側面・横方向が撮影できるトライブレコーダーのまとめ

※2022年12月28日更新~最新の情勢に合わせて内容を見直しました。

こんにちは!ドライブレコーダー専門家の鈴木朝臣です。

最近は前後2カメラタイプのドライブレコーダーの普及率が上がっているようですが、それでも側面からの衝突に関しては万全ではないので、全方位の録画を検討している方が増えています。

私の知り合いでも交差点で対向車に横からぶつけられた方がいますが、横方向が映っていなかった為、動いた動いていないの水掛け論になり、事故処理は揉めに揉めたそうです。

身近でこのような話が出てくるとやはりドライブレコーダーで全方位を撮影したくなりますが、この記事では事故の際の幅広い証拠を押さえる事を目的とし、360°ドライブレコーダーを始めとしていくつかの方法で横方向を撮影する方法について解説します。

一番手っ取り早いのが360°ドラレコ、でも弱点もあるよ?

横方向を撮影できるドライブレコーダーうち、最もリーズナブルで取り付けも簡単なのはやはり360°ドライブレコーダーです。

通常はこのような魚眼タイプのレンズを下に向けてフロントカメラに設置します。

コムテックなどの大手メーカーの製品であれば、以下の動画ようにPCビュワーやWiFiアプリなどで録画映像の視野を変更出来るため、明るい昼間であれば横方向の状況認識が可能です。

ただし、360°ドラレコには次の2つの弱点があります。

・前後の車のナンバーが読みとれない
・後方の状況がイマイチ掴みにくい

前後の車のナンバーが読みとれない

ドライブレコーダーのナンバー認識精度はイメージセンサーの画素数と録画ファイルの解像度に依存します。

360°モデルではないスタンダードなドライブレコーダーの場合、200万画素のイメージセンサーを使って「1920×1080」のフルハイビジョンの解像度で録画を行いますので、よほどおかしなハードウェアを使わない限り数m先の車のナンバーは読みとれます。

ところが360°ドライブレコーダーの場合には通常のドライブレコーダーの10倍程度の視野の範囲を200~400万画素程度の限られた画素数の中に無理矢理収める為、ナンバーの読み取り精度の面では絶望的です。

※360°モデルとしては現行最高解像度である4Kの「ZDR037」はそこそこ読み取れる。

従って「ZDR037」以外の製品では、当て逃げや煽り運転の証拠を押さえる目的は果たせない可能性が高くなります。

後方の状況がイマイチ掴みにくい

360°ドラレコは後方の情況も撮影する事が出来ますが、前方に比べて距離がありますので後続車両の様子が掴みにくいという弱点もあります。

大体の動きは分かりますが、距離感が掴みにくくナンバーはまず映りません。

リアカメラ付きの360°ドライブレコーダー

前述のように一見最強のように感じられる360°ドライブレコーダーには2つ弱点がありますが、これらの弱点が改善されたモデルも各社から発売されています。

それがコムテックの「HDR360GW」などの、360°モデルにリアカメラが付属した2カメラ録画タイプです。

これらの製品ではリアカメラが200万画素のフルハイビジョン録画となっていますので、通常のセパレート型の2カメラドラレコと同じく、後続車両のナンバー認識も可能です。

ただし、最新のコムテックの4Kモデル「ZDR037」以外では、フロントカメラの解像度は変わりませんので、前方車両のナンバーを読み取る事が難しい事には変わりありません。

従って2カメラモデルの360°タイプを選ぶなら、まずはコムテックの4Kモデル「ZDR037」を検討しましょう。

実機レビュー「ZDR037」4K相当の360°+リアカメラドラレコの評価!
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3~4カメラドライブレコーダー

最近ようやく本格的に展開され始めたのが前後のセパレートタイプの2カメラドラレコに、左右のサイドカメラを追加した4カメラドライブレコーダーです。

また、360°ドラレコに全後2カメラを追加した3カメラタイプも出て来ています。

360°+前後2カメラ カーメイト ダクション360D「DC4000R」

カーメイトのダクション360Dは、筐体中央の360°カメラに前方を撮影するフロントカメラ、後方を撮影するリアカメラを追加した、360°+2カメラのハイエンドモデルです。

従来の360°ドラレコは、一般的な2カメラドラレコと比べると広範囲の録画が可能な為に事故の際の状況証拠を捉える目的では有利でしたが、ナンバーの認識能力が致命的に低い点が弱点でした。

本製品では筐体下部の400万画素カメラで360°の全方位の録画を行った上で、前後は200万画素のカメラでフルハイビジョン録画を行うという理想的な仕様となっています。

駐車監視モードにはやや癖がありますが、その他は万人向けの特性ですので駐車監視をしないユーザーはまずこの製品を検討すると良いでしょう。

実機レビュー「DC4000R ダクション360D」の評価 ドラレコ界の伏兵から、まさかの最強確定っぽい360°+2カメラドラレコ発表
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3カメラドラレコ ユピテル「Y-3000」

ユピテルの「Y-3000」は、スタンダードな箱型のフロント筐体+円筒型のリア筐体の前後にカメラの搭載する、珍しい1+2タイプの3カメラドラレコです。

従来型の3カメラドラレコは、3ピースのセパレート、またはフロントカメラ筐体の前後にカメラを搭載した2+1タイプが主流でした。

「Y-3000」ではリア筐体に2つのレンズを搭載する事で、運転の邪魔にならない位置にフロントカメラ筐体を取り付けられる上、取付の手間も通常の2カメラドラレコと変わらないというメリットも備えています。

録画視野角が前:水平138°、中:水平138°、後:水平128°と、特にインナーカメラの視野角を従来モデルよりも広げた事で、ドアパンチの撮影能力も高くなっている点が最大の特徴です。

実機レビュー「Y-3000/Z300」の評価 超広角3カメラドラレコ
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3カメラドラレコ VANTRUE「N4」

VANTRUEの3カメラモデル「N4」は,フロント筐体の前後とリア用の筐体に、それぞれ500万画素・200万画素・200万画素のSONYのSTARVIS対応のイメージセンサーを搭載し、2.5K/フルHD/フルHDの高解像度録画を行うモデルです。

フロントカメラは2.5Kの高解像度録画を行いますので、ナンバー認識精度が非常に高い上、動画の明るさを自在に調整できるPCのVANTRUEビュワーを使って再生する事で、従来のドラレコの明るさの限界値を余裕で振り切る明るさを実現しています。

従来の感覚からするとちょっとおかしいだろう?と感じるくらいの暗視能力で、前後と合わせて室内・左右の録画も可能ですので、現行のドラレコとしては走行時の事故、運転トラブル、駐車監視のあらゆるシチュエーションで最強クラスの証拠能力を誇ると言っても過言はありません。

【2022年向けに再評価】実機レビュー VANTRUE「N4」3カメラSTARVISドラレコ
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ただし、ドラレコやガジェットの操作が苦手であったり、機械系が全般的に苦手という方にはユピテルやセルスターなどの日本メーカーの製品をおすすめします。

3カメラドラレコ VANTRUE「S2」

これまでに他社に先駆けて3カメラモデル「N4」を販売し続けて来たVANTRUEが、2022年8月に新たにラインナップに加えたのが、フロント筐体のほとんどの部分をミラー裏に隠せるWiFi対応の「S2」です。

「N4」と同じくフロント筐体に前後2カメラを搭載するものの、インナーカメラが筐体下部に設置されるなど、ルームミラーを回避し易い構造となっており、取付の際の汎用性では一定の改善が見られます。

画質面ではフロント、インナーカメラはほぼ「N4」と同等、リアカメラは明るさの面で「N4」に劣ります。

3カメラとしての括りの中での画質面での総合力は、僅差ではあるものの、「A139 Pro」>「N4」>「A139」>「S2」と言った印象です。

「S2」の実機レビューと評価 VANTRUEのWiFi対応の3カメラドラレコ
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3カメラドラレコ VIOFO「A139 3CH」

VIOFOは主に欧米を主戦場として来た中国の大手ドラレコ専業メーカーで、VANTRUEと非常に良く似たビジネスモデルを展開していますが、売上規模はVANTRUEのおよそ3倍の年間30万台を誇ります。

ただし、日本市場の進出は2019年後半からとなっている上、日本の売上依存度がVIOFOよりも低い為か未だ日本向けのローカライズが中途半端な印象を受けます。

とは言え、同社の製品はどれも高画質・高性能である為、LaBoon!!では2カメラモデルを中心に積極的におすすめして来ました。

「A139 3CH」は同社のフラッグシップに当たる3カメラモデルで、WiFi対応・偏光フィルター・外部マイクのOPなど、画質だけでなく多機能さも魅力な製品です。

VIOFO A139 ドライブレコーダー 3カメラ 500万画素 ノイズ軽減 2021最新版 車内外同時撮影ドラレコ 2560 * 1440P 全方位保護 前/車内/後撮影 SONYSTARVISセンサー 24時間駐車監視 超強暗視機能 前後カメラ Wi-Fi搭載 超鮮明夜間撮影 GPS機能 日本語説明書付き
VIOFO

フロントカメラは500万画素STARVISの「IMX335」、インナー・リアはVIOFO定番の200万画素STARVIS「IMX291」とハードウェア構成は概ねVANTRUE「N4」と似たようなものですが、本機は発売後間もない未テスト製品ですので画質面での実力は未知数です。

特性的には「N4」キラーですが、PCビュワーによるアドバンテージがないですし、「N4」ほどの省電力性は持ち合わせてないと予測しています。

実機レビュー「A139 3CH」 VIOFO3カメラドラレコの評価
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3カメラドラレコ VIOFO「A139 Pro 3CH」

「A139 Pro」は、2023年以降のVIOFOのフラッグシップモデルとなるフロント4K録画に対応した3CHモデルです。

4Kモデルはその解像度の高さによる精細感ばかりが注目されがちですが、フルハイビジョンセンサーと比べると光を取り込む能力が大きく劣りますので、夜間の撮影能力に問題が出る事が多いのですが、本機に関してはイメージセンサーを1/1.8インチ(標準的なドラレコの2.4倍程度の大きさ)としています。

これにより、従来の4Kモデルの弱点であった、夜間撮影能力の低さを克服しているものと考えられます。

加えて3CH対応と言う事で、広範囲の状況証拠を捉える能力も高くなっていますので、総合力では2023年の最高評価となる可能性を秘めた製品です。

実機レビューVIOFO「A139 Pro」の評価 STARVIS 2搭載!業界初の4K 3CHドライブレコーダー
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4カメラまで対応可能なネットワークドラレコ GARMIN「47Z」

GARMINは言わずと知れたアメリカのGPSメーカーでガジェットメーカーとしては抜群の信頼性を誇ります。

同社の「47Z」は2019年6月に発売された、WiFiとBluetoothでネットワークを構築する2カメラドライブレコーダー「46Z」の2021年向けの後継機ですが、このネットワークリアカメラ相当の単品モデル「mini2」を2台まで追加する事で、最大で4台の構成が出来ます。

3台構成の場合には3台目を車内向きに、4台構成なら左右のクォーターガラスに外向きに取り付けるなど方法でユーザーの要望に合わせて撮影範囲を調整する事が可能です。

本機はSTARVISセンサーを採用している訳ではありませんが、ソフトウェアによるチューニング技術が優れており、昼間の白飛びを抑えながら夜間も比較的明るく撮影できるのが特徴です。

実機レビュー Garmin「47Z」の評価 最大4カメラ クラウド遠隔監視対応のネットワークドラレコ
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4カメラドラレコ AKEEYO「AKY-Z3GT」

AKEEYOの「AKY-Z3GT」は現在市販されている個人向けのドラレコとしては珍しい最大4カメラ録画に対応したモデルです。

5.5型の大型液晶にセパレート型の4つのカメラを接続する事でフルハイビジョン×4カメラでの録画に対応していおり、それぞれのカメラの逆光補正能力やナンバー読み取り精度、夜間の明るさのいずれの面でも、ドラレコとしての必要な水準は余裕でクリアしています。

走行中の事故や煽り運転に遭った際の状況証拠を残すという目的においては現行機としては最強の性能と言えるでしょう。

実機レビュー 最大4カメラ対応のドライブレコーダー AKEEYO「AKY-Z3GT」の評価
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TCL「WHSR-1040」

TCL「WHSR-1040」も「AKY-Z3GT」と同様に4つのカメラで全方位録画を行うタイプのドラレコです。

「AKY-Z3GT」との最大の違いは、サイドカメラを車内に取り付ける点です。

また、液晶タッチパネル操作に加えて、WiFiにも対応していますので操作性や使い勝手に優れた特性となっています。

「WHSR-1040」駐車監視特化の4カメラドライブレコーダー
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まとめ

以上、横方向を撮影できるドライブレコーダーについていくつかご紹介しました。

それぞれ価格帯も、見た目も、取り付けの手間も大きく変わりますので予算と目的に合ったモデルをお選び下さい。

360度の全方位録画が出来るおすすめドライブレコーダーのまとめ
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