※2022年6月26日更新~実機レビューについて追記しました。
こんにちは!ドライブレコーダー専門家の鈴木朝臣です。
コムテックから2年ぶりに1カメラタイプのスタンダードドラレコ「HDR204G」が発売されています。
今回はこの「HDR204G」についてご質問を頂いたので、ざっくりと特徴を解説します。
「HDR204G」のスペックと特徴
「HDR204G」のスペックはこちらの表の通りです。
HDR204G |
---|
21.09発売 |
1920×1080/27.5fps/HDR |
LED信号対応 |
録画視野角 水平136° |
microSDフォーマット不要 |
microSD付属32GB/最大128GB |
GPS内蔵 |
駐車監視モード |
常時録画+衝撃検知/自動起動 衝撃検知のみ/自動起動 タイムラプス/自動起動 |
専用ケーブル HDROP-014 |
「ドライブレコーダーの持込取り付け」が出来るお店 |
「HDR204G」はコムテックの1カメラドラレコの中では真ん中のスタンダードグレードに当たりますが、ベースは2019年モデルの「HDR203G」になり、変更となっているのは従来は32GBまでだったmicroSDカードのサポート範囲が128GBまでになり、付属のカードが32GBとなっています。
その他の点では先代の「HDR203G」と同等です。
「HDR203G」は駐車監視の利便性は高いが、動画の画質はイマイチという評価でしたので、そのままこの特性を継承しているようであればおすすめしません。
コムテックのシングルモデルには「HDR-352」「HDR752」という高画質の系統があったのですが、こちらは何故か廃盤になっていて「HDR203G」の系統が生き残るという残念な事になっています。
「HDR204G」が「HDR752」よりも優れているのはmicroSDカードのフォーマット不要機能に対応している点、microSDカードが128GBまでサポートされている点になりますが、この辺りの機能を求めるならいっそ死角のない2カメラの「ZDR035」にしちゃった方が良いのではないか?という感じのモデルです。
セット内容とデザイン
今回はGPS内蔵の「HDR204G」を購入し、実機テストを行いました。
セット内容は至ってシンプルで以下の通りとなります。
・3PINカプラーシガー電源ケーブル
・32GBのmicroSDカード
・取扱説明書
・ドラレコステッカー
・両面テープ・レンチ・取付部材
カメラ筐体
フロント筐体のデザインは、シングルカメラモデルとしては大き目の箱型タイプです。(見た目は先代の「HDR203G」と同じ)
液晶はドラレコとしてはやや大きめの2.7型、筐体の下側側面には5つの操作ボタン
右側面にはmicroSDカードスロット
左側面にはレーダー探知機との接続端子
上側面には左から3PIN電源端子、リアカメラ接続端子が装備されています。
電源ケーブル
電源ケーブルはシガープラグタイプとなりますが、駐車監視の運用には別途専用の3芯常時電源ケーブルが必要です。(シガープラグや2芯の直結ケーブルだと駐車監視モードが起動しません)
インターフェイスについて
電源ONから録画開始までの起動時間は17秒程度とドライブレコーダーとしては遅めです。
メニューツリーは一本化されており、ボタンの役割が液晶下にプリントされていますので使い勝手は悪くありません。
ただし、夜間にはこのプリントが見えませんので操作には慣れが必要です。
車内への取付けについて
今回は初期型のアクアに「DR204G」の取り付けを行いました。
ミラー裏に簡単に隠せますが、なるべくレンズが車の真ん中近くになるように設置したいところです。
一般的ドライブレコーダーの取り付け手順はこちらの記事で解説しています。
ドライブレコーダーとしての画質について
画質についてはパイオニアの「NP1」と映像を比較しました。
比較ポイントはこちらの通りです。
・逆光補正能力
・ナンバー認識精度
・夜間の明るさ
録画視野角について
フロントカメラの録画視野角は仕様表の表記と同等の水平136°程度でしたが、現行のドライブレコーダーとしては最も広い部類に入ります。
逆光補正能力について
「HDR204G」には、他のコムテックの製品と同様に強烈なHDR補正が掛かっており、白飛びには抜群の強さとなっています。
一方で光の外側が暗くなりますので、黒潰れはかなり出易いチューニングと言えます。
ナンバー読み取り精度について
「HDR204G」は録画視野角がかなり広めですが、ナンバー読み取り精度は「NP1」よりも高く、フルハイビジョンの標準クラスに近いものと見受けられます。
夜のヘッドライトが強く反射した状態のナンバープレートの読み取り精度は、コムテックの他の製品と同様に非常に高いと言う結果です。
夜間の明るさについて
夜間の映像については、対向車のヘッドライトがよく絞られている反面、あらゆるシチュエーションで、最近のドラレコとしては珍しい暗さでした。
フレームレートとLED信号の映り方について
「HDR204G」のフレームレートは27.5fpsとなっていますので、日本全国でLED信号が高速点滅して映るでしょう。
駐車監視について
「HDR204G」の駐車監視については内容が濃いので別途専用ベージを作り、こちらで解説しています。
動画ファイルの再生方法について
動画の再生については以下の3つの方法をテストしました。
・PC専用ビュワーでの再生
・PC汎用ビュワーでの再生
ドラレコ液晶での再生について
ドラレコ本体での動画の再生は、液晶サイズが2.7型で比較的大き目でデザインも箱型のスタンダードな為、ドラレコとしては見易い部類に入ります。
PC専用ビュワーでの再生について
PCの専用ビュワーは以下のページからダウンロード可能です。
機能的には以下のようにドラレコのビュワーとしては充実しています。
・地図への走行軌跡の表示~〇
・速度の表示~〇
・方位計の表示~×
・Gセンサーグラフの表示~〇
・再生速度調整~〇
・明るさの調整~×
PC汎用ビュワーでの再生について
PC汎用ビュワーでの再生については、Windows 10のメディアプレイヤー、OSにデフォルトで搭載されている「フォト」「映画&テレビ」での再生も可能でした。
microSDでの録画時間について
「HDR204G」の録画データサイズは以下の通りです。
microSDカードの容量は128GBまでサポートされていますが、以下のサポート外の大容量のカードは使用が可能でした。
ただし、容量が大きくなるほどフォーマットに相当な時間が掛かります。(512GBだと16分程度)
地デジへのノイズの影響について
「HDR204G」の単体使用では、アルファード+サイバーナビの組み合わせで影響は確認出来ませんでした。
ラジオへのノイズの影響も確認出来ませんでしたが、車種やカーナビの種類、アンテナの位置で状況は変わる事がありますので結果は参考程度に捉えて下さい。
「HDR204G」の総評
最後に「HDR204G」の総評です。
画質の面では事前の予測通り、先代の「HDR203G」と全く同様と見受けられ、「HDR203G」自体が2019年の段階でも画質の評価は低い製品でたので、他社製品がかなり進化している2022年現在では「HDR204G」をおすすめする理由がありません。
画質や機能が重視されない、ディーラー向けの「DC-DR413」のベースモデルとして、残しているような雰囲気ですので、何か特別な事情がない限りはこの製品は買わない方が良いでしょう。
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