※2019年1月17日更新~最新の情勢に合わせて内容を見直しました。

このページではドライブレコーダーを選ぼうと考えている方にはあまり関係のない部分を多く含むお話になるかも知れませんが、少し業界の裏っぽい部分も含めて私が何年かドライブレコーダー市場を観察してきて感じたことを差し支えない範囲でお伝えしようかと思います。(個人的な感想も含むので間違っていることもあるかも?)

ここ1~2年くらいで中国メーカーの企画・生産、中国人セラーによる輸入販売の構成が凄い勢いで上昇していますが、私が見る限り中国メーカーの製品(一部の大手を除く)には、問題がある製品が多いです。

ドライブレコーダーを安く購入できるのであれば、それに越した事はありませんし、国内メーカーのドラレコも年々価格が下がって来ており、ユーザーにとっては良い傾向ではありますが、この記事では主に価格の高い国内メーカーと、価格の安い中華メーカーの製品の違いについて、購入前に知っておいた方が良いポイントを説明します。

国内メーカーの製品が高い理由

コムテックやユピテル、ケンウッド、セルスターなどの国内の比較的大手のドライブレコーダーは、amazonなどで売られている中華メーカーの製品と比べると価格が高いですが、その理由は主に以下の5つが考えられます。

 

①企画を日本で行い、企画自体が独自となっている

②ネット販売の構成が低く、店頭と価格が大きく変わらないように配慮されている

③流通経路が複雑で中抜きが多い

④製品のデバッグやサポートなどにコストを掛けている

⑤製品に関わる日本国内での法令や、スペック表記について一定の基準を守っている

企画自体が独自である

こちらはテレビや家電などの状況を考えると「各メーカーの企画が独自であるのは当たり前なのでは?」と感じるかも知れませんが、ドライブレコーダーに関しては世界の市場全体から見るとメーカー主導ではなく、中国の工場が企画を主導しています。

セルスターについてはほぼ国内生産ですし、コムテックも国内での生産比率がそこそこ高く、一部は韓国で生産しています。

ユピテルは中国メインで、一部のモデルを国内で生産しているようですが、ケンウッドはほぼ中国生産かと思います。

ケンウッドの場合には、ドラレコ市場に参入したのが2014年ですが、ケンウッド自体がドラレコの技術を持っていた訳では無く、もともとドラレコを生産していた工場でケンウッド企画の製品を生産し始めた、と言う感じかとは思いますが、企画自体はケンウッドが出しているでしょう。

日本の大手のメーカーが中国工場を使ってドライブレコーダーを生産する場合、その仕様や企画が流出しないように対策を行っている筈ですし、現在日本で売れている国内メーカーのドライブレコーダーは、グローバル向けのモデルと比べると仕様が複雑で、海外では売りにくいものとなっている為、そのオリジナリティは今のところしっかりと守られているように感じます。

 

一方で中国メーカーの製品に関しては、チップセットやイメージセンサー、レンズの種類がオープンになっているものが多く、元を辿っていくと台湾や欧米のメーカーのOEM工場が、他社向けに似たようなOEM製品を供給し始めた事に端を発しますが、ハードウェアの構成に関しては一定の組み合わせのパターンがあります。

日本のメーカーは公表しないので分からないですが、海外メーカーではハードウェアの構成を調べようと思うとすぐに分かってしまう為、「パクりパクられ上等!!」の世界です。

このような流れの中では企画段階ではそれほどお金が掛からない為、ドライブレコーダーを安く生産し易いという背景があります。

ネット販売の構成が低い

国内メーカーのドライブレコーダーは、ネット販売以外もカー用品量販店、家電量販店、専門店、カーディーラーなど、販路が非常に多岐に渡り、ブランド力の維持の為にもある程度の価格統制は存在しています。

まぁ、amazonなどは物凄く力が強くなったのでそんなものは気にしてないかも知れませんが…ある程度はメーカー側の要望も受け入れているようには見受けられますね。(昔は原価割れっぽい物が結構多かったように思います)

 

一方で中国メーカーの製品は、①過去に他社のOEM生産を行っていた工場が自社ブランドを立ち上げて直接日本のamazonで販売しているケース、②または他の工場にOEM生産させて自社ブランドをつけて日本のamazonで販売しているケース、③その他の業者が工場の企画製品を日本に輸入してamazonで販売しているケースのいずれかに当てはまり、ほぼ100%がネット販売になります。

流通経路が複雑で中抜きが多い

国内メーカーのドライブレコーダーは、小売店までの間に卸しが介在するパターンが多く(規模が大きい小売は直で取引していると思います)、小売店側が利益を確保する為に価格が下がりにくいという背景があります。

 

一方で中国メーカーの製品はネット販売がほぼ100%ですので、中間の流通マージンが発生せず、価格は下がり易くなります。

デバッグやサポートなどにコストを掛けている

ドライブレコーダーを含む電子機器類は、日本国内で正常に動作するかどうかなどの動作チェックやプログラムのデバッグにある程度時間を掛けていますので、過去にテストしてきた限りでは初期不良やしょうもない動作不良は中国製品に比べて少ないように感じます。

※良く分からない業者が出品している格安ドラレコは、しょうもない動作不良がそこそこある

ただし、中国メーカーの中でも工場直であるAUTO VOXやVANTRUE辺りは品質は良いと思います。AUKEYやANKERなどはよその工場でOEM生産しているパターンでしょうから、工場次第ですね。

サポートに関してはほとんどの日本メーカーが電話窓口を設置しているのに対し、中国メーカーはメールでのやり取りのみになります。(日本に駐在員はいないので)

法令遵守やスペック表記の基準について

中国メーカーの製品で最も問題であると感じるのは、WiFiやBluetooth通信に対応してモデルの技適認証の件です。

日本の電波法ではこれらの通信機能が搭載された電子機器を使用する場合、日本での使用基準を満たしている事を証明する「技適認証」を取得していなければ、そのガジェットでの通信は禁止されています。

販売は禁止されていませんが、通信機能の使用が禁止されており、違反したユーザーには罰則が科される可能性があります。(まぁ、ほとんど取締りはしてないようですが)

■ 総務省 電波利用ホームページ

技適マークが付いていない無線機を使用したらどうなりますか?

A:一部の無線機を除いて、技適マークが付いていない無線機を使用すると、電波法違反になる恐れがあります。

また、技適マークが付いていても無線局を開設するためには総務大臣の免許を受けなければならない無線機(アマチュア無線、パーソナル無線など)がありますので、使用には十分ご注意下さい。

(免許を受けずに無線局を開設若しくは運用した場合は電波法違反となり、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金の対象となります。また、公共性の高い無線局に妨害を与えた場合は、5年以下の懲役又は250万円以下の罰金の対象となります。)

日本のメーカーではまず技適を通してない製品は販売されていないかと思いますが、中国メーカーの場合にはほとんどが技適未認証の製品を販売しています。

amazonでWiFiモデルを購入する場合には、セラーに技適の件について問い合わせた方が良いでしょう。法令に違反しようが気にしない方は個人の自由なので止めはしませんが、おすすめもしません。

 

また、中国メーカーのスペック表記についてですが、いくつか注意点があります。

①視野角

②解像度

③LED信号対策

視野角はグローバルではレンズ視野角を記載する

ドライブレコーダーのスペックの中で最も重要なのが、事故の際の幅広い範囲の証拠を抑える為の「録画視野角」です。

日本のメーカーは実際に録画される視野角として「録画視野角」と言う表記項目を設けている事がほとんどですが、中国メーカーは「画角」などの表現で「レンズ視野角」を記載しています。

視野角170°と謳われているモデルでも、録画視野角は130°くらいしかないケースが多く、この数値を国内メーカーの「録画視野角」と比較してはいけません。

ドライブレコーダーの視野角と解像度表記には注意すべき!!

※日本のメーカーでもコムテックはレンズ視野角の表記しかありませんが、ほとんど全てのモデルで録画視野角が同等となっています。

なんちゃって高解像度に注意

ドライブレコーダーの解像度とは、録画ファイルとして出力されるファイル解像度になります。

現状では「1920×1080」が主流ですが、「2304×1296」であるとか、「2560×1440」、「2880×2160」などの高解像度のモデルもあります。

ただし、いくらファイルの解像度を上げても画像の元となるイメージセンサーの画素数が少なければ、ファイル容量だけ大きくなると言うデメリットしかなくなります。

イメージセンサーが200万画素であれば「1920×1080」、300万だと「2304×1296」、400万だと「2560×1440」、600万だと「2880×2160」が高解像度出力のメリットをしっかり得られる目安となります。

200万画素のイメージセンサーで300~400万画素の高解像度を謳っている、なんちゃって高解像度モデルも存在しますので、「2304×1296」以上の解像度を謳っている製品については、イメージセンサーの画素数を確認した方が良いでしょう。

高いのと安いのは結局どちらがおすすめなの?

高いドライブレコーダーと安いドライブレコーダーのどちらがおすすめなのかは一概には言えませんので、個々のユーザーの知識や考え方次第かと思います。

とりあえず動けばいい、不良品に当たったら交換する手間も厭わない、もしくはまた買い直しても良い、と考えるなら安いものを試してみても良いのではないかと思います。

不良品の交換など、①出来るだけ面倒なことは避けたい、②分からないことはサポートに問い合わせたい、③ドライブレコーダーの事自体良く分からない、④出来るだけ手間を掛けずにドライブレコーダーを運用したい、と考えるならそこそこ価格は高くても日本のメーカーの製品を選んだ方良いでしょう。

まぁ…、工場原価を知っちゃうと高いですけどねぇ…とっても。(笑)

(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣

■ 完全版!ドライブレコーダー メニュー入口

■ 初心者必見!ドライブレコーダーを選ぶ上で押さえておきたい7つの重要なポイント

■ ドライブレコーダーの取り付け方法をまとめて解説

■ ネット通販で購入した持ち込みパーツの取り付け店舗の探し方

この記事が気に入ったらいいね!しよう