず、ミラー型のモデル2台の同時起動でアンテナが1本減りました。

ラジオへの干渉も確認出来ませんでしたが、車種やカーナビの種類、アンテナの位置で状況は変わる事がありますので結果は参考程度に捉えて下さい。

ドライブレコーダーのノイズ対策と、ノイズが少ないであろうドライブレコーダー
...

「MDR-C004B3」の総評

「MDR-C004B3」は過去にテストした9.88型液晶の右レンズ・車外カメラの「PR992」の左レンズ・室内カメラ版そのものと言った特性でした。

2019年後半以降はこのカメラ性能がスマートミラーのスタンダードとなっていますので、スタンダードなHDRリアカメラの左レンズ版となります。

軽自動車アドのフロントガラスの面積が狭い車で、右側のレンズの飛び出しが気になる方は左レンズの「MDR-C004B3」がおすすめです。

【右レンズ】

【左レンズ】

(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣

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