※2019年2月5日更新~最新の情勢に合わせて内容を見直しました。
ユピテルは国内ドライブレコーダーメーカーの中ではコムテックに次ぐ人気No.2を誇るメーカーですが、モデル数では大きくコムテックを上回り、駐車監視の仕様も発売時期やモデルによって異なる為、なかなか分かりにくい事になっています。
従来は3種類程度の録画方式であったものが2018年に1種類増えており、現時点では4つの録画方式が確認されていますので、考え方によってはコムテックよりも分かりにくい事になっているかも知れません。
そこでこの記事では分かりにくいユピテルの駐車監視の仕様について、モデルごとに録画方式と運用方法について解説します。
もくじ(クリック・タップで移動できます)
ユピテルドライブレコーダーの駐車監視は4パターン
ユピテルのドライブレコーダーの駐車監視の仕様には、大きく分けると次の4つのパターンが存在します。
①常時録画+衝撃録画(パーキングモードなし)
②常時録画+衝撃録画(パーキングモードあり)
③動体検知のみ
④タイムラプスのみ
常時録画+衝撃録画(パーキングモードなし)での駐車監視
このパターンがユピテルの駐車監視の仕様を分かりにくくしている最大の要因なのですが、駐車監視は可能であるが、パーキングモードが存在しないパターンです。
駐車監視が可能なのにパーキングモードはない…良く分からないですよね?
簡単に言えば、駐車中も何らかの方法でドライブレコーダーに給電を行い、走行時と同じように録画を継続するだけのものです。
パーキングモードがある場合には、駐車監視専用に走行時とは別の衝撃検知の感度の設定が可能になりますが、パーキングモードがないモデルについては走行時と同じ衝撃検知の感度になります。
何が問題なのかと言うと、しっかり衝撃検知を行いたい場合には駐車監視の度に衝撃センサーの感度を上げないと軽く擦られた程度では衝撃センサーが働かずに、問題のファイルがロックされない可能性がある点です。
従ってmicroSDカードの容量に余裕がない場合には、常時録画で問題の動画が保存されていたとしても、それが通常の動画で上書きされてまうかも知れません。
また、駐車監視時に衝撃センサーの感度を毎回調整するのもちょっと面倒ですよね。
このパターンの該当モデルは以下の通りです。
①「SN-SV40c」~円筒型・夜間特化型STARVIS対応のエントリーモデル
②「SN-SV60c」~円筒型・WiFi・GPS・夜間特化型STARVIS対応のスタンダードモデル
比較的新しいSTARVIS対応の夜間特化型モデルがこの仕様となっていますね。
これらのモデルは衝撃センサーの感度を前後・左右・上下で0.5~5Gの範囲で調節できますが、毎回の設定変更はちと面倒です。
どちらかと言うと設定は固定して、大容量のmicroSDカードで上書きされないような対策を行う方が現実的かと思いますね。
その運用方法であれば駐車監視の際に一切の操作は必要ありません。(駐車監視をしない場合には電源オフの操作が必要ですが)
常時録画+衝撃録画(パーキングモードあり)での駐車監視
このパターンは私が知る限り、2019年2月時点では他社も含めて全てのドライブレコーダーの中で最も駐車監視の利便性が高い運用が可能です。
今のところ該当モデルは「DRY-ST6000d」しかありませんが、駐車監視中はドライブレコーダーのメニューからフレームレートの調整、タイマー設定、カットオフ電圧設定が可能で、パーキングモードの衝撃センサーの感度を個別に調整できます。
また、エンジンオフで自動でパーキングモードに入り、パーキングモード中には常時録画と衝撃検知による録画を行いますが、復帰時に衝撃検知の録画があった場合には告知画面が表示され、確認を促されます。
さらに自宅駐車場などで駐車監視を必要としない場所においては、GPSポイントとしてキャンセル登録しておくことで自動でパーキングモードの起動をキャンセルして電源が落ちる仕様です。(ユピテルが特許出願)
動体検知のみでの駐車監視
夜間特化型のSTARVISモデル以外のユピテルのドライブレコーダーにおける、最もスタンダードな駐車監視の仕様がこの動体検知のみによる駐車監視です。
該当モデルは以下の通りとなります。
③「DRY-ST3000c/p」~箱型・GPS・スタンダードモデル
④「DRY-ST7000c」~箱型・GPS・超高解像度・ハイエンドモデル
このパターンでは、駐車監視モード=動体検知モードとの位置付けとなります。
運用方法は駐車監視に入る前に本体操作で「動体検知」をオンにし、車に戻った際には「動体検知」をオフにします。
タイマーなどで既に電源が切れている場合には「動体検知」がオフの状態で起動します。
「動体検知」の感度はかなり高めで、ファイルはロックされませんので長時間の駐車監視には充分な容量のmicroSDカードが必要となります。
なお、これらのモデルに関しては手動でこれらのモードを起動させる為、その操作を行わなければ①と同様に常時録画+衝撃録画の録画を行う事は可能ではあります。(更にmicroSDカードの容量を喰いますが)
タイムラプスのみでの駐車監視
ユピテルのドライブレコーダーは32GBまでのmicroSDカードしかサポートされていない為、録画容量が大きくなりがちな2カメラモデルの駐車監視は1秒1コマ録画のタイムラプスモードが採用されています。
該当モデルは以下の通りです。
①「DRY-TW7500d」~箱型・2カメラエントリーモデル
②「DRY-TW8500d」~箱型・2カメラスタンダードモデル
このカテゴリーのモデルでは「駐車監視」=タイムラプスモードとなり、長時間の監視を想定して1fpsの録画を行います。
駐車監視の出入りについては、降車・降車時に本体のボタン操作にて行います。
なお、動体検知モデルと同様にタイムラプスを起動させずに、走行中の常時録画を継続させる方法のありますが、仕様外の大容量microSDカードを使わないとデータがすぐに上書きされてしまうでしょう。
駐車監視中の電力の供給方法
ユピテルのドライブレコーダーは、駐車監視の方式だけでなく駐車監視中の電力の供給方法についても複雑で、以下の2つのパターンが存在します。
また、上記①②のユニットは12V入力・12V出力となっている為、ドラレコとの接続には別途指定の5Vへの降圧ケーブルが必要になるケースもあります。
※付属の電源ケーブルがシガープラグの場合には降圧ケーブルが必要、シガーケーブルではなく直結ケーブルが付属するモデルは不要です。
タイマー機能付き常時電源ケーブル「OP-VMU01」を使用する場合
「OP-VMU01」は前述の通り、12Vの電圧を車のバッテリーから貰い、それをそのまま12Vでドライブレコーダーに出力します。
なかなか分かりにくい仕様かと思うのですが、ユピテルのほとんどの1カメラモデルのドライブレコーダーで駐車監視を行う為には、このタイマー機能付き常時電源ケーブル「OP-VMU01」だけでは不可能です。
ドラレコ側は以下のような12Vのギボシ接続となっています。
従って純正のケーブルがシガープラグ形状であるモデルに関しては、別途以下のような5Vへの降圧ケーブルが必要となる訳です。
しかもこれがモデルによって型番が異なり、数種類が存在するのがまた厄介です。
ユーザー側からしてみれば、何故この部分まで「OP-VMU01」に付属させないのか?と疑問に思うかも知れませんね。
実はそれには次のような理由があります。
ドライブレコーダーの電源の接続部分は上部か横についているものがほとんどですが、ユピテルの場合には横についているものが多く、設置した際の見た目をスッキリ仕上げる為にL字型のminiUSBコネクタが使用されています。
miniUSBは天地の幅に差がありますので、反対向きには刺さりません。
従ってminiUSBのL字の曲がりの方向をドライブレコーダーの穴の向きと合わせないとケーブルが下向きに挿さってしまい、悲しい事になります…。
残念ながら、ユピテルのドライブレコーダー内でも本体のminiUSBコネクタの向きは統一されていませんので、本体のコネクタの位置や向きに合わせて別のケーブルを選ぶ必要がある訳です。
以下のようにL字の向きが2種類ありますので、この向きの違いが「OP-E487」と「OP-E755」の違いになります。
通常ならL字の向きは2種類で済むは筈なのですが、ケーブルが数種類存在しているのはどうもモデルごとに動作電圧が微妙に異なると言う事情があるようです。
なお、「OP-VMU01」のタイマーと電圧設定はディップスイッチで行い、以下の中から選択します。
①タイマー設定~30分/1時間/2時間/3時間/4時間/6時間/12時間
②カットオフ電圧設定~11.6/11.8/12.0/12.2/23.6/23.8/24.0/24.2V
タイマー付きマルチバッテリー「OP-MB4000」を使用する場合
ユピテルのドライブレコーダーは、車両のバッテリーからだけではなく、ドライブレコーダー用のマルチバッテリー「OP-MB4000」から電力を供給して駐車監視を行う事も可能です。
このマルチバッテリーを使用する為には、上述の「OP-VMU01」と同様に12Vを5Vに変圧するケーブルが必要になる事が多く、コスパは悪いですね。
「OP-MB4000」は機能的には「OP-VMU01」と同様に以下のタイマー設定が可能ですが、車両のバッテリーは使わないのでカットオフ電圧の設定はありません。
なお、「DRY-ST6000d」の場合には通信機能を使用する為、通常の降圧ケーブルとは異なる以下の通信&電源ケーブルが必要になります。
※「DRY-ST6000d」はこのケーブルを用いてバッテリーと通信しないとGPSキャンセルポイントでのパーキングモードキャンセルが出来ません。
ユピテルのドライブレコーダーの駐車監視のまとめ
以上、ユピテルドライブレコーダーの駐車監視の仕様や電源の供給方法、必要部材などについて説明しました。
なお、一部の全天球モデルの中にはここで紹介した物とは異なる「ドップラーセンサー」や「傾斜センサー」などを使用するモデルもあります。
その他、個別のモデルの仕様の違いに関しては以下の記事をご参照下さい。
(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣)
■ 初心者必見!ドライブレコーダーを選ぶ上で押さえておきたい7つの重要なポイント
■ ネット通販で購入した持ち込みパーツの取り付け店舗の探し方
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