コムテック「ZDR-014」の評価、レビュー

※2017年11月27日、駐車監視の仕様について説明書の表現が分かりにくい為、説明を追記しました。

コムテックの「ZDR-012」は2016年6月に発売されている、フルハイビジョンでGPSを搭載しないスタンダードなドライブレコーダーですが、Amazonで1万円を切る価格で販売されており、この1~2ヶ月間で人気が急上昇しています。

現在オートバックスの通販サイトでは2万円を超える価格で販売されており、私の記憶が正しければAmazonでもデビューからしばらくは1万円台後半で販売されていたように思います。

デビュー当初は価格が高かったので特に取り上げるつもりはなかったのですが、良く調べてみると「ZDR-012」は駐車監視用の常時電圧監視ユニットが優秀なようです。

更に2月以降に「ZDR-014」の上位モデルに当たる「ZDR-014」が発売されるようですので、合わせてこの2モデルについて詳しく紹介&主観で評価します。

「ZDR-012」の単体レビューについては別途作成しています。

■ コムテック エントリークラスドライブレコーダー「ZDR-012」のレビュー、評価

「ZDR-014」のスペック

「ZDR-014」のスペック概要は以下の通りとなります。

ZDR-012ZDR-014
16.06発売17.02発売
1920×1080/29fps
LED信号対応
水平109°(レンズ)水平120°(レンズ)
HDR/WDR
microSD付属8GB
最大32GB
GPSなしGPSあり
駐車監視モード
常時録画+衝撃センサー
自動
専用ケーブル
HDROP-05
バッテリーあがり
防止機能あり
専用ケーブル
HDROP-09
バッテリーあがり
防止機能あり
ドライブレコーダーの持込取り付け」が出来るお店

この表を見ても特に際立つ部分は「ZDR-12」の価格の安さしかありません。

ただし、「ZDR-012」の駐車監視用の常時電源ケーブルは6千円近い為、合わせると1万6千円近くなってしまい、同じく1万円を切るオウルテックの「OWL-DR04」、パパゴの「GoSafe 130」に比べるとコストパフォーマンスでは劣ると感じていました。

その為、肝心な部分を見落としていたのですが、実は「ZDR-012」の常時電源ケーブル「HDROP-05」が機能面でかなり優秀なのです。

「ZDR-012」自体は駐車監視モードというものを搭載していないのですが、「HDROP-05」と合わせて使用する事で駐車中も常時録画を行い、衝撃があれば衝撃ファイルとして記録します。

ここまではユピテルなどのモーションセンサーを搭載しないドライブレコーダーと同様なのですが、この「HDROP-05」には降車時の2分間のキャンセルタイマーが存在し、ドアの開け閉めの際の衝撃を感知させないようにする事が出来ます。(乗車時には感知する模様)

なるほど、こう言った事でここまで人気が急上昇してる訳だ!と今更ながら気が付いたのですが、既に「ZDR-012の上位モデルである「ZDR-014」の発売が迫っているようです。(おそらく2月中)

「ZDR-014」は「ZDR-12」の上位モデルというべきか、後継モデルというべきか迷いますが、仕様としては11月に発売された「ZDR-013」に液晶を搭載してレーダー探知機との連動をカットしたもののようです。

「ZDR-012」「ZDR-014」の違い

「ZDR-012」と「ZDR-014」との違いは、スペック表で分かる部分では視野角の広さ、GPSの有無と駐車監視用の専用ケーブルの違いだけですが、「ZDR-012」には駐車監視モードが無く電圧監視ユニットで駐車中も常時録画を行っているのに対して、「ZDR-014」には本体に駐車監視モードがあります。

では、この「ZDR-014」の駐車監視モードの有無で何が変わってくるかを説明します。

・・・と思ったのですが、どうやらまだ説明書がコムテックの公式サイトにアップロードされていませんでした。

ただし、常時電源ケーブルが「ZDR-013」と同じものである点からして、本体側からこのような設定が可能になるものと考えられます。

  • 駐車監視中に衝撃録画のみ行う
  • 駐車監視中に常時録画・衝撃録画を行う
  • 駐車監視中に1fpsのタイムラプス録画を行う
  • 駐車監視のタイマー設定を30分・1時間・3時間・6時間・9時間・12時間・常時ONから設定する
  • 乗降車時の衝撃録画キャンセル時間を「1分」「3分」から設定する

実質的には古い方のモデルである「ZDR-012」で使用する電圧監視&常時電源ケーブル「HDROP-05」と同じような機能ではありますが、保存されるフォルダが微妙に異なっていたり、何よりも「HDROP-05」のようなディップスイッチで設定を行うのが実は私は大嫌いです。

それは何故か?

説明書を見ながら理解するのに時間が掛かりますし、説明書を無くさずに車内に保管しなければなりませんし、必要な時に説明書を探さなくて済むように保管場所を覚えておかなければなりません。

保管場所を忘れてしまったら、ネットで説明書を探さなくてはなりません。

正直な話ですが、年齢を重ねるごとに些末なことはすぐに忘れてしまう傾向が強くなり、こう言った事を頭の片隅置いてくスペースがありません。(若い人は違うのかも知れないですが…)

「ZDR-014」では、駐車監視の細かい設定がドライブレコーダー本体からの制御となっており、脳味噌が劣化しつつある私でもストレスなく設定の変更が可能になる筈です。

この辺りはアサヒリサーチのドライブマンシリーズに古くから実装されていますので、私が駐車監視を重視する人にドライブマンをおすすめしている理由の一つでもあります。

ケンウッドもそうですが、タイマー設定機能を使用するには一般的なドライブレコーダーはディップスイッチの設定が必要になる為、本体側からの設定が可能である点はかなりポイントが高いと思います。

誰だって面倒臭い事は嫌いな筈ですから。

こう言った部分と乗降時のキャンセル設定がある点が超おすすめポイントになり得ると思います。

■ 分かりにくいコムテックドライブレコーダーの駐車監視の仕様について解説!!

「ZDR-014」を使用してみての評価

今年の春はスタンダードクラスのドライブレコーダーが充実してきていますが、この「ZDR-014」も選択肢の中から外せないと思ったので実際に使用してみました。

評価についてはいつもの通り、次の7項目で行います。

  • デザイン
  • 視野角の広さ
  • 精細感
  • 逆光補正
  • 明るさ
  • インターフェイスの使いやすさ
  • 駐車監視の仕様

デザインは良くも悪くもスタンダード

デザインについては特に良くも悪くもなくスタンダードです。

個人的に嫌なのがマウントの使用で、コムテックのドライブレコーダーのマウントは横長で接着面が広く、しっかり固定出来るのは良いところですが角度の調整は付属のレンチでネジを緩める必要があります。

また、調整出来る角度いくつかある固定ポイントから選ぶ形で、微調整が出来ないのが残念です。

しかも前後にしか動きませんので、少し横を向けたりは出来ません。

一般の使用では問題ないですが、動画を比較する際にはなるべく他のドライブレコーダーと角度を合わせる為の微調整は出来ません。

また、付属の両面テープも超強力でいつも剥がす時に薬剤やコンパウンドを使用する羽目になるので別途両面テープを手配して設置しています。(比較の為に機種をしょっちゅう入れ替える為)

レンチでネジを緩めればマウントから本体を外すことが出来ますので、普通の用途であれば問題ないですが、果たしてここまで強力な固定が必要なのか?という疑問は残ります。

もう少し小振りで自由自在に動くマウントだと嬉しいですね。(個人的な事情からですが)

最近はスタンダードクラスが小型化していますが、大きさ面では他社よりもやや上下に広く、その分厚みなない感じです。

視野角はこのクラスではかなり広い

「ZDR-014」の視野角は水平120°(レンズ)と表記されていますが、このクラスの他社モデルと比較した感じではかなり広いのではないかという印象です。

 

ケンウッドのDRV-320が水平100°ですが、それと比べてもかなり広い印象を受けました。

精細感はあまり高くないのでナンバー認識はやや苦手か

「ZDR-014」は視野角がかなり広めなので、撮影されるものは他のドライブレコーダーよりも小さく映ってしまいます。

解像度とCMOSセンサーの大きさや容量次第で視野角が広くても精細感が高いドライブレコーダーもありますが、「ZDR-014」の場合、CMOSセンサー自体は標準レベルっぽいのでそれなりにぼやけます。

 

特にHDRモードに設定していると、動くものが2重にずれて撮影されますので、ナンバーなどの認識はあまり得意ではありません。(駐車監視などの場合は、相手の車の速度が遅いので問題はなさそう)

WDRモードであれば「DRV-320」以上ではあると思います。

ただし、HDR、WDRのいずれのモードであっても、他のドライブレコーダーと比べると全体的に微妙にぼやけというか、濁りやにじみ感があるのが気になります。

クリアな感じがない…という表現が適当でしょうか。(特に夜間は気になるかも)

HDRの逆光補正は強めだが、おすすめはWDR

「ZDR-014」にはコムテックの他のドライブレコーダーと同様に、「HDR」「WDR」「補正なし」のモードから選択が可能です。

「HDR」による補正は、標準レベルよりも強めなのですが、全体がやや暗めに映るという特徴がるので私はあまり好きではないですね。

 

「WDR」にすると他のドライブレコーダーより、やや補正は弱いですが問題はないレベルですので「ZDR-014」はWDRでの使用をベースで考えると良いと思います。

 

WDRモードでの明るさはトップレベル

HDRモードだと昼夜を問わず、やや暗めの動画になりますが、WDRモードだと夜間はこのクラスのドライブレコーダーの中ではトップクラスの明るさです。

 

インターフェイスの使いやすさ

インターフェイスに関しては本体下の4つのボタンで主な操作を行います。

初期メニューの4つのツリーの下に、各設定項目が表示される仕様なので分かり易いと思います。

ひとつ気になるポイントは、メニューボタンを長押ししないとメニューが起動しない点です。(誤操作防止対策?)

個人的には通常の短押しで起動した方が便利だと感じます。

「ZDR-014」の一番のおすすめポイントは駐車監視の仕様

これは「ZDR-012」との最大の違いなのですが、「ZDR-014」は専用の常時電源ケーブル「HDROP-09」と合わせて使用する事で電圧やタイマーの設定を本体側から行うことが出来ます。(「ZDR-012」の場合は常時電源ケーブルが別物で、「HDROP-09」のディップスイッチで電圧・タイマー設定を行います)

また、設定可能な時間も30分、1時間、3時間、9時間、12時間、常時オンと短い方が細かく刻まれており、普段の車の使用方法に合わせて短めの時間に設定しておくことで、自宅駐車場などの駐車監視が必要ない場所での駐車監視のオフの操作が不要になります。(1分たりとも無駄にバッテリーを消費したくない人は別です)

また、駐車監視は3つの設定があり①常時録画のみ、②タイプラプス、③常時録画+衝撃録画の中から選択します。

おすすめは③の常時録画+衝撃録画で、車に戻ってエンジンを掛けた際に「衝撃録画」のアナウンスしてくれますので、車の異常を見逃す危険性が減ります。

さらに降車・乗車時の「衝撃録画」のキャンセルタイマーを1分・3分から設定できますので、無駄な録画の確認作業も軽減してくれるところが最もありがたい部分だと思います。

 

なお、このキャンセルタイマーについては説明書に以下の記載が見られます。

この文面からだと「ACCオンの後の1~3分は乗車時の振動による衝撃とみなす」と受け取れますが、実際は「ACCオンのの1~3分は乗車時の振動による衝撃とみなす」が適切な表現だと思います。

ACCオフ後の1~3分、ACCオン前のキャンセルタイマー1~3分については衝撃録画は行われているものの、この分の告知は行われていません。

 

ちなみに、「ZDR-014」の駐車監視には、夜間用のナイトビジョンという機能のオン・オフ設定がありますが、劇的に明るくなる訳ではありませんので、オマケ程度と考えた方が良いでしょう。

【ナイトビジョンオフ】

【ナイトビジョンオン】

microSDカードは200GBまでちゃっかり使えてしまった…

コムテックのドライブレコーダーは仕様表を超える容量のmicroSDに関しては不寛容な印象が強かったのですが、2017年モデルの「HDR-352GH」と同様に「ZDR-014」もちゃっかり200GBまでのmicroSDカードが使えてしまいました。

※1時間以上の正常な録画・再生を確認

コムテックZDR-014 標準32GBまで
64GBTeam 64GBTOSHIBA 64GBTranscend 64GBSanDisk 64GB
使用フォーマッター未確認ドラレコ○未確認未確認
128GBTeam 128GB
TOSHIBA 128GBTranscend 128GBSanDisk 128GB
使用フォーマッタードラレコ○ドラレコ○ドラレコ○ドラレコ○
200GB---SanDisk 200GB
使用フォーマッター---ドラレコ○

■ ドライブレコーダーにおすすめのmicroSDカードは?

「ZDR-014」の総評

「ZDR-014」の総評としては、駐車監視と昼夜を問わない広範囲での状況証拠の録画に特化しているドライブレコーダーと言えます。

その反面、他のドライブレコーダーと比べると画面全体がにじみというかぼやけというか、クリアじゃない感じがしますので、ドライブ動画の撮影などの趣味目的であるとか、走行中の当て逃げには向いていないという印象を受けました。

また、明暗差が激しく変わるようなシチュエーションではかなりブロックノイズが出ますので、「美しい動画」という観点ではまったく向いていないと言えます。

ただ、ドライブレコーダー本来の目的は状況証拠の確保なので、そう言った目的を前提に考えると評価は非常に高めです。

コメント

  1. はっち より:

    商品の選定に際して非常に参考になる記事内容でした。
    ところでZDR-014の駐車監視モードの乗車時キャンセル設定に関して、教えていただきたいことがございます。
    この機能はキーON後の「同乗者乗車時」あるいは「荷物積み下ろし時」の衝撃を想定した機能なのでしょうか?

    マニュアルによりますと、アナウンスの除外対象は「車両キーACCまたはON後、設定時間内に検出した衝撃録画」となっています。
    しかし、もしこの機能がドライバー乗車時の衝撃を想定したものであれば、キーON後の「1分/3分」ではなく、キーON前の「1分/3分」でないと意味がないように思います。

    ここで、下記のような疑問がわきます。
    もし前者の仕様であれば、ドライバー乗車時の衝撃については駐車監視時の衝撃録画としてカウントされ、毎回アナウンスがされるのではないか?
    そればかりか、この機能はコムテック製品の長所である高速起動とトレードオフなのではないか(もちろん常時録画ファイルとして記録自体は残ると思いますが)?

    実際には「駐車監視モード→ドライバー乗車」時の衝撃はどのように処理されるのでしょうか?

    • ドライブレコーダー専門家 LaBoon!!編集長 鈴木朝臣 管理人Omi より:

      はっち様、ご質問ありがとうございます。

      http://www.e-comtec.co.jp/manual/drive_recorder/zdr014.pdf

      説明書のP54に「車両キースイッチをACCまたはON後、【駐車監視乗車キャンセル】設定時間内に検出した衝撃録画は、乗車時の振動による衝撃とみなし上記アナウンスを行いません」とありますが、こちらのテスト環境では、キーONの「1分/3分」の衝撃録画に対するアナウンスを行わない状況です。

      復帰時の告知なし状態であれば、起動後に即時衝撃検知録画はされていますね。告知がある場合には確認キーを押さないと録画モードに移行しません。

      説明書の「車両キースイッチをACCまたはON後、【駐車監視乗車キャンセル】設定時間内に検出した衝撃録画は、乗車時の振動による衝撃とみなし上記アナウンスを行いません」の下りですが、分かり易い表現に置き換えるならば

      「【駐車監視乗車キャンセル】設定時間内に検出した衝撃録画は、乗車時の振動による衝撃とみなし、車両キースイッチをACCまたはON後、上記アナウンスを行いません」となりますね。

      ACCオフから1~3分、ACCオンの手前1~3分は駐車監視衝撃録画は行われますが、告知をしないという解釈でよいかと思います。

      • はっち より:

        お忙しい中検証していただきありがとうございます。
        マニュアルでは分からなかった長所を一つ発見できたように思います。
        家族供用車は利便性/実用性を最優先に機種選択する必要があるので、よく練られた仕様の当機種は第一候補だったのですが、乗車時のキャンセルタイマーの謎仕様が気になっておりました。

        >復帰時の告知なし状態であれば、起動後に即時衝撃検知録画はされていますね。
        >告知がある場合には確認キーを押さないと録画モードに移行しません。
        この部分の記述は「これらのことからキーON前であると判断した」という主旨の内容であると理解したのですが、合っていますでしょうか?

        衝撃録画自体は通常通り記録されるとのことですので、おそらくこれはアナウンス機能が「オオカミ少年化」してしまうことを避けるためのものなのでしょうね。
        これで画質がもう少し鮮明で、ステーがユピテルのようにコンパクトかつフレキシブルであれば、私の求める仕様としてはほぼ完璧でした。

        • ドライブレコーダー専門家 LaBoon!!編集長 鈴木朝臣 管理人Omi より:

          はっち様
          >この部分の記述は「これらのことからキーON前であると判断した」という主旨の内容であると理解したのですが、合っていますでしょうか?
          キャンセルタイマー外の時間の衝撃録画があった場合には、キー音をすると告知があります。その告知を消さないと先に進めないという事ですね。

          >これで画質がもう少し鮮明で、ステーがユピテルのようにコンパクトかつフレキシブルであれば、私の求める仕様としてはほぼ完璧でした。
          ここは同感です。ただ、それがコムテックの現時点での方向性なんでしょうね(笑)
          100%は無理だから、彼らが重要と思う機能を充実させ、他を切り捨てるという…。

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