※2025年7月16日更新:スマートミラーの画質について追記
こんにちは!ドライブレコーダー専門家の鈴木朝臣です。
MAXWINから2025年向けの60fps出力に対応した貼付型のスマートミラー、「MDR-C014A」「MDR-C014B」が発表されています。
■「MDR-C014B」はLaBoon!!セレクトショップでも取り扱います
同社の60fpsの貼付型スマートミラーとしては、既に「MDR-G014」が販売されていますが、非常に高評価であった「MDR-A002」と比較すると、「MDR-G014」は夜間画質が良くなかった為、LaBoon!!ではそれほど積極的にはおすすめして来ませんでした。
リアカメラは今回発表されている「MDR-C014」、「MDR-G014」「MDR-A002」は全てIMX462が採用されている為、レンズとチューニングの精度、チップセットの性能差で画質の差が出ていると思われますが、「MDR-C014」がどのような仕上がりになっているか非常に興味深いところです。
※「MDR-C014」のドラレコ機能を外した純スマートミラー「MR-C001」については、画質面では「MDR-C014」と同等と予測します。
「MDR-C014」のスペックと特徴
「MDR-C014」のスペックはこちらの表の通りです。
MDR-C014 |
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10.88型IPS液晶 |
フロント:1920×1080/HDR/55fps リア:1920×1080/HDR/60fps |
LED信号対応 |
レンズ視野角 フロント:対角?° リア:対角?° |
リアカメラケーブル6m? OPで10m/15mあり |
microSD付属??/最大128GB |
GPSはOP |
駐車監視モード |
衝撃検知/タイムラプス |
専用ケーブル MDR-CCAB04 |
「ドライブレコーダーの持込取り付け」が出来るお店 |
個人的にはあまり重要とは考えていませんが、本機はフロントカメラも55fpsの高フレームレートとなっています。(有事の際の証拠として、55fpsの高フレームは過剰)
ドラレコとしての実用性を考えた場合、フロントカメラの高フレーム化よりもシステム全体の長期間に渡る安定動作の方が重要であり、それがクリアできるハードウェアの仕様なのであれば、60fpsの高フレーム化よりも2.5Kの高解像度化を目指す方がベターであると、私は考えます。
いずれにしても、フロントカメラよりもリアカメラの夜間映像が「MDR-A002」にどこまで肉薄できるかの方が重要ですので、後日のレビューの際には「MDR-A002」との比較を行う予定です。
付属品とデザインについて
今回はMAXWINからの提供サンプルにて、ドラレコ機能付きの室内リアカメラタイプ「MDR-C012B」の実機レビューを行いました。
セット内容については以下の通りです。
・フロントカメラ
・車内専用リアカメラ
・リアカメラ接続ケーブル(6m)、OPで10m/15m設定あり
・シガー電源ケーブル
・GPSアンテナ
・ターミナルケーブル
・ゴムバンド(長短)
・ドラレコステッカー
・取扱説明書
ミラー型筐体
ミラー型筐体のデザインは一般的な中華メーカーの貼付型と同様ですが
コネクタ周りをスッキリさせる為にターミナルケーブル1本のみが本体に接続される仕様となっています。
本体上部にはターミナルケーブル用のType-C端子とmicroSDカードスロットのみ
下部には電源とディスプレイのON/OFFボタンが配置されています。
フロントカメラ・リアカメラ
フロントカメラ・リアカメラはこのようなガラス貼付け専用タイプです。(MDR-C014Aは車外タイプ、MDR-C014Bが車内タイプ)
レンズ部分はほぼ360°回転します。
GPSアンテナ
GPSアンテナは一般的な中華スマートミラーに使われているものと同等です。
電源ケーブル
電源ケーブルはこちらのシガーケーブルタイプが付属します。
リアカメラ中継ケーブル
付属のリアカメラ中継ケーブルは6mですので、ミニバンなどの場合には配線を上から這わせないとフロント筐体まで届かない可能性があります。
※OPで10m/15mのケーブルの設定もあります。
ターミナルケーブル
フロントカメラ・リアカメラ・GPSアンテナ・電源ケーブルを集約するケーブルです。
取付けについて
30系アルファ―ドに「MDR-C014B」の取付を行いました。(画質の比較の為に「MDR-A002A」の下に吊り下げ)
一般的な2カメラドライブレコーダーの取り付け手順はこちらの記事で解説しています。

インターフェイスについて
「MDR-C014B」の電源ONからの起動時間は14秒程度と、一般的なスマートミラーとしてはやや遅めです。
画面に表示されている情報は、カレンダーやアイコンなどとなっていますが、全て設定から消す事も出来ます。
バックカメラ機能について
「MDR-C014」のバックカメラ機能は、スマートミラーとしてはスタンダードでリアカメラ中継ケーブルの赤線を後退灯などに接続する事でバックギアに連動して画面が切り替わります。
映像の位置とガイド線の調整はドラッグ操作で行う事が可能となっています。
なお、スマートミラーのバックカメラ機能全般には人によっては使いにくいと感じるような問題点もありますので、バックカメラ機能について詳しく知りたいと考えている方はこちらの記事にも目を通しておいた方が良いと思います。

スマートミラーとしての画質の比較
スマートミラーとしての画質は、以下の項目について30系アルファードにて「MDR-A002A」と比較しました。
- 視野角と後続車両との距離感
- 映像の滑らかさ
- 画面の明るさ、反射のしにくさ
- 昼間の逆光補正
- 夜間のヘッドライトの防眩効果
- 暗い場所での明るさ
視野角と後続車両との距離感
「MDR-C014B」「MDR-A002A」とも視野角を調整できるモデルですが、調整前の視野角は
- 「MDR-C014B」が水平118°
- 「MDR-A002A」が水平117°
と、ほぼ同等です。
これをそれぞれのモデルの最大倍率まで拡大した際には以下の距離間となります。
「MDR-A002A」が平面鏡と同等の倍率までカバーしているのに対して、「MDR-C014B」はその半分程度の倍率です。
映像の滑らかさ
映像の滑らかさについては、いずれも60fpsの高フレームレートですので同等の筈ですが、「MDR-A002A」の方がディスプレイの色彩感やクリア感が遥かに高い為、体感的には「MDR-A002A」の方がクリアで滑らかに見えます。
※これはカメラで撮影した画像を比較しても分かりません。(撮影したカメラの性能に依存する為)
以下画像の雲の表現を見て頂くと色の階調の差が飛んでもない事がお分かり頂けると思います。
このような表現をするデジタルミラーは、「MDR-A002」以外には知りません。
他の中華・国産のデジタルミラーとも、「MDR-C014B」のように色の階調を落とした映像になり、ナチュラル感が損なわれています。
画面の明るさ、反射のしにくさ
画面の明るさについては、おそらく「MDR-A002」と同等なのかと思われますが、若干ですが反射には「MDR-C014B」の方が強く、「MDR-C014B」はひょっとすると液晶内部にハードウェア的な反射防止加工が施されている可能性を感じます。
昼間の逆光補正
昼間の逆光補正については、いずれもかなり精度の高い補正が入っており、白飛びには極めて強くなっています。
※撮影したカメラの性能に依存する為、実際はほとんど白飛びはありません。
そして「MDR-C014B」はいかにも補正が入っていると言う見え方に対し、「MDR-A002」は自然でクリアな見え方です。
補正のイメージはこちらのドラレコ映像に近いものです。
夜間のヘッドライトの防眩効果
夜間のヘッドライトの防眩能力については、撮影側のHDR対応のカメラでも補正が足りず、いずれも白飛びが強く出ているように見えます。
こちらもドラレコ映像の方が実際の見た目に近いものとなります。
「MDR-C014B」も60fpsモデルである事を考えるとかなり良い線を行っていますが、60fpsでこの精度を実現している「MDR-A002」は驚異的と言えます。
実は「MDR-A002」は廃番が決定しているらしく、その理由は生産コストの問題なのだそうです。従っておそらくこのような高フレーム、高画質の製品はもう出て来ないでしょう。
今更ですが、おそらくこの製品はモニター自体も高性能なもの使っていると思います。なのでデジタルミラーとしての見え方が自然でクリアです。
個人的には最も高画質で思い入れの深い機種ですので残念です。
夜間の市街地での明るさ
夜間の市街地での明るさは「MDR-A002」よりも若干明るく、充分な明るさです。
眩しさはほとんど感じませんが、やはり「MDR-A002」の方が目に優しい補正、明るさと言えそうです。
暗い場所での明るさ
暗い場所での明るさについては、どちらも60fpsとは思えないレベルを実現しています。
日本メーカーの中では、最もバランスが良く高画質と評価した、30fpsモデルのセルスター「CS-2000SM」と同クラスの明るさです。
「MDR-C014B」は「MDR-A002」には敵いませんが、それでも日本メーカーの30fpsモデルと同等以上の画質のクオリティを実現出来ていると言えそうです。
ドライブレコーダーとしての画質について
ドライブレコーダー画質は、以下のポイントについてコムテック「MDR-A002A」と前後カメラを比較しました。
- 録画視野角
- 逆光補正能力
- ナンバー読み取り精度
- 夜間の明るさ
録画視野角について
「MDR-C014B」の録画視野角は前後カメラともドラレコとしては一般的な水平118°程度でした。
逆光補正能力について
逆光補正能力については、強いHDR補正の効果で非常に高めとなっており、白飛び・黒潰れを高い精度で抑えられています。
※「MDR-A002A」の方は、補正が入っている事が分からないくらいナチュラルな見え方です。
【前】
【後】
「MDR-C014B」の補正レベルも一般的なスマートミラーと比べると充分高いものですが、「MDR-A002A」は職人技的なレベルと言えます。
ナンバー読み取り精度について
「MDR-C014B」前後カメラとも標準的な解像度であるフルハイビジョン、録画視野角も標準的な水平118°ですので、ナンバー認識精度はフルハイビジョンドラレコとしては標準的です。
夜間のヘッドライトが反射したナンバー認識精度についても、一般的なドラレコと比べると高めです。
昼夜ともフロントカメラは「MDR-A002A」、リアカメラは「MDR-C014B」の方が文字のコントラストが強く、読み取り易いと言う結果。
夜間の明るさについて
ネオンや街灯が多い市街地では、フロントカメラ・リアカメラと、最近のSTARVIS対応ドラレコとしてはやや暗めです。
街灯が少ない暗い場所でも同様です。
特にフロントカメラが55fps化された事で、30fpsの「MDR-A002A」との明るさの差が顕著に出ています。
個人的には景色撮影に使用するのでない限り、フロントカメラの高フレーム化はダイナミックレンジの面でのデメリットが大きくなる為、無用の長物と感じます。
動画ファイルの再生方法について
「MDR-C014B」の動画の再生については、ミラー液晶、PCの専用ビュワー、PCの汎用ビュワーでのテストを行いました。
PC専用ビュワーでの再生について
専用のPCビュワーはこちらからダウンロードします。
機能的には以下のようにドラレコのビュワーとしてはやや絞られたものとなっています。
・映像の拡大~×
・地図への走行軌跡の表示~〇
・速度の表示~〇
・方位計の表示~×
・Gセンサーグラフの表示~〇
・再生速度調整~×
・明るさの調整~×
ミラー液晶での再生について
ミラー液晶での再生については、一般的なドラレコに比べると大画面ですので、非常に見易くなっています。
PC汎用ビュワーでの再生について
PC汎用ビュワーでの再生については、Windows 10のメディアプレイヤー、OSにデフォルトで搭載されている「フォト」「映画&テレビ」、汎用ソフトのVLCでの再生も可能でした。
フレームレートとLED信号の映り方について
「MDR-C014B」のフロントカメラのフレームレートは55fpsですので、西日本・東日本の何れにおいても高速点滅して映るでしょう。

駐車監の仕様について
「MDR-C014B」の駐車監視については専用ページを作り、こちらで解説します。
■「MDR-C014B」の駐車監視の仕組みと使い方について解説
地デジへのノイズの影響について
地デジへのノイズの影響は、アルファード+サイバーナビの組み合わせでは確認出来ませんでした。
ラジオへの干渉も確認できませんでしたが、ノイズ干渉に関しては車種やカーナビ、アンテナの位置により影響が出る場合もありますので結果は参考程度に捉えて下さい。

「MDR-C014B」の総評
最後に「MDR-C014B」の総評です。
今回比較した機種が「MDR-A002A」だった事もあり、全体的に「MDR-C014B」をセールスするような内容にはなりませんでしたが、価格帯を考えると「MDR-A002A」の半額以下ですし、一般的な日本メーカーの30fpsモデル以上の画質ですので、それを考え合わせるとかなりコスパは高い製品と言えそうです。
まあ、MAXWIN自体もコストが合わない「MDR-A002」よりも、現実路線の「MDR-C014」を…と言う考えのようですし、まさにその通りの製品だと感じました。
コメント
いつも参考にしてます。
この商品は値段的にも、取り付け難易度的にも魅力的で気になっています。後方の画質を上げ、フレームレートを上げた商品を開発してくれたら本当に嬉しいですね。外車でなければマウント交換式が魅力的ですが、この商品のレビューとても楽しみにまってます。
60fpsのHDRは、露光時間が極端に短くなる関係でMDR-A002のように高画質に調整するのが難しいようです。
実は個人的にはあまり期待はしていないのですが、高画質だったらラッキーぐらいに考えています。