※2023年12月30日更新:最新の情勢に合わせて内容を見直しました。
こんにちは!ドライブレコーダー専門家でLaBoon!!編集長の鈴木朝臣です。
最近は駐車場での当て逃げ事件に関するニュースも増えてきましたが、車の前方をぶつけられるようなケースでは、従来型の2カメラドラレコでも衝突の瞬間を撮影する事ができるものの、ドアパンチに関しては全く映らない事から、360°タイプのドラレコで駐車監視を行う方も増えています。
ただし、360°ドラレコは広範囲の映像を限られた画素数で録画しなければならない為、ナンバーの認識精度が致命的に低い製品がほとんどです。
折角ドアパンチの様子が映っていても、肝心の加害車両のナンバーが判別出来なければ警察は捜査をしてくれない可能性が高くなりますので、360°ドラレコで駐車監視を行う場合には出来るだけ高解像度でナンバーの認識精度が高い製品を選びたいところです。
そこでこの記事では2023年向けにナンバーの認識精度が高い、駐車監視におすすめの360°ドライブレコーダーをいくつかご紹介します。
VANTRUE「N5」
中国の大手ドラレコ専門メーカーVANTRUEの「N5」は、4カメラ録画による従来モデルの死角をカバーした、全方位録画の2023年向け最新モデルで、現行のドラレコとしては最も高性能な製品です。
本製品はフロント筐体の前後とリア用の筐体に、500万画素・200万画素・200万画素・200万画素のカメラを搭載し、2.5K/フルHD/フルHD/フルHDの高解像度録画を行います。
フロントカメラは2.5Kの高解像度録画を行いますので、ナンバー認識精度が非常に高い上、動画の明るさを自在に調整できるPCのVANTRUEビュワーを使って再生する事で、従来のドラレコの明るさの限界値を余裕で振り切る明るさを実現しています。
駐車監視の録画方式は次の4つから選択する事が可能です。
なお、ドアパンチ対策が目的であれば、動体検知では小さい動きに反応しなかったり、反応が遅れてしまう事がありますので、5fpsのタイムラプスモードでの運用をおすすめします。
また、駐車監視の際の消費電力がドラレコとしてはかなり大きい7.5W程度になりますので、他の製品を使うよりもバッテリーへの負荷が大きくなります。
従って長時間の駐車監視は、外部バッテリーと合わせて運用しなければ、バッテリーの寿命を極端に縮める恐れがあります。
カーメイト ダクション360D「DC4000R」
カーメイトのダクション360D「DC4000R」は、駐車監視と走行中の録画録画能力のバランスが最も優れた製品です。
この製品は過去の同社の360°ドラレコのダクションシリーズから、アクションカメラの要素を排除してドラレコの実用性に全振りした特性となっている為、もはや「ダクション」=「ドライブ+アクション」を名乗るには相応しくない製品だと思いますが、ドラレコとしての機能は優秀で、全体のバランスに優れた弱点のない仕上がりとなっています。
基本仕様は400万画素の360°カメラ+200万画素のフロントカメラ+200万画素のリアカメラという構成となっており、360°カメラと合わせるフロントカメラという前提のもとに、視野角を狭めてナンバーの認識精度を向上させようという工夫が見られます。
駐車監視の録画方式は以下の2通りの組みわせとなります。
3カメラでの録画仕様は、現行ドラレコとしてはほぼ最強と言えます。
ただし、タイマー設定時間に制約があり、この3カメラでの録画は最大で12時間までしか継続出来ません。
また、駐車監視モードを使わずに走行中の常時録画モードを継続させた場合には、サポートされている最大容量のmicroSDカード、128GBでも354分(6時間弱)のデータしか保存する事が出来ません。
従って12時間を超えるような長時間の駐車監視には向いていないと言えます。
VANTRUE「N4 Pro」
VANTRUEの「N4 Pro」は、時代を先読みしてヒット商品となった「N4」の進化上位版モデルです。
本機はフロントカメラに4KのSONYのSTARVIS 2センサーを搭載しており、フロントカメラのナンバー認識精度、ダイナミックレンジの広さ、明るさと言う面では、他の製品に対して大きなアドバンテージを持っています。
従って3カメラ現行の3カメラモデルの中では最もおすすめ出来る製品の一つと言えますが、4カメラの「N5」の方がサイド方向の視野角の広さで勝っていますので、特に条件を設けなければ「N5」、次点で「N4 Pro」のおすすめ順位となります。
駐車監視の録画方式は次の4つから選択する事が可能です。
なお、ドアパンチ対策が目的であれば、動体検知では小さい動きに反応しなかったり、反応が遅れてしまう事がありますので、5fpsのタイムラプスモードでの運用をおすすめします。
VANTRUE「Element 3」
VANTRUEの「Element 3」は「N4」の後継モデル的な特性を持ったWiFi対応モデルです。
本機はセンサーや録画仕様、駐車監視の仕様は「N4」とほぼ同等で、デザイン面やWiFi・リモコン・音声コマンドなどの操作性などの面で「N4」を改善したような特性のモデルです。
駐車監視の録画方式は次の4つから選択する事が可能です。
デザインのコンパクトさやWiFiアプリの利便性などの面では、確実に「Element 3」にアドバンテージがありますので、この部分にメリットを感じるなら「Element 3」を選びましょう。
VIOFO「A139」
VIOFOの「A139 3CH」もVANTRUEの「N4」と同様に魚眼レンズを使用しない、3カメラタイプのドライブレコーダーです。
こちらは「N4」とは異なり、3つのカメラが独立した3ピースセパレートタイプの3カメラモデルで、WiFi対応の液晶なしという構成となっています。
「N4」に比べると若干夜間の暗視が落ちる面もあるのですが、それでも他のドラレコと比べると群を抜いた明るさです。
駐車監視の録画方式は次の3つから選択する事が可能です。
ドアパンチ対策であれば10fpsのタイムラプスモードでの運用をおすすめします。
なお、本製品は駐車監視の際の消費電力が8.5Wとかなり大きく、「N4」の2倍近くとなっていますので、カーバッテリーへの負担が大きく、外部バッテリーを使う場合でもより大きな容量が求められるのが難点です。
VIOFO「A139 Pro」
「A139 Pro 3CH」は「A139 3CH」上位後継機、2023年時点でのVIOFOの最新・最上位モデルです。
本機は、2022年に登場したSONYの4Kの最新センサー、STARVIS 2対応の「IMX678」を搭載した、業界唯一の超ハイエンドモデルで、ナンバー認識精度、夜間の明るさの面で「A139」を上回っています。
駐車監視の仕組みは、「A139」と同様に
次の3つから選択する事が可能です。
ただし、動体検知モードは確実性に欠ける面もあるので、ドアパンチ対策であれば5~10fpsのタイムラプスモードでの運用をおすすめします。
コムテック「ZDR037」
従来の360°ドラレコはその撮影範囲の広さと貧弱な解像度の関係で、相手の車のナンバーを映す事が出来ませんでしたが、2021年に発売されたコムテックの「ZDR037」は、800万画素4K相当の高解像度での録画を行う事で、ナンバーの認識精度が大幅に向上しています。
車内側はピラーや座席で遮られない限り全方位が映りますので、横方向の認識能力も高いのが特徴です。
駐車監視の録画方式は次の3つから選択する事が可能です。
ドアパンチの瞬間を確実に捉えたいのであれば「常時録画+衝撃録画」での運用がおすすめです。
ただし、本機は夜間の撮影能力がそれほど高くはなく、暗い場所では真っ暗に近い状態になってしまいます。
また、夜間は高感度ノイズが増える為、ナンバーも読み取れません。
従って夜間のドアパンチ対策としては期待出来ませんので、昼間のドアパンチ対策限定と考えた方が良いでしょう。
まとめ
以上、駐車監視におすすめの360°ドラレコを7つご紹介しました。
走行中の状況証拠とのバランスをより重視する場合には「DC4000R」、より駐車監視を重視するなら「N5」「N4 Pro」を選びましょう。
コメント
ほぼ毎日のようにこのサイトを見続け、時に質問させて頂きながら、未だに悩み続けております。
比較的狭い駐車場に止めることが多いことや、自宅でもマンション下の青空駐車なので、ドアパンチ対策も考慮しつつ、煽りや事故対策と欲張っていることもあるのがいけないのでしょうかね。
また、大手カー用品店は取付配線は対応してくれるのですが、常時駐車用のバッテリー販売及び取り付けは対応してくれないようです。
前置きが長くなってしまいましたが、以前N4をお勧め頂いているのですが、中国製という所が気になるのと取扱店があまりないこともあり、ずるずる来てしまいました。このレポートを見ているとカーメイト、コムテック、ユピテルもきになっています。社内の撮影にはこだわったいないのですが、ここに書かれている中で順位をつけるとするとどう思われますでしょうか?
あと、バッテリーで常時監視まで面倒を見てくれるお店と言うと、以前からここで紹介されて言うような小さなお店になってしまうでしょうか_
長々と書いて申し訳ありません。
本当はこのサイトを参考に自分で配線できればいいのですが、不器用な上に機械音痴なもので・・・
大変恐縮ですが、アドバイスいただけると助かります。よろしくお願い致します。
津田様
駐車監視の録画時間の部分でダクション360DDは12時間まで(前後録画)と言う縛りがあるので、12時間までと言う前提なら私ならこの製品を選びますね。
次点ではユピテルのY-3000ですが、これは動体検知の設定を手動で切り替える必要があるので、これをどう捉えるかですね。(毎回だと地味にめんどくさいです)
上記2機種が出ている現在では、ZDR037は圏外になります。(夜間のナンバー認識が皆無なので)
外部バッテリーの取り付けは量販店はやらないところが多いですね。
量販店よりもこう言ったお店の方が腕は良いと思いますよ。
https://ikeep.co.jp/distinations/torituke-toriatukai/
Omiさん、アドバイスありがとうございます。
リンクの情報も大変助かります。
そろそろ意を決して導入しなければと思っています。
迷っている間に、駐車中の当て逃げされちゃいました・・・善は急げですね。
今後ともよろしくお願いいたします。
津田様
また何かありましたらご相談ください。
Omi様
PDR800を購入予定です。これと併用して使える死角が少ないドライブレコーダーとして360度ドライブレコーダーを探しています。Q31Rは夜間撮影能力が改善されているようですが、夜間蛍光灯のもと(街灯ではありません)で周囲の状況は撮せるのでしょうか。駐車監視目的です。またQ31Rはフロント筐体のみでも問題なく稼働するのでしょうか。PDR800使用を是低にすると他におすすめは有りますか?取り逃さないことが最優先にしたいと思ってます。バッテリーは準備します。宜しくお願いします。
とら様
ユピテルの360°モデルは、2020年のQ-20系以降は実機テストしてないんですよね。
Q-20Pの出来が悪かったのと、その後のモデルがQ-20系がベースになっているように見受けられたので。
https://car-accessory-news.com/q-20p/
・Q-20系:夜間が暗いベースモデル
・Q/ZQ-30系:Q-20系のリアカメラ追加版
・Q/ZQ-21系:Q-20系のフォーマット不要機能版
・Q/ZQ-31系:Q-30系のフォーマット不要機能版
>Q31Rは夜間撮影能力が改善されているよう
参考になりそうな動画ありましたか?もし期待出来そうならテストしても良いかな~とは考えてます。
最悪なのはQ-20系と同じ画質だったと言う結果ですね(笑)
フロント筐体のみでも駆動すると思いますが、勿体ない使い方ですよね。
それこそ、Q-20系と同じ画質だったら、Q-20で良かったじゃんと言う話になります。
他の方にも過去にご質問を頂いてますが、夜間特化型のシングル360°は見た事ないですね。
Omi様
教えて頂きありがとうございました。 Q-31Rの動画はユピテルサイト以外で見つかりませんでした。ユピテルサイトには夜間走行中の動画はありますが、どのていど参考にしてよいか良く分かりませんでした。ただ商品説明として従来より明るく映ると記載はありました。
また、質問なのですがQ-31R前後カメラ駆動時、B12Aでタイムラプスした場合、どれくらいの撮影時間になるかお分かりになりますでしょうか。
お分かりになりましたら、ご回答宜しくお願いします。
Omi様
ご回答ありがとうございます。
続けての質問でごめんなさい。
ZQ-35Rも夜間の駐車監視の認識能力では他のモデルと同じなのでしょうか。