高解像度のドライブレコーダーのメリットとデメリットについて解説

こんにちは!ドライブレコーダー専門家の鈴木朝臣です。

ここ1~2年でドライブレコーダーの進化は解像度を上げるよりも、360°化や多カメラ化によって視野角を広げる方向性となっています。

私自身はこれはあるべき正しい進化の方向性だと捉えていますが、高解像度のドライブレコーダーを求めるユーザーも一定数おり、過去に頂いたご質問内容から類推するに、この層は思いっきり画質に拘る層と、ドラレコに関しては全く詳しくなく、何となく高解像度の方が良いだろう、と考えている層に分かれる印象です。

そこでこの記事では、高解像のドラレコの購入を検討されている方向けに、高解像度のドライブレコーダーのメリットとデメリットについて解説します。

高解像度のドラレコの前提条件

現在市販されているドライブレコーダーのスタンダードな録画解像度は「1920×1080」の有効画素数207万画素(いわゆるフルハイビジョン)ですが、その上の解像度となると「2560×1440」の369万画素、「3840×2160」の829万画素(いわゆる4K)が主流となります。

ただし、ここで1点注意しておきたい事があります。

それは「録画解像度」と「画素数」の関係です。

録画解像度とは、イメージセンサーから取り込んだ映像を何個のドットで表現するか?というキメの細かさの指標になります。

「1920×1080」であれば207万ドットとなりますが、これよりも大事なのがイメージセンサーの画素数です。

イメージセンサーの規格には、概ね録画解像度の規格に合わせて100万~800万画素クラスがあります。

「1920×1080」の207万ドットで録画ファイルを構成したい場合には、イメージセンサーの画素数も207万以上が要求されます。

例えば現在主流になっている構成は、SONYの夜間特化型センサー「IMX307」で取り込んだ映像を「1920×1080」の207万ドットで出力する、というものですが、この「IMX307」はフルハイビジョンでの出力を前提に207万個の画素のセルで構成されています。

1画素セルで撮影した映像を1ドットで表現する事で画素数と解像度のメリットが最大限に生かせる訳です。

従ってイメージセンサーの画素数を超える解像度での出力、例えば200万画素クラスのセンサーで撮影した映像を高解像度の「3840×2160」で出力したとしても、1画素セルで撮影した映像を4つのドットに分けて表現するだけになるので、これではフルハイビジョンクラスのキメの細かさにしかならないという事です。

これは少しカメラ類に詳しい方であれば誰でも知っている内容ですが、中華メーカーの中には本来830万画素以上のセンサーが必要な4Kモデルで、400万画素センサー使っているなどの詐欺商法も目立ちます。

偽物の4K製品としては以下のJAPAN AVEの「GT65」が代表例になります。

高精細4K対応と謳われているにも関わらず、イメージセンサーは400万画素、最高出力解像度は「2880×2160」と、どこからどう見ても4Kではありません。

こう言ったものを4Kと勘違いして選ばないように注意しましょう。

高解像度のドライブレコーダーのメリット

イメージセンサーが解像度の要求スペックを満たした正統派の高解像度ドライブレコーダーメリットは想像には難くないと思いますが、以下の2点となります。

・キメの細かい映像となり、ナンバーの認識精度が上がる
・キメの細かい映像となり、景色が綺麗に撮影できる

ナンバーの認識精度が上がれば、煽り運転や当て逃げ被害に遭った際にも強力な証拠能力が期待できますし、趣味的にドライブレコーダーを使いたい方にも魅力的なメリットだと思います。

高解像度のドライブレコーダーのデメリット

一方で高解像度ドラレコにはこのようなデメリットもあります。

・録画データのサイズが大きくなるので、容量の大きいmicroSDカードが必要になる
・ダイナミックレンジが狭くなり、逆光に弱く、夜間の撮影能力も落ちる

録画ファイルの大きさに起因する問題

録画データの容量が大きくなる為に容量の大きいmicroSDカードを使用する事に関しては、このクラスの製品を使う場合には許容できる問題かとは思います。

ところが、メーカー側がユーザ―の目的を正しく理解していない為か、または画像を処理するハードウェアの性能が足りない為かは分かりませんが、フレームレートを落としたり、ビットレートを下げて録画データのサイズを小さくするような対策が施される事で、本来の高解像度のメリットが活かされてない製品も多く見受けられます。

特にビットレートを下げると、静止画の撮影では問題は出ないものの、動きや明暗の切り替わりが激しいシーンでは、映像がモザイク状に崩れてしまいます。

例えば対向車のナンバー認識精度ですが、以下の4つの製品のうち「Y-4K」以外は「2560×1440」の解像度ですが、処理がヘタクソなケンウッドの「DRV-MR8500」の動画崩れが酷い事がお分かり頂けるでしょう。

また、こちらのリアカメラの映像は、「Y-4K」「DH300D」がフルハイビジョン、「CS-92WQH」「DRV-MR8500」が2.5Kですが、フルハイビジョンの2機種の方がナンバー認識精度が高くなっています。

実機レビュー「VREC-DH300D」パイオニア高解像度2カメラドラレコの評価
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景色撮影に関しても同様に、ビットレートが低い機種はmicroSDカードの保存容量も押さえられますが、モザイク状に映像が崩れるシーンが多くなります。

【2021年版】景色が綺麗に撮影出来るおすすめドライブレコーダー
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イメージセンサーの構造に起因する問題

イメージセンサーは限られた面積に多くの画素セルの載せて光を取り込みます。

撮影範囲が同じである前提なら、画素セルが多ければ多いほど、1セルが負担する撮影範囲が小さくなる為にキメの細かい映像の撮影が可能になります。

ただし、イメージセンサーの全体の面積には、決まった規格による制限があります。

例えばSONYの200万画素センサーの「IMX307」は1/2.8インチサイズです。

これは対角線の長さが、1インチ(2.54cm)÷2.8=0.907cmである事を示します。

一方でSONYの840万画素センサーの「IMX415」も、同じサイズの1/2.8インチサイズです。

200万画素も840万画素同じサイズで何が悪いか…と言いますと「イメージセンサーのセルは光を取り込む受光部だけで構成されている訳ではない」というのがポイントです。

受光部の回りに仕切りがあったりしますので、同じセンサー総面積では画素数が多い方が全体の受光面積が狭くなります。

受光面積の低下は、明るさの表現能力の低下に直結しますので、ダイナミックレンジが狭くなり、逆光時や夜間の明るさの表現が苦手になるという事です。

・A129 Pro:IMX317(850万画素)
・A119V3:IMX355(500万画素)
・A129:IMX291 (213万画素)

最近ではダイナミックレンジ問題を解決出来ている製品も出て来た

前述のように高解像度モデルは、夜間の明るさやダイナミックレンジの面で不利になりますが、専用の再生ソフトによる明るさチューニングと、それを前提としたドラレコ側の絞りのチューニングにより、この問題をかつてないほどに克服している製品もあります。

それはVANTUREの最新4Kモデル「X4S」です。

同社は「X4」という型番で業界最速で800万画素のリアル4Kモデルを数年前から展開していますが、これは古いモデルでしたので、最近の他社製品と比べると画質面で明らかに劣っていました。

この「X4」のケースをベースにして、中身を総入れ替えした上で2カメラ、WiFi対応化したのが「X4S」で、現行2カメラドラレコの中ではNo.1の総合力となっています。

・総合力ではNo.1:VANTURE「X4S」

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・景色撮影特化:VIOFO:A129 Pro

WiFi対応の4Kの2カメラドラレコ VIOFO「A129 PRO DUO」の実機レビューと評価
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・日本メーカー:ユピテル:Y-4K

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コメント

  1. HCR32 より:

    基本的なことですが非常に役に立ちました。
    先般、お勧めいただいたX4Sも視野に入れていたのですが、アマゾンで一部とはいえVANTRUEの品質や対応が気になる書き込みがあったり、Omi様が駐車監視に向かないという評価もあったので、除外しておりました。
    ちょっと悩みますね。

    • ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣 管理人Omi より:

      HCR32様
      VANTRUEは中国メーカーですが、こちらでは故障した事ないですよ。
      amazonの評価は、中国メーカーゆえのサポートのコミュニケーションの取りにくさに由来するものだと思います。

      私の実体験からするとケンウッドの製品は品質が悪く、ユーザーはおとなしいので悪評は立ちませんが、VANTRUEのユーザー層は異なります。
      モールごとのユーザーの振舞いにも特徴があります。
      https://car-accessory-news.com/kenwood-dorareco/

      ・amazonのレビュー:辛口
      ・楽天のレビュー:普通
      ・クラウドファンディング:激甘

      このように中華メーカーの弱点を補完するには、私のようなアンバサダーが一番相性が良いんですよ。

      無料でやってますが、普通の企業なら月に数十万円の見積もりを出します。

      私がアンバサダーを受けているのは、ある程度の品質はクリア出来ているだろうと判断しているからです。そうでなければこちらに問い合わせが増えて、パンクすると思いますので。

      そして性能面や機能面で優れている、と言うよりも、私が別のメーカーにコンサルして企画を出しても、そのメーカーは生産背景やコストの問題から、ここまでの完成度のものをこの価格で販売する事は出来ないと思っています。=これは悔しいですが一時的に私が降参したと言う事なんです。

      ただし、私はアンバサダーをやりながら、いつかVANTRUEを喰ってやろうと思ってます。
      このように競合目線から見ても、このメーカーは強敵なんですよ。

      なので、必要以上にVANTRUEを擁護する事は、将来の私のビジネスの障害にもなり得るので、ありのままをお伝えしています。
      良いところは良い、悪いところは悪い、私の評価はある意味競合分析と同じだと思って下さい。

      因みに駐車監視するならN4SではなくN4ですね。
      https://car-accessory-news.com/vantrue-n4/

  2. HCR32 より:

    こんにちは。

    >ただし、私はアンバサダーをやりながら、いつかVANTRUEを喰ってやろうと思ってます。

    期待してますし、応援します。

    >良いところは良い、悪いところは悪い、私の評価はある意味競合分析と同じだと思って下さい。

    もちろんそれは承知ですし、それゆえOmi様に期待もしているしこのサイトも見させていただいております。

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