※2021年8月2日更新:記事下に15%割引クーポンあります。実機レビューを追記しました。
こんにちは!ドライブレコーダー専門家の鈴木朝臣です。
今回はナイトビジョンシステム、Lanmodo「Vast Pro」のレビュー依頼を頂いたので本製品の仕様について軽くまとめておきます。
なお、レビューについては報酬を貰ってのプロモーションではなく、こちらの定型のテスト方法で他社の製品と比較の上で機械的に公平に評価する、という条件を提示しご了承頂きました。
※ナイトビジョンシステムをレビューするのは今回が初めてなので、各機能ごとにスマートミラーやドラレコと比較を行う事になります。
- Lanmodo「Vast Pro」のスペックと特徴
- Vast Proのレビューの方向性について
- 「Vast Pro」の付属品とデザイン
- 電源ケーブル
- 「Vast Pro」の取付について
- 「Vast Pro」のインターフェイスについて
- 「Vast Pro」のナイトビジョンシステムとしての見え方
- 他社スマートミラーとの明るさの比較
- 「Vast Pro」のスマートミラーとしての見え方
- 「Vast Pro」のバックカメラとしての使い勝手
- 「Vast Pro」のドライブレコーダーの画質と機能・性能について
- 「Vast Pro」のフレームレートとLED信号の映り方について
- PCでの動画の再生方法について
- 駐車監視について
- 外部電源を使用した駐車監視の運用について
- 使用可能なmicroSDカードの最大容量
- 地デジへのノイズ干渉について
- 「Vast Pro」の総評
- 割引クーポン
Lanmodo「Vast Pro」のスペックと特徴
Lanmodo公式のプロダクトページを見ると、「Vast Pro」のスペックはこちらの通りとなっています。
Lanmodo Vast Pro |
---|
8.0型IPS液晶 |
フロント:1920×1080/25fps リア:1920×1080/??fps |
LED信号対応?? |
録画視野角 フロント:対角45° リア:対角170° |
リアカメラケーブル ??m |
microSD付属なし/最大128GB |
GPS非対応 |
駐車監視モード |
常時録画+衝撃検知/自動起動 |
駐車監視ケーブルはOBDタイプが付属 |
「ドライブレコーダーの持込取り付け」が出来るお店 |
この製品の主な機能なこちらの通りです。
この製品は超強烈な暗視能力により、夜間の走行中にヘッドライト照射範囲外の状況が見えるようになる点が最大のセールスポイントになります。
Vast Proのレビューの方向性について
今回はLanmodoさんから「Vast Pro」のサンプルをご提供頂きましたのでレビューを追記します。
レビュー概要や操作方法等については以下のレビュー動画でも解説しています。
なお、レビュー前に敢えて宣言しておきますが、私自身はこのようなナイトビジョンシステムの事故防止に対しての有効性については今までは懐疑的な見方をしていました。
それは、主に次の2つの理由からです。
このような背景から、今までこの手のナイトビジョンシステムのレビューには積極的ではなかった食わず嫌いである…という事、そして今回もサンプル以外の報酬を受け取ってのプロモーションではない事から、過去にVast ProのレビューをされたどのYouTuberさんよりも辛口レビューになるかも知れません。
ただし、誰よりも問題点にもスポットを当てたレビューになりますので、「Vast Pro」のセールスポイントと弱点をご理解頂いた上で購入の検討をして頂ければ、その性能に満足して頂けるのではないかと思います。
「Vast Pro」の付属品とデザイン
「Vast Pro」のセット内容はこちらの通りです。
・ダッシュボード用マウント
・フロントガラス用マウント
・リアカメラ(OP)
・リアカメラケーブル(8m)
・シガー電源ケーブル
・ドライバー
・128GBのmicroSD
・カードリーダー
・ネジ、両面テープ
・取付取扱説明書
フロント筐体のデザイン
フロント筐体は8型ディスプレイですので、普段見慣れているスマートミラーと比べるとやや小さく感じます。
ケーブルは電源用、リアカメラ用の分岐タイプが筐体下から伸びており、
マウントを固定する穴に固定ネジがハマっています。
microSDカードスロットも筐体下側面に装備されています。
この製品のディスプレイはタッチパネルではないので、筐体上部には6つの操作ボタンが配置されています。
マウント2種類
「Vast Pro」のマウントはダッシュボード用の粘着マウントと、フロントガラス用の吸盤マウントの2種類が付属します。
リアカメラのデザイン
リアカメラはOP扱いですが、見た目はAUTOVOXと同様のバックカメラタイプのデザインです。
8mのリアカメラの接続ケーブルは前後4PINタイプとなっており、リバース信号用の赤い入力線が出ています。
電源ケーブル
電源ケーブルはこちらのシガーケーブルと駐車監視用のOBDケーブルが付属します。
こちらのOBDコネクタからは3つのPINが出ていますが、このような構成となっている為、エンジンをOFFにしても走行時の常時録画が継続されます。
こちらで試した限りではカットオフ電圧は11.6Vで、電圧が11.6V以下になると即時に電力が遮断されます。
「Vast Pro」の取付について
今回はアクアのダッシュボード上に「Vast Pro」の取り付けを行いました。
リアカメラはリアスポ下に取り付けています。
アクアのダッシュボードはインフォメーションパネルの幅と盛り上がりが大きい為、この位置に取り付けるしかなかったのですが…
保安基準には前方2mの高さ1mの円柱が、運転席から直接視認出来なければならないと記載されていますので、アクアのこの位置に「Vast Pro」を取り付けて公道に出ると違法になる可能性が高いですし、違法の場合には車検にも通りません。
運転者席は、運転者が運転者席において、次に掲げる鉛直面により囲まれる範囲内にある障害物(高さ1m直径30cmの円柱をいう。以下同じ。)の少なくとも一部を鏡等を用いずに直接確認できるものであること。
ただし、Aピラー、窓拭き器、後写鏡又はかじ取ハンドルにより確認が妨げられる場合にあっては、この限りでない。
イ 当該自動車の前面から2mの距離にある鉛直面
ロ 当該自動車の前面から2.3mの距離にある鉛直面
ハ 自動車の左側面(左ハンドル車にあっては「右側面」)から0.9mの距離にある鉛直
面ニ 自動車の右側面(左ハンドル車にあっては「左側面」)から0.7mの距離にある鉛直面
アルファードの場合には保安基準を満たせそうですが
車種によってはこの基準を満たせなくなる事が多いと予測された事が、私が今までナイトビジョンシステムのレビューに積極的ではなかった最大の理由でもあります。
なお、「Vast Pro」にはフロントガラスに吊り下げる為の吸盤マウントも付属していますが、ルームミラー横にこのサイズの筐体を吊り下げるのもかなり邪魔で抵抗があります。
ダッシュボードとフロントガラスの隙間が小さいアクアの場合には、こんな感じになってしまいますのでこちらもあり得ない取り付け方になりますね。
なお、ダッシュボード用のマウントの粘着性は非常に高いので、アクアのようなダッシュボード表面の素材に凹凸ある場合にもしっかり固定出来ましたので、ほとんどの車で問題なく筐体の固定自体は出来るでしょう。
ダッシュボードに傾斜がある車の場合でも、ある程度の範囲でレンズの向きを上下左右に調整出来ますので問題はないと思います。(液晶画面の操作で映像範囲を調整する事は出来ません)
なお、太くなっているケーブルの接続部分が筐体に近い位置にありますので、この部分を目立たなくするには相当な工夫が必要でしょう。
筐体をマウントに挿した際の各部位の寸法はこちらの通りですので、自分の車に付くかどうか参考にしてみて下さい。
「Vast Pro」のインターフェイスについて
スマートミラーでは静電式のタッチパネル操作が当たり前になっていますが、「Vast Pro」は6つのボタンによる操作になります。
メニュー自体は分かり易いのですが、ボタンの数が多い上に液晶画面にボタンの役割が表示される事もないので、どれがどのボタンなのか良く分からなくなりそうです。(GPS機能はありませんので、カレンダーの設定が必要)
②前後カメラの映像切り替え
③メニュー画面を開く
④項目送り
⑤項目送り
⑥決定
アクアの場合にはボタンとフロントガラスとの隙間がほとんど確保出来なかったので、やはり車種による制約を非常に強く受ける製品だと実感しました。
また、ダッシュボード上に筐体を設置した場合には、microSDスロットが下側面に配置されている関係で出し入れは困難を極めます。
筐体部分は多少左右に首振りはしますが、マウントの粘着部分を剥がさないとカードの出し入れが出来ない車の方が多そうです。
カードの出し入れにこれは面倒ですね。
液晶ディスプレイでの動画再生
この筐体の操作性は最悪ですが、ディスプレイはスマートミラー並みの大画面ですので動画の視認性は良好です。(前後個別再生)
※映像の範囲を調整する事は出来ません。
「Vast Pro」のナイトビジョンシステムとしての見え方
ナイトビジョンシステムは今回初レビューとなりますので、単体でのインプレッションを述べた後に他社のスマートミラーとの見え方を比較しました。
「Vast Pro」の単体インプレッション
この手の製品は従来のドラレコやスマートミラーとは異なり、SONYのナイトビジョン用のモジュールを採用しているという情報をどこかで目にした事があるのですが…
結論から先に言ってしまうと、このモジュールの性能が半端なく高く、一般的なドラレコやスマートミラーの暗視能力、ダイナミックレンジの広さを遥かに超える画質という印象を受けました。
こちらはドラレコ映像のはめ込みですが、既にこの時点で尋常ではない明るさである事がお分かり頂けるでしょう。
ネオンの多い市街地では普通のドラレコでもそこそこ明るく映りますが、「Vast Pro」ではただ明るいだけでなく、歩行者や障害物の判別がしやすい様に色のコントラストも非常に強く出ています。
暗視能力が尋常ではない
比較的明るい市街地では劇的な明るさ、とまでは行きませんが近くに街灯がなくほとんど真っ暗な場所でヘッドライトを消すと強烈な暗視能力を発揮します。
上の画像は明るい場所のように錯覚してしまいますが、肉眼ではこんなに真っ暗なところです。
少し離れたところにある貧弱な街灯の光が、かなり明るく増幅されており、尋常ではない暗視能力の高さを感じました。
これは現実的な使い方ではありませんが、街灯がほとんどない場所でも月明かり程度の光があればヘッドライトを消した状態でも走行出来てしまいそうです。
因みに昭和の匂いを残した時代には、私の友人が東京の有明などの埠頭周辺でヘッドライトを消してパトカーと追いかけっこをしていましたが、今はそれが許されない時代なのでやめておきましょう(昔も許されはしなかったけど…)
車種個別の環境で見え方は大きく変わる
おそらく、ここは他のYouTueberの方があまり触れない部分かとは思いますが、ナイトビジョンシステムとしての実用性の観点では個別の取り付け環境に大きく左右されそうな印象です。
具体的には車両のダッシュボードの形状やヘッドライトの絶対的な明るさ、ヘッドライトの光軸の広がり具合で大きく見え方が変わりそうだという事です。
…というのは、先ほどのヘッドライトを消した状態からヘッドライトを点灯した状態の映像の変化を見て貰いたいのですが
皆さんはこの変化をどう感じられたでしょうか?
ヘッドライトが点灯したお陰で全体が明るくなった…確かにそれは間違いではないのですが、画面奥のヘッドライトが当たっていない部分が暗くなっています。
これはヘッドライト点灯時には路面の一番明るい部分に合わせて露出が絞られる為に起きる現象で、光軸の中心周辺の明るさの差が大きくなるほど顕著になります。
また、車高が低い車の場合にはヘッドライトと路面の距離が短くなりがちですので、路面からの照り返しも強くなり、それに合わせて露出が絞られますので車高が低い車ほど明るさの面では不利になります。
こちらは車高が高いアルファードでの同じ場所での撮影映像です。
車高が高い車、低い車では全体の露出が異なる事がお分かり頂けるでしょうか?
HIDやLEDのヘッドライトの場合には、ヘッドライトが当たっている部分が暗くて見にくいというのは相当稀なケースでしょうから、多くの人が気になるのはヘッドライトが点灯した状態でのヘッドライトの照射範囲外の明るさではないかと思います。
もちろん、このような場所ではハイビームにして然るべきと思いますので、ハイビームを使えば遠距離まで良く見えるようになりますが、ハイビームでは肉眼でも良く見えますので、ロービームの照射範囲外でも明るく見えるように出来れば物凄く実用性が上がりそうだと感じました。
肉眼の1/4サイズ見え方
また、これは「Vast Pro」の液晶サイズによる部分もありますが、ディスプレイに映る映像は前方を肉眼で見た場合比べてかなり小さくなります。
例えばこの映像では向かって右側に歩行者が歩いていますが…
肉眼の大きさと比べるとこれくらいの差があります。縦横それぞれ1/2、面積は1/4サイズ程度に縮小されて見えます。
夜間では確かに「Vast Pro」を通した映像の方が全体が明るく見えるのですが、液晶サイズの関係で私の感覚では肉眼よりも明らかに発見が早くなるという結論には至りませんでした。
とは言え、シチュエーションによってはヘッドライトの外側も明るく見えるケースもありますので、その場合には「Vast Pro」のディスプレイをちょくちょくチェックしていれば肉眼よりも早く歩行者や自転車を認知出来る可能性もあります。
ここだと肉眼では視認が難しいかも知れないですが(Vast Proでもちっこいです)
ここまで来ると肉眼でも余裕で見えます。
ヘッドライトが届かない部分に人がいても相当小さくしか見えない事は確かですので、いかに視線を動かさずに「Vast Pro」のディスプレイを見れる位置に設置するかがポイントかと思います。
他社スマートミラーとの明るさの比較
次に過去にテストした50台のスマートミラーのうち、最も暗視能力が高かったMAXWINの「MDR-A001」との比較です。
この動画ではMAXWINの「MDR-A001」の室内用リアカメラをフロントガラスに貼り付けて「Vast Pro」と比較してますが、このリアカメラは鏡像での出力しか出来ないため、「Vast Pro」とは左右の向きが逆になっています。
左右の向きと幅を揃えて比較するとこのようになります。
市街地ではこちらの画像の通り両者の明るさにほとんど差は見られませんでした。
次に街灯が少ない暗い場所ですが、こちらでも両者の明るさに差はなく、「MDR-A001」の明るさも相当なものです。
街灯が数十m先に1本だけあるような場所でも「MDR-A001」が思いの外粘り、明るさは拮抗しています。
ただし、この辺りから「MDR-A001」の方は砂嵐のような高感度ノイズが出始め、色の識別が難しくなりつつあります。
一方で「Vast Pro」はノイズもなくクリアな状態で、色の識別もしっかり出来ています。
普通のドラレコでは既に真っ暗な状態、肉眼ではどうにか歩行が可能な程度な明るさです。
最後に肉眼では歩行が困難な真っ暗に近い場所ではこの通りです。
ここまで来ると「Vast Pro」が「MDR-A001」よりも明らかに明るく、ナイトビジョンシステムと最高級のスマートミラーとの差が顕著になりました。
ナイトビジョンシステムの暗視能力は、過去のどの車載録画ガジェットよりも明らかに優れているという結果です。
この暗視能力は夜間の駐車監視でも存分に活躍してくれそうです。
「Vast Pro」のスマートミラーとしての見え方
「Vast Pro」のスマートミラー機能はナイトビジョンシステムとは同時に使用出来ないサブ機能ですが、見え方に差が出やすい夜間映像をMAXWINの「MDR-A001A」と比較しました。
夜間の明るさ
「Vast Pro」のスマートミラー機能オマケ機能とは思えないほど良く出来ており、夜間の市街地においては、スマートミラーとしては最も明るい部類に入ります。
暗い場所では暗視に特化した製品と比べると明るさは落ちますが、それでもスマートミラーとしての標準レベルはクリアしています。
後続車両のヘッドライトの見え方
後続車両のヘッドライトの防眩能力は、スマートミラーとして最も重視したいポイントです。
ミラーを撮影した映像は白飛びが強いので、ドラレコの映像を見てみましょう。
「Vast Pro」は「MDR-A001A」よりも少し防眩効果は落ちますが、HDR補正がしっかり効いており、スマートミラー全体の中ではかなり良い線を行っています。
このようにスマートミラーとしての完成度も非常に高いものですが、ナイトビジョンとの使い分けが難しいところです。
「Vast Pro」のバックカメラとしての使い勝手
「Vast Pro」のバックカメラ機能は、スマートミラーとしてはスタンダードでリアカメラ中継ケーブルの赤線を後退灯などに接続する事でバックギアに連動して画面が切り替わりますが、他のスマートミラーのとは違って映像範囲の調整も出来ないですし、ガイド線が出る事もありません。
なお、スマートミラーのバックカメラ機能全般には人によっては使いにくいと感じるような問題点もありますのでバックカメラ機能について詳しく知りたいと考えている方はこちらの記事にも目を通しておいた方が良いと思います。
「Vast Pro」のドライブレコーダーの画質と機能・性能について
ドライブレコーダー画質は、次のポイントについて各分野でトップクラスの能力を持つドラレコを比較しました。
・昼間のナンバー読み取り精度
・夜間のナンバー読み取り精度
・夜間の明るさ
録画視野角について
録画視野角については、水平視野角132°のコムテック「HDR752G」と比較しましたが、「Vast Pro」は水平28°の超狭角です。
交差点手前の信号も映りませんので、ドラレコ機能は補助的なものであり他のドラレコとの併用をおすすめします。
昼間のナンバー読み取り精度について
「Vast Pro」はドラレコとしては極端に録画視野角が狭いので、一般的な視野角のドラレコに置き換えると4Kの2倍、1600万画素相当のナンバー認識精度になる筈ですが、ビットレートや映像のブレの関係で1600万画素相当ではないものの、現行のドラレコの中で最もナンバー認識精度が高いVANTRUE「X4」以上のナンバー認識精度でした。
※ただし、距離が離れると映像の上下のブレ幅が大きくなるため、ナンバー認識精度は落ちます。
なお、駐車監視を想定したナンバー認識精度ですが、視野角が狭過ぎて隣の駐車枠に出入りする車のナンバープレートが映りませんので、当て逃げ対策としての駐車監視には向いていません。
ただし、ナンバーが映っていれば読み取り精度は異常に高いので、補助的に使うのは非常に有効です。
夜間のナンバー読み取り精度について
夜間のヘッドライトが反射したナンバーの読み取り精度は、強いHDR補正が入ったケンウッド「DRV-350」、コムテック「HDR752G」が業界最高レベルですが、「Vast Pro」はこれらの2機種と同じく、しっかりHDR補正が効いており、最高に近い読み取り精度の高さでした。
昼間のナンバー認識精度の高さと合わせて、ドラレコとしてはナンバー読み取り専門機と言えそうです。
夜間の明るさについて
夜間の明るさが「Vast Pro」の最大の特徴ですが、こちらは日本メーカー現行ドラレコとしては唯一の200万画素上位STARVISセンサー「IMX327」を搭載した、セルスターの「CS-91FH」と比較しています。
明るい市街地では明るさそのものにそれほどの差はありませんが、強い色のコントラストを維持しながらの最高の明るさとなっていますので、ハードウェアの性能の高さがうかがえます。
「Vast Pro」は色のメリハリが異常に強いという印象です。
※「Vast Pro」以外は映像がぼやけていますが、これは視野角を「Vast Pro」に合わせる為に編集でデジタル拡大している為です。
暗視能力については暗くなればなるほど「CS-91FH」との差が大きくなり、やはり通常のドラレコの性能の範囲には収まりきらない、規格外の性能となっています。
いずれにしても視野角の問題から、ドラレコとしては単体ではなく他のモデルとの併用をおすすめします。
リアカメラの映像について
リアカメラの映像は当初オマケ程度のものと考えていましたが、最新の暗視特化モデルと比べると暗視能力では敵わないものの、強い逆光補正と夜間の明るさの面で全体のバランスは非常にハイレベルにまとまっています。
合わせて使用する2カメラドラレコに気に入ったものが無いようであれば、OPのリアカメラの選択も視野に入れても良いでしょう。
「Vast Pro」のフレームレートとLED信号の映り方について
「Vast Pro」のフロントカメラのフレームレートは25fpsですので、東日本エリアのLED信号が同期して数秒間消えてしまいますが、ドラレコとしては補助的に使う前提であれば何ら問題はないでしょう。
PCでの動画の再生方法について
「Vast Pro」はGPSに対応していませんので、専用のビュワーはないですがMedia PlayerなどのWindowsの汎用ビュワーで問題なく再生する事が出来ました。
駐車監視について
「Vast Pro」の駐車監視は付属のOBDケーブルを使用しての走行時の常時録画を継続するタイプです。
エンジンをOFFにしてもそのまま録画が継続されますので、節電の為にボタン操作でディスプレイをOFFにしましょう。
こちらで試した限りではカットオフ電圧は11.6Vで、電圧が11.6V以下になると即時に電力が遮断されました。
外部電源を使用した駐車監視の運用について
ドラレコ専用の外部バッテリーiCELLを使用した駐車監視の駆動予想時間はこちらの通りです。
iCELL | B6A | B12A | B40A |
---|---|---|---|
容量 | 76Wh | 153Wh | 422Wh |
駆動時間 | 7.9時間 | 16時間 | 44時間 |
満充電 | 50分 | 100分 | 150分 |
なお、駐車監視の必要がない自宅駐車場などで電源を落としたい場合には、電源ボタン長押しで強制シャットダウンが可能ですが、この操作を忘れてしまう、または面倒だと感じる方にはLaBoon!!企画の駐車監視キャンセルガジェット、「iZONE」との併用がおすすめです。
使用可能なmicroSDカードの最大容量
「Vast Pro」のmicroSDカードのサポート範囲は128GBまでとなっています。(1時間当たりの録画容量は前後合わせて7~8GB)
以下の256GB以上のカードでの1時間の録画・再生に異常は見られませんでした。(サポート外なので自己責任でお願いします)
地デジへのノイズ干渉について
地デジ・ラジオへのノイズ干渉テストについては、アルファード+サイバーナビの組み合わせで以下の結果となりました。
なお、車種やカーナビの種類、アンテナの位置などで状況は変わる事がありますので結果は参考として捉えて下さい。
「Vast Pro」の総評
最後に「Vast Pro」の総評ですが、良い点も悪い点も際立っていますので欲しい人にはこれ以上の製品はないが、車種によっては取り付けの段階で残念な事になる可能性もあります。
「Vast Pro」の良い点
「Vast Pro」の問題点
車種によらない共通の問題点
車種によっては問題点になりそうなポイント
「Vast Pro」の超絶暗視能力は魅力ですし、新しいカテゴリーのガジェットとして高い評価を得ているようですが、真面目に責任を持ってこの製品を第三者におすすめするには伝えておかなければならない問題点も多いのが実情です。
※比較的新しいカテゴリーのガジェットなので賛否があって当然だと思います。
ナイトビジョンシステムとしての効果を期待する場合には、取り付け予定の車のヘッドライトが暗ければ暗いほど、走行中は全体が明るく見えるという特性となっていますで、ギラギラに明るいヘッドライトを付けている車の場合には期待した効果が得られない可能性もあります。
かつて私が乗っていた初期型リーフのように「自分の車のヘッドライトが暗くて夜の運転が怖い時がある」という条件の方であれば、「Vast Pro」を使う事によって劇的な夜間の視認性の改善が期待出来る為、満足な結果が得られるでしょう。
割引クーポン
15%割引クーポン:LABOON15(2021-8-31まで)
30ドル割引クーポン:LMDVP_LABO(2021-12-31まで)
(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣)
コメント
ランモードのナイトビジョンシステム凄いですね!
ベロフのミラーもこのクラスの明るさなら買いですかね。
ヤマダ様
ベロフの製品はリアカメラにこのシステムを入れてるかどうか分からないのですが、チップ自体はカメラ部分に直接組み付けるものではないか?と考えられるので、セパレートのリアカメラに果たしてこの機能を付けられるのかどうか?と言ったところですね。
今回も大変詳細なるレポさすがですね、楽しく読ませて頂きました。
当方も以前○ロフのN○S201を発売と同時に速攻で購入しましたが暗視能力の凄さには驚きましたが白飛びが激しいのと上記の問題点と全く同じ理由で速攻、ゴミと化しました(笑)
でもまだこの手のガジェットには非常に興味があるんでこの辺りの課題を克服してる?次回のSMDR-A002のレポを首を長くして待ってます。宜しくお願い致します!
HN:DUN様
やはり車外品だと視線の移動が厳しいですね。
フロントガラスに投影するタイプだと一番良さそうですけど。
SMDR-A002はミラー型なので視線の移動はそれほど苦にならないかも知れませんが、スマートミラーと同時に使えないのでそこをどうするかですね。
今後、この手の商品がドンドン出て来そうですが(B社も早速その辺りを多少改善したS30◯シリーズもリリース)要は露出補正の味付け、実用的な取付や配置方法で各社特徴を出し差別化を図ってくるでしょうしこれからが楽しみです。(個人的にはスマートミラーと併用が設置面や視線移動含め一番と思っておりますのでその課題は任意で切替できる機能等で改善?が出来ればベターですね)
HN:DUN様
車載カメラ類は自動運転向けにも急速に進化しそうですし、金に糸目をつけなければ4年以上前の段階でこのような事も実現出来ていますので
https://car-accessory-news.com/drive-recorder-night-day/
あとはコストと需要の大きさ問題ですかね~。
ご丁寧にありがとうございます。
上記ご案内の記事も読ませて頂いてました。あとは相応の価格で出て来る事を期待します。
なお、当方既に2018年発売時より文中で紹介されてますPDR800FRを使用してますがこちらも非常に満足してます。(但し使用出来るSDカードを選ぶ傾向がある様ですが)
引き続き宜しくお願いします。
HN : DUN様
PDR800FRも出てきた時期を考えると驚異的ですね(笑)
また何かございましたらご相談下さい。