こんにちは!ドライブレコーダー専門家の鈴木朝臣です。
7月末にセルスターから500万画素のSONY夜間特化型STARVIS対応のイメージセンサーを搭載した、高解像度ドライブレコーダー「CS-81WQH」が発売されています。
高解像度のSTARVISモデルはコムテックから前後2カメラの「ZDR026」が既に発売されていますが、こちらはSTARVISらしくない見え方ですので、STARVISらしい高解像度モデルはおそらく国内では初となるでしょう。
「CS-81WQH」のスペック
「CS-81WQH」のスペックは以下の表の通りです。
CS-81WQH |
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19.08発売 |
2560X1440P/30fps/HDR |
録画視野角 水平106° |
LED信号対応 |
microSD付属32GB/最大64GB |
GPSはマウントOP |
駐車監視モード/自動起動 |
常時録画のみ 常時録画+衝撃検知 動体検知のみ 動体検知+衝撃検知 |
専用ケーブル GDO-10 |
「ドライブレコーダーの持込取り付け」が出来るお店 |
ありそうでなかった高解像度STARVIS
「CS-81WQH」の最大のセールスポイントは間違いなくSTARVIS×高解像度です。
ドラレコ業界全体の流れとしては、高解像度の流れは2017年に発売された「2560×1440」モデルである、ユピテル「DRY-ST7000c」から始まっています。
ところが2019年時点では「2560×1440」の解像度のモデルは、他社からも様々なモデルが発売されていますが、あんまり売れているような話は聞きません。
どちらかというと、2カメラモデルやフルハイビジョンのSTARVISモデルに人気が集まっている形です。
また、2019年時点では既に4Kモデルも出て来ていますので、「2560×1440」の解像度である事は珍しくもなんともありません。
ただし、高精細×夜間特化の要望は以前から多く、STARVIS対応になる場合は話は別で、いきなり希少種になります。
問題はセルスターのソフトウェアが高解像度を活かせるかどうか
私は過去にセルスターのフルハイビジョンクラスのドライブレコーダーを3機種ほどテストしていますが、どれも全く同じ弱点を抱えています。
それは映像にモザイクのようなブロックノイズが入り、ナンバー読み取り能力が他社の同クラスの製品に劣る点です。
【CSD-790FHG】
高解像度化に当たっての最大の懸案はやはりコレですね。折角の高解像度化もノイズやにじみで映像がぼやけてしまっては意味がないですから。
STARVISは夜間のナンバー認識が苦手
夜間特化型のSTARVISセンサーを搭載したドラレコは、受光能力が高く僅かな光でも明るく映せるのが魅力です。
ただし、これは諸刃の剣で先行車のナンバープレートに当たったヘッドライトの光までもが増幅され、文字の読み取りが難しくなります。
【非STARVIS コムテックZDR-015】
【STARVIS セルスターCSD-790FHG】
コムテックの「ZDR026」も高解像度STARVISですが、こちらは夜間の明るさを捨てて絞りを強くしつつ、強烈なHDR補正を入れているモデルなので、夜のナンバー認識能力も高いですが、この明るさならSTARVISじゃなくても良いんじゃね?というレベルです。
一方でセルスターのSTARVISモデルは明るさ全開の調整が入っている事が多いので、夜間のナンバー認識能力には期待出来ないでしょう。
駐車監視モードはHD画質
セルスターのドライブレコーダーは駐車監視モードを搭載しているものの、画質が自動的に大幅に劣化する仕様です。
過去の200万画素モデルであれば、駐車監視モードでは30万画素、本機の場合には100万画素に強制的に解像度が落とされます。
従って折角の高解像度も、駐車監視には全く活かせないという事になりますね。
そもそも高解像度モデルは駐車監視向けのモデルの筈ですので、これは一体何を狙っているんだと…疑問に思います。
その他の付加機能は小粒だがピリリと辛い!
セルスターのドライブレコーダーは、肝心のドラレコ機能は微妙だが、付加機能はターゲットが絞れている為、なかなか良く出来たものが多い、というのがざっくりとした私の評価です。
「CS-81WQH」の付加機能をざっと見て行くと…
①タッチバネル液晶なので操作が簡単
②microSDカードのフォーマット不要で管理も楽々
③嬉しいオービスポイントや事故ポイントのアナウンス
などとなっています。
特にタッチパネル操作とmicroSDカードのフォーマット不要機能は、年配ユーザーにとっては嬉しい機能だと思います。
まとめ
以上、「CS-81WQH」の特徴についてご紹介しました。
STARVIS×高解像度の組み合わせ自体が、明るさ・ナンバー認識の面でなかなか難しい調整を要求され、下手をすると両方の良さを打ち消し合ってしまう事にもなりかねません。
高解像度が最も生きる筈の駐車監視モードでは、100万画素の画質に強制的に変更されてしまいますから、駐車監視向けとも言えません。
細かく見れば見るほど通販向けのモデルではない事が分かりますので、結論としてはディーラーの販売力に頼るモデルという事になりそうですね。(理屈ではなく感覚で買うもの)
(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣)
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