ドライブレコーダーのGPSは必要か?

※2018年9月23日更新~最新の情勢に合わせて内容を見直しました。

最近はGPS内蔵のドライブレコーダーが増えていますが、GPS非対応のドライブレコーダーも依然として多く販売されております。

果たしてドライブレコーダーのGPSは必須なのでしょうか?

以前ご質問を頂いたことがあるGPSの必要性についてこのページで見解を述べておきます。

ドライブレコーダーのGPSの役割

GPSの必要性を論じる前に押さえておきたいのがGPSの役割ですが、ドライブレコーダーのGPSの役割は主に以下の3点となります。

  • 日時の自動設定
  • 動画上に速度を表示する
  • 専用再生ソフトと合わせて使用する事で走行軌跡を地図に表示する

これ以外にもユピテルの「DRY-ST6000d」などの特殊なモデルは、駐車監視のオンオフを管理するケースもあったり、法人向けのモデルなどは地図上に衝撃検知ポイントなどを表示する機能もありますが、これらは特殊なレアケースです。

ドライブレコーダー本体の日時の自動設定

ドライブレコーダーの日時の設定は、原則として初めて起動して時に行う前提ですが、GPS搭載のモデルの場合にはGPSを補足可能になると自動で日時の設定を行ってくれます。

ただし、手動での設定は最初の1度だけですのでこの部分での運用面では大きなメリットは大きくはありません。

とは言え、ほとんどのドライブレコーダーは日時の設定を保持する為の専用の電池がある訳ではなく、事故などの際の電源切断時の衝撃録画継続用に搭載されているリチウムバッテリーやキャパシタがこの電池の機能も兼ねています。

これらの電源による設定の保持期間については、メーカーによって差はあるものの、保証期間は1~2週間と謳われているものが多いようです。

キャパシタ搭載のドライブレコーダーは、ごくわずかな電力しか蓄えていませんが、電池の破裂の危険性がないのが特徴です。

一方で、リチウム電池を搭載した物は、ドライブレコーダーが数分から数十分間駆動可能なくらいの電力を蓄えていますが、過去にユピテルのリチウムモデルのリコールがあったように、安全性の面ではキャパシタモデルに劣ります。

パイオニアやケンウッドなどもリチウム電池を搭載したドライブレコーダーを発売していますので、リチウム=×ということではありません。

 

日時の保持機能の面では、やはり蓄えられた電力が大きいリチウム電池を搭載したドライブレコーダーが有利であり、キャパシタモデルの場合には、車に乗らない期間が1~2週間続いた場合には日時の設定が飛んでしまって手動で再設定をする必要が出てくる場合もあるという事です。

経験上ではほとんどのドライブレコーダーで1ヶ月以上は設定の保持が可能である事を確認出来ていますが、希に電池の接触不良を起こしているようなケースでは(不良品です)、電源を落としただけで設定が飛んでしまう事もあります。

GPS搭載のドライブレコーダーであれば万一設定が飛んでしまったとしても起動時に再度衛星を補足する事で、自動で日時の設定を行ってくれます。

動画上に速度を表示する

GPS搭載のドライブレコーダーは車両の位置情報を元に速度を計算し、その速度を動画上に表示する事が可能です。(非表示にする設定もあるものが多い)

この速度を非表示にする機能があるモデルが存在する事からも分かるように、速度が表示されていると自分に都合が悪い事が発生するケースもありますね。

それは自分の車が速度超過をしていた場合です。(速度超過をしない人は問題ないでしょう)

因みに車のメーターは、実際の速度よりも3~5%程度速度が高めに表示されますので、メーターの表示とGPSに記録された速度では若干異なります。

60キロ制限でもメーター読みで62~3キロであれば速度違反にはならないケースが多いという事です。

逆に10キロオーバーで検挙された時には、メーター読みでは15キロ弱はオーバーしていた事になりますので、一般的に考えられているほど情状酌量の余地はないかも知れません。

 

また、いざ事故があった際に仮に自分が速度超過をしていなかった、または危険を察知して減速などを行った際にも注意しておく事があります。

それはGPS対応のドライブレコーダーは厳密にはリアルタイムに速度を反映させて記録しているのではないという点です。

実はGPS自体が速度を検出してる訳ではなく、GPSによって補足された位置情報の差を移動時間を考慮してドライブレコーダーが速度を割り出していますので、衛星の秒間の補足回数によっては実際の減速から、動画に記録された速度情報が更新されるまでに若干のタイムラグが発生します。

この特性を知らずに言われるがままに動画を提出してしまうと、危険回避行動が遅かったと判断されてしまう可能性が出てきます。

この点に関してはGPSを利用しての速度記録の特性をユーザー側が把握して、反論できるようにしておくか、専門の弁護士などに相談する方法も考えられます。

※自分に過失が少ない状況なのであれば情報量は多い方が良いですが、過失が大きい時はこの限りではないかも知れませんね。

走行軌跡を地図に表示する

こちらは主に趣味的にドライブレコーダーを使用する人向けの機能かとは思いますが、専用の再生ソフトがあるモデルに限っては走行軌跡と動画を連動させて表示される事が出来ます。

ドライブ動画を視聴したり、編集する事があるようなケースではGPSは搭載されていた方が楽しみ方の幅が広がります。

GPSは内蔵のものと外付けのものがある

ドライブレコーダーのGPSは、カメラの筐体に内蔵されているものと、外付けのGPSユニットが搭載されているものがあります。

外付けのGPSユニットはカーナビに付属しているものと同様の、ケーブルが付いた小型のユニットです。

ピンの太ささえ合えば、ドライブレコーダーのメーカーが違っても対応してしまう事も多いのですが、内蔵タイプと外付けタイプのどちらが良いかと言えば、出来れば内蔵タイプの方が取り付けや見た目のスマートさの面で好ましく感じますね。(メカ的には内蔵させるとノイズが発生したりする事もあるので、作る方としては外付けの方が楽という噂も…)

ドライブレコーダーのGPSの必要性のまとめ

以上、ご説明した通り、ドライブレコーダーのGPS機能は必ずしも必要であるとは思いません。

過去にテストしたリチウムバッテリーモデルにおいては、一部の不良品臭いもの以外は1~2ヶ月程度は設定が消えた事はありません。

基本的にはキャパシタモデルよりもリチウム搭載のモデルの方が蓄電量が大きい為、設定は長持ちし易く感じます。

キャパシタモデルでGPS非搭載のものについては、1~2週間車に乗らない人は注意が必要かも知れませんね。

(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣

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