※2024年1月16日更新~2024年向けに内容を見直しました。
こんにちは!ドライブレコーダー専門家でLaBoon!!編集長の鈴木朝臣です。
ドライブレコーダーの液晶ディスプレイサイズは、2.0型~2.7型程度が一般的ですが、ディスプレイサイズが大きくなれば動画を再生した際の視認性が向上するものの、それに伴って筐体も大きくなってしまいます。
一方で本体のコンパクトさを優先した場合には、どうしてもディスプレイが小さくなってしまいますので、動画を再生した際の視認性が落ちてしまいます。
これら2つの問題点を同時に解決するのが、WiFi接続によるスマホアプリでの動画の再生が可能な「WiFi対応ドラレコ」ですが、この記事では2024年向けに基本性能や使い勝手に優れたWiFi対応対応のおすすめドラレコと、安心感の高い大手メーカーの製品についていくつかご紹介します。
初めに押さえて起きたいWiFiドラレコのメリットとデメリット
先に述べたようにWiFi対応のドラレコにはメリットもありますが、デメリットもあります。
そこでまず初めにWiFi対応ドラレコのメリットとデメリットについて触れておきますので、メリットとデメリットを把握した上で購入を検討しましょう。
WiFi対応ドラレコのメリットはこちらの3点です。
・スマホの大きい液晶画面で動画の再生が出来る
・なんとなくハイテク製品を使っている気になる
この3点に魅力を感じられる方にはWiFi対応モデルがおすすめです。
逆にデメリットとしては、以下の3点が挙げられます。
・周囲の電波状況によっては接続が安定しない事がある
・動画の再生、ダウンロードに結構時間がかかる事がある
この3点が許容できる方にはWiFi対応モデルがおすすめですが、そうでないならば液晶を搭載したWiFiモデルを選ぶか、WiFiモデルそのものを諦めた方が良いでしょう。
中華ドラレコのWiFiは違法の可能性あり!
WiFi対応モデルを選ぶにあたって最初に知っておきたいのが、怪しい製品を選んでしまうと知らないうちにユーザーが法令違反を犯してしまう危険性がある点です。
日本にはWiFi、Bluetoothで使用される周波数に対応する通信機器は、技適認証を受けなければ使用出来ないと電波法で定められています。
amazonなどでは怪しい中華系業者から、この技適認証を通していない製品が多くに売られていますので注意が必要です。
※怪しくない中華メーカーでも時々技適認証が終わっていないのに販売されている製品もあります。
これは電波法では、電波を発する機器のうち、その大半が製品、もしくはその製品に使用されている通信モジュール単体のいずれかが、総務大臣の登録を受けた認定機関の検査により「技術基準適合証明」を取得した物以外をユーザーが日本国内で使用してはならない事になっています。
また、「技術基準適合証明」を取得したモジュール・製品に関しては、本体・外箱・取扱い説明書・アプリ・その機器に使用されているWiFiモジュールのいずれかに「技適マーク」の表示が必要となっています。
ユーザー個人でも製品の認証を受ける事は可能ですが、コストや手間を考えると現実的ではありません。
問題は上記の条件を満たしていない製品を日本国内で「使用する事が禁止」されている点であって、その製品の販売に関しては法令で規制されていない点です。
仮に技適マークが表示されていないWiFi機器の通信機能を日本国内で使用してしまった場合について、総務省のホームページには以下のように記載されています。
技適マークが付いていない無線機を使用したらどうなりますか?
A:一部の無線機を除いて、技適マークが付いていない無線機を使用すると、電波法違反になる恐れがあります。
また、技適マークが付いていても無線局を開設するためには総務大臣の免許を受けなければならない無線機(アマチュア無線、パーソナル無線など)がありますので、使用には十分ご注意下さい。
(免許を受けずに無線局を開設若しくは運用した場合は電波法違反となり、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金の対象となります。また、公共性の高い無線局に妨害を与えた場合は、5年以下の懲役又は250万円以下の罰金の対象となります。)
違法か合法かをユーザーが判断するのは困難なケースも多い
電波法違反に関しては罰則規定はあるものの、対象機器・外箱・説明書・アプリに表示があれば確認が違法か適法かの確認が可能ですが、内部のWiFiモジュールに表記があるケースも存在する為、適法である事を判断する事は可能ですが、ユーザーが違法である事を判断するのは極めて困難です。
また、「技適マーク」の表記の有無を製品購入前に確認する事も容易ではありません。
そもそも法令では「技術基準適合証明」を取得したモジュールを使用した製品においては、ユーザーに分かり易いように対象機器・外箱・説明書・アプリへの表記を認めているというだけで、強制力はありません。
※そもそも表記しなくても責任は100%ユーザーにある為、知らないで日本で使ったユーザーが悪いという考え方
WiFi対応ドラレコに関してはこのような背景がありますので、この記事ではメーカー側から技適認証済みの情報を取得、または説明書や本体等に記載のあるもののみ掲載しています。
※日本の大手メーカーの製品は、未認証はまずあり得ないので個別に確認しません。
WiFi対応のおすすめドラレコ
最近のドラレコ市場は完全に1カメラから2カメラ主導になっており、最新機能で高画質モデルは2カメラタイプに偏ってきていますので、ここでは2カメラ以上のWiFiモデルについていくつかご紹介します。
VANTRUE「N5」
VANTRUE「N5」は、総合力では2023~2024年の最強モデルと言えるWiFi対応の4カメラモデルです。
前後2カメラを装備したフロントカメラと、セパレート型の後方撮影用リアカメラ、そしてリアガラスに前向きに貼り付ける前提のインナーカメラの3カメラ構成により、死角の少ない全方位の録画を実現しつつ、2.5Kの高解像度録画によるナンバー認識精度の高さがセールスポイントとなる製品です。
フロントカメラのイメージセンサーには、SONY製のドラレコ用イメージセンサーとしては最新世代に当たるSTARVIS 2技術に対応した、IMX675/500万画素を採用し、2.5Kの高解像度録画で先行車のナンバーをしっかり押さえます。
また、そのナンバー認識精度の高さ、全体把握能力の高さから、駐車監視においても抜群に高い能力を発揮してくれるでしょう。
VANTRUE「N4 Pro」
VANTRUEの「N4 Pro」は、時代を先読みしてヒット商品となった「N4」の進化上位版モデルです。
本機はフロントカメラに4KのSONYのSTARVIS 2センサーを搭載しており、フロントカメラのナンバー認識精度、ダイナミックレンジの広さ、明るさと言う面では、他の製品に対して大きなアドバンテージを持っています。
従って3カメラ現行の3カメラモデルの中では最もおすすめ出来る製品の一つと言えますが、4カメラの「N5」の方がサイド方向の視野角の広さで勝っていますので、特に条件を設けなければ「N5」、次点で「N4 Pro」のおすすめ順位となります。
VIOFO「A139 Pro」
VIOFO「A139 Pro」は今後日本でも販売予定の4K+フルハイビジョン+フルハイビジョンの3カメラまで対応するディスプレイ無しのWiFi対応3CHモデルです。
4Kモデルはその解像度の高さによる精細感ばかりが注目されがちですが、フルハイビジョンセンサーと比べると光を取り込む能力が大きく劣りますので、夜間の撮影能力に問題が出る事が多いのですが、本機に関してはイメージセンサーを1/1.8インチ(標準的なドラレコの2.4倍程度の大きさ)としています。
これにより、従来の4Kモデルの弱点であった、夜間撮影能力の低さを克服しています。
加えて3CH対応と言う事で、広範囲の状況証拠を捉える能力も高くなっていますので、総合力では2023年の最高評価と言える製品です。
VANTRUE「Element 3」
VANTRUEの「Element 3」は「N4」のWiFi対応の後継モデルと言った位置付けのWiFi対応の3CHモデルです。
本機はセンサーや録画仕様、駐車監視の仕様は「N4」とほぼ同等で、デザイン面やWiFi・リモコン・音声コマンドなどの操作性などの面で「N4」を改善したような特性のモデルです。
デザインのコンパクトさやWiFiアプリの利便性などの面では、確実に「Element 3」にアドバンテージがありますので、この部分にメリットを感じるなら「Element 3」を選びましょう。
2カメラで4K対応のVANTRUE「X4S」
VANTRUE「X4S」は2021年末に発売された、4K+フルハイビジョンのWiFi対応2カメラドライブレコーダーです。
一般的なWiFi対応ドラレコは液晶ディスプレイを搭載しない、または小型する事で本体もコンパクト化していますが、本機は3.0型の大型ディスプレイを搭載した上でのWiFi対応モデルです。
イメージセンサーは前800万画素/後200万画素で、4K+フルハイビジョンでの2カメラ録画を行いますが、この製品は同社から3年前に発売されている4Kドラレコの先駆けとなった「X4」の後継機となっており、高解像度による精細感の高さだけでなく、明るさが調整出来るPCビュワーによる補正能力が特徴的な機種です。
この画像を見て頂ければ分かる通り、夜間は圧倒的な明るさを実現しています。
2カメラ動体検知による駐車監視モードにも対応しており、夜間のナンバー認識精度も抜群に高めななのも、他社製品との差別化ポイントと言えるでしょう。
なお、本機は4Kモードでは28fpsのフレームレートでの録画を行いますが、フレーム調整が入っている為か、動画にカクツキが見られ、景色撮影向けの特性とは言えません。
また、2.5K/55fpsの録画モードにも対応しているものの、このモードでは視野角がかなり狭くなるのが残念ポイントです。(色目はキレイですが)
ドラレコとしての実用性の観点から考えるのであれば、2022年1月時点での2カメラドラレコの中では断トツのNo.1評価となっています。
高解像度3カメラモデルのVIOFO「A139」
VIOFOの「A139」は2021年に発売されたWiFi対応の液晶なし3カメラドライブレコーダー、4K対応の「A139 Pro」の先代下位モデルです。
3カメラともにSONYの夜間特化型STARVISセンサーを搭載し、フロントカメラは2.5Kの高解像度とVANTRUEの「N4」によく似た仕様で、全体の状況認識、ナンバーの認識精度とも非常に高めとなっています。
※「N4」は2ピースセパレートだが、「A139」は3ピースセパレート構造なので、フロントカメラの設置の汎用性はこちらの方が高い。
VANTRUEのPCビュワーの性能を考えると、ドラレコとしての実用性で「N4」を上回る事は難しいと考えていますが、VIOFOのドラレコには景色撮影能力が高い製品が多いので、美しく綺麗な映像を撮影した方向けの製品になりそうです。
4カメラまで対応可能な異色のネットワークドラレコ GARMIN「47Z」
GARMINは言わずと知れたアメリカのGPSメーカーでガジェットメーカーとしては抜群の信頼性を誇ります。
同社の「47Z」は2019年6月に発売された、WiFiとBluetoothでネットワークを構築する2カメラドライブレコーダー「46Z」の2021年向けの後継機ですが、このネットワークリアカメラ相当の単品モデル「mini2」を2台まで追加する事で、最大で4台の構成が出来ます。
3台構成の場合には3台目を車内向きに、4台構成なら左右のクォーターガラスに外向きに取り付けるなど方法でユーザーの要望に合わせて撮影範囲を調整する事が可能です。
本機はSTARVISセンサーを採用している訳ではありませんが、ソフトウェアによるチューニング技術が優れており、昼間の白飛びを抑えながら夜間も比較的明るく撮影できるのが特徴です。
異色のクラウド対応 BlackVue製品
韓国のグローバル向けドラレコメーカーBlackVueは、WiFi対応だけでなく、日本では珍しいクラウドサーバーを活用してIPカメラ的に離れた場所からドラレコの映像を視聴できるドラレコを専門的に販売しています。
グレード的にはエントリーから4Kのハイエンドまで幅広い構成となっており、WiFiルータ―対応の製品、LTE対応の製品、3カメラ録画に対応した製品など、様々な製品がラインナップされていますので、遠隔駐車監視に興味がある方は同社の製品を検討されると良いでしょう。
まとめ
以上、WiFi対応のドライブレコーダーについていくつかご紹介しました。
最近はWiFiモデルも高画質化、多機能化が進んでいますのでガジェット好きな方は是非検討してみて下さい!
コメント
いつも参考にさせて頂いております。
セイワのドラレコとBREX DRIVE RECORDER G-ON BCC505 は
形が酷似しているのですが、セイワのドラレコを検討しており、
後発のbcc 505の方が仕様が良ければこちらの方を検討したいのですがいかがでしょうか。また駐車監視メインでWIFIモデル必須で、2カメラ以上モデルでは、どれがお勧めでしょうか。
りく様
BREXというブランド自体がドラレコ専門ではないようですし、円筒形のドラレコは中国で作っている工場は結構多いです。
https://www.alibaba.com/product-detail/Global-Version-70Mai-Dash-Cam-Pro_1600133684725.html?spm=a2700.galleryofferlist.0.0.75de674cto0pMw
https://www.alibaba.com/product-detail/Dashcam-Wifi-Dashcam-4k-DDPai-X2S_1600129117458.html?spm=a2700.galleryofferlist.0.0.75de674cto0pMw&s=p
セイワのPDR800FRは素性がはっきりしているTHINKWAREのF800PROのOEMモデルですが、BREXの製品は海の物とも山の物ともつかない謎の製品かと思います。
https://car-accessory-news.com/drive-recorder-thinkware/
駐車監視前提なら、まだまだセイワのPDR800ですかね。他はVIOFOのA129 Plusなども良いと思います。
https://car-accessory-news.com/a129plus-duo/
そのうち、Y-400diがレビューされることを期待してます。
(一応投票済み)
中古で車両を買ったときから付いていたホンダ純正のドライブレコーダーでフォーマット要なのが面倒で・・・
クルマのフロントウインドウがとてもとても小さいので、本体はコンパクトにしておきたいので、Y-400diに興味ありです。
PDR800FR、このサイトで知って使ってますが、別に長押しは不要では。
wifi接続モードにしておくと、ずっと接続待機している・・・と思います。
tokumori2様
Y-400diは6~7月にはレビュー可能かと思います。
PDR800FRの件ご質問ありがとうございます。
後で確認してみます。
現在vantrueのN4を使用しており、フロントカメラが映らなくなり、カメラ部分を押し込むと映るというような故障が起こり買い替えを検討しています。 vantrue製を考えていますが前後撮影可能なモデルはどれがいいでしょうか?
ARMS様
N4の後に出て来たS2は画質の面ではN4未満、E3も確実にN4を超えるとは言えない状態です。
今ならN4 or E3かと思うのですが、E3が未テストなのでどっちとは言えないですね。
ありがとうございます。Amazonの方見ていますと、E2が気になっておりますが、画質はN4と同等でしょうか?
車内まではいいかなと、N4でもフロントとリアのみで設定していました。
ARMS様
N4よりも逆光補正能力は高いですが、若干夜間が暗い感じがします。
いつも楽しく拝見しております。
今月末にアウトランダーphev新型の納車予定で、
ドライブレコーダー探しに奔走しております。
珍しい商品がすきなのでA139 Proか、A139を検討しておりますが、
そもそもproの方はいつから日本に発売されると思われますか?
現在為替の関係もあるので15000円ほどProの方が高くなりそうな
気もしますが差額を払うほど価値があるかも絶妙なところな気がします。
こちらのメーカーは情報が少ないので少し怖さはありますが、
それでも自分で使ってみたいというワクワクさがあるから困っちゃいますね笑
アウトランダー最様
製品に期待するものによるのですが、私は景色撮影重視なのでA139 Proは使いません。A139を使ってます。
夜間の明るさ、駐車監視やナンバー認識重視であれば、A139 Proがおすすめです。
※A139 Proは調整不足の感があり、ファームアップデートによる改善を促しています。
返信ありがとうございます。
最初はデジタルインナーミラーがいいと思っておりましたが、
その次にやっぱりデジタルミラーなんて要らんってなって、
VantrueのE3がいいなーと思ってた所、やっぱり
E3はでかいってなって次はA139、
やっぱりデジタルミラーいいなーってなっての
無限ループに陥ってます。。。
鈴木さんの後押しだと勝手に解釈してA139を行きます!
コメントありがとうございました!
アウトランダー最様
ドラレコって使用目的によって選ぶものが全く変わって来るんですが、今の私はこう言った使い方してるので、A139使うようにしています(笑)
https://youtu.be/7TrUIEocEmU
※最新ファームウェアでは55fpsモードになってますが、再度60fpsモードを入れるように要請してます。(60fpsのアクションカムと比べると、引っ掛かりが目立つので)
いつも楽しく拝見させていただいてます。
個人的にWiFi対応のドラレコに興味があるのですが、デジタルミラーの様にリアルタイムでタブレットやスマホに表示させることは可能なのでしょうか?単純に記録されてるのを見るだけの機能なのでしょうか?
ルームミラーは必要と考えていて、単純にドラレコでデジタルミラーも兼ねてしまいたいと言う普通と逆(デジタルミラーにドラレコがある)とでも言う様な感じです。
WiFi対応バックカメラに高画質な物があればいいんですけど、探しても低画質な物しか見当たらないのでこのような考えとなっています。
よろしければお時間あるときに返信いただけると助かります。
ドラレコのWiFi機能は、原則として常時ライブビューを表示させる事を想定しておらず、確認の為に表示させるもの、と言った位置付けて開発されていると思います。
VIOFOのWiFiモデルは録画しながらライブビューの表示が可能だった気がしますが、動作の安定性や発熱の問題を考えると、常時表示はやらない方が良いと思います。
通信の安定性や遅延の恐れもありますし。