この記事ではドライブレコーダー初心者~中級者の方に向けて、ドライブレコーダーの仕組みと画素数や解像度について説明しています。

サイト開設から4年近く経過していますので今更感がありますが、最近そのようなキーワードで検索される方が結構いる事を知ったので、ドライブレコーダーを全く知らない方にも分かるように改めて分かり易く解説します。

後半はちょっとマニアックかも知れないですが、初心者の方は前半のソフトウェアの部分だけご理解頂ければ問題ないかと思います。

ドライブレコーダーの仕組み

ドライブレコーダーの仕組みは、簡易的なビデオカメラのようなものと解釈して頂いて構わないと思うのですが、ここではハードウェアとソフトウェアの2つの観点から説明します。

ハードウェアの説明は少しマニアックな部分も含まれますので、先にソフトウェアの仕組みから見ていきましょう。

ソフトウェアの面でのドライブレコーダーの仕組み

ドライブレコーダーと通常のビデオカメラとの最も大きな違いは、主に以下の2点となります。

①録画操作の有無

②録画データの保存場所

録画操作の有無

通常のビデオカメラは手動で録画ボタンを押して、任意のタイミングで録画を開始・終了しますが、ドライブレコーダーの場合には録画動作はエンジンのオン・オフに連動します。

エンジンがオンになって付属のシガープラグからプラグから電流が流れてドライブレコーダーの電源が入ると、録画を自動で開始し、エンジンがオフになると通常は電源が遮断されますので、録画中のデータを正常に保存し終わった後に録画を停止し、電源が落ちます。

もちろん、手動での録画の停止や録画の開始も可能ではあります。

録画データの保存場所

一般的なビデオカメラは、内蔵のドライブやメモリーに動画を保存し、保存領域が足りなくなった場合にはデータを削除するか、SDカードやmicroSDのスロットにメディアを挿し込んで録画データの保存場所を変更する必要があります。

ドライブレコーダーの場合には内蔵メモリもあるにはありますが、短時間の一次的なデータを保存しておくだけの容量しかありませんので、通常の録画データは本体に挿し込むmicroSDカードに書き込む事になります。

国内の大手メーカーのモデルには、ほとんど8~32GBのmicroSDカードが付属し、中小メーカーや海外メーカーの場合には付属しないケースもありますので、そう言った場合には別途microSDカードを手配しなければ録画が出来ません。

録画データの保存単位

ドライブレコーダーの常時録画は、切れ目なく延々と長時間の録画を行いますが、実際には録画ファイルは30秒・1分・3分・5分・10分など、一定の区切りでファイルに落とし込まれて保存されます。

なぜビデオカメラのように延々と長時間のファイルを繋げて保存しないのか?と疑問に思う方もいるかも知れませんが、ドライブレコーダーの録画ファイルは完璧に100%の確率で正常に保存される訳ではありません。

microSDカードの状態が悪かったり本体の温度が極端に高くなると、ハードウェアの熱暴走による故障を防ぐ為に動作を停止する事があり、もろもろの悪条件が重なって正常な録画データが保存されない可能性もゼロではありません。

ファイルの保存に失敗する確率は1/10000なのか1/100000なのかは分かりませんが、そう言ったトラブルが発生する可能性もあります。

このようなトラブル時の対策として、録画ファイルは30秒~10分などの一定の時間で一旦microSDカードに保存され、切れ目なしに次のファイルの録画を開始すると言う仕組みになっています。

事故の際の動画のロック保存

ドライブレコーダーの録画はエンジン連動の自動式であるとご説明しましたが、ビデオカメラとは異なりmicroSDカードの保存領域が足りなくなると、古いファイルを削除して上書きを行い、延々と録画を続けます。

ただし、この場合には仮に事故があった際にmicroSDカードを挿しっ放しにしてしまっていると、肝心の証拠動画も上書きされてしまう可能性があります。

この証拠動画の確保の為に、衝撃を検知して上書き不可能な領域に録画ファイルを保存する「Gセンサー(衝撃センサー)」録画と言う仕組みがあります。

この衝撃を検知してファイルをロックする方式は、メーカーによって様々な呼ばれ方をしていますが、概ね以下の3通りの呼び方となります。

①衝撃録画

②Gセンサー録画

③イベント録画

 

パソコンでドライブレコーダーのmicroSDカードを開いてみると、以下のようにいくつかのフォルダが確認出来ます。

メーカーやモデルによってフォルダの名前や数は異なりますが、例えば上の事例であれば「EVGS」(イベントGセンサーの略)が、衝撃を検知した際のロックフォルダ、「NOML」フォルダが通常の自動での常時録画データの保存場所になります。

 

なお、各メーカーさんの話によると、ドライブレコーダーの衝撃センサーのテスト時に「急ブレーキなどでイベント録画が発生しない」などのクレームが多いようです。

事故の場合には一定方向から一瞬で大きな力が加わりますので、急ブレーキでの減速Gよりも大きなGが発生します。

衝突の瞬間のGは、急ブレーキによる減速Gよりも大きくなりますので、急ブレーキではGセンサーの感度を最大にしてもイベント録画は発生しないように調整されている事も多いのが実情です。

むしろ、急ブレーキよりも踏切などの比較的大きな段差を超えた場合には、動く距離は小さいものの、一瞬で上下に加減速しますので、イベント録画は発生し易いように思います。

具体的にどれくらいでイベント録画が発生するかは、メーカーによって数値を公表していたりしていなかったりですが、同じモデルでも「イベント録画が多過ぎる」「イベント録画が発生しない」と2種類のクレームが発生しているようです。

メーカーサイドでも「統計上の事故の際の衝撃数値に基づいた設定にしているのでこれが正解」と言う数値がないようで、幅広い車種やユーザーの嗜好に対応する為にGセンサーの感度調整機能を搭載しているものが多いです。

ケンウッドやパイオニアなどは、概ね3段階の調整が可能ですが反応する具体的数値は不明です。

ユピテルコムテックセルスターなどは前後・左右・上下の3軸で0.1G刻みでイベント録画の発生Gを調整する事が可能なので、この点においては利便性が高いように思います。(足回りの固い車は上下のGで反応し易い)

なお、これらの衝撃録画についてはモデルによって10~20件などど保存ファイル数の上限が決まっているものもあり、この数を超えると古い衝撃録画ファイルが新しい衝撃録画ファイルで上書されてしまうモデルもあります。

手動による動画のロック保存

ドライブレコーダーには上記の衝撃録画以外にも、景色やその他のトラブル発生時に確保しておきたいシーンがあった場合には、ボタンを押す事で手動でファイルを上書き不可能なロックファイルに保存する機能もあります。(あまり使わないと思いますが、ほぼ全てのモデルに搭載されています)

カレンダーや設定内容を保存・維持する仕組み

ドライブレコーダーには事故の際の日時の記録の為にカレンダー機能があり、設定次第で動画に日時を表示させることが出来ます。

このカレンダーはのその他の設定事項も含めて、内蔵のバッテリーやコンデンサに電気を溜めたキャパシタの電力によって保持されます。

内蔵バッテリーのメリットは比較的蓄えられる電力量が大きい点となりますが、スマホやモバイルバッテリーと同様に、破裂や液漏れ、発火の可能性がゼロではないと言うデメリットもあります。

以前、ユピテルのドライブレコーダーでリチウム電池の破裂や発火のリコール案件が発生していますが、ユピテルでは以降はドライブレコーダーの保存用電源はバッテリーではなく、キャパシタを採用しています。

ただし、ケンウッドに関しては内蔵バッテリーモデルが主流ですし、バッテリーモデルは危険なので避けた方が良いとは言えません。

一方でキャパシタモデルに関しては、破裂や液漏れ、発火の危険性はありませんが、蓄えられる電力には限界がありますので、2週間くらい電源を入れないと設定が飛んでしまうケースもあります。(日時を再入力する必要が出る)

キャパシタは次に説明する、自動で日時を設定するGPS内蔵のモデルとの相性が良いと思いますね。

HDR・WDRなどの動画の補正の仕組み

ドライブレコーダーに求められる第一の目的は、景色を綺麗に撮影する事ではなく、事故の際の周囲の状況を認識し易い形で保存する事です。

性能の悪い安いハードウェアは、一つの画面の中で表現可能な明暗差の限界が低く、暗い場所から明るい場所を撮影すると、明るい場所が真っ白に潰れてしまいます。

人間の眼でもそうですが、暗い部屋の中から外を眺めると眩しくて目が眩んだり、見えにくくなる事がありますが、それと似たような理屈です。

これらの明暗差が大きいシチュエーションに遭遇した時に、それをどうにかして見易くする仕組みがHDR・WDRと呼ばれている機能です。

厳密にはHDRは機能、WDRは性能を表す言葉ですが、ドライブレコーダーの業界では売る為にこの2つの言葉を敢えて混同して都合の良いように使いまわしている感があります。

詳しくは以下の記事を参照して下さい。

HDRとWDRの違いは?

GPS受信機による日時設定や走行軌跡の記録の仕組み

GPSはについてはソフトウェアではなくハードウェアですが、運用の話なのでこちらで説明します。

GPS受信機が内蔵されているドライブレコーダーは、衛星を補足すると自動で日時設定を行いますので、カレンダーの設定は不要となります。

また、これは専用ビューワーソフト(動画視聴ソフト)がメーカーから提供されているモデルに限りますが、GPSを内蔵している(または外付け)ドライブレコーダーは、動画の走行軌跡や座標をビューワーソフトで確認する事も可能です。

【ユピテル DRY-ST7000cの場合】

走行時の速度や加減速Gも走行動画に記録する事が可能なものが多いです。

駐車監視モード

こちらは本来のドライブレコーダーの目的からは外れますが、現在では駐車場での当て逃げやイタズラなどの現場を記録する為に、車のエンジンがオフの状態でも一定時間録画を継続するモデルが主流となっています。

駐車監視について詳しくは以下の記事を参照して下さい。

■ ドライブレコーダーの駐車監視は必要か?

■ 駐車監視に特化したおすすめドライブレコーダー8選

以上がソフトウェアの部分でのドライブレコーダーの仕組みとなります。

ハードウェアの面でのドライブレコーダーの仕組み

ハードウェアの観点からドライブレコーダーの仕組みを捉えると、最初に説明した通り簡素で最低限の性能のビデオカメラと言えるでしょう。

まあ、中国メーカーのビデオカメラにはドライブレコーダー未満の画質の物は沢山ありますが(笑)

ここでは通常のカメラやビデオカメラと同様に、画素数や解像度、フレームレートなどについて解説します。

ドライブレコーダーの画素数って何のこと?

ドライブレコーダーが動画を録画する仕組みは、以下の画像のようにレンズで取り込んだ映像をCMOSセンサー(撮像素子)に照射してチップセットで動画を圧縮したり補正しながらmicroSDカードなどのメディアに保存する流れとなります。

分解するとこんな風になっています。

チップセットの上にレンズが乗っているのが分かると思いますが、その間にCMOSセンサー(撮像素子)が挟まっています。

更にバラすとこんな感じです。

メーカーのスペック表に記載されている「撮影素子」またはCMOSセンサーの項目が200万画素などと謳ってあるのは、この真ん中にあるCMOSセンサーが昆虫の複眼のように細かく何区画に分かれているかという事です。

分かり易く言うとトンボの目です(笑)

【朝日新聞より】

トンボの目は2万個の複眼が集まっているそうですが、このCMOSセンサーは200万個の複眼で映像を捉えていると言えます。(小さいので平らに見えますが)

この複眼が何個あるかと言うのが、ドライブレコーダーの画素数というスペックになります。

人間の目でいうと1億2千万個もある、網膜細胞と言ったところでしょうか?

構造的には人間の目に例えた方が分かり易いかも知れませんね。

レンズ=水晶体、網膜=CMOS、チップセット=脳の反射を司る部分、microSD=脳の記憶する部分となります。

 

CMOSセンサーの画素数が多いほど、鮮明で明るく色の変化に富んだ映像になる可能性があるという事です。

ただし、CMOSセンサーの個々の細胞の表面は、全て光を受け取る面で出来でいるわけではなく何パーセントかは隣の細胞の仕切りであったり、他の役割のパーツが入っていますので、同じサイズのCMOSセンサーを無理に画素数を増やしてしまうと光を受け取る面が減ってしまい、逆に不利になる場合もあります。

隣の細胞との仕切りがない単眼の方が光を集める効率は良いと言えますので、小さいサイズのCMOSセンサーで画素数がやたら多いのは逆効果になる場合もあるという事ですね。

本来なら細かく見えるはずが、光不足でぼやけた…って感じでしょう。

ドライブレコーダーの解像度って何のこと?

ドライブレコーダーの解像度は、「1920×1080」などの数字と、CMOSと同じく「200万画素」などと表記されています。

これはデータとして出力される映像の細かさを表しています。

具体的には横方向に1920個、縦方向に1080個の点で映像を表現する事になりますが、1920×1080=約200万ですので記録解像度としては「1920×1080/200万画素」などと表記されています。

因みに記録解像度が「1920×1080/200万画素」であったとしても、上記のCMOSセンサーの画素数が100万だと、もともとの情報量は100万しかないので、データ量200万画素分になって無駄に多くなるだけで鮮明さは100万画素のままです。

メーカーによっては出力される解像度の表記はあるものの、CMOSセンサーの画素数や大きさの記載がない場合も多いので、最終的には動画を見比べて判断するしかありません(笑)

CMOSセンサーのサイズって?

CMOSセンサーの画素数の部分でサイズの点にも触れましたが、CMOSセンサーの受光面積が映像に及ぼす効果は非常に大きいと言われており、サイズは大きければ大きいほど良いと解釈して頂くと良いでしょう。

例えばケンウッドの「DRV-320」の場合にはこのようなスペック表記になっています。

1/2.7型 211万画素 CMOSとありますが、これは「5.3×4mm」で面積は21.2m㎡の大きさとなります。

1/3.0型であれば「4.8×3.6mm」で面積は17.28m㎡の大きさですので、上の80%程度しかありません。

右側の数字が大きいほど、ものは小さくなります。

 

ドライブレコーダーの場合には1/2.7型 、1/3.0型の物が多いですが、CMOSセンサーのサイズ表記がないメーカーの方が圧倒的に多いような気がしますので、肝心な情報は闇の中です(笑)

ちなみに「DRV-320」は割と大き目のCMOSセンサーですが、画質はそんなに良くはないのでサイズは大きく解像度も充分だけど、安いCMOSなのかも知れません。

結局はサイズと画素数、解像度が同じでもCMOSセンサーの受光性能の良し悪しで大分画質が変わるので、この表記自体は最低保証の画質と捉えるべきでしょう。

レンズのF値って?

レンズのF値はF2.0などと表記され、この値が小さいほど明るい~光を取り込み易い=同じ明るさでも多くの情報を得る事が出来る~となります。

CMOSセンサーの性能が良くても、レンズの情報量が少ないと、最終的に出力される情報もぼやけた物になってしまいますので、それぞれのパーツの性能をお互いに100%引き出せる構成でないとダメという事ですね。

因みにレンズのF値がF1.6などの明るいドライブレコーダーでも、白潰れを防ぐ為にソフトウェアで暗めの調整がなされている事もありますので、レンズが明るめであっても実際の動画が明るくなるとは限りません。

チップセットって?

チップセットは基盤そのものなのか、演算処理を行うコアブロック周辺を指すのかは分かりませんが、とにかくコアが一生懸命仕事をして、補正や動画の圧縮処理などを行いながらmicroSDなどのメディアに動画を保存します。

このコアがショボかったり、ソフトウェアのプログラムがおかしかったりすると動画もショボくなる可能性があります。

また、GPSユニットの配置次第でノイズが入ったりする事もあるようです。

結局はスペック表示だけだと何も分からないという結論

以上、ドライブレコーダーの仕組みとハードウェアの画素数や解像度についてざっと説明しましたが、「1920×1080」などの解像度とF値以外で、最も重要と思われるCMOSセンサーの能力はスペック表の内容では分かりません、凄いスペックだと期待は出来ますが、期待を裏切られた時のショックと言ったらもう…。

結論としては実際に動画を見比べないとわからないので、当サイトで分析している比較動画を参考にして下さいという事です。

(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣

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