2017年のドライブレコーダーハイエンドモデルのトレンドは、広角化と高解像度化でしたが、ようやくパパゴからも「2560×1440」の高解像度モデル「GoSafe 34G」が発売されています。
パパゴはもともと画質には定評があるメーカーで、展開モデルのバリエーションも豊富ですが「GoSafe 34G」はパパゴのドライブレコーダーの中では現時点で最上位のフラッグシップモデルの位置付けのようです。
「The Flagship」って書いてありますね。(笑)
「GoSafe 34G」のスペック
「GoSafe 34G」のスペックは以下の表の通りです。
GoSafe 34G |
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17.11発売 |
2560×1440//30fps 1920×1080/60fps |
LED信号対応 |
録画視野角水平108° |
microSD付属32GB/最大128GB |
GPS内蔵 |
駐車監視モード |
動体検知/手動起動 タイムラプス/手動起動 |
専用ケーブル A-JP-RVC-1 |
「ドライブレコーダーの持込取り付け」が出来るお店 |
注目すべきポイントとしては「2560×1440/30fps」の高解像度、「1920×1080/60fps」の滑らかな動画撮影、大きいデータの保存に向いている128GBのmicroSDカードに対応している点などが挙げられます。
水平視野角はレンズ108°という事なので録画視野角は不明です。
「GoSafe 34G」は「GoSafe 30G」の高解像度版の位置付けか?
デザインや画角、CMOSセンサーの画素数、その他ソフトウェアの仕様などを見ると「GoSafe 34G」は「GoSafe 30G」の高解像度モデルと見受けられます。
サイドメッシュやレンズ上のGPSユニットの配置までデザイン的には「GoSafe 30G」とソックリです。
もともと「GoSafe 30G」はフルハイビジョンの解像度に400万画素のCMOSセンサーを搭載していたのですが、解像度はフルハイビジョンでCMOSセンサーの画素数に余裕を持たせてありました。
CMOSセンサーは400万画素なので仕様上は「2560×1440/30fps」の解像度までカバーできるはずですね。
安全運転支援機能について
「GoSafe 34G」は主に以下の安全運転支援機能を搭載しています。
- 車線逸脱警告(時速30/60km以上の切り替え)
- 前方衝突警告(時速30/60km以上の切り替え)
- 速度制限標識警告(速度標識の読み取り案内とスピードオーバー警告)
- 出発遅延警告
この手の安全運転支援機能は他社も含めて警報のタイミングや精度にあまり期待するとガッカリしますが、速度制限標識警告に関しては多少の誤読はあるものの、制限速度を意識させてくれるという部分では充分に実用的だと思います。
現状、各社から販売されているドライブレコーダーの安全運転支援機能の警報タイミングについては以下のページで説明しています。
「GoSafe 34G」の実機レビュー
パパゴさんより「GoSafe 34G」のサンプルを頂いたので実機レビューを追記します。
デザインとセット内容
最近のパパゴの上位モデルはガンダムチックなクールなデザインが特徴的ですが、「GoSafe 34G」のデザインもこの系統を引き継いでいます。
セット内容は本体・シガーチャージャー・USBケーブル・両面テープマウント・32GBのmicroUSBカードとなっており、OPで吸盤マウント・常時電源ケーブルの設定があります。
本体はドライブレコーダーとしてはかなり大き目で、液晶も2.7型のラージサイズですのでミラー裏に隠すのには向いていませんが、ドライブレコーダーでの動画の確認がしやすいのが特徴です。
ひとつ気になった点は、本体が比較的重い割にマウントの柄が細い為、振動が増幅され易い点です。
エンジン振動の大きい車や、路面の凹凸を拾い易い扁平タイヤを履いている車、足回りの固い車の場合は結構動画が揺れます。
精細感と逆光補正や明るさ
画質に関しては同じく「2560×1440」の解像度のユピテル「DRY-ST7000c」と比較してみました。
録画視野角は水平120°の「DRY-ST7000c」と比べると1割程度狭いのでナンバーなどの認識精度は高そうだと考えていましたが、ちょっと微妙な感じですかね?
先ほどマウントの構造について振動が増幅され易いと述べましたが、その影響もあるのかも知れません。(マウントの各部位が緩んでいる状態ではない事を確認)
逆光補正に関してはHDR処理をしていない為、あまり強くはありませんが屋根付き駐車場内では「DRY-ST7000c」よりも全体が明るく見やすい感じではあります。
夕方~夜間にかけても「DRY-ST7000c」との比較では「GoSafe 34G」の方が全般的に明るい印象です。
駐車監視の仕様について
「GoSafe 34G」の駐車監視の仕様は、他のパパゴのドライブレコーダーと同様に専用の常時電源ケーブルを使用し、手動で動体検知、もしくはタイムラプスの設定をオン、復帰時にオフにします。(衝撃検知ファイルロックなし)
もともとエンジンのオンオフで自動で駐車監視の出入りを行う機能はないので、モバイルバッテリーなどの外部電源での運用と相性が良さそうです。
タイムラプスを使用すればmicroSDカードの容量を気にせず、1fpsの動画を延々と録画し続ける事も可能ですね。
制限速度警告は実用的
安全運転支援機能に関しては前方衝突・車線逸脱・発進遅延・制限速度警告の4つが主ですが、丸一日ドライブしてテストしてみた結果以下のような感想を持ちました。
・前方衝突~どのタイミングで鳴っているのか相当意識して警報や画面に注意を払っていないと分からない
・車線逸脱~車幅を考慮しない設定の為、軽自動車のコペンでテストした結果では平常時でも結構鳴る
・発進遅延~アルゴリズムが不明だが、発進していても前車との距離が開いていくと鳴る事もあるがそこまでうるさく感じない
最近は安全運転支援機能をセールスポイントに打ち出しているメーカーも増えていますが、この3つの機能に関してはどこも似たような感じで(パナソニックの「CA-XDR72GD」のみ好感触)AIを使用した自動運転の研究成果などからフィードバックを受けなければ精度の向上は難しいかと思います。
一方でパパゴの安全運転支援機能の中で、最も実用的なのが速度制限警報です。
これは走行中に速度制限標識を読み取り、制限速度を告知するものですが、その際にGPSで計測された速度が制限速度を上回っていると「制限速度の告知」に「スピードオーバー」の警報を追加する機能です。
※スピード違反の動画とかは載せないですよ?
うっかりスピード違反を防止するには大変実用的な機能ですが、標識が多い場所や制限速度+αで流れている道路の場合、頻繁に警報が鳴る為、少々うるさく感じるシーンもありました。
1キロでもオーバーすると怒られるイメージです。(笑)
この部分はファームウェアの改善で、より便利な警報にする事は可能ではないかと感じますね。
「GoSafe 34G」のまとめ
「GoSafe 34G」は「GoSafe 30G」の機能を含んだ上位モデルとなっていますが、「DRY-ST7000c」と比較すると録画視野角と実際の精細感が物足りないと感じる部分はあります。
スペック的には水平視野角120°のユピテル「DRY-ST7000c」ではなく、ケンウッドの2017年モデル「DRV-630」辺りが競合モデルになってくるのかな…と思います。
■ ケンウッド 「2560×1440」の超高解像度ドライブレコーダー「DRV-630」「DRV-W630」発表
使用可能なmicroSDカードの容量が「DRV-630」が32Gまで、「GoSafe 34G」は128GBまでで最高解像度でも14時間程度の録画が可能ですので、駐車監視なども含めて長時間の録画をするなら「GoSafe 34G」の方が良いかも知れませんね。
(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣)
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